あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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【microTRIP】冬だけ営業の「新幹線」【前編】(2022年4月7日)

去年の10月に九州新幹線の未乗区間博多南線に乗って「新幹線の全部を乗ってやったぜ」と悦に入っていたあさかぜですが、1つ抜け落ちていたのを思い出しました

通称「ガーラ湯沢支線」

扱いは上越線の支線ですが走っている車両は上越新幹線の車両ですし、この区間を乗るなら100円の特急料金が必要なのも博多南線と同じ。ここをクリアしておかねば「新幹線全線完乗」とは言い張れないやもしれません。

ちょうどJREポイントも有り余っていることですし、非番でちょっくら出かけることにしましょう。

 

ポイントを奮発してグリーン車を選びました。なお、あさかぜは「人生初のE7系グリーン車だ!」と喜び勇んでいたのですが、のりばに待っていたのはE2系あれ…?
グリーン車は12両編成のE7系だと11号車、10両編成のE2系なら9号車というのをホームに上がるまですっかり忘れていたという。

まぁいっか。
E2系も引退がそう遠くないようですし、ゆったりできる今のうちに乗っておくに越したことはありません。
乗車時間が1時間半足らずと短いからか、グリーン車の乗客はあさかぜ以外には1人だけ。まさにグリーン車らしい「静寂」です。

 

 

グリーン車が静かなのにはもう1つ理由があって、隣の8号車がテレワークなどに使える「新幹線オフィス車両」になっているからです。この号車は一部の列車を除いて座席が指定できず、通話などを伴うテレワーク用にわざわざ設けられた自由席車両。
朝10時という中途半端な時間にこの車両で仕事をする人は誰一人としておらず、他の車両とのエアクッション状態になっていました。そのおかげでグリーン車は疎外感を覚えるほどの静けさになっているというわけです。

 

www.jreast.co.jp

 

 

静かすぎてむしろお酒を開ける音が申し訳なくなってきますが、まぁ飲んで騒ぐわけではないですし、もう1人の乗客とも席が離れているので大丈夫でしょう。

朝からグリーン車で飲むお酒、最高です。

 

熊谷で「はくたか」の通過待ちのために数分停車するので、ホームへと出てみます。

N700系以降、新幹線の車両は窓の大きさがかなり小さくなりました。車体の剛性を維持するために仕方がないのですが、通路側から窓の外を眺めることはずいぶん難しくなった感じはします。
一方、ベテランE2系の普通車はこの通り座席2列分を使った大きな大きな窓。窓というのはこうでなくては、という主張が聞こえてくるかのようです。

あと15年もすれば「新幹線には今よりも倍大きな窓をした車両があって、あの頃は良かったよ」なんていう昔話をし始める人が現れてくるのでしょうね。

 

これといって車窓に語るものはないので、一気にワープして越後湯沢です。いよいよここから最後の新幹線未乗区間(2022年3月現在)となる越後湯沢~ガーラ湯沢間1.8kmの旅が始まります。

ガーラ湯沢支線は1990年に開業した区間で、同時期にできたGALA湯沢スキー場」へのアクセスのために用意された路線です。元からスキー場となる山のすぐ下に新幹線の保線基地があり、そこまでの線路を有効活用しようという社員のアイディアだったとか。
時代はバブル景気まっただ中でしたから、こんな大きなスケールの「有効活用」というアイディアが通ったのかな…?

 

gala.co.jp

 

 

越後湯沢駅を出ると上越新幹線に沿ってゆっくりと走っていきます。越後湯沢に着く寸前まで寝ていたので気付いていませんでしたが、上越国境を越えた先の山々はまだ雪で真っ白です。

しばらくして新幹線の高架をくぐり、速度を落とすとガーラ湯沢駅は目の前です。1.8kmの所要時間は3分、あっという間のメインディッシュでした。

 

東京駅からおよそ1時間20分、終点のガーラ湯沢に到着。東京駅からゲレンデまで最速74分を謳うだけあって、あっという間の旅路でした。
東京からは新幹線が最速ですが、GALA湯沢スキー場には宿泊施設がなく2日以上滞在する場合は必然的に越後湯沢駅周辺に宿を取ることになります。そういった場合に便利なよう、GALA湯沢の営業期間中は越後湯沢駅までのシャトルバスも運行されています。

 

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向かい側には6分後に発車するE7系「たにがわ410号」が待っていました。

ちょうどいいので去年10月に鹿児島中央駅でも語った「パンタグラフの構造の違い」を見ておこうと思います。
上の写真がE2系、下がE7系。前後方向に長いガイシを2つ使っているのはどちらも同じですが、横並びにしているE2系に対してE7系は前後方向に幅を狭めて配置しています。おそらく正面から見たときの断面積を小さくするためにE7系ではこのような配置になったのでしょう。
断面積を小さくする=空気抵抗を少なくすれば、その分騒音も抑えられるという考え方だと思われます。

時速320km走行をするE5系E6系ではパンタグラフの横に遮音のための立て板が取り付けられていますが、時速275km運転にとどまるE7系では省略されてむき出しです。遮音板自体が風切り音を出すので、可能なら取り付けない方がいいようです。

 

自動改札を出るとすぐ目の前にはGALA湯沢スキー場のチケットカウンターがあります。今日はもうシーズンの終わりに差し掛かっているので閑散としていますが、1月2月のピーク時だとかなり混み合うのでしょう。

 

ガーラ湯沢を出る列車は先ほどの11:26発「たにがわ410号」の次は14時半頃までありません。
あさかぜはスキーをできるほど体がもう丈夫ではありませんし、併設の温泉で3時間をつぶすのももったいない…シャトルバスの時間も微妙なので、越後湯沢駅まで歩いて戻ることにします

 

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立派なガーラ湯沢駅の駅舎。
まぁ駅はオマケみたいなもので、設備のほとんどはスキー・スノーボードや用品のレンタル・販売や、温浴施設が占めています。
駅舎前の駐車場には県内外いろいろなナンバーのクルマが所狭しと止まっていました。

ガーラ湯沢駅ガーラ湯沢支線の営業期間はGALA湯沢スキー場と連動しており、例年は12月中旬~5月上旬の間だけ。今シーズンは5月5日までの営業です。
それ以外の時期は乗車することができないので、通勤通学路線として機能する博多南線よりもレア度が高め。本数もそんなに多くないですしね。

 

まるでスキーにはふさわしくないカッコをしたあさかぜは、駅の敷地を出て道を歩きます。
斜面にはまだまだ分厚く雪が積もっていますが、道路は大きな水たまりが所々できている程度で、凍り付いているようなところはありません。歩きやすくて助かります。

支線をくぐってから駅の方向を振り返ってみました。右側が元々の役目だった新幹線の保線基地。真っ白な建物の左側には駅舎直結のゴンドラがあって、スキー用品を借りればそのままゴンドラでゲレンデへ出て行けるのでアクセス性は抜群です。

バブルの終わった今でもなお人気のスキー場であり続けられるのは、JR東日本の広告もさることながら、日帰りが可能という圧倒的なアクセス性の良さと、手ぶらでもすぐに遊べる手軽さが大きく作用しています。
バブルの勢いがあったとはいえ、遊びの敷居を下げたJR東日本の先見の明です。

 

すぐ横を通っているごついスノーシェッドは上越新幹線の線路。

 

道路の横は4月に入ってもこの通り雪の壁ができています。さすが名だたる豪雪地帯…

上越新幹線が通じる1982年よりも前から、この雪を活かして湯沢町では積極的なスキーリゾートの開発が行われてきました。将来的に東京へのアクセスも良好になる点に目をつけた民間のデベロッパーが乗り込んできて、スキー場やらホテルやらリゾートマンションやらを大量に作ったわけです。

バブル崩壊後、それらの多くが余剰となって値崩れしたり廃墟となったわけですが、通りを歩いているとなんとなくそんな当時の雰囲気を察することができる建物がいくつかあります。
この湯沢町の置かれた状況については、詳しく解説しているYouTubeチャンネル「資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-」がありますので、ぜひご覧になってみてください。勉強になります。

 

www.youtube.com

 

 

威圧的なまでに巨大な上越新幹線の高架橋。2層になっている上が上越新幹線の本線、下がガーラ湯沢支線になっています。

 

中間地点ぐらいには湯沢高原ロープウェイというのもありました。今日はスキーシーズンが終わって営業していないようですが、例年は夏や秋にも運行されていて、背後にある湯沢高原スキー場で四季折々の自然を楽しむことができるようです。

山に囲まれている湯沢町ですから、晩秋に見る紅葉はさぞかしきれいなことでしょう。

 

雪があるので寒いかと思いきや、今日は気温が14度もあります。3km弱を歩いて越後湯沢駅に着く頃には上着を脱いでいたほどでした。

新幹線でそのまま戻るのももったいないですから、帰りは久しぶりに上越国境を在来線で越えてみようと思います

 

>>つづく<<