時刻は午前4時、京葉道路の京葉ジャンクションから旅行記は始まります。職場の仲間で北関東まで日帰りドライブ旅行という話になり、混雑を避けて回ろうということで集合は羽生PAに午前5時半…早い…!
久しぶりにNinja 250を引っ張り出して出かけるつもりでしたが、残念ながら参加メンバーの中でバイクはあさかぜだけという状況で厳しい…というわけでスポーツカー集団の中にミニバンで混ざるという、それもそれで厳しい展開に。
まだ交通量の少ない外環道を抜けて川口JCTで東北道へと合流します。少しずつ空が明るくなってきました。
今回の旅行記は写真の大半がSONYのアクションカムHDR-AS50のキャプチャ画像となります。暗い場所だと画像のザラつきは目立ちますが、思っていたよりもはっきりと写っているのでちょっと驚きです。
午前4:50、元から多少の余裕を持って家を出てきたとはいえ思った以上に早く羽生PAに到着してしまいました。当然ながらまだ他には誰も来ておらず暇です。
目覚ましのコーヒーブレイクをしながら他のみんなの到着を待ちます。この時間ではパーキングエリアの飲食店もまだ開いてないので、ファミリーマートの肉まんで軽食を。
5月に入って昼間はだいぶ暑くなってきましたが、さすがに朝5時の埼玉県北部はまだまだ寒い。温かいコーヒーが体に染みます…
のんびりとコーヒーを飲んでいるうちにホンダ・フリードの周辺にはガラの悪いクルマが続々と集結してきました。どれもこれもうるさいなぁ…あさかぜのフリードなんて彼らと比べれば無音のようなものです。
もう1台来るはずなのですが、集合時刻を過ぎても現れず音信不通…
「運転中ならちょっと待てば来るでしょ。道路空いてたし」と言ったものの待てど暮らせどやってこないので、ここは置き去りにして出発することにします。
LINEのトークルームに「先行ってるよ」とメッセージを残して羽生PAをあとにします。わかっていたことですがPAを出てすぐにガラの悪いクルマ団にちぎられたので、あさかぜは自分のペースで淡々と東北道を北上していきます。
そもそもガソリンモデルのフリードは車体の重さに対してエンジンのパワーが非力なので、時速110kmを超えてくると見る間に燃費が落ちていきます。今後は新東名に続いて東関東道、ここ東北道などでも一部区間で120キロ走行が将来的に認められることになりますが、100キロ巡航がせいぜいのこのクルマではその恩恵を受けることはなさそうです。
このまま北関東道を突っ走っていかねばならないところですが、さっき飲んだコーヒーの影響でオシッコがしたい…!薄いアメリカンコーヒーにしておけば良かったかも…
我慢の限界を迎えたところで太田強戸PAのトイレに駆け込みます。
太田強戸は2018年7月にできたばかりの真新しいパーキングエリアで、新しい施設にはよくある上下集約型です。ここもまだ早すぎてお店はどこも開いていませんが、他のメンバーの足を引っ張っているのでそんなことを気にしている場合ではありません。
用を足したらすぐクルマに戻って再スタート。
太田藪塚ICで北関東道を降り、次の集合場所であるファミリーマート太田大原町店にだいぶ遅れて到着。午前6時半の北関東はやっぱり寒いですね。またトイレに行きたくなると困るのでもうコーヒーは飲みません。
燃費の悪いクルマたちはガソリンを入れに行ったので、低燃費車のあさかぜは一足先に今日の朝食会場へと向かっておきます。
いま北上している群馬県道69号線は銅街道(あかがねかいどう)という名前がつけられています。江戸時代は文字通り現在の栃木県にある足尾銅山で産出された銅を運んだ道路で、利根川河岸の平塚という地点から千葉県の関宿を経由して江戸へと運ばれていました。
明治へと時代が移ると日光から搬出されるようになり、この街道は衰退してしまったのだとか。
県道69号とわたらせ渓谷線はほぼずっと渡良瀬川沿いに並んで走ります。
明治末期から足尾銅山の鉱石輸送に使われたのが鉄道です。古河財閥の資本も入った民間の足尾鉄道として1911年に開業、1914年には間藤までの全線が開業して翌年には足尾線として国有化されます。
やがて1973年には足尾銅山が閉山して貨物輸送が消滅し、国鉄末期には廃止すべき大赤字路線のリスト「第2次廃止対象特定地方交通線」へといよいよリスト入りしてしまいました。
このままでは地元から鉄道がなくなってしまうということで、群馬県と地元自治体、地銀の出資で第三セクター「わたらせ渓谷鐵道」が設立され1989年から「わたらせ渓谷線」として鉄道運行を引き継ぎました。
左側に見える茶色い三角屋根は「道の駅くろほね・やまびこ」。くろほねというのはこのあたりの地名で黒保根と書きます。朝9時から営業でレストランも併設されており、地元産の小麦を使ったうどんなどが味わえるそうです。
温泉の併設された水沼駅の隣、花輪駅の裏側にあるのが今日の朝ご飯を食べる「丸美屋 自販機コーナー」です。
駅の裏とはいうものの線路と道路はかなりの高低差があり、花輪駅から徒歩でアクセスできるのかはわかりません。
群馬県まで来て自販機?と侮るなかれ。自販機コーナーと名乗りつつ、「うどん」「ラーメン」というのぼりが立っている時点で普通の自動販売機ではありません。ここは特定の界隈では有名な「レトロ自販機」が楽しめる場所なのです。
店内にずらりと並ぶ年代物の自動販売機の数々…そば、うどん、ラーメン、トーストと種類がそろっています。こういった食べ物を調理して出す自販機は30年ぐらい前にピークを迎えたそうで、ここに並んでいるものも大切に手入れを続けながらずっと使い続けているのだとか。
1台1台それぞれの機械からノスタルジーを感じます。
では早速「朝ラー」といきましょう。チャーシュー入りラーメンは300円。ちなみに同じ建物の中にある別の自動販売機でここに入っているチャーシューのスライスも売っています。かなりこだわりのあるおいしいチャーシューなので気に入った方はぜひ。
事前に調理されたものを熱湯で調理しているようで、ボタンを押してから出てくるまでに30秒ぐらいかかります。昔懐かしの光電管を使ったカウンターを眺めながら出来上がりを待ちましょう。
最後に「ザパッ」と中身が落ちてくる音がして完成です。だいぶ麺の様子が乱れてはいますが見た目はちゃんとしたラーメンです。ちなみにアタリだと味付けタマゴがついてくるそうですが、あさかぜはクジ運が悪いのでもちろんついてきませんでした。
食べてみると…
うまい!
具材はチャーシューとワカメだけ、シンプルな味付けの醤油ラーメンで朝からお腹に優しそうな感じ。鍋で作るタイプのインスタントラーメンよりおいしく、「自動販売機だから味が適当」なんてことはありません。スパイスの足りない人には卓上にコショウもあります。
起きてから肉まんしか食べていないので、ラーメン1杯ではちょっと物足りない…せっかくなのでラーメン自販機の隣にある「トーストサンド」も買ってみましょう。
2つボタンがありましたが、この日選べたのはハムチーズトーストだけ。100円玉を2枚チャリンチャリンと入れてボタンを押すと、40秒ぐらいでストーンと取り出し口に落ちてきます。
先ほどのラーメンもそうですが、レトロ自販機で使えるのは基本的に100円玉だけ。500円玉は1982年に登場した割と歴史の浅い硬貨なのでレトロ自販機の多くは対応していません。入れると故障の原因になりますから絶対にやめましょう。
ハムチーズトーストはアルミホイルに包まれており、一度焼いたトーストを自販機の中で再加熱しているようです。手に持つとやけどしそうなぐらいアツアツ!
10枚切りぐらいの薄いパンに挟まれたハムとチーズの塩加減がちょうどよくて、とてもおいしいです。ホイルに包まれていることもあってかパンもしっとりしていますね。
おなかいっぱいになったところで出発します。工事に向かうらしいおじさんたちの姿も見られたので、我々のような観光客だけでなく地元の人たちにも愛されている場所のようです。