日勤勤務を終えて東京駅に来ました。景気づけに二郎系ラーメンでも食べようかと丸の内口に行ってみると、「雷」はすさまじく並んでいたので断念。最近は並んでいないことがないように思うぐらいに人気が続いているのはすごいですね。
というわけでごった返す東京駅の人混みをかき分けかき分け、東海道新幹線のホームまでやって来ました。各地に帰るらしいサラリーマンで乗車口にはどこも長い列ができています。
「雷」を諦めたとて、仕事終わりなのでお腹が空いて仕方がありません。さっきグランスタに下りたら麻婆炒飯とかいう悪魔の食べ物が「できたてで~す!」と並べられていたので、迷わず手に取ってしまいました。
本当は駅弁代わりに車内で食べたかったところですが、もう我慢が利かないのでホームのベンチで一心不乱にかき込みます。
麻婆豆腐はほんのりピリッとしつつ花椒が強めのシビれる系。具材がほぼ卵だけのシンプルな炒飯と組み合わさってうまい!あっという間に食べ終わってしまいました。
停車駅の少ない名古屋ゆき「ひかり」に乗り込みます。一般的に「のぞみ」よりも「ひかり」の方が空いている傾向にあるので、数分を争わないのであれば名古屋までなら「ひかり」の方が快適に過ごせたりします。
お酒は飲まずにおとなしく寝ていると、1時間40分ちょっとで終点の名古屋です。
急ぎ足でホテルに荷物を放り込み、はやる気持ちを抑えて近くの「鳥貴族」へ。そこそこ人入りはありましたが、あっさりカウンターに通してもらえました。
一人居酒屋ももう手慣れたものです。
食べ始めてみればお腹は空くもので、お酒を飲みつつ期間限定の「旬のニラたっぷりパワーラーメン」もいただきます。
これでもかというぐらいたっぷりとニラが入っていて、ニラ好きにはたまらないメニュー。これで明日も元気いっぱい過ごすことができそうです。
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翌朝。
起きた直後からなんだか頭が痛い…数杯しか飲まなかったのに…
お酒はどれでも大丈夫だと思っていましたが、どうもジンが体に合っていない気がします。いつぞやもあれを飲んだ翌日に調子を悪くしたような…
とにもかくにも朝ご飯を食べねば1日の調子が出ません。せっかく朝食に定評のあるチサンインに泊まっているのですから、しっかり食べておかねば。
ササッと身の回りのものをまとめて、少し早めに近鉄名古屋駅へ。
8:50発の五十鈴川ゆきの特急はビスタカー。「ひのとり」のようなフラッグシップ列車が行き交う現在にあっても、やはり2階建て車両というのは特別な存在感があります。
側面のロゴも誇らしげです。
ビスタカーの発車したあと、間髪入れずに入ってきたのは9時ちょうど発の「ひのとり」59列車 大阪難波ゆき。ビスタカーとはまた違う、独特の威圧感を放っています。
レギュラー車両とプレミアム車両にそれぞれ1回ずつ乗りましたが、どちらも2時間を過ごすのには贅沢すぎる座席でした。プレミアムシートにいたってはなぜこの料金で提供できているんだ、というぐらい上質なクオリティです。
あさかぜは「ひのとり」のあと、9:10発の「伊勢志摩ライナー」で賢島へ向かいます。予約したときはさほど混んでいませんでしたが、いざ乗ってみるとほぼ満席。
いくら春休みシーズンとはいえ平日でこんなに混むのか…と困惑しながら、座席に縮こまって名古屋駅で買ったコーヒーをすすります。
「20分前に出た特急は途中の五十鈴川止まりだったから、この列車に乗っている人はだいたい鳥羽や志摩まで向かう人のはず。当面混んだままか…」
なんて考えていると、意外にも津であっさり半分近くの人が降りてしまいました。JR関西線を使うよりも近鉄線の方が本数が多くて便利ですし、特急料金も安いですから利用しやすいのでしょうね。
伊勢中川では大阪難波ゆきの特急列車と接続。さすが特急が縦横無尽に走る近鉄だけあって、特急同士の接続は良好。
「ひのとり」は途中の停車駅が少ないですから、このように特急列車同士を乗り継ぐ需要もそれなりにあるようです。
10:32、宇治山田に到着。ここで5分の停車時間があり、ようやく車両の姿を写真に撮ることが出来ました。
「伊勢志摩ライナー」こと23000系は1994年にデビューした特急型車両で、その名の通り伊勢志摩観光に特化したデザインや車内設備が用意されました。
1+2席配置のデラックスカー、2+2席配置のレギュラーカーという構成は1988年に登場した21000系「アーバンライナー」と同じですが、5号車にはグループで利用することを前提としたサロンカーが用意されています。他の車両よりもさらに大きくなった窓が特徴で、2人もしくは4人が向かい合わせで利用できる座席とテーブルが設けられています。
4号車には「シーサイドカフェ」と名付けられた車内販売コーナーがありました。電子レンジまで備えた供食設備だったものの、2002年以降は利用の多い土日の一部列車のみに削減。
さらに新型コロナウイルスが流行して移動需要が減ってしまったために、2020年7月には全面的に廃止されてしまいました。今は何もないデッドスペースとなっています。
宇治山田といえば伊勢神宮参拝の表玄関。
行き止まりになっている1番線ホームの奥側には、1994年まで使用されていたバスのりばの跡地があります。これは宇治山田に発着する特急列車からそのまま観光バスへ乗り換えられるように、と1961年から使われた設備の遺構です。
2016年にはNHKの番組「ブラタモリ」で、実際にバスで乗り入れてきました。
現役時代はバスの転回設備があって観光バスはそこで向きを変えていましたが、当然ながら現在は使われていません。「ブラタモリ」で乗ってきた小型バスはあのスロープをバックで降りていったのでしょうか…?
ちなみに駅舎の2階には皇族や政府高官が伊勢神宮参拝の際に利用する貴賓室もあるそうです。
10:48に着く鳥羽でも多くの人が降りていきました。発車してすぐ左に見えてくるのは先週訪れた鳥羽水族館です。今日も多くの人が出入りしているようでした。
世間がお休みではないタイミングでまた来てみたいですねぇ…
志摩磯部を発車してすぐ、鵜方の案内放送が流れます。今日はちゃんと周央サンゴさんのコラボ放送が流れ、無事録音に成功した…はずです。まだちゃんと編集していませんが。
11:16着の鵜方で乗客のほぼ全員が降り、3号車の乗客はいよいよあさかぜだけに。お友達同士で来ている若い人やカップルの姿が目立ったので、やはり遊園地というのは一人で行くものではないのかも…
23000系は2012年からリニューアルが行われて現在の姿になりました。シートモケットは伊勢志摩の海をイメージした鮮やかな青色。2席で1つとはいえコンセントも設置されているので、遊びや観光を終えた帰路には重宝するかもしれません。
内装も含めてリニューアルされていて、まもなく30年を迎えるベテラン車両とは思えないほどきれい。ただ足下から響いてくるのは懐かしの三菱電機製GTO-VVVFの音で、むしろマニアとしてはうれしくなってしまいます。
11:21、終点の賢島に定刻通り到着しました。先週も来ているのにまた今日も来るとは、我ながら物好きです…
どうにも昨晩のジンが尾を引いているようなので、賢島駅から歩いてすぐのところにある「なかよし水産」で迎え酒をします。
どこからどう見ても真珠の装飾品のお店ですが、その一角の土間にその店舗はありました。申し訳程度に貼られている紙で初めてわかる店名…
旅行記を書いているときに調べて初めて知ったのですが、正式な店名は「中義水産」のようです。“仲良し”じゃなかったんだ…
先客はお姉さんが2人とオジサンが1人、そこにあさかぜというオッサンが新たに1人加わりました。ひょうきんなおっちゃんが「ほい、何がいいかい?」みたいな軽い雰囲気で尋ねてきます。
単品メニューはもちろん、迷ったときは盛り合わせやBBQセットのようなセットメニューも選べます。日やシーズンによって出てくる内容は異なるようですね。
この日はありませんでしたが、時期が良ければ真珠を採るアコヤ貝も食べられる様子。
おいしい貝焼きと、定番の角ハイボール缶で気分は上々。まだ折り返す列車まで時間が残っているので、海沿いを散歩しながら暇つぶしをします。
先週と同様に今日もいい天気。海の輝きで目が痛いぐらいです。
湾をまたぐ賢島大橋は駅から一番近い展望台かもしれません。波のない静かな湾に浮かぶアコヤ貝の養殖いかだ、といういかにも英虞湾という景色を見渡すことができます。
奥の方には小さくピンク色の伊勢志摩ライナーが走り去っていくのが見えます。11:58に着いた京都からの伊勢志摩ライナーでしょうか。日中の特急列車は1時間に2~3本走るため、一部の特急用の車両は志摩磯部駅まで回送されるようです。
ちなみに賢島大橋は「日本の夕陽百選」に選ばれている夕日の名所で、冬になると英虞湾に沈む夕日の写真を撮る人が多く集まるのだそう。
橋の上からは見るからに水族館だとわかる建物が見えました。ちょっと見に行ってみましょう。
近鉄グループが運営していた「志摩マリンランド」の跡地でした。1970年に開園し2016年にはリニューアルまでしたものの、老朽化が著しくなってしまったため2021年3月末で営業を終了しています。
ここがまだ営業していれば、折り返しの暇つぶしに困ることもなかったのですが…残念。