あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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【microTRIP】150ccだってツーリングはできる…?-秩父編-(2022年11月14日)

だいぶ寒くなってきた11月半ば、秩父までやってきました。ここは滝沢ダム荒川水系の中津川にあるダムです。我が家からは片道150km以上も離れていますが、ここまで頑張ってバイクで走ってきました。150ccしかないホンダ・ADV150で…

早くも腰へのダメージがだいぶ蓄積しています。
正直、集合ポイントの関越道三芳PAまで来る時点で心が半分ぐらい折れかかっていましたが、なんだかんだ職場の仲間と集まると楽しくなってしまうものです。
いつもいつもお誘いいただいてありがとうございます…!

 

damnet.or.jp

 

 

滝沢ダムの天端から上流側を眺めます。抜けるような青空でとても気持ちがいい!さすがに11月とあってだいぶ寒いですが…

今回のツーリングでは買ったばかりのスマートフォンGoogle Pixel 7 Pro」の実力を試すべく、普段使いのカメラは置いてきました。SONYコンデジでも持ってくるかと出発ギリギリまで悩んだ結果スマホだけ持って来たわけですが、この写真の出来を見ると正解だった気がします。

 

 

下流側に見えるループ橋は、先ほど上がってきた「雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)です。えらい難しい読み方をさせられます…

埼玉から山梨へ続く国道140号の橋で、この滝沢ダムを越えるために高さを稼ぐべくループ橋となりました。
圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鋼材を組み合わせることで強化した「PC(Prestressed Concrete)橋梁」を使うことで、橋脚の少ないスラッとした美しい姿を見せてくれます。

 

www.pref.saitama.lg.jp

 

 

エレベーターで降りたあとダムの堤体の中に設けられた通路を進んでいくと、滝沢ダム下流側へと下りることができます。元々は保守管理用の通路なので幅は狭いし角度も急です。
一応車イス利用の見学者がいたときのために、階段には昇降機も用意されています。広げたら階段の幅いっぱいになってしまいますが…

 

下から見上げると迫力にあふれる重力式コンクリートダムの堂々たる姿
堤高132mは重力式コンクリートダムに限っても日本の5本の指に入りませんが、堤高52mの長柄ダム(アースダム)が最大という千葉県に住んでいるあさかぜからすれば、やはり異次元の高さです。

 

放水路には橋が架かっていて、左右の岸を行き来できるようになっています。
この堤体を落ちてくる水が見られたらかなりの迫力だろうなとは思いますが、夏のように雨が多く降る「洪水期」ではないためか今日は発電所への導水に限られています発電所で使われた水は橋の下流側にある放水口から出てきます。

真ん中に2本筋の通った部分が常用洪水吐なので、夏になればここからの放水も見られるのかも?

 

ダム最上部に見える4本の柱の間には、非常用洪水吐として3門のゲートが設置されています。「非常用」の名の通り、通常時は開くことのない水門です。
ダムの上流でとてつもない大雨が降り続いてダムで受け止めきれないとなったときに水をここから放出します。このラジアルゲートが開くときは、点検を除けば川岸にいては命の危険があるときです。

ちなみにダムで行われる「緊急放流」は「ダムに流れ込んでくるのと同じ量の水を放出します」ということ。つまりダムがないのと同じ状態になってしまうから逃げなさい(実際にはある程度の土砂や流木はダムでブロックされますが)、というわけです。

たまにダム反対派の人々などは「ダムが溜まった水を放出するぞ」という言い方をしますが、ダムの貯水量を減らすために行うのではない、流入量と放水量をイコールにするのが目的です。お間違えのなきよう。

 

www.pref.tochigi.lg.jp

 

 

Pixel 7 Proのウリは、5倍の光学ズームがついた望遠レンズが装着されたことです。標準モデルとの大きな違いがこれ。

実際、5倍ズームを使って撮影してみると、驚くほどきれいに写っていることがわかります。ゲートの鋼鉄部分や、汚れたコンクリートの表面の感触が伝わってくるかのよう。
手ブレ補正も強烈に効くようになっていて、昼間使うのであれば何も気にすることなくズーム機能が使えます。一昔前のデジタルズームでガビガビになっていた時代ではないんだ、ということを改めて感じますねぇ。

 

滝沢ダムの見学を終え、ダムカードをいただいたらお昼ご飯にします。
一緒に来ているカワサキ乗りの監督者によると、秩父の名物は「わらじカツ丼」だそうです。

山奥の滝沢ダムから秩父鉄道三峰口駅付近まで降りてきて、そこから北へ進んでいったところにわらじカツ丼の有名店「安田屋 小鹿野本店があります。ダムからはおよそ40分ほどの道のりでした。

お昼12時半頃に着いたら店の前には行列が。我々が到着したのはもう終わり頃だったようで、後ろ2組ほどで品切れ終了となってしまいました。ギリギリだった…

 

fun-chichibu.com

 

 

列に並んでいる間にオーダーが取られていたので、席についてまもなくわらじカツ丼が出てきました丼からはみ出る堂々としたサイズ!空腹が頂点に達していたので、写真を撮るのももどかしくフタを開けます。

 

わらじカツが2枚載ったのが標準メニューの様子。薄くのばされた豚肉がサクッとカツにされ、そこに甘辛いタレがかかっています。
味としては新潟県名物の「タレカツ丼」にとても良く似ていますが、こちらは肉が薄いのでサクサク食べられる軽やかさがあります。

丼からはみ出るサイズなので、手がタレでベタベタになるのがちょっとしたマイナスポイントでしょうか?

ちなみに値段は豚肉のおいしさがしみ出したみそ汁もついて850円と大満足のボリュームでした。小食の人なら食べきれない量です。
少なく食べたい人用に1枚載せ、大食漢のために3枚載せのメニューもありましたので、柔軟に選びたい方は早めに行きましょう。終わりの方の我々には標準メニュー以外の選択肢はありませんでしたので。

 

腹ごなしに今度は別のダムへやって来ました。「合角」と書いて「かっかく」と読む重力式コンクリートダムです。堤高は60.9mで、朝に訪れた滝沢ダムに比べるとずいぶん小ぶりです。

ちなみに「ごうかく」とも読めることから、受験に御利益があるかもしれないからダムカードをもらいに来てね、とアピールしている一風変わったダムでもあります。
ただしダムというのは奥が深くて手を出すと深い沼へと落ちていく分野なので、受験生の皆さんは受験が終わってからダムのことを調べるようにしましょう。

 

damnet.or.jp

 

 

11月半ばですが、さすがにまだ紅葉と言うには少し早い時期だったようです。シーズンになったらきれいな景色が見られるのでしょうね。

 

古いダムでは、ダム湖に溜まった水をそのまま深いところから放流していました。ダム湖に溜まった水は太陽光で表面は温かくなりますが、深いところは日が届かず冷たいので農作物に悪影響を及ぼしてしまいます。
一方、表層の水はプランクトンが多かったりして、水道水として使うのには難があります。

そうした事情に応えるため、合角ダムも含めて多くのダムでは目的に適した層の水を取り出すことができる選択取水設備というものが備わっています。

 

ダム湖やダム堤体の点検用に船が用意されており、斜面を下るインクラインに載せて水面に下ろします
日本のダムでのインクラインはせいぜい大きさが知れていますが、世界には度肝を抜くインクラインが存在しています。

その中でも最大と言われているのがロシアのクラスノヤルスクダムにあるインクラインといわれています。1,500tの船やはしけをそのまま載せてダムを越えることができるもので、写真を見ると規模の大きさと力業にさすがソビエト連邦だと感心してしまいます。

 

こちらはローラーゲートを開閉するための設備。重い鉄の扉を上げ下げするわけですから、ロープも金属製の太いものになっています。

合角ダムでは洪水期となる7月~9月の間はゲートを開けておいて、自然に水が流れ出るようにしておくのだそうです。夏に撮られた写真をみるときれいな景色ですが、それ以外は非洪水期でゲートは閉められているので、コンクリートの無骨な姿だけを見せています。

 

合角ダムから15分ほど走って、「道の駅龍勢会館」で解散とします。早起きしてバイクで長距離を走って、色々と見て回り、だいぶ体力を使った感じがありますが、ここからが自分との戦いです…

カーナビを自宅に設定してみると、なんとあと150kmも残っているではありませんか…!クルマの150kmなら高速道路を使えば大したことはありませんが、150ccのスクーターで高速を使ってこの道のりは絶望感すら抱かせます。しかもこれから出かける楽しみも、移動中の会話もないわけですからね…

 

www.michinoeki-network.jp

 

 

ひたすらあとは一人で黙々とアクセルをひねるだけです。途中の嵐山PAで休憩しているときに、「それ何cc?」と聞いてくる通称「ナンシーおじさん」という人種に初めて出会いました
150ccと言うとだいぶ驚かれましたが、ADV150は車格だけはやたらデカいので無理もありません。

そしてひたすら襲い来る腰痛と闘いながら、関越道から外環道を通って千葉県内へ。道の駅を出てから実に3時間半を要してようやく自宅まで帰り着きました腰が痛すぎる…

やはり150ccで楽しんでツーリングができる領域は、1日150~250km程度が限界なのかも知れません。だからといって今さら250ccに乗り換える理由もありませんから、たまの遠出では我慢するしかありませんね。次はコルセットを巻いて出かけようかしら、と真剣に考えた日帰りツーリングでした。