「エアポートウォーク名古屋」から歩いておよそ10分、県営名古屋空港のターミナルに到着しました。出発ロビーの端っこにあるエレベーターで3階まで上がってくると、木の板で舗装されたおしゃれな展望デッキに出ることができます。
ちょうど3階の会議室では告別式が行われていたようで、場違いな服装のあさかぜも一緒にエレベーターに乗り込んできました…
展望デッキからは空港が一望できます。滑走路の反対側、東側半分は航空自衛隊小牧基地。たくさんのロッキード・C-130ハーキュリーズ輸送機が翼を並べていました。
87-3602 / Japan Air Self-Defense Force / Boeing KC-767J
航空自衛隊のKC-767が飛行訓練を行っています。
KC-767はB767の軍用モデルで、空中給油や人員輸送を行うための機体です。ベースは民間機ではとっくに生産の終了しているB767-200ER。性能を向上させた後継モデルであるKC-46Aが2019年から納入開始となり、航空自衛隊でも2021年から導入していますが、そちらもベースはB767-200ERのままです。軍用機としてはちょうどいいサイズなのでしょうね。
お尻には空中給油用のフライングブームが装着されているのがわかります。
JA14TD / 東京消防庁航空隊 / AgustaWestland AW139
東京消防庁のヘリコプターがどこかへ向けて飛び立ちました。整備が完了して東京都へ向けて戻るところだったのでしょうか?
県営名古屋空港には名古屋鉄道やANAが資本に入る中日本航空、朝日航洋系のセントラルヘリコプターサービス、遊覧飛行なども行うセコ・インターナショナルといった企業の格納庫が置かれ、ヘリコプターの整備を請け負っています。
東京消防庁のこのヘリコプターもこのうちどこかのハンガーで整備を受けていたのでしょうね。
JA13FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-175STD
FDAの13号機が降りてきました。
名古屋の主要空港としての立場はセントレアに譲りましたが、2010年からフジドリームエアラインズ(FDA)が実質的な拠点空港として使用しています。
「フジ」の名の通り本来の本拠地は静岡県の富士山静岡空港ですし、本社も静岡市にあります。言い方は悪いですが静岡では都市の規模は知れていますから、ちょうど空白になった名古屋空港に目をつけたのは正解だったといえるでしょう。
87-3602 / Japan Air Self-Defense Force / Boeing KC-767J
先ほどのKC-767は引き続き訓練飛行中。接地したあとにエンジンを吹かして再び飛び立つタッチアンドゴーが行われています。
JA11FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-175
FDAは機体ごとに色が違うのが特徴ですが、唯一4号機と11号機だけ同じ緑色をまとっています。
これは元々4号機がアメリカのリパブリック航空で使われていた中古機なのが理由にあります。4号機の後継機として2016年に導入されたのがこの11号機で、実際に4号機が担っていた松本市の観光大使としての役割も11号機が引き継いでいます。
ただFDAの運航規模が拡大し続けているからか、4号機は2022年10月現在でも引き続き運航されています。
JA03FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-175
ピンク色の3号機が到着。
JA14FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-175STD
続いて降りてきた14号機はワインレッドです。
先ほど降りてきた13号機では人気投票でネイビーが選ばれましたが、次点で人気だったのがワインレッドということで採用されたとのこと。
エプロンに4機のエンブラエル機が並びました。FDAの拠点らしい光景です。
ただ、これはセントレア建設を主導した愛知県としては面白くない話のようで、FDAの名古屋発着路線の拡大はかなり渋った様子。せっかくセントレアを作ったのに、名古屋の市街地からバスで30分足らずで利用できてしまう旧名古屋空港を使われてしまっては、セントレアの立場が悪くなってしまいますからね。
とはいえ、FDAとしてはこんな便利な場所はありません。今後もなんだかんだいって名古屋発着路線は増えていくのでしょう。
JA10FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-170STD
銀色をまとっているのは10号機。前年の2015年に導入された9号機がゴールドだったので、対となるように10号機はシルバーになったとか。
9号機から燃費改善パッケージが適用され、外見の印象が少しだけ違っています。
他には着陸時の電波誘導装置への対応バージョンも向上(ILS CAT-II対応)し、悪天候でもより就航率が上がるようになっています。
JA03FJ / Fuji Dream Airlines / Embraer ERJ-175
9号機以降のすぐにわかる外見の違いは微々たるもので、灯火類がLEDに変わっていること、そして翼端のウイングチップの形が変わっていることぐらいです。
3号機のウイングチップと比べてみるとわかりますが、9号機以降ではウイングチップが大きくなり、外側へ大きく傾けられました。
こうした工夫により、ERJ-175では5.5%の燃費改善につながったとか。
とっぷりと日が暮れました。まだ17時過ぎですが、秋が深まって日の沈むのが早いこと早いこと…
降ったりやんだりだった雨もいよいよ本降りになってしまいましたし、気温も下がってだいぶ寒くなってきたので、そろそろ引き上げることにしましょう。
光る「NAGOYA」のサインの下には、MRJを開発していた三菱航空機が本社機能を置いていました。何年も前にMRJの試験飛行を見に来たとき、「三菱航空機」という小さな札が扉に出ていたのを覚えています。
開発を大幅に縮小した2021年3月に、本社機能は近くの三菱重工の工場内へと移転。以降この場所はコロナウイルスワクチンの接種会場として使われたりしているとか。
仕事終わりの名古屋在住の友人に誘っていただいて、「風来坊」でおいしい名古屋メシを。締めに「本郷亭」でラーメンも食べて、主流とはちょっと違うかもしれない名古屋のグルメを堪能できました。
ついつい飲み過ぎてしまい、夜中の2時までホテルのベッドでシャワーも浴びずに寝てしまいました。毎度こうなる前に身の回りの支度をしなきゃ、とわかっちゃいるのですが…
今宵の宿は「チサンイン名古屋」。だいぶ年季の入ったホテルで、いまどき珍しいドーナツ型をした建物です。建物が円形なので部屋もそれにあわせて長方形ではなく台形、専有面積もだいぶ狭めです。
とはいうものの一晩過ごすには充分な設備ですから、体をきれいにしてもう一度しっかりベッドで眠りましょう。