あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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【microTRIP】京王れーるランドで思い出に浸ってきた (2020年7月23日)

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かなり久しぶりに京王電鉄多摩動物公園駅に降り立ちました。学生時代はここから山を登って毎日のように大学へ通っていましたが、就職してからは年に1回来るか来ないかの縁遠い場所に…

最近になって小学校時代からの友人がこの近くに転居してきたので、訪問ついでに京王れーるランドに遊びに来てみました。現在の博物館のような姿にリニューアルされてからは初めての訪問なのでちょっとドキドキします。
入口にある駅と同じ券売機できっぷを購入し、改札機に通して館内に入場します。

 

www.keio-rail-land.jp

 

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まず目に入るのはバス。7mショートボディの京王バスの車両が1台まるごと展示されています。日産ディーゼルの足回りに今は無き富士重工の車体メーカー部門が「8E」と呼ばれるボディを架装したもの。記憶が正しければ高尾駅から陣馬山方面へ向かうバスで乗ったことがありました。

このサイズでありながらバリアフリー対応のワンステップ車なのは驚きです。

 

 

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中扉の上に掲出している路線図は現役時代のものでしょうか。新宿から中野の近辺だけでこんなに路線が入り組んでいるんですね。都心部のバス路線はマップを見ているだけで目がチカチカします。

 

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小さなお子さんが見学し終わったところで、大きなお友達の我々が運転席に乗り込みます。バスはこの当時からオルガン式のアクセルペダルだったんですねぇ。
乗用車と違ってデザイン性も何もないメーター周りですが、それでも最近のバスの方がデジタル部品も増えてスタイリッシュになっていますのでさすがにこのバスの運転席には時代を感じます。

 

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スピードメーターは時速120kmまで刻んであります。一般の路線バス車両は営業上時速60kmまでしか出せませんが、実際にはどれぐらいの速度が出せるのでしょうか。低速走行で使いやすいギアのセッティングになっているはずですから、スピードメーターいっぱいまでは出ないとは思うのですが…

 

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ドアの開閉体験に使われているのは懐かしの6772号車でした。5両編成4本しか製造されなかった6000系5ドア車のうち、引退まで5ドア車として生き残っていた編成の先頭車です。ワンマン対応に改造され、動物園線の専用車両として活躍していたなじみのある車両です。

 

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動物園線で現役だった頃の写真を引っ張り出してきました。当時の行先表示は固定だったので幕を回しているところすら見たことがありませんでした。しかもこの頃は橋本ゆきの準特急も設定がありませんでしたから、新鮮な感じがして遊び心がうかがえます。

 

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2階には貴重なヘッドマークや車両銘板の数々が展示されています。今はどの京王の車両でも「KEIO」のロゴに統一されていて、京王帝都電鉄だった時代の「KTR」を見ることはありません。
ただ地方私鉄には京王井の頭線の車両を中古で譲り受けたところが多数あり、そうした車両にはスピーカーなどに当時のロゴが残っていることもあります。

 

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6717、7803、8801、どれもこれも見覚えのある車両番号です。大学生時代の4年間、これらの車両にはどれほどお世話になったことでしょう。

ついこの間のように思える大学生活も、気付けば卒業から7年も経ってしまいました。まさに光陰矢のごとし…

 

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「ワンマン 高幡不動-多摩動物公園」、まさに先ほどの6000系が出していた行先表示ですね。懐かしい…

6772Fが検査などで動物園線の運用に入れないときは、代わりに7000系7801Fか7802Fが同じ表示を出して運用に入っていました。6000系の引退後は7801Fが動物園線の専属となり、最近になって全面的に多摩動物公園のラッピングが施されて人気者となっているようです。

 

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建物の向かい側にある屋外展示スペースでは先頭車が1両まるごとドンと置かれていて大迫力!残念ながら中に入ることができない車両もあるので学生時代の思い出に浸ることはできませんが、近くに寄って手で触れることができるのですから感動ものです。

ここに飾られている6000系は都営新宿線への直通運用に対応した、いわゆる「6030系」と呼ばれるグループ。後継車両の9030系の登場で京王線からは真っ先に姿を消してしまった車両たちでもあります。
これも行先表示で遊んでいますね。種別は有料座席指定列車の「京王ライナー」に設定されています。当然6000系が現役の頃には京王ライナーなんてありませんし、今の車両はアナログな幕式ではなくフルカラーLEDになっていますから、わざわざ展示車両に合わせて作ったものです。芸が細かい!

本当に6000系が京王ライナーで現れたりしたら悪夢ですけどね…マニアは喜ぶかもしれませんが。

 

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台車の構造をつぶさに観察できるのも博物館ならではです。営業中の車両にはできませんからね。
京王線系統とそこから直通する都営新宿線レールの幅が1,372mm。「馬車軌間」と呼ばれている幅で、日本国内では他に都電荒川線しか残っていない珍しいものです。昔は京成電鉄も1,372mmだったそうですが、近代化の折に大工事を行って新幹線と同じ1,435mm軌間(世界標準軌)に改めました。

 

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妻面にある車両銘板。京王帝都電鉄というところに時代を感じます。社名を現在の「京王電鉄」へと変更したのは1998年7月のことで、すでに20年以上が経過しています。
普通の利用者の目に触れるところの旧社名は真っ先に消去されますから、こうした日の目を見ないところでないとなかなか残りません。

 

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日本各地の中小私鉄で現在も大活躍している3000系井の頭線で活躍していた車両で、前面の窓回りが編成によって違う色に塗られていたのが特徴でした。

メインの京王線系統とは歴史的な経緯から路線の成り立ちも線路の幅も違うため、同じ京王とはいっても全く趣の異なる車両でした。18m車体に片側3ドアという地方私鉄にはとても使いやすい車両だったため、現在でも日本各地で活躍する姿を見ることができます。

 

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3000系の台車井の頭線の前身となった帝都電鉄小田急系列だったため、親会社と同じ1,067mm軌間を採用していました。戦後に元「京王電気軌道」と一緒になって、旧社名である「京王帝都電鉄」になったという歴史の流れがあります。

3000系が地方私鉄で重宝されたのはこの「日本標準軌」といえる1,067mm軌間だったというのも大きいでしょう。このあと触れる5000系はわざわざ台車をどこかから見つけてきて履き替える必要がありましたから、ある程度の改造は必要とはいえそのまま使える3000系は地方私鉄には便利な車両だったでしょうね。

 

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そして京王の名車といえばこの5000系でしょう。1963年からの6年間に155両が製造された当時の主力で、路面電車を起源とする京王が都市鉄道へと成長した象徴ともいえる車両だったと言われています。

京王れーるランドに展示されている5723号車は京王に最後まで残った営業用の車両で、平山城址公園近くにある部外者は見学のできない京王電鉄の研修所に保存されていたものでした。なかなか日の目を見ることのなかった車両でしたが、京王れーるランドのリニューアルに伴ってこうして美しい姿を一般の人にも見せることができています。

井の頭線3000系同様、18m車3ドアと使いやすい車体であることから地方私鉄に多数が渡りました。2018年9月の旅行時( https://mizuho-asakaze.hateblo.jp/entry/2019/09/18/155847 )にも一畑電車で元京王5000系に乗っています。
デビューから半世紀が経ち地方私鉄でも数を減らしつつありますので、乗りたい方はお早めに

 

mizuho-asakaze.hateblo.jp

 

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5000系より前の車両は車体の色から「グリーン車と呼ばれています。
京王れーるランドに展示されている2015号車はそのあとに繋がる5000系の基礎ともなった車両で、走行装置や行先表示器などは初期の2000系とは全く異なる2010系と呼ばれるグループです。基本的な構造は2010系からそのまま5000系へと受け継がれました。

いくら近代的な構造の車両になったとはいえ、2010系でも60歳の古豪。現在は伊予鉄道に渡った中古車をさらに譲り受けた千葉の銚子電鉄で4両が活躍しています。

 

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平屋の建物1つだけだった昔の「京王れーるランド」に比べると、はるかに規模が大きくなり充実したリニューアル後の姿。思わず大学生時代の思い出に浸れて懐かしくなってしまいました。

最後にもう少し中を見てから友人宅に戻ることにします。

 

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見慣れていた7000系の運転台。2010年に一足早く相模原線の保安装置がATCへと更新されるのに合わせ、メーター周りがATC対応のものへと交換されていました。
ちなみに京王には独自のモニタ装置があり、7000系ではマスコンハンドルの左側に設置されていました。YouTubeで動画を探してみたら6000系のものが出てきたので、リンクを張っておきます。5:00頃にモニターの画面がよく見えるようになりますが、停車駅や時刻が表示されていてハイテクな装備でした。

ATC対応時にモニターの位置が変わりましたが、全線ATC化までは運転台の別の場所に残っていたと記憶しています。画面起動時のアニメーションがカッコよくて好きだったのですが、その動画までは見つかりませんでした…

 

www.youtube.com

 

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8000系はデビュー当時としては画期的なデジタルメーターが採用されていました。大学に入学した2009年当時ではATC対応のメーターになっていたので動作しているのは見たことがありませんが、使っていない中間の運転台にはまだ残っていました。

ATC対応の際、先進的に見えたデジタルメーターは7000系と同様のアナログ式に交換されています。部品を統一したかったのか、はたまたデジタルでは見づらかったのか…?後ろから強い光が差し込むとどうしてもデジタルのものは見づらくなりますからね。

というわけで時間も歳も忘れてすっかり長居してしまいました。改めて振り返ってみるとアレも見てない、コレも撮ってないというのがたくさん。機会を見つけてまたじっくりと観察してみたいですね。