あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

どこかで働く駅員がひたすら旅行記や写真(主に飛行機)をひたすら載せ続けるブログです

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ひとりでお気楽アルペン紀行 - 3日目【後編】(2020年9月12日)

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ホテルをチェックアウトして時間が余ったので、駆け足で北陸鉄道を全線走破してくることにしました。もてなしドームの下にある北鉄金沢駅で1日乗車券を購入し、きびすを返してJRの駅構内へ。

ちょうど七尾線のホームには観光列車「花嫁のれん」が到着しました。日本各地で流行を見せる地域の特産品を用いた軽食を食べられる観光列車で、金沢らしく車内は金箔が随所に貼られてゴージャスになっているそうです。車内外は近鉄特急「しまかぜ」のデザイナーが担当したとのことで、年代物のキハ40でもやり方次第でずいぶんきれいになるものですね。

 

www.jr-odekake.net

 

 

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金沢のひとつ隣に位置する西金沢駅。記憶にある駅の光景とは様変わりしていて面食らいましたが、前回訪れた2011年9月の1ヵ月後に新駅舎へと変わっていたそうです。

その目の前にある北陸鉄道新西金沢駅は記憶にある通りの姿でなんだか安心しました。北鉄乗りつぶしはここ新西金沢からスタートです。

 

 

 

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北鉄バス」のイメージが強い北陸鉄道は現在2つの鉄道路線を運行しています。その1つが今乗っている石川線で、金沢の中心街に近い野町からお隣白山市の鶴来を結ぶ13.8kmの路線。元々は約2km先の加賀一の宮までの路線でしたが2009年に廃止されて現在の姿となっています。

日中は片道30分ほどの路線を2本の電車で運行しているようで、折り返し時間は5分ちょっととなかなかタイトです。

 

www.hokutetsu.co.jp

 

 

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運行されている車両は東急7000系をカスタマイズした7000系電車が主力。東急時代を含めれば半世紀以上にわたって活躍しているベテラン車両ですが、Wikipediaによれば機器類は直流600V電化という路線の事情に合わせていろいろな鉄道会社から買い集めた部品で構成されているそうで、原形をとどめているのは車体だけのようです。2両編成5本が所属。

9年前に乗ったときは元京王3000系でしたが、あれは1本しかいない少数派。

 

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ゆっくり写真を撮っている暇もない折り返し時間で列車は野町へ向けて発車します。窓の外に広がる水田は青空の下で金色に輝いて秋っぽい景色です。

一方車内はかなり暑い…
冷房のパワーがあまりないのか、経費削減で送風だけになっているのかはわかりませんが、日差しと開いた窓から入ってくる夏の空気が車内の温度を上げています。まだ窓を閉めていればマシなのかもしれませんが、換気を求められるご時世なのでこればっかりは致し方ありません。

 

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新西金沢を通り過ぎ、終点の野町に到着しました。中心街からはかなり離れたところに位置しており、兼六園香林坊といった観光地・繁華街へはバスでアクセスすることになります。
金沢市街地方面へは電車に接続する形で目の前にバスが待っており、乗換が必要とはいえそこまで不便な感じはありません

あさかぜは「次のバスでいいや」とのんきに考えていたのですが、実は「野町駅」と「野町」というバス停は別物…
野町バス停は駅前ではなく5分ほど歩いた国道157号線にあり、野町を通るバスは必ずしも野町駅を経由するわけではないようです。

 

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すでに気温は25度に達しており、秋とはとても思えない日差しの下を野町バス停まで歩いてきました。ここまで暑い思いをするなら大人しく駅前からのバスに乗っておくんだったと後悔します。

バスで20分ちょっと揺られて金沢駅まで戻ってきたら、次はもう1つの路線を乗りつぶしです。

 

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今度は北鉄金沢駅から浅野川線に乗車します。
浅野川線石川線と違い1500Vで電化されていますが、1996年にこの元京王の3000系を北陸鉄道8000系として営業するにあたって直流600Vから昇圧工事が大なわれました。金沢駅付近の地下化のために不燃車体が必要となったことが3000系導入の理由だそうで、車両統一後の2001年にこの立派な北鉄金沢駅が完成しています。

2021年度からは東京メトロ日比谷線で活躍していた03系が後継車両としてデビューする予定。北鉄金沢はまさに地下鉄の光景になりますね。

 

www.hokutetsu.co.jp

 

 

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終点の内灘までは17分という小旅行。例によってここも折り返しが5分ちょっととカツカツです。ただ30分後に出発する1本後の電車に乗ってしまうと金沢からの特急に間に合わないので、駅の写真を撮ったらそそくさとホーム上に戻ります。

 

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車両は先ほども触れたとおり元京王の3000系改め北陸鉄道8000系。導入年次によって2パターンがあり、写真は3000系初期車を改造した8800形というタイプで2編成4両が所属。片開き扉で車体の裾絞りがありません。
奥に側面だけ見えるのは両開き扉となって裾絞りのある後期型を改造した8900形で、3編成6両が用意されました。
いずれも足回りはほとんど京王3000系時代と同じで、中間車から先頭車に走行用機器を移した程度の改造に収まっています。

一方、先ほどの石川線に1本だけいる7700系は7000系に仕様が合わせられているため、浅野川線との共通性は低くなっています。

 

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というわけで再び金沢駅に戻ってきました。最初からもう少し時間に余裕を持って、内灘駅から日本海ぐらい見てくれば良かったですね…

構内のスーパーでおつまみなどを購入し、いよいよ帰途へ就く時間がやってきてしまいました。でもそのまま新幹線で一直線に東京へ戻るのはもったいないので、趣味を兼ねて遠回りして帰ります。

 

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朝見かけた「花嫁のれん」が戻ってきていました。顔の上に2つついていたヘッドライトが中央の1つに変わって、より古風な雰囲気になっていますね。
昔はこの1つの電球が切れたらおしまいでしたが、現在の車両はヘッドライトが耐久性のあるLEDの集合体がメインとなり、こうして冗長性とデザインが両立できるようになりました。

 

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今となってはレトロな感じがしなくもない平成初期のVVVFインバータを搭載する681系「しらさぎJR東日本だったらすでに廃車か足回りの更新を受けている世代ですが、JR西日本では原形を保っています。JR東では255系ぐらいでしか搭載していなかった東芝製ですし、その255系も更新を受けて聞けなくなってしまいましたから681系のサウンドは楽しみです。

というわけでワクワクしながらわざわざモーター車を選んで座席指定をしたのですが、聞こえてくるモーター音がずいぶん静かです。
…そう、1編成しかいないレア車両である元北越急行の683系8000番台が入線してきました。選んで乗ることが難しい車両であることは確かですが、何も今日じゃなくたってという気はしなくもありません。

 

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とはいえ狙ったようにならないのも旅行の楽しみですし、683系が来たのも何かの縁ですからガッカリするようなことはありません。滑らかに金沢を発車し、速度が乗ったところでお昼ご飯にします。

まずは金沢駅の駅弁「鶏めし」から。白麹に漬けた鶏肉と地元の醤油で味付けをした鶏そぼろがたっぷりのっています。シンプルな味付けであっさりとおいしくいただけます。小食の人ならこれ1つで充分でしょう。

 

www.obentou-takano.com

 

 

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おつまみとして買ってきたのが大きな唐揚げ。鶏の足1本をまるまる唐揚げにしたもので、このサイズながらたった130円というコストパフォーマンスTwitterで見かけた「旅行先ではスーパーに寄ろう」というTipsは間違いではありませんでした。

味付けもほどよく、歯触りもパリパリとしてお酒にとても合います。ビール1本だけしか買ってこなかったのは考えが甘かったですね…「しらさぎ」には車内販売もありませんし。

 

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金沢からおよそ1時間20分で敦賀に到着しました。2022年度末に北陸新幹線はここまで延伸される予定です(2020年12月に2023年度末へ延期決定)。ここまで窓の外にはしばしば建設中の北陸新幹線の高架橋が見えていて、開業が近いことを実感させていました。

敦賀駅も在来線の駅の横に巨大な新幹線駅の建設が進められています。建設現場1つを見ても新幹線というインフラがいかに大規模かというのがわかります。駅にここまでの規模がいるのか、と素人のあさかぜは疑問に思ってしまいますが…

 

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米原で進行方向が変わり、線路の所有者もJR東海に変わりました。
進行方向左側に原型がないほど削られた山が見えてきました。「金生山(かなぶやま)」という石灰石と大理石の鉱山で、江戸時代から採掘されているそうです。元々4つの頂上を持つ山だったようですが、採掘に次ぐ採掘でほとんどは姿を消してしまったという…石灰石は日本が唯一自給できる資源、なんて聞いたことがありますが、山の姿が消えてしまうほど必要なものなのですね。

この麓には「西濃鉄道」という貨物専業の鉄道会社があり、この金生山で採掘される石灰石の輸送を担っています。

 

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というわけで金沢からおよそ3時間、想定外のレア車両683系8000番台での旅が終わりました。なお9両編成で金沢を発った列車は米原で3両を切り離し、6両編成となって名古屋までやってきます。付属編成だった3両は681系だったので、やはり681系・683系は共通の運用となっているようです。

 

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車内でお昼ご飯は食べましたが、名古屋に来ているならきしめんは食べておきたいところ。ひつまぶしとか味噌煮込みうどんとかちょっと値が張る食べ物が目立つ中で、500円ぐらいでおいしく食べられるきしめんはありがたい存在です。

 

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帰りはJR東海ツアーズの旅行商品「ぷらっとこだまを使って、ゆったりとグリーン車で東京へ戻ります。「のぞみ」で名古屋~東京は1時間40分、「こだま」になると最速でも2時間40分ぐらいなので時間的には大差があります。
とはいえ繁忙期を外せば1万円以下でグリーン車を堪能できますし、多くの乗客は「のぞみ」に集中するため静かに過ごすことが出来ます。1時間に1~2本という乗車タイミングと「のぞみ」+1時間という所要時間を許容できるのであれば「ぷらっとこだま」は便利な商品です。

ただ旅行商品という特性上様々な制限がありますから、利用前には必ず公式ページで利用条件を確認しておきましょう。

 

www.jrtours.co.jp

 

 

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毎度のごとく「ぷらっとこだま」で使うグリーン車N700a
バージョンアップ版のN700Aグリーン車の吸音材や座席の構造も向上しているそうなので違いを体感したいのですが、未だかなわず

定刻通り品川に到着しました。千葉県方面への乗り継ぎは東京でするよりも品川で乗り換えた方が歩く距離が短くて済みます。
ぷらっとこだま」は手前の駅で降りるのも含めて指定された駅以外での乗降はできず、従わなかった場合には通常料金で全額精算となるルールです。ただし東京・品川だけは例外で、この2駅は同一駅と見なされるのでどちらで乗降しても可能という扱い。
こうしたルールがあるので「ぷらっとこだま」の利用時にはよく確認しておかねばなりません。ルールを見落として精算が必要となるのは鉄道会社が悪いのではなく、利用者に非があるのは言うまでもありません。

割とどこも空いていて観光をするにはこれ以上ない環境で旅行ができ、とても充実した3日間でした。旅が終わるときはいつでも寂しいものですが、充実していただけになおさら強く感じられます。感情のない無機質な人混みに混ざり、自宅へと足を向けました。