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引き続きリニア・鉄道館です。今度は在来線車両に目を向けてみましょう。
381系は中央西線の劇的な高速化に貢献した日本初の振り子式特急電車。カーブの遠心力を使って車体を内側に傾け、車内の乗客にかかる遠心力を緩和することでカーブの通過速度を向上させるというものです。
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台車の中央部に見えるのが振り子のガイド。時速50km以上になるとロックが外れ、遠心力がかからない直線区間では車体が正立、カーブに入って遠心力がかかるとガイドに従って中のコロが動き自然と車体が傾く。これを「自然振り子式」といいます。
ただこれはカーブに入っても車体が傾くのが遅くなったり、逆に直線に戻っても左右に「揺れ戻し」があったりして、酔う人が続出。現在でもJR西日本の「やくも」では洗面所にビニール袋が備え付けられています。
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381系が華々しくデビューした「しなの」で話題を集めたのが、JR東海に入ってから改造されたパノラマグリーン車です。このあとキハ85系や383系など、「ワイドビュー」と名前のつくようになったJR東海の特急型車両の先駆者でした。
※2019年に残念ながら解体されてしまいました…
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381系パノラマグリーン車の列に並んでいる異様な車両は「建築限界測定車」と呼ばれるもの。安全に車両が走るために「建築限界」というものが定められていますが、それに抵触するような構造物がないかをチェックするための車両です。
車両の外周に飛び出した矢羽が建築限界で、これが何かに触れて倒れると建築限界を支障していることがわかる、というもの。現在ではレーザー光線で測定するようになりましたが、つい最近まではこの矢羽付きの車両がなくてはならない存在でした。
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東海道線の電車といえば111系。すぐに後継の113系へと製造の中心は移行していますが、新しくなったのはモーター車だけで、それ以外は111系そのままで製造されています。113系も含めれば約20年以上の長きに渡って製造され、山岳路線用の115系という派生形式も生まれています。
あさかぜも幼少期から地元を走る電車は113系でしたからなじみ深いものです。
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0系新幹線の運転台はシミュレーターとして活用されています。当時は横幅いっぱいに運転席が設けられていましたから、左端に運転席が設けられていると右側は広く空いています。
現代の新幹線は騒音規制に対応させる先頭部の形状を受けて、運転席は奥行きを持たせた代わりに車両の中央部に幅を狭くして設けられています。
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「パタパタ」「ソラリー式」「反転フラップ式」と様々な呼び名のある発車案内。あさかぜは「パタパタ」と呼んでいました。
表示を時間に応じて切り替えて出せる一方、可動部が多く故障のリスクも高い機械でした。当然ながらフラップに用意されていない表示は出すことができないのも事実ですが、それでも書かれたボードを眺めるだけよりもはるかにわかりやすくなりました。
現在ではご存知の通り、急な表示の変更にも対応できるLED式や液晶式の案内装置が標準となりました。
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屋外には飲食スペースも兼ねた117系電車が鎮座しています。
1970年代からクオリティの高い車両を提供していた私鉄に比べて、古かったり遅かったりで遜色のあった国鉄の車両たち。そこで都市圏内の速達列車「新快速」に投入されていた古い車両を置き換えるために登場させたのがこの117系です。車内は国鉄としては画期的な転換クロスシートを装備したり、特急型にも使われているような構造の台車を装備したりして、クオリティアップを図りました。
現在でも岡山地区へ行けば「当たり」の車両です。
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さすがに車両に搭載された空調設備は使わず、業務用の後付けの空調機器が設置されていました。保守管理もその方が楽でしょうから当然です。
まぁ足下からのモワッとするような熱気が味わえないというのは少し残念ではありますが…
ドアも手動なので、開け閉めはちょっと重たい感じ。冬の地方路線の感覚を味わえます。
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JR西日本管内でも少なくなってきた117系を体感できる貴重なスペースでしたが、こちらも381系同様に2019年内に撤去・解体されてしまいました。
代わりにこのスペースには19年末現在でN700系の試作編成が搬入され、休憩スペースとして開放されているとのこと。確かにシートテーブルもあって、座席もリクライニングつきとなればそちらの方が休憩所としてはふさわしいでしょうね。…それらの機能が使えるのかどうかはわかりませんが。
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2階の展示スペースには期間限定でジェイアール東海バスの展示も行われていました。
現在では昼行バス・夜行バスともに高速バス専業のバス会社となっていますが、2009年までは一般路線バスの運行も行っていました。それがまさに昨日訪れたガイドウェイバスの共同運行だったのです。
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というわけでおよそ3時間にわたって楽しんできたリニア・鉄道館。普段なかなか見られない部分までじっくり観察することができるのは博物館の醍醐味です。
完全にあさかぜの趣味がメインでしたが、同行してくれたズッキー氏も「思い出に浸れて楽しかった!」と言ってくれて救われました。次はもうちょっと時間を取って、改めて興味ある車両の些細な観察をしてみたいところです。
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しかし時の流れは残酷なもので、もうすでに帰路に就かねばならない時間…しかも明日はいつも通り仕事です。昨日おとといはライブで夢のような時間を堪能し、今日は自分の好きな世界へ没頭する。あまりの落差の大きさに憂鬱な気分がこれ以上無く盛り上がってきます。
とはいえそれに従わなければならないのが社畜の宿命。あまり遅くならないうちに新幹線で東京へと戻ります。
今回はひつまぶしを食べている暇もお金もなかったので、車内で申し訳程度のひつまぶしを味わうことに。さすがに「あつた蓬莱軒」のような豪勢なものではありませんが、「こだま」のグリーン車で食べるならちょうどいいぐらいです。
それにしても「こだま」もスピードアップしましたね。時速285kmで運転できるN700Aシリーズが増えたからでしょうか、数年前なら3時間以上かかっていた東京~名古屋間が2時間50分程度に縮まっています。それにしたって「のぞみ」に比べたら1時間10分は多くかかるわけですが、10,000円足らずでグリーン車に乗れる「ぷらっとこだま」があるならさして苦にはなりません。
ひつまぶしを平らげてうつらうつらしていれば、あっという間に東京。現実には戻りたくない…