あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

どこかで働く駅員がひたすら旅行記や写真(主に飛行機)をひたすら載せ続けるブログです

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2023年を振り返る【前期】

気がつけば2023年も残すところあとわずか文字通り数時間を残すのみという状況になっています。
毎年毎年「1年間あっという間だったなぁ」という嘆きを発していますが、だからといって「2024年が成長の1年になるかと言われたら絶対そんなことはない」という妙な自信もあって我ながら困り者です。

まぁそんな己の無能さはさておいて、今年1年あさかぜが一体何をしてきたのか簡単に振り返ってみようと思います。

まずは2023年1月~6月まで。


■ 1月

去年と違い、今年は雪も降らず晴天が続いた1月。「スポッティング初め」も例年通り成田空港でできて幸先の良いスタートです。

成田に就航してから撮影できていなかった韓国のLCC「フライ・カンウォン」を収めることができたのもこの時。そして唯一の撮影機会となってしまいました…
B737-800で運航を開始したのもつかの間、輸送力を拡大しようともくろんで何を思ったかA330-200を導入した同社。ボーイングエアバスでは何もかもが違うのに、1機だけ所有するなんて運用効率では最悪といってもいいレベル。

結局リース料が支払えずに一部の機体をリースバックしただけでなく、給与の支払いまで滞るようになって5月20日に全便運航停止。そのまま6月末には事業許可まで取り消しになっています。

 

翌月に控えた海外旅行に備え、4回目のコロナウイルスワクチンの接種に行ってきました。
3回目までは会社の施設で受けることができましたが、4回目以降は各自で受けるようにというわけで大手町にある自衛隊の施設へ。

接種後の経過はブログの記事にも書いたとおりですが、インフルエンザにかかったかのような体調になってしまって参りました…
ここまではっきりと体調が悪くなるのは家族にはいなかったので、本当に著しいまでの個人差が出ます。とりあえずワクチンのおかげか、この1年間はコロナウイルス感染症にはかからずに済んだので、まぁヨシとしましょうか。

 

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トキエア1/31就航“予定”、4月には仙台も狙う

2023年11月29日、就航の延期がずっと続いている新潟空港拠点のLCC「トキエア TOKI AIR」が記者会見を開き、2024年1月31日に新潟~札幌(丘珠)の運航を開始すると発表しました。
当初は「2022年内就航予定」でしたから、約2年近い遅れとなっています。

 

<トキエアが運航するATR-72-600。23年12月現在では2機導入済みで、訓練飛行や整備を行っている>

 

それでも2023年9月ぐらいまでは
「10月29日の冬ダイヤ開始とともに就航するのでは?」
という見方が強くあったものの10月半ばになっても音沙汰はなく、結局は年末年始という書き入れ時を逃してしまったわけですが、2月は巨大イベント「さっぽろ雪まつり」が控えていますから、まだ認知度を上げるチャンスは残っています。

 

…とはいっても、あくまで1月31日就航は「予定」であると、開き直りとも捉えられかねない雰囲気でもありました。
就航予定日は何度も延期され続けているわけで、だいぶ信用をなくしているというか、狼少年のような節もあるわけです。

 

運航ダイヤについても曖昧さが感じられます。
1月31日に就航します、と言った割には詳細なダイヤは発表されなかったようです。8月10日の就航が予定されていた頃は、観光需要の見込みがある金~月曜日の週4日、各日2往復の運航と発表されていました。
一応はその頃との大きな違いはないとしつつも、「最終的な運航ダイヤは調整中」という内容に留まりました。ちなみに2024年1月31日は水曜日で、祝日ですらありません。

 

また週末限定の運航ではビジネスマンの利便性はいまひとつです。トキエアとしても早めにデイリー運航(毎日運航)に持って行きたいようですが、これも時期の明言は避けられています。

 

新潟~丘珠線のデイリー化さえ定まっていない割には、
「早ければ2024年4月頃には新潟~仙台線を開設したい」
という強気な発言も見られます。
今まで延期を積み重ねたせいで、特にAviation Wire誌にはかなり懐疑的な見方をされていますが、そりゃそうだと思わざるを得ません…

 

 

<チェックインカウンターも片隅に整備され、就航まで間近なことを感じさせる新潟空港の出発ロビー。2023年6月撮影>

 


それとは別に、天候が比較的安定する夏のシーズンを通り越して真冬からいきなりスタート、というのもなかなか高いハードルのように感じられます

同じ「札幌」を冠するとはいえ、大手の航空会社が発着する新千歳空港と、北海道エアシステム(HAC)が拠点とし、トキエアも就航する丘珠空港とでは冬の気候がだいぶ異なります。太平洋側に近い新千歳は、札幌市街に比べると明らかに雪の量が少ないですからね。

 

それに視界不良の時に大きな効力を発揮するILS(Instrument Landing System=計器着陸装置)の設備が丘珠空港にはありません
そうなると天候の悪い日には着陸することができない場合が出てくるので、天候の悪化が予想される場合には欠航せざるを得ません。

 

<冬の嵐の中で出発を待つHACのATR42。視界の悪化は着陸に大きな影響を与える>

 

欠航するような状況を可能な限り減らすため、HACでは2022年9月からLPVという新しい進入方式丘珠空港で使っています。

Localizer Performance with Vertical guidance

という長い正式名称を略したもので、GPSといった衛星からの情報を元に滑走路まで誘導し降下していくというシステムです。
通常の有視界飛行では高度380フィート(≓115m)まで降下しても滑走路が見えなかったら、着陸をやり直すか、着陸そのものを諦めなければなりませんでした。

 

LPVの導入により下限が257フィート(≓77m)まで下げられるようになり、2025年には200フィート(≓60m)まで性能が向上する見込みです。

 

HACではそのLPVに対応したオプションを装着したATR42-600を導入したわけですが、トキエアのATR72-600ではそうした話を聞いたことがありません
トキエアが拠点とする新潟空港はILSが設備されているので、LPVに対応させる必要がないという考え方なのでしょうけれども…

しばしば冬の札幌で荒れた天気に遭遇している身としては、就航率がどれほど確保できるのか気がかりなところです。

 

<HACでは新しい進入方式LPVに対応させたATRを導入しており、丘珠だけでなく設備の拡張が難しい離島空港への就航率向上も図る>

 


というわけで、延期を積み重ねた結果新たな心配を招いているトキエアについて触れてみました。
趣味人としては安定した運航にこぎ着けて欲しいのは山々なのですがね…

 

ちなみに、トキエアでは機内での電子機器の取扱いについてもちょっとした波紋が広がっているようです。これについては機会があれば触れてみようかと思います。

 

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参考資料:

トキエア、1/31就航 新潟-札幌丘珠を週4日 - Aviation Wire

https://www.aviationwire.jp/archives/289001

 

トキエア、仙台就航は最短24年4月 長谷川社長「2カ月くらい必要」 - Aviation Wire

https://www.aviationwire.jp/archives/289053

 

トキエア、新潟~札幌/丘珠線の運航ダイヤ並びに運賃を発表 最安6,900円~とし、就航は8月末に延期することを正式発表 - sky-budget

https://sky-budget.com/2023/07/26/toki-air-news-10/

 

日本初となる衛星を活用した新進入方式の運用を開始 -北海道エアシステム

https://www.info.hac-air.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/%E3%80%90HACPRESSRELEASE%E3%80%91%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%9DLPV%E9%80%B2%E5%85%A5%E9%96%8B%E5%A7%8B.pdf 

※PDFファイル

 

HAC、衛星使う新着陸方式「LPV」運用開始 国内初、悪天候時の就航率向上 - Aviation Wire

https://www.aviationwire.jp/archives/259623

 

バンコク発着!?~貸切車両で行く夜行列車の旅 - 1日目(2023年2月22日)

久しぶりに国際線チェックインの長い列に並んでいます。最後に海外に出かけたのは2019年8月のシンガポール以来ですから、実に3年半ぶりの国際線です。

せっかくJGCJALグローバルクラブの会員資格を手にしたので本当は日本航空で出かけたかったところですが、航空券がすさまじく高い…!
ロシアのウクライナ侵攻のせいで原油価格が高止まりしているのに加え、往来緩和で国際線利用が急伸していることもあって、タイ・バンコクまでの中距離路線でも懐事情が許しませんでした。

というわけで今回は初めてジップエアのバンコク便、さらに往路だけ上級シートの「ZIP Full-Flatを選んでみました。LCCを選んだのに往復15万円を余裕で超えましたから、空の旅はお手軽にはできなくなっています…

 

www.zipair.net

 

 

JAL系でありながら第1ターミナル北ウイングでチェックインとなるジップエア。国際線の宿命ですが、チェックインまでに20分ほど並びました…
ホームページにはオンラインチェックインができると案内されていましたが、就航地によって要件が違うからか、オンラインチェックインもカウンター近くのチェックイン機もこの時は利用不可。
全て対面チェックインなので長蛇の列になるのもやむなしです。

17時の出発までまだ2時間半近くあるので、適当にお昼ご飯を食べてから出国することにします。

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2023年2月15日 【成田空港】

B-LAM / Cathay Pacific / Airbus A330-300

昼下がりもいいところですが、家の用事が済んだので成田空港までやって来ました。やはり月に1回は飛行機を見ないと精神の安寧が得られませんね…ついでに肩こり・腰痛を緩和すべく、久しぶりに温泉にも入ることにしましょう。

というわけで定番の「ひこうきの丘」へやって来ました。海外との往来が緩和されて、キャセイパシフィック航空もだいぶ便数が戻って来ています。2019年と同じレベルになるのはまだしばらく先だとしても、賑わいが戻って来たのは何よりです。

 

JA822J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner

情勢が良くなって航空会社は攻勢をかけていきたいところですが、新造機のデリバリーが遅れているというどうにもならない事情があったりします。
ジップエアも新造機の導入を進めて路線拡大を図っていく方針でしたが、B787の品質問題によりデリバリーが遅れています。

1号機(写真)と2号機を受領したあとは新造機を導入するはずでしたが、製造の遅れによって4号機まで親会社の日本航空からの転籍となっています。

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ATR機が拓く?小笠原空港の可能性

だいぶ前のブログ記事で、開発中のATR42-600Sがどんな飛行機かということに触れました

 

mizuho-asakaze.hateblo.jp

 

簡単にまとめれば

  • エンジン・動翼・ブレーキ・コンピュータの改修によってSTOL(短距離離着陸)性能がATR42-600より向上
  • 定員の48人そのままに、900m未満の滑走路から離陸可能
  • 性能は制限される800mの滑走路でも離着陸できる

という飛行機です。

 

2023年9月現在の日本では佐渡空港(滑走路長890m)へ新潟の新興エアライン「トキエア」が就航させる予定、という話にとどまっていますが、ATR42-600Sはもっと大きな可能性を秘めています。

 

それは、小笠原諸島への航空路です。

 

<STOL型のベースとなるATR42-600。日本国内では写真の天草エアラインの他、日本エアコミューター北海道エアシステムオリエンタルエアブリッジが運航している>


東京都小笠原村は本土から約1,000km離れています。父島に約2,100人、母島に約500人が暮らしているほかは無人島。
太平洋戦争中の激戦地であった硫黄島小笠原村に属しますが、居住・立ち入りは自衛隊とその関係者のみに限られるため、民間人は基本的に立ち入ることはできません。

 

そんな小笠原村と本土を行き来できるのは船のみ
東京の竹芝埠頭から小笠原海運「おがさわら丸」で父島の二見港まで24時間、母島までは「ははじま丸」に乗り継いでさらに2時間を要します。
運航便数は「おがさわら丸」がおよそ6日に1往復「ははじま丸」は週4~5便。父島~母島はまだしも、本土~父島の往来はかなり制限されています。

観光客は「絶海の孤島」気分が味わえるからまぁ良いとしても、小笠原に暮らす島民にとってはとても大変なこと…

 

<芝浦埠頭で貨物を積み込んでいる「おがさわら丸」。東京~父島間は片道24時間もかかるため、妊婦さんの乗船も条件が厳しくなってしまう>


そこで2020年代に入ってから小笠原への空港建設が再び真剣に議論されています。航空路ができれば本土への所要時間は2~3時間と劇的に短縮され、アクセス性は大幅に向上します。

 

とはいえ、小笠原諸島貴重な生態系を持つ世界遺産の地。環境に及ぼす影響を考慮すると、簡単に「造りましょう」とはできません
今のところ候補地として最有力なのは父島西岸にある洲崎地区世界遺産にはギリギリ含まれないこの場所に、南北方向に1,000mの滑走路を設けてはどうか、という話になっています。

 

当初は1,200mの計画でしたが、ATR42-600Sであれば1,000mでも充分足りるとなったわけです。
「たかだか200m」と思ってしまいますが、飛行機の安全な発着のためには滑走路の前後左右にも影響が及びます。
特に着陸をやり直す時(「着陸復行」といいます)に飛行機が山や建物にぶつからないよう、滑走路の真ん中を中心にすり鉢状に高さの制限が決められているのですが、滑走路が長く幅が広いほど、その影響範囲は広がります。ですから小笠原のような場所では可能な限り滑走路を短くして、周囲の山を削る範囲を最小限にしなければなりません。

 

二見港から湾を挟んで反対側が洲崎地区で、ギリギリ世界遺産には含まれない。MSFS2020のスクリーンショットより。洲崎には戦時中に海軍の飛行場があった>

 

でも、なぜそこまでして空港を造ろうとするのか?

 

何も観光客の利便性のためではありません
背景には島民の生活、特に重病・重傷になったときの搬送の問題があるからです。


大きなケガ、重い病気にかかって一刻も早い対処を必要とするとき、離島である小笠原では酸素、輸血など医療資源に限界があります。では設備や資源の整った本土の病院へ搬送がいるとなったとき、どれほどの時間がかかるのでしょうか?

 

小笠原診療所が発表しているデータによると、救急搬送の要請をしてから病院に収容されるまで2020年の平均は10時間14分、2019年では9時間40分。2014年に発表された論文「小笠原諸島の緊急航空機輸送の現状と課題」の中でも、2004~12年度の平均は9時間34分となっていて、非常に長い時間がかかっていることがわかります

 

これは要請を受けた病院の医師が羽田空港厚木基地に向かい、自衛隊飛行艇で父島の二見港、もしくは哨戒機でさらに南側の硫黄島に飛んで来なくてはならないからです。
この救急搬送の時間が短縮できれば容態が悪くなる可能性を下げられるでしょうし、早い段階で高度な治療を受けることも可能になります。

 

二見港に直接横付けできる海上自衛隊飛行艇US-2。写真からもわかるとおり、地上にいるときは乗降口までかなりの高さがある>

 

妊婦さんも同様で、船に頼るしかない現在は妊娠8ヶ月ぐらいで本土の病院に移動して入院せざるを得ず、金銭面でも精神面でも負担となっているのが現状です。
これは「おがさわら丸」に妊娠後期の乗船制限があるからですが、丸1日外海を航行する以上は「制限を緩和しろ」と言っても無理なものがあります。

 

航空便ができて制限が大幅に緩和されるのならJALANAでは出産予定日の4週間以内でも医師の診断書があれば搭乗できます)、お母さん達の負担もかなり楽になることでしょう。

 


このようにATR42-600Sの実用化と小笠原空港の建設は小笠原村民の強い味方となるわけですが、もちろん“おいしい話”だけではありません

 

先述したように空港の建設は環境に大きな影響を与えます。当初の計画よりもスリム化したとはいえ、周辺の山を削ることには変わりないですし、海中の生物への影響も考えねばなりません
豊かな自然への影響については、村民へのアンケート結果からも不安がうかがえます。

 

単純に人の往来が増えることによる影響も無視できません。
連休中に現れる、自分のことを「お客さま」と思い上がったクソみたいな連中が押しかけることによる治安やマナーの悪化もさることながら、もっと大きな問題は生態系を破壊する生物の侵入です。

 

イヌ、ネコ、鳥類などのような動物は搭乗前に断ることができるとしても、植物の種子が意図せず体や荷物にくっついて入り込んでしまうというのはよくある話です。細菌やウイルスといった目に見えないものならなおさら

 

人やモノが往来する以上は気にし始めたらキリがないことではありますが、そうした外からの「異分子」を可能な限り排除するのは、便利になるのとは相反する条件です。


こうした背景を見ると、ATR42-600Sの登場は小笠原空港の実現可能性を上げるものではあっても、決め手ではないということになりますが…

 

海上自衛隊の哨戒機P-1。父島に滑走路はないため、急患は硫黄島にヘリで移送してから哨戒機で本土に向かうことになる>


ちなみに、小笠原航空路協議会では、ATR42-600Sの他にアグスタウェストランドのAW609という飛行機も検討の対象となりました。
飛行中にエンジンの向きを変えることで、ヘリコプターのように垂直に離着陸ができ、飛行機のように主翼で飛ぶこともできる「ティルトローター機」です。

 

そう、戦争反対派の方々が 大 好 き な V-22 オスプレイと同じ仕組み

 

実際にAW609はオスプレイの知見を生かして設計されており、垂直に発着するVTOL性能と、ローターを斜めにすれば積載量を増やした上で400mの滑走路から離陸できるSTOL性能を併せ持っています。
ヘリと違い揚力をローターだけに頼らないので、航続距離も約1,300kmと本土まで充分
ATR42-600Sと同様、AW609も量産できる体制に達しているようです。

 

ただし機体サイズはオスプレイの約半分、搭乗人数も9人と、ATR42-600Sの48人、オスプレイの約30人に比べるとかなり少ないので、客を乗せて飛ぶ「定期旅客便」として使うには運用コスト面で難しいかも…
その点は東京都もわかった上で提示しているとは思いますけどね。

 

とはいえ、小笠原空港が実現できるまでのつなぎとして、国や都が補助をしてAW609で運航するのもアリなんじゃないか、と個人的には感じています

 

小笠原空港の計画がどこまで具体化するか、今後の動向に注目です。

 

<大型の輸送用ヘリコプターCH-47「チヌーク」。航続距離は約1,000kmで、本土との往復どころか片道すら直行は厳しい>

 

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参考資料:

小笠原空港、いよいよ実現か 航空会社はどこで、どんな飛行機が飛ぶのか - 乗りものニュース

https://trafficnews.jp/post/79465

※2018年1月の記事なので情報は少し古いです

 

小笠原空港計画はどこへ行く。「垂直離着陸機」導入も検討へ - タビリス

https://tabiris.com/archives/ogasawara-airport2020/

 

島民悲願の小笠原航空路 道遠く 工法、環境配慮、航空機選定 課題山積 - 産経新聞

https://www.sankei.com/article/20221125-SDMRKEO4CZJMBC2X2AZ7R75DDA/

 

小笠原諸島の緊急航空機搬送の現状と課題 - J-STAGE

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsem/17/3/17_461/_pdf

※PDFファイル

 

小笠原村の医療 [令和5年度版] - 小笠原村診療所

http://www.ogasawaraclinic.jp/pdf/r5gaiyou.pdf

※PDFファイル

 

小笠原航空路の検討状況について - 東京都総務局

https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/05gyousei/sinkou/ogasawara/R21222ogasawarakoukuurokentoujoukyou.pdf

※PDFファイル

 

航空路アンケート集計表 - 小笠原村

https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/wp-content/uploads/sites/2/2014/10/airline_research.pdf

※PDFファイル

 

洲崎飛行場跡地(父島) - 空港探索・3

https://airport1111.blog.ss-blog.jp/susaki-airstrip

大騒ぎになりそうなPW110Gエンジンの点検問題

エアバス・A320neoシリーズの主力エンジンの1つPW1100G-JMエンジンの製造工程で品質問題が発覚し、当初よりも騒ぎが大きくなっています。

 

<PW1100G-JMエンジンの特徴的な内部構造を解説した模型。あいち航空ミュージアムの展示>

 

このエンジンはアメリカの航空・宇宙産業の大手企業「レイセオン・テクノロジー(Raytheon Technologies、以下RTXの傘下にある「プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney、以下PW社」が製造している小型機用のジェットエンジンです。

 

PW社はジェット旅客機の草創期からエンジンの製造をしてきた老舗で、JT8D(Boeing 737初期型、Douglas DC-9など)、JT9D(Airbus A300、Boeing 747クラシックなど)という傑作エンジンを生み出してきました。
またPW4000エンジンはボーイングが生産している空中給油機KC-46Aにも採用されるなど、現在でも多くの実績を持つエンジンメーカーです。

 

今回、製造上の問題が発覚したのはPW社が開発・製造し2015年12月から実際にお客さんを乗せて飛行している、PW1100G-JMというエンジン。

 

技術的な特徴はさておいて、PW社によると
「エンジン部品の製造に使用される金属粉末について稀な症状が発生し、早期の検査が必要になると判断した」
とのことで、2015年末~2021年にかけて製造したエンジンが対象です。航空新聞社の記事では、エンジン部品の一部に使われている金属粉末にコンタミネーション(汚染)が発生していたとのこと。

 

2023年9月14日時点ではどのロットや製造番号が対象になるかは明らかになっていないそうですが、最大で700~1,000台のエンジンに検査が必要だと見込まれています。
このうち200台は9月中旬までに飛行機から下ろす必要があるとのこと。

 

飛行機から取り外し、検査をして、もう一度装着するまでに必要な期間は250~300日とされています。
つまり航空会社は該当するエンジンを載せた機体は8~10ヶ月の間使えないことになるわけです。

 

検査日数が長く必要なこともあり、PW社およびRTXは2026年にかけて全世界で平均350機が空を飛べずに地上で駐機することになる(AOG=Aircraft On Ground)と見込みました
検査のピークは来年2024年の前半で、AOGの機体は650機に上る予想になっています。

 

当然、検査に必要な費用だけでなく、飛行機を飛ばすことのできない航空会社への損害賠償も必要になってきます。RTXの見込みでは数年間で30~35億ドル、日本円にして約4,400~5,100億円規模の費用負担になるとしています。

 

<機材の稼働率・回転率がものを言うLCCでは、しばらく使えない飛行機が出るのは大問題。フィリピンのセブ・パシフィックはすでに2024年の稼働数を下方修正している>

 

なお、この問題はPW社・RTXに限らず、日本企業への影響も懸念されています。エンジンの主要部品である圧縮機の組み立てを行っているIHIは特に大きな影響が出る見込みですし、IHIほどではないとはいえ川崎重工業三菱重工業もPW1100Gプログラムに参画している以上は業績に影響する可能性が否定できません。

 

メーカーの業績云々もさることながら、利用者である我々にもダメージを与えてくることは確実です。世界中の航空会社、フルサービスキャリアであろうとLCCであろうと、A320neo・A321neoは注文してからデリバリーされるまで数年待ちの大人気機種です。
全てが全てPW1100Gエンジンを搭載しているわけではなく、A320neoシリーズのうちPW1100Gのシェアは約4割。残りの6割はライバルのCFMインターナショナル社が生産するLEAP-1Aエンジンを使っています。

 

とはいえPW1100Gを載せたA320neoシリーズはすでに1,500機以上が出回っていますから、看過できるものではありません。どこかへ旅行に出かけても“エンジンの点検のために欠航”というありがたくないイベントに出くわす可能性は否定できません。

 

ちなみに、日本ではANA全日本空輸が運航しているA320neoの11機と、A321neoの22機、全33機がPW1100Gを装備しています。先述のようにどのエンジンが長い期間を要する点検の対象かはまだわかっていないものの、大半の機体が問題のエンジンの製造期間とほぼ重なる時期に納入されているので、影響が及ぶ可能性は十二分にあります。

 

<PW1100Gを採用しているANAのA321neo。同社のA321neoは2017年9月~2021年12月にかけて納入されており、製造問題の出た期間と重なる>

 

なお、同じANA HD傘下にあるLCCのピーチはA320neo、A321LRともにCFM製LEAP-1Aエンジンを採用。またA321LRを運航するJAL系のLCCジェットスター・ジャパンもやはりLEAP-1Aを採用しているので、今回の件で2社に影響が出ることはなさそうです。

 

<ピーチのA320neo(上)とジェットスター・ジャパンのA321LR(下)。2社ともCFM・LEAP-1Aを採用しており、今回の製造問題とは無関係>

 

技術的にもとても優秀で期待以上の性能を発揮してきたエンジンだけに、早期の原因究明と解決を願いたいものです。

 

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参考資料:

PW1100エンジン搭載「A320neoファミリー」影響、取り下ろし追加検査必要に - Fly Team

https://flyteam.jp/news/article/139715

 

P&W、一部製造期間の「PW1100G」金属粉末にコンタミ - 航空新聞社

https://www.jwing.net/news/67602

 

P&W、コンタミ問題で年平均350機のA320neo運航停止へ - 航空新聞社

https://www.jwing.net/news/69049

 

IHI、P&W製エンジンで業績に影響想定-現段階で正確な評価困難 - Bloomberg

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-12/S0V487DWLU6801

 

IHIと川重、PW1100追加検査「影響あると想定」 - Aviation Wire

https://www.aviationwire.jp/archives/284110

 

2023年1月11日 【成田空港】

気がつけば年が明け、2023年が始まっていました。昨年11月の四国弾丸旅行以来、出かけたのは職場の先輩に誘っていただいて那須まで出かけた『男のクリスマスキャンプ』だけ。

Googleフォトに同期された写真を振り返ってみましたが、キャンプ以外はほぼ全部『ポケットモンスター バイオレット』のスクリーンショットで埋め尽くされていました。そこそこ忙しかったとはいえ、仕事するかポケモンするかしかなかったのか…?

 

JA771F / All Nippon Airways / Boeing 777F

そんなインドア派を極めたような自分に呆れつつ、恒例のスポッティング初めは成田空港から。お天気もいまひとつですし、寒さをしのげる航空科学博物館の展望デッキから飛行機を眺めます。

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