気がつけば年が明け、2023年が始まっていました。昨年11月の四国弾丸旅行以来、出かけたのは職場の先輩に誘っていただいて那須まで出かけた『男のクリスマスキャンプ』だけ。
Googleフォトに同期された写真を振り返ってみましたが、キャンプ以外はほぼ全部『ポケットモンスター バイオレット』のスクリーンショットで埋め尽くされていました。そこそこ忙しかったとはいえ、仕事するかポケモンするかしかなかったのか…?
JA771F / All Nippon Airways / Boeing 777F
そんなインドア派を極めたような自分に呆れつつ、恒例のスポッティング初めは成田空港から。お天気もいまひとつですし、寒さをしのげる航空科学博物館の展望デッキから飛行機を眺めます。
B-2426 / China Eastern Airlines / Boeing 747-400ERF
分類上中国東方航空という扱いにしていますが、こちらは貨物・倉庫業の大手COSCOとの共同で設立された中国貨運航空。コールサインは「カーゴキング」という勇ましいもので、これも同社が中国で初めての貨物専業の航空会社だから取れたのかもしれません。
最近はB777Fで来ていることが多い印象ですが、今日は久々にジャンボフレイターの姿を見ることができました。
N576UP / UPS Airlines / Boeing 747-400F
海外との往来が緩和されて旅客便が目に見えて増えたとはいえ、まだまだ貨物便の存在が薄くなるようなことはありません。船便の不安定さは相変わらずのようですから、航空貨物の需要はピークを過ぎたとはいえまだまだ高い様子。
ルイビルへ向かって折り返すUPSのジャンボフレイター。さすがに貨物を搭載してアメリカ東部までひとっ飛びすることは難しいですから、順当にアンカレッジを経由していくのでしょう。貨物便は航続距離よりも、燃料給油のためにどこかを経由してでも1度に運べる量を増やした方が効率的が良いので。
JA381A / All Nippon Airways / Airbus A380-800
ANAの虎の子、A380「フライング・ホヌ」の活躍は、週5往復運航されている成田~ホノルル便のうち週末の2往復だけ。1機で回る運用が組まれているので、残された1機とまだ運用に入っていない3号機は空港内に駐機されていることがほとんどです。
今日は何か整備作業があったのか、初号機の青い方が航空博物館から見える位置に移動してきていました。未だに3号機のサンセットオレンジは見ることすらできていません…年末には整備フライトをしていたんですがねぇ…
HL7753 / Air Busan / Airbus A320-200
エアプサンそのものは珍しくもなんともないので危うく見落とすところでしたが、普段は来ないはずのA320ではありませんか。定期便っぽくはない便名でしたが、結局何者なのかはよくわからず。
JA381A / All Nippon Airways / Airbus A380-800
用事が済んだのか、ホヌ1号機は所定の駐機場へとトーイングされていきました。
9N-ALY / Nepal Airlines / Airbus A330-200
日が照る時間が増えてきました。こうなってくると航空科学博物館は時間的に逆光となってしまいますが、今はタイミングが微妙なのでこのまま粘ります。外へ出ると寒いですし…
就航から3年近くが経ち、ネパール航空の姿もおなじみになってきました。2006年に勃発した国王への独裁反対、2年後の共和制への移行に伴い、会社名はネパール航空(Nepal Airlines)が正式名称に。ただ航空会社を表す3レターコードはRoyal Nepal Airlines時代のRNAが現在もそのまま使われています。
VT-ANP / Air India / Boeing 787-8 Dreamliner
エア・インディアのこの機体は、インド独立の父マハトマ・ガンディー(1869-1948)の生誕150周年を祝う特別デザインです。
B-50006 / Tigerair Taiwan / Airbus A320-200
タイガーエア・台湾の機体後部に描かれているのは、2019年に楽天が運営権を取得した台湾のプロ野球チーム「楽天モンキーズ」のロゴとキャラクター。
よく見たら機体下部もチームカラーのえんじ色で塗られています。
PH-BHG / KLM Royal Dutch Airlines / Boeing 787-9 Dreamliner
晴れたり曇ったりでなんだかヤキモキする空模様です。水色が美しいKLMの出発のタイミングではちょうど雲がかぶってしまいました…
新型コロナウイルスの流行にロシアによるウクライナ侵攻が重なり、2019年までは毎日1往復、繁忙期は1日2便運航される日もあったKLMのアムステルダム~成田便は現在週5便程度にとどまっています。
しかもロシア上空が通れないせいで時間的な優位性がだいぶ失われており、週5便のうち3便はソウル・仁川経由でさらに時間がかかります。機材も以前より小さなB787-9のまま。
まだ途中とはいえ、対アメリカに比べると対ヨーロッパの需要の戻りはずいぶん遅いように見えます。
HL8064 / Jeju Air / Boeing 737-800
日本と海外の往来が緩和されたことを受け、韓国の特にLCCは一気に攻勢に出てきました。需要の高い成田~ソウル便にいたっては週2~3便程度だったのが1日複数便飛ばすほどにまで増便されており、両国間の旺盛な移動を取り戻そうとしています。
チェジュ航空もその競争に戻って来ました。ライバルのジンエアーやティーウェイはB777やA330といった大型機も導入していますが、同社はB737統一を崩さずに効率性を徹底する様子です。
V8-RBA / Royal Brunei Airlines / Airbus A320-200N
ロイヤルブルネイも帰ってきました。10月に再開した当初は週2便でしたが、12月後半から週4便へとむしろ2019年よりも増えました。
あさかぜは日本とブルネイの関係がさっぱりわかっていませんでしたが、同国の生産する天然ガスの85%が実は日本向けだったりするなど、切っても切れない関係性にあるそうです。
HL8517 / Air Premia / Boeing 787-9 Dreamliner
博物館の展望デッキから離れられない理由になっていた飛行機がやっと来てくれました。「エアプレミア」です。
2017年に当時のチェジュ航空会長によって設立された航空会社で、大手フルサービスキャリアより安い運賃でそれなりに充実したサービスを提供する、いわゆる「ハイブリッドエアライン」。乱立気味になっている他の韓国LCCとは違うコンセプトです。
2021年の運航開始当初は足慣らしで国内線も運航しましたが、現在は主戦場となる国際線に一本化。成田へは12月23日に週4便で就航したばかりです。
ロサンゼルスなどへの長距離便も徐々にスタートしており、乗継をあまり面倒だと思わない人にとってはこちらも有力な選択肢になり得そう。
ちなみに機内の座席仕様は長距離用と中距離用とで2種類あるようですね。
9V-OJJ / Scoot Tigerair / Boeing 787-9 Dreamliner
続けざまにスクートの「ポケモンジェットTR」も出発していきました。機体右側はどうしても時間的に逆光になってしまいますが、左側は太陽の光が当たってきれいに撮れたので満足です。
午後のスポッティングに移る前にエネルギー補給です。
さくらの山公園に併設された「空の駅さくら館」の中にある食堂で、そばとしらす丼のセットを注文。釜揚げのしらすがたっぷり乗っていておいしいです。
個人的にはどうしても生臭さを感じてしまう生しらすや、硬くてチクチクしたちりめんより、釜揚げしらすが一番好き。日持ちがしないというのだけが難点です。
OE-IFB / ASL Airlines Belgium / Boeing 747-400ERF
駐車場の隅から撮影を再開しましょう。
離陸してきたのはASL航空のジャンボフレイター、元コリアンエア・カーゴの機体です。登録記号ではオーストリア籍となっていますが、ASLベルギーの拠点はベルギー東部にある都市リエージュです。
リエージュ~成田便は2022年10月に週2便で就航しました。当面の間は直行ではなく、カザフスタンのアスタナもしくはアルマトイを経由して運航することになるようです。
B-58303 / Starlux Airlines / Airbus A330-900
台湾の新興エアライン、スターラックス航空が飛び立ちます。2022年11月にA321neoからA330neoへと大型化され、12月からはA321neoで2便目が運航されるようになりました。
さらにこの翌日には2便目もほとんどがA330neoへと大型化されることが決まり、スターラックスのA321neoが見られた期間は割と短期間で終わってしまいました。
2020年に週2便というか細さで始まった同社の台北~成田便が、あっという間に大型機によるダブルデイリーまで成長したのは驚きです。
B-LPO / Hong Kong Airlines Limited / Airbus A320-200
出発機が落ち着いてしまったので、結局南側に戻ってひこうきの丘に陣取ることにしました。
相変わらず中国への入国は厳しい状態が続いており、中国共産党の影響力が強くなってしまった香港も同様です。
元からの経営不振に、中共の圧政への抗議デモと新型コロナウイルスが重なって致命的なダメージを負ったはずの香港航空は、不思議なことに運航が続いています。
親会社のHNA(海航集団)は2021年に実質的な破綻状態となっていて香港航空などにカネを出している場合ではないでしょうに…
HL8518 / Fly Gangwon / Boeing 737-800
韓国の北東部、ヤンヤン国際空港を拠点に2019年末から運航を開始したLCCがフライ・カンウォンです。ヤンヤン(襄陽)という地名は初めて聞きましたが、テレビドラマ『冬のソナタ』の舞台となった場所としてファンの間では有名だそうですね。
成田には2022年10月に乗入れ始めたばかりですが、勢い余って導入したA330のリース料が払えないとか、従業員への給与未払いが出ているとか、危ないウワサを早くも耳にします。
そもそも韓国のLCCはここ数年で一気に増えて競争が激化し、収益性が落ちているのが実情です。この会社もいつまでもつか…
※2023年5月に経営破綻を発表、全便が運航停止。さらに7月末でAOCも失効したため、再開するとしても当面先になりそう。
JA825J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner
ジップエアは設立当初から使っていた「Z_」のロゴを模様替えしています。これはロシアのせいで、アルファベットのZがロシア軍を象徴する意味合いになってしまったから…
2022年6月15日にロゴの変更を発表し、垂直尾翼に描かれていたロゴは速やかにデカールで上書き。12月からは正式に塗装した機体が出てきており、写真のように垂直尾翼全体にコーポレートカラーの横ストライプが入るようになりました。
シンプルでカッコよかったZ_のロゴは、今後二度と見ることができないでしょう。
JA899A / All Nippon Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
真っ青な機体が青空によく映えます。羽田の国際線が大幅に減っているのでANAのスタアラ塗装は割と成田で見かける機会が増えました。
まぁ今後羽田の国際線が戻って来たら、きっと羽田ベースで稼働するようになるんでしょうけどね。今だけの貴重なシーンです。
JA822J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner
こちらのジップエア機は垂直尾翼のロゴがまだデカール。こうして見てみるとほとんど塗装との違いがわかりません。
B-5905 / Hainan Airlines / Airbus A330-300
先ほど香港航空の時にも触れた海南航空。傘下の航空会社を束ねるHNAグループ(海航集団)は海南省を拠点とするコングロマリットで、2017年の収益は533億ドルといわれていました。
2018年の末頃から経営状況がいまひとつとなり、2019年以降は香港のデモと新型コロナウイルスの流行が重なってあれよあれよという間に経営の成り行きが悪くなってしまったようです。
2021年末に別のコングロマリットへ7300億円で航空事業を売却したようで、海南航空や香港航空はおそらくそこが運営しているのでしょう。
ちなみにHNAグループの負債総額は日本円にして19兆円にもなったそうで、中国最大の破綻と言われているとか…
HL7419 / Asiana Alirlines / Boeing 747-400F
いい時間になりましたし、アシアナ航空のジャンボフレイターの到着を見届けて帰ることにしましょう。
朝来たときは雲だらけでどうなることかと思いましたが、真っ青に晴れてくれたので良かった良かった。こういう天気のいい日は特にこれといってネタが来なくても、撮影が楽しくなりますね。