しばらく経ってしまいましたが、2024年4月21日(日)に大阪城ホールにてVTuberユニット「ROF-MAO」による1stライブ”New Street, New World”の公演がありました。
今まであさかぜは“中の人”こと声優さんが歌って踊る「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブには何度も現地参加したことがありますが、バーチャルYouTuberのライブは初めての経験です。
「ROF-MAO(ろふまお)」とは大手VTuber事務所「にじさんじ」(ANYCOLOR社)に所属する、加賀美ハヤトさん、剣持刀也さん、不破湊さん、甲斐田晴さんの4人組のユニット。結成3年にして初めてのワンマンライブです。
「イケメン男性ライバー4人組」「声が良い」「トークもうまい」「歌もうまい」とあって圧倒的な女性人気を誇ります。ライブを通じての推しへの愛は、Twitter(現:X)で検索すればそれこそ眩しくて全部を見られないぐらい出てきます。
なのであさかぜは圧倒的なマイノリティだった男という立場から、というより1人のVTuberファンとして、「生身」のデレマス、「アバター」のROF-MAOをメタ的に比較しつつ感想を述べてみようと思います。
ちなみに職場の後輩とともに男2人で参戦する予定でしたが、後輩はあえなくチケット競争から落選。再販分の抽選も勝ち取れず、あさかぜは誰も知っている人がいない状態での単独参加となったのでした…
とっくに開場時間を過ぎてから会場の大阪城ホールに着いてみると、入場列は若干混乱気味。17,000人規模のライブにしてはオペレーションの準備不足が目立ちますが、傘を差さないといられないような強さの雨が降っているのも悪い方向に働いたのかもしれません。
ともあれ周囲を見渡してみると、予想を超えてはるかに女性の割合が高い…!
男性の数は目に見える範囲で両手の指で数えられるほど。
しかもどのお姉さま方も気合いの入ったオシャレな服装で彩り、メンバーの缶バッジで埋め尽くした「痛バッグ」を肩から提げている人もたくさんいます。
そんな中に、パーカーとスラックスで混ざるオッサンの異物感といったら…
別に何もやましいことはしていないものの、なんとなく男禁制のエリアに踏み入れてしまった気持ちにならなくもありません。
周辺をグルグルと歩かされてから場内に入り、指定されたDブロックの席に向かうと幸いにして通路側。やはり周辺は女性ばかりで、オッサン1人の異物感はそのまま拭えません…
席に着くときに礼儀として「失礼します~」と一声かけたものの、隣のお姉さま方からは
「あっ、はい…(男が来ちゃったよ…)」
てな感じのなんともいえない反応が返ってきてしまい、なおのこと微妙な感情に…
<当日は午前中から雨が降る肌寒い1日となったが、会場と周辺はすさまじい熱気に包まれた。その熱が伝わったのか、ライブ終了時にはほとんど雨は上がっていた>
とはいえ、ライブが始まれば楽しみ方は人それぞれ個人の世界です。周囲から上がる黄色い歓声に圧倒されつつも、自分なりにライブを楽しみつつ観察もします。
ライブの中で剣持さんと不破さんによるコールアンドレスポンスがあり、
「おとこ~!!」
「ウェーイ」
「おんな~!!」
「キャーーーーーー!!!!!!」
という圧倒的なまでの違いがあったことも申し添えておきます。
デレマスにしても女性の比率は2~3割ぐらいはあった気がしますが、ROF-MAOに関しては95%は女性だったのでは…?
それぐらいファン層の違いを見せつけられました。
ともあれ冒頭に書いたとおり、あさかぜはVTuberのライブは初めて。言い方は悪いですが、生身の人間ではなくアバターなわけですから“立体”ではありません。いくら4人が3Dモデリングの体を持っているとはいえ、「スクリーンに映されているのが感じ取れるレベルだろう」と最初は思い込んでいました。
しかしそこは業界トップレベルの技術を持つ「にじさんじ」です。
まるでROF-MAOの4人が本当にそこに存在するかのように、背景映像とステージは立体的な差がつけられていました。
3Dモデリングのモーションキャプチャが完全なのはもちろん、歌って踊って動き回るライバーの表情もきっちり映し出せるのは、いったいどういう仕組みになっているのでしょうね…?
不自然さを一切感じさせないリアルとバーチャルの融合にただただ驚かされるばかりです。
舞台上の機器や小物類も本当にそこにあるかのようです。
「前向きフェニックス」で加賀美さんが吊されたときはワイヤーが映っていましたし、「もちもちハリネズミ」ではハリネズミのぬいぐるみを用意した上で剣持さんはイスに縛り付けられていました。
そうそう、「前向きフェニックス」ではオクラやモロヘイヤの写真パネルまで掲げていました。面白すぎる。
カメラの演出もリアリティを増幅させるものでした。ステージを斜め後方から映すアングルがあったのですが、ライバーが歌って踊るステージの向こう側に映し出されるのは当然我々がいる客席なわけです。
両サイドにはライバーと同じライン上でバンド奏者が演奏しています。
ROF-MAOの4人がまさにその姿のままそこに存在する、という最初に抱いた感触がより確かなものになっていくのが感じ取れて、リアルなのかバーチャルなのかの区別なんてどうでも良くなってきました。
<前日には叶さんと葛葉さんのユニット「ChroNoiR」のライブも開催されていた大阪城ホール。“くろのわ”の女性比率はROF-MAO以上だったのでは…?>
一方で、バーチャルでなければできない演出も。
衣装替えをするとき、デレマスのライブでは舞台袖に引っ込んでから着替えなければなりません。生身の人間ですから当たり前です。
ところが今回のライブでは曲中で突然光に包まれたと思ったら、次の瞬間には2周年記念の衣装に着替えている。
これはバーチャルならではですし、曲中は衣装が替えられないという思い込みをぶち破る演出です。
あまりの不意打ちを食らい、あさかぜの後ろにいたお姉さま方は「ここで2周年衣装!?」「ヤバいヤバい!!」「良すぎる…」「もう無理…」と骨抜きにされていたので、抜群の効果を発揮していたようです。
ステージ上で花火を上げる演出も、やはりバーチャルはらではでしょう。筒の先端の位置をキャプチャしているのか、ちゃんと違和感のないところから花火が上がっていたのはさすがです。
この花火は振り返り放送のキャプチャを見たら3Dで表現されていました。すげえ…
リアルとバーチャルの垣根がどんどんわからなくなっていきます。
というわけで、リアルがどうのバーチャルがどうのと無粋な話をしてきましたが、3時間弱のライブは本当にあっという間でした。
ユニットの新曲も不破さん個人の新曲?も発表され、今後のROF-MAOの活躍がますます楽しみになってきます。
いくら男性ファンの比率が小さいといっても、次回のライブがあれば間違いなく申し込むでしょうし、今回の公演がBD化されれば購入確定です。
いやはや、ここまでどっぷり浸ってしまうとは、3年前の自分では想像もつかなかった…!
ちなみにライブの前日には志摩スペイン村にも寄ってきましたが、これはまた別に旅行記で触れることにします。
<昨年訪れたときとは比較にならないほど訪問者でいっぱいだったパルケエスパーニャ。知名度の高いVTuberによる集客効果には目を見張るものがある>