明日(2022年5月23日)開催される「日米豪印首脳会合(QUAD)」に向けて、参加国から特別機が飛んできていました。
アメリカに至っては大統領専用機VC-25(ベースはBoeing 747-200)が、横田基地の公開イベント開催中に目の前に降り立つサプライズつき!目の当たりにできた人は幸運とかいう言葉では表現しきれません。
オーストラリアとインドはセオリー通り羽田空港に飛んできていました。幸い羽田は警備が厳しくなっているものの展望デッキでの撮影はできるようなので、とりあえず仕事終わりにやってきたわけですが…
まぁ当然と言うべきか、第2ターミナルに隣接した第3駐車場(P3)の屋上からは何も見えませんし、撮影者も誰一人としていません。
パトロールしていた警察の方が
「皆さん展望デッキに行かれたみたいですよ。しばらく前に、お兄さんと同じように大きなカメラを持った人が何人も向かわれましたね」
と教えてくださったので、とりあえず展望デッキへと向かうことにします。事前情報で「モディ首相が乗ってきたインド政府のB777-300ERは撮れない場所にいる」と聞いていたので、ダメもとです。
展望デッキの目の前に駐機しているB787の主翼はずいぶん塗装が剥げています。CFRP製の宿命みたいな現象のようで、安全性には問題がないものの見映えは良くありません。
機体の塗装問題にはケチを付けてエアバスと揉めているカタール航空は、B787の主翼が剥げることは特に問題視していないようですね。
T2展望デッキの北側の端っこまでいくと、はるか奥に何とかオーストラリア空軍のA330 MRTTの姿を見ることができました。
本当に「何とか見える」という次元で、「レジ番(登録記号)が見えれば…!」というオタク特有の症状を解決することはできなそうです。
可能な限り腕を伸ばして高いところからA330 MRTTの姿を収めようとしますが、このあたりが限界です。まぁ見られただけヨシとしましょう。
エアバスがA330-200をベースに作ったのがA330 MRTT(Multi Role Tanker Transport=空中給油・輸送機)です。双発機のA330がベースでも、主翼は4発機だったA340のものを流用しています。
地上支援は日本航空が行っているんですね。
本来なら外側の1・4番エンジンの場所についているのがプローブ・アンド・ドローグ方式に使用する給油ポッドです。ここから給油ホースを伸ばして戦闘機などに燃料を供給します。
フライングブーム方式の給油にも対応させているのがオーストラリア空軍の特徴。お尻からブームという棒を伸ばして、相手の給油口に差し込みます。専任のオペレーターが必要な一方、流量が多いため給油時間を短縮することができるのだとか。
ま、こんなもんでしょう。
インド政府のボーイング777-300ERが見られなかったのは残念ですが、とりあえずなんとか豪空軍のA330 MRTTは見られましたからね。
オーストラリアはつい2~3日前に9年ぶりの政権交代が起きたばかりで、自由党・国民党の保守連合から労働党へと政権が移りました。
労働党は以前かなり中国寄りの政策を採っていたことで懸念がありましたが、とりあえず今回のQUADでは現在の対中国方針は維持することで決まったようです。
まぁオーストラリアもここ数年でかなり中国に煮え湯を飲まされてきましたから、いくら労働党とはいえむやみやたらと中国寄りの行動はできないはず。
さて、さしたる収穫はありませんでしたが帰ることにしましょう。