あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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トロッコ列車で黒部の絶景を - 1日目【前編】(2021年6月7日)

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去年の9月にアルペンルートを通り抜けた際、富山から金沢まであいの風とやま鉄道の413系に乗りました。あの時は
「へえ、まだ413系なんて現役なんだねぇ」
ぐらいにしか考えていませんでしたが、改めて運用を調べてみると実はラッシュ時しか運行されていないレアめの存在なのでした。
前回はたまたま413系に乗れたものの、今度はちゃんと狙いを定めて国鉄サウンドを堪能しに行きたい…!というわけで富山に向かいます。

なお413系の運用は夕方からと時間に余裕があるので、まずは西へ向かって9月にやり残したことを消化しに行きます。

 

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毎度毎度「雷」に行っていても不健康なので今日はオーソドックスな駅弁を。崎陽軒炒飯弁当(890円)を選んできました。

 

kiyoken.com

 

 

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メインのチャーハンに加え、崎陽軒らしくシウマイもセット。おかずの右側に見える揚げシュウマイっぽいのは鶏の唐揚げです。
チャーハンの味は濃すぎず、シウマイや唐揚げと一緒に食べても味の調和が取れていてとてもおいしい。ただ一つ苦言を呈するとすれば、グリーンピースはいらないということ。

なぜ日本人は中華だろうと洋食だろうと何にでもグリーンピースを入れたがるのでしょう。風味は青臭いし食感はグシャッとして不快だし、何がいいのかさっぱりさっぱりわかりません。いちいち最初に丸呑みしなきゃいけないのが面倒です。

 

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名古屋までは1時間40分で到着するのであっという間。そりゃ平常時なら5分おきに運転されるわけです…4月末に乗った「こだま」に比べたら1時間も所要時間が短い。

高速バスなら東京~名古屋間を6時間ぐらいかけるので、こだまの2時間40分だって十二分に速いんですけどね。

 

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乗り継ぎ時間は17分しかないので今日はきしめんは残念ながらパス。
買い物を済ませて在来線のホームに降りてくると、すでに11:48発「しらさぎ7号」金沢ゆきが待っていました。狙い通り681系です。今回も683系だったらどうしようと思っていました…

 

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反対側は貫通型の先頭車。このデザインはそっくり683系に引き継がれました。
本来ならトレードマークは流線型をした方だったのでしょうが、683系の付属編成では使い勝手の良さから両方とも貫通型となり、683系4000番代に至っては9両編成の両端とも貫通型の先頭車になってしまいました。もはや681系・683系の顔は素っ気ない貫通型先頭車の方です。

 

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しらさぎ7号は6両編成での運転です。681系も683系も時速160kmまで出せるスペックを持ち合わせているものの、モーター車はたった2両しかありません。あえて走行音を録音するため、今回は3号車指定席を狙い撃ち特急券を確保してきました。

 

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名古屋から30分ほどで到着する大垣では樽見鉄道養老鉄道が分岐します。どちらも元は違う会社だった路線で、樽見鉄道1984年に国鉄樽見線第三セクターに転換されたもの、養老鉄道は2007年に近鉄養老線が子会社へと分離したものです。

写真に写っているのは養老鉄道近鉄から改造の上で引き継いだ600系で、運行開始から半世紀ぐらいが経つ古老たちです。
2019年からは東急7700系を改造した7700系が運行を開始しておよそ半数の車両を置き換えましたが、この車両もさかのぼれば東急7000系となって1960年代前半に誕生した車両です。

新型車両とは…?と思わなくもありませんが、足回りなどは1980年代後半のもので比較的新しいこともありますし、オールステンレス製で耐久性にも優れているという判断だそうです。少なくとも30年は使用するつもりのようで、7000系時代から数えれば80~90年という驚くほどの活躍が約束されたことになりますね…

 

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さて、下り「しらさぎ」のマニア的な見所は大垣を出てからです。大垣駅から3kmほど走ったところにある南荒尾信号場で東海道線は3つに分岐します。
1つは関ヶ原米原方面へ美濃赤坂へ直進する東海道本線
もう1つは美濃赤坂へ伸びる5.0kmの支線、通称「美濃赤坂線」。石灰石を運ぶ貨物列車がメインの路線です。
そして北側を迂回して関ヶ原で本線に合流する13.8kmの通称「新垂井線」です。

 

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Googleマップを加工してわかりやすくするとこんな感じ。

大垣から関ヶ原に向かう下り列車の場合は急な上り勾配となるため、この区間の下り列車は後部から列車を押し上げてくれる「補機」の蒸気機関車に手伝ってもらわねばなりませんでした。当然つないだり外したりする作業のために時間を食いますし、太平洋戦争が近づいて軍事輸送が増えるとここがボトルネックとなって列車の運行が増やせなくなってしまいました。

そこで補機をつながなくても山裾を越えられるように勾配の緩やかな北側を回るルートが計画され、1944年10月に開業しました。これが現在の新垂井線です。

 

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戦時中と言うことで迂回路が完成したあとの東海道本線下りは線路が剥がされ、下り列車は全て新ルート回りになりました。中間にあった垂井駅には上り列車でなければ乗降できず不便になってしまったので、新ルートの途中に新垂井駅という代替駅が設けられました。
なお従来の垂井駅からは3kmも離れており、一応バスの運行はあったそうですが死ぬほど不便だったようです。

戦後まもなくの1946年11月に下り線が復活し、普通列車が再び垂井駅に止まるようになります。新垂井駅はその後もしぶとく残り続けましたが、利用者がいくらもいないということで1986年11月のダイヤ改正で廃止されました。何せ廃止直前の利用者数は1日平均8人とかいう有様で、廃止が取り沙汰される際にはつきものの反対運動が起きなかったというのですから、いかにどうでもいい存在になっていたかがよくわかります。

撤去さえも面倒になったようで、垂井駅のホームが残っている様子は車内からもはっきりわかりました

 

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そんな存在意義がいくらもなかった新垂井駅ですが、一丁前に待避設備は持っていたので普通列車を特急や貨物が追い抜くことはできたようです。残っている線路は待避線ではなく保守用の線路でしょうか?

なぜ重くもない特急列車が今でもわざわざこの新垂井線を経由する必要があるのか不思議でしたが、東海道本線は距離が3kmぐらい短くても最高速度が85km/hに制限されており、新垂井線を120km/hで走り抜けた方が便利という判断のようです。

 

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米原から乗務員と線路がJR東海からJR西日本へと交代。進行方向も変わって「しらさぎ」は北陸本線へと踏み出します。今まで壁とにらめっこしてきましたが、ここからようやく車両の最後部座席の楽さを味わうことができます。

 

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車窓に見えるのは先ほどの関ヶ原越えの難所を作った標高1,377mの伊吹山石灰岩の山なので例によって石灰石の採掘が行われており、左半分が大きく削られているのがよくわかりますね。

 

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きしめんを食べられなかった代わりに買ってきたのは名古屋コーチンとりめし。うーん、記憶にある中身と違うぞ…?前は何枚も照り焼きが入っていてシイタケの煮物もついていたはずなのですが…入れ物も竹じゃなくてプラ製だし。

メーカーのウェブサイトを見てもやはり載っている写真と実物は違い、いつからかパッケージも含めて「刷新」されてしまったようです。照り焼きの味付けも良いですしご飯にもダシが染みていておいしいのですが、中身が変わってしまったのはちょっと残念

 

nagoyadaruma.jp

 

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なんだか腑に落ちない感じになりつつも完食しました。味は悪くないんですけどね…

敦賀駅手前にあるループ線は「鳩原ループ線と呼ばれ、勾配緩和のためにトンネルを使ってぐるっと一周するのは米原・京都方面へ向かう上り列車のみ。あさかぜの乗っている下り列車は山を下るだけなのでそのまま一直線に走り抜けていきます。
頭の上をまたいでいく高架線はこれからループ線に入っていく上り線の線路です。

 

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まもなく立派な高架橋が姿を現すと敦賀駅に到着します。2024年春には北陸新幹線がここまで伸びてくる予定で、敦賀駅の2km南には新幹線用の車両基地も備えられます。

 

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この辺りから記憶がほとんど消滅しています…
ハッと目が覚めると終点の1つ手前の西金沢駅を通過するところ。危ない危ない、終点の駅でまさか寝過ごすところだった…

14:49、定刻通り終点の金沢に到着しました。681系の心地よさにうっかり意識を失ってしまいましたが、初期型のGTO-VVVFインバータ車両の録音をするという大きな目標は果たせたのでヨシとしましょう。

 

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流線型の先頭形状はいかにも速そうなデザインです。実際在来線の最速列車「はくたか」で時速160km運転をしていましたから、はったりのスピード感ではありません。

JR西日本はなんだかんだ25年間も使っている681系の後継車両を2024年度以降に投入すると計画していましたが、昨今のコロナ禍の情勢を受けてどうやら延期となってしまったようです。マニアとしては681系のサウンドが聴けるので何も困らないのですが、鉄道会社としては特に古い半導体部品は手に入りづらくなってしまいますから延命するのも考えものです。

 

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一度駅を出て入り直してきました。金沢からは北陸新幹線の開業に伴ってJR北陸本線から分離された第三セクター鉄道IRいしかわ鉄道」経由で富山を目指します。同社とその先の「あいの風とやま鉄道」は交通系ICカードに対応しており、手持ちのSuicaで乗れるようになっているのは便利ですね。

IRいしかわ鉄道の車両はJR西日本と共通仕様の521系。特に目新しい感じはありませんが、JRの車両と合わせて「小さく前倣え」みたいな転落防止装置がついています。2編成以上併結したときにホームから連結面間に転落するのを防止するためのものです。

 

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こちらがあいの風とやま鉄道の主力車両であるやはり521系日本海の青色と立山連峰の緑色をイメージしたデザインが施されています。今のところは413系と共存していますが、2022年度にかけて413系を増備車両によって置き換えて521系に統一される予定となっています。

 

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金沢からおよそ50分、高架橋の立派な富山駅に到着しました。
夕方の413系に向けてホテルに荷物を預けてこようと考えていたあさかぜですが、ここで大きな間違いを犯したことに気づきます。

今日と明日お世話になるアパホテル系列は富山駅の周辺に3つあります。駅南側すぐの<アパヴィラホテル富山>、駅の裏側にある<アパホテル富山駅前>、駅から歩けば30分近くかかる<アパホテル富山>。このうち大浴場があるのは<富山駅前>だけなので、そこを選んで予約したつもりでした。
ところが道順を確認しようとアプリをチェックすると、まさかの一番遠い<アパホテル富山>を予約しているではありませんか…!なぜだ!非番で眠かったんでしょうか…

自分の不注意さをひどく呪いつつ、ホテルを往復している時間はないので駅のコインロッカーに荷物を預けます。ロッカーが空きだらけだったのがせめてもの救いです。

 

>> つづく <<