あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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BALMUDA Phone 現る

家電メーカーのバルミューダが出す、とかねてから噂されていたスマートフォンが2021年11月16日に正式発表されましたね。デザイン家電などというものにてんで興味のないあさかぜは、つい去年までバルミューダというメーカーが日本の企業ということさえ知らなかったのですが、デジタルガジェットとなればやはり気になります

 

tech.balmuda.com

 

前評判を見てみると賛否両論です。いや、どちらかというと株価にも響いたぐらいですから否の方が多いでしょう。その中でも特に多いのが「スペックに対して高すぎる」というもの。
確かに10万円を超える価格というのは最新のiPhoneさながらで、ピンキリなAndroid端末の中でも高級機に分類される価格帯です。しかもスマートフォン業界では無名無実績のバルミューダが初めて出したものですから、なおさら高く見えたことでしょう。

そのスペックを表にして比べてみました
比較対象は同じSoCを搭載するGoogle Pixel 5a (5G)と、BALMUDA Phoneと同じ価格帯のSONY Xperia 5 IIです。

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store.google.com

xperia.sony.jp

 

こうして並べて見てみると、だいたい同じスペックのPixelに比べるとBALMUDAの方はほぼ倍の価格です。防水性能はIPX4だと生活防水レベルなので、IPX7で完全防水のPixelに比べると劣るというのは紛れもない事実です。耐塵性能もIP4Xだと粉塵には対応しません料理しながら使って小麦粉や片栗粉がケータイにかかったら大丈夫なのかな、という気はします。

 

一方BALMUDAと同じ価格帯にあたるXperiaはほとんど全てのスペックにおいて上回っています劣るのはワイヤレス充電Qiに対応しないことぐらいでしょう。SoCもSnapdragon 865とハイスペックなものを搭載しており、最新の3Dゲームも問題なく動作するはずです。しかもこちらはmicroSDカードに対応しているため、標準でもストレージがBALMUDAの倍になる256GBもあるのに、microSDXCを挿せばさらに最大1TBの容量を確保できます。スマートフォンではもはや無尽蔵といえる保存容量です。

 

そしておそらくBALMUDA Phoneの最大の弱点はバッテリー容量です。AppleiOSに比べたら電力マネジメントの下手なAndroid環境で、2,400mAhというのはあまりに少なすぎる…いくらミドルスペックのSnapdragon 765とはいえ、バックグラウンドで動作するアプリがいくつかあったら心許ないどころではなく足りません。自宅で無線充電器の上に置きっぱなしなら問題はありませんが、一応は身につけて使う「携帯」電話ですからね…

 

というわけでスペックで比べてみるとほぼ同じ性能の端末が半値で買え、同じ価格帯の端末より大きく劣る」というのは隠しようもない事実でしょう。

 


じゃあBALMUDA Phoneに買う価値はないのか、といったらそういう単純な話ではないと思います。

 

まずデザインそのもの
独学でプロダクトデザインを学んできた寺尾氏の哲学が生かされており、「どこにも直線がない唯一のスマートフォンと氏が豪語する通り丸みを帯びた独特のスタイルになりました。画面両脇の長辺でさえ直線ではないそうです。すごいこだわり。
そして背面が丸くて1.4cm近い厚さはかなり持ちやすいものと想像できます。今のスマートフォンは薄すぎて落っことすんじゃないかと心配になるレベルですからね。

 

画面を4.9インチに抑えたのも片手での操作のしやすさを重視したからでしょう。大画面の端末は無理して画面の端まで片手で操作しようとすると指がつりそうになりますから。

 

さらに目玉となるオリジナルのアプリ
メモやタイマーは視認性が高く、使い勝手も良くできているようですし、電卓の億千万表示は「あー、確かにそれ欲しかったわ…!」と感心してしまいました。
仕事で使うキヤノンの大きな電卓では3ケタごとのカンマに加えて文字盤の上の方に小さく「億千万」の表示が出るようになっていますが、スマートフォンに元からついている電卓アプリでは見たことがありません。
そうしたあたりも日本人に使いやすいようにできているんだなぁと感心します。

 

もちろん、標準搭載のアプリに関しても不安がないわけではありません。今後新たなBALMUDA Phoneが出てきたときはもちろん、バックアップという意味でもメモなんかはクラウド保存できるのが理想ですが、現在のところは対応していないようですから。この辺は後々改良が入るかもしれませんけどね。

 

カメラ「今の時代に単眼かぁ」なんて気もしますが、これにも理由があるのだそうです。カメラのセンサー自体は4800万画素ありますが、実際に撮れる写真は1200万画素相当。公式ウェブサイトのスペック表の注記によると
「4つの画素を1つに束ねることで、1画素あたりの光量を増やし1,200万画素の明るくきれいな写真を撮れます。4,800万画素で撮影することはできません。」
とのことで、これもバルミューダらしい料理をおいしそうに撮る工夫のようです。

 

…といった具合に、スペックそのものより、使ってみなければわからない感性に訴えかける部分にかかったコストがBALMUDA Phoneには反映されているのでしょう。そういった意味では単純に「Pixelと同じスペックで倍の値段は高すぎる!」と比較できるものではありません
ですから、期待外れだの値段が高すぎるだのと株価まで落ちてしまったのはちょっとかわいそうです。バルミューダの製品なんだからそれなりに価格が高いであろうことはわかっていたでしょうに

 

とかわかったような口ぶりをしているあさかぜがBALMUDA Phoneを買うかと訊かれたら、申し訳ありませんが答えは間違いなく「NO」。残念ながら世間一般によく言われる「スペック厨」の端くれなので、10万を出すならもっとハイスペックな機種を選んでしまいます…
それこそGoogleのPixel 6ならお釣りが来る上に、3Dゲームが快適に動作してGoogleの最新技術を真っ先に堪能できるとなれば、まぁBALMUDA Phoneなんて見向きもしませんよね
おそらく世間には似たような思考の人たちがごまんといるので、結果として前評判の悪さや株価の下落へと如実につながってしまったのでしょう

 

とはいえiPhoneは性能的に大したことのない端末でも、熱烈なユーザーが繰り返し新製品を買ってくれます。バルミューダに求められるのは、そのような熱烈な支持者を集めていけるだけのカリスマ性なのかもしれません