2021年10月28日、ニコンが最新ミラーレス一眼カメラ「Nikon Z9」を正式に発表しました。正式発表まで様々な情報が出回りましたが、実際の発表も事前情報の期待を裏切ることのない、いやむしろ上回るとてつもない製品であることがわかりました。
一眼レフ機D6を上回るAFの食いつき。
タテでもヨコでも使えるチルト液晶。
秒間20コマの超高速連写。
レリーズ中もブラックアウトしないビューファインダー。
メカニカルシャッターを完全排除。
ミラーレス一眼だけでなく、カメラの常識を塗り替えてもおかしくないレベルのスペックです。高い技術力を誇るニコンの面目躍如といったところで、このZシリーズに注ぎ込んだ本気をまざまざと見せつけられました。
しかもそんな革命的なカメラでありながら、価格はD6を下回る698,000円(市場想定価格)とされており、そんな大バーゲンで大丈夫なのかしらと心配になってしまうほどです。
基礎的なスペックが向上しても高耐久が求められるシャッター駆動部がなくなったというのがコスト的に大きいのでしょうか。
あまりに様々な能力の向上で「不自由さという撮る楽しみがなくなる」なんて感想もありましたが、一瞬の切り取りを求められるプロフェッショナルと、楽しみにとどまる趣味者とでは求める領域が違います。Z9の能力向上はプロ相手としては当然のことでしょう。
まぁしかし、いくら「D6より安い!」とはいったところで70万円です。あさかぜのようなヒラのサラリーマンには手が出るモノではありませんし、自分の腕に対してオーバースペックすぎます。Z9はあくまで「憧れの存在」です。
個人的にZ9本体より気になったのは、同時に発表されたレンズ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」です。
標準ズームといえる使いやすい焦点距離はとても気になります。予想価格も14万円弱となんとか頑張れば手が出せそうな範囲。ちなみに2022年2月発売予定とのこと。
この24-120mmというのは旅行に持って行くときにピッタリのズーム域なんですよね。今現在は「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」を使っていますが、旅行に持っていくと「もう少しだけズームがあれば…!」というシーンがたまにあります。かといって200mmまでは多分いらないし、Sラインはキープしたい…
<フルサイズミラーレスの入門モデルともいえるZ5。本体そのものの性能の良さに24-70mm F4の描写力が加わると目を見張る>
それを考えると24-120mmというのは理想的な使い勝手です。630gというのはだいぶ重いですが…何ならNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRの方が60g軽いぐらいです。
ただZマウントのSラインレンズの写りの良さは撮影するたびに実感します。おそらくSを名乗る以上24-120mmも毎度毎度感心するほどの写りを見せてくれることでしょう。発売はまだ3ヶ月ぐらい先ですし、お金もないのですぐに買うことはありませんが、発売後のユーザーレビューが高評価の内容であふれたら前向きに導入を検討してしまうかもしれません。
ちなみにこの24-120mm F4.0というのはFマウントのD6でも標準レンズとして採用されたレンズの焦点距離なので、ニコンのフラッグシップにふさわしいのでしょうね。
そういえば先日とある評論家のブログ記事で
「SONYは将来性のないEマウントからZマウントへ乗り換えるべき」
という少々過激な記事がありましたが、ユーザーになってみると実現性は別として言わんとすることはわからなくもありません。Zマウントからはまだ明らかになってないポテンシャルがこのあとも続々と出てきそうな気がします。
<Sラインレンズの写りは自分の腕が良くなったように誤解しそうになる>
ともあれZ9の登場で、ニコンは今までのFマウントからこの新しいZマウントへの移行がいよいよ本格的に進んでいくことでしょう。最近はZfcやZ-50といったAPS-Cセンサーの入門モデルからZ7 II、そしてZ9と上級者向けモデルまで本体の種類がそろってきましたし、レンズのラインアップも充実してきました。多くのユーザーが納得しうるだけの性能と立ち位置に到達しつつあると感じます。
「一眼レフがミラーレスに取って代わられる日もそんなに遠くないな」
なんてあさかぜはSONYのαシリーズを見ながらなんとなく考えていましたが、Z9の登場によってついに目前まで迫ってきた気がします。それぐらいミラーレス一眼カメラの技術向上は目を見張るものがあります。
あと15年もしないうちに
「へえ、ミラーありの一眼レフなんて懐かしいね」
と言われるようになるのかもしれませんね。
今メインで使っているD500の後継機はZマウントのミラーレスで登場かな…?ちょっと期待しちゃいます。
<D500はD5のAF性能にAPS-Cセンサーの使い勝手の良さを組み合わせた名機。ぜひとも後継機に登場してもらいたい…>