何もネカマになろうと思って「あさかぜみずほ」というハンドルネームにしたわけではありません。本名が女の子っぽいので、それに合わせてハンネも女の子っぽくなっただけのことです。
自分の名前は90年代前半に女の子の名前ランキングで、上位に入ったことのあるほどの読み方。文学作品や映画でも、主に女性として登場することの多い名前です。
そういったこともあり、あさかぜ宛のダイレクトメールは半分以上が女性向け。今の時期は卒業式や就職があるので、主として振袖やスーツの案内がことごとく女性向けで送られてきます。成人式の時も同様で、セールスの電話まで「お嬢様の振袖を～」なんてかかってきたほど。
自分の大学の生協までが振袖の広告を送ってくるのですから呆れたものです。郵便物を送る業者が生協からどういった情報を得ているのかは知りませんが、未だに振り袖のレンタルの広告を送ってくるのですから、4年間ずっと「あさかぜみずほ 女性」として登録されていたんでしょうね。
…まぁ仕方ないと思いますが。仲良くなった研究室の先輩に「名前は？」と聞かれたときに本名を名乗ったら、
「ウソつくなよ、お前男だろ」
と怒られたぐらいです。やはりそれぐらい「女の子の名前」のイメージが強いんだと今でも驚くぐらいです。
就職活動中も受付で名前を名乗ると、
「あさかぜ…さん。恐れ入ります、下の名前をもう一度よろしいでしょうか？」
と何度聞き返されたことでしょう。そして
「はい、かしこまりました。おいでいただきありがとうございます」
とにこやかに挨拶しつつも「女性男性」と書き換える姿も見慣れたもの。名前が与える印象の大きさというものを何となく感じた体験でした。
どこかかは忘れましたが、「ああ、女の人だと思ってた。男性だったんだね」と履歴書を見て言われたこともありましたしね。
さて、つい先日の話です。
入社前のアドバイスだの入社用スーツのご案内だの、おせっかいな郵便物が多数送られてくるわけですが、その中に1冊カタログが入っていました。4月から一人暮らしになるかもしれない学生向けの、家具や小物の通販カタログです。
一足早く開けていた友人からは
「内容めっちゃおもしろいから見ておいた方がいい。どうせお前のところには女向けのものが届いてるだろ」
と聞いていたので、胸を躍らせて開封しました。
いやはや、通販カタログの中がメルヘン。
パンツ形バスマットとか誰が買うんでしょうね。
一人暮らしのベッドには、キャノピーというカーテンもオプションでつけられるみたいです。
ベッドにはお姫様的な飾りがついてたりとか。
どう見ても女性用です。しかしあまりに愉快な内容に、男性向けが読みたくなってきました。パンツ形バスマットを教えてくれた友人からも「男向け見てみたいわ。ってかそっちの方が参考になる」と後押しされたので、送り主のM社に問い合わせてみました。
「男性用カタログにはパンツ形バスマットってあるのかな」（友人）
「ブリーフ・ボクサー・トランクスの3種類から選べるんじゃね」（あさかぜ）
「笑わすんじゃねえ」（友人）
などとカタログが送られてくることを期待すること2日。M社から返事が来ました。
「担当部署に確認したところ、（中略）女性のみとなっており、男性用のご用意がないとのことでした。ご希望に副えず大変申し訳ございません。」
がっかりです。別にボクサーパンツのバスマットなんていりませんが、男は男でどんなメルヘンになるのか期待していたのに、カタログ自体がないだなんて…！
しかしなぜ女性向けには200ページにわたりどうでもいい「インテリア雑貨」が記載されているのに、男性向けは1ページもないのでしょう。女性にだけこんなおもしろい内容を提供しておいて、男にはないというのはある意味逆差別じゃないでしょうかね。男女平等を謳うのならば、男性用も用意されてしかるべきだと思いませんか。
あーあ、ボクサーパンツ形バスマット見てみたかったなあ。
さらに納得がいかないのは、M社の対応。
こちらは実名を出して問い合わせをしているというのに、向こうは「○○編集部です」としか返答せず、誰が窓口になっているのかわかりません。2通返事が来て2通ともです。
普通どんな些細な問い合わせでも、たとえばソフトバンクやドコモからは、ちゃんと担当者名を記載したメールが送られてきます。学生だからとなめているのか知りませんが、こういった対応はどうなんでしょうね。
さて、次の郵便物はちゃんと男性向けのものが送られてくるのでしょうかね。少なくとも、今日送られてきた分はレディーススーツのご案内でしたが。
