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JR新宿駅の新南口、迷路のような構内を抜けてやって来ました。いくつも改札口や出口があってややこしいですが、何とか新南口を出てくれば外を通ることなく「バスタ新宿」へとアクセスできます。
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というわけで久しぶりのバスタ新宿です。新宿近辺に散らばっていたJR系・小田急系・京王系のバスのりばを集約し、日本最大級の発着便数を誇るバスターミナルになりました。
ただ小さめのコンビニがある程度で、食事をできる場所がないのが泣き所…ファーストフードの1つでもあれば、長丁場でも多少楽なんですけどねぇ。
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「新高速路線バス」といわれる元ツアーバスの事業者も多くがバスタ新宿に入ってくるようになり、色とりどりのバスが見られます。
JAMJAMライナーも元ツアーバスの1つ。仙台や名古屋は昼行・夜行ともに幅広い選択肢があり、どれが自分に合うのか悩ましいぐらいです。
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JRバス関東の子会社ジェイアールバステックは、「スワローエクスプレス」という独自のブランド名を出して運行しています。路線は基本的に他のJRバスと共同運行のようですが。
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まもなく夏休み期間ということで、富士五湖方面のバスは増車されているようです。スイスの観光鉄道とコラボレーションした全面広告車は富士急行の運行。
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しずてつジャストラインは地元のサッカーチーム「清水エスパルス」とのコラボカラー。到着便は1つ下のフロアに来ますが、一部の到着便は出発階の空いているバースを使うこともあるようです。
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新宿から東京ディズニーリゾートへ向かうバスは午前中のみ設定されています。夜行バスの間合い運用を兼ねているのか、2階建てバスが運用に入るものも存在します。
この便には青春エコドリーム向けのエアロキングが入っていました。
しかし昼間乗るならいいものの、夜行で大阪まで4列シートというのは、この年齢になるとかなり厳しいものがあります。
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隣のバースには10:30発の仙台駅ゆきが入線してきました。JRバス東北の夜行用の車両が充当されるので、車内は3列シート、トイレも設備されています。
それでいて料金は3,500円程度から乗れるので安いものです。新幹線指定席なら10,000円以上しますから、およそ1/3。ただ所要時間は新幹線の3倍かかりますが…
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そして自分の目の前、D10と振られたバースには同じく10:30発のウィラーエクスプレスK501便が入線。仙台駅を経由して、郊外の泉中央へと向かいます。
車両は最新モデルの三菱ふそう・エアロエース。ツアーバスとして設立された当初は韓国の大宇製が多数派だった同社ですが、現在はほぼ国産車に統一されています。メンテナンスを考えると楽だったんでしょうかね。
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JRバス便とは違い、ウィラーは標準の4列シート車です。トイレがない代わりに、途中3箇所の休憩ポイントが設けられています。料金はJRバスより安い2,500円から設定されています。
ちなみに今回のあさかぜは4,400円を支払っています。「ダブルシート」というプランで、並ぶ2席分を1人で使えるというもの。隣に座る人を気にしなくて済みますし、自分の荷物を手元に置いておけるというのもポイントです。
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心配は杞憂だったようです。
新宿から乗ってきたのは10人足らずで、しかも乗車停留所はもうありません。夏休み期間に片足を突っ込んだ時季なので混雑を予想してダブルシートにしましたが、結果論から言えば気にするまでもありませんでした。
とはいえ、大手を振って荷物を隣の席に置けることには違いありません。気にせずゲームもできます。6時間という長丁場の中で、こうした心の余裕というのは大切です。
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出発から約1時間、11:30頃に東北自動車道の羽生パーキングエリアに到着。早速15分ほどの休憩となります。
念のためにトイレに入り、余った時間で軽食を探します。
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とりあえず豚まんをセレクト。これで360円は高い気がしますが、国産の豚肉と小麦粉を使った安心食材だそう。
ふーん…
セブンイレブンの肉まんの方がおいしいかな…
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4列シートの中ではウィラーは優秀です。顔の部分を隠せる「カノピー」はウィラーで特筆する点でしょう。
寝顔を晒すのは恥ずかしい、という女性への配慮はもちろんのことですが、昼行便では周辺の明かりを遮ってくれるのが嬉しいところ。「景色は見たい、でも眠ることもしたい」というワガママを叶えてくれます。
というわけで非番の疲れを癒すべく爆睡していると、那須高原サービスエリアに到着しました。13:20、新宿からおよそ3時間です。
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ここの休憩も20分弱といったところ。
トイレを済ませたら、目覚ましにソフトクリームを頬張ります。那須の牛乳を使ったソフトクリームですが、あさかぜの粗末な舌では違いはよくわかっていません。
同じバスに乗っているお姉さま方2人組は肉巻きおにぎり(というか串)をバスに持ち込んでいます。羽生で豚まんを食べただけの身からすれば、凄まじく空腹を煽る毒のような香りです。
やっぱりなんか食べておけばよかった…
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誘惑を振り切るように眠りに落ちること1時間半、福島県の国見パーキングエリアに到着しました。少し前に大雨が降っていたようで、地面にはいくつも水たまりができています。気温も涼しいぐらい。
売店に並ぶ色とりどりのフルーツに目を奪われます。みずみずしい桃がすごく美味しそう!
ただクルマで来ているならまだしも、路線バスでは車内で食べることは不可能。足が早い桃のような果物では、まさか持ち帰ることもできません。
後ろ髪を引かれる思いでバスに戻ります。
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乗ってきたバスを出発までしげしげと眺めてみます。
ヘッドライトのアイラインにはLEDが埋め込まれて光るようになっていました。前面窓からバンパーにかけては隈取りのようなデザインもあって、なかなかオシャレです。2台右に止まっている同じウィラーのバスにはこうした飾りはないので、導入年によってオプションが異なるのでしょうか。
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再び滝のような雨が降り始めました。幸いにして局地的なものなので、抜けてしまえば大したことはなさそうです。
しかし、いよいよやることが無くなりました。あとおよそ1時間、ひたすら座るのみ。
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バスタ新宿を出てからおよそ6時間、仙台駅西口に到着しました。バスはそのまま泉中央へ向けて走り去ります。
仙台駅へは徒歩5分ちょっと、さすがにJRバスほど駅前にはダイレクトに乗り入れてはくれませんが、よほどの大荷物でない限りは不便な場所ではありません。
ここで普通の路線バスに乗り継ぐのですが、駅からのりばまでが遠い…
「仙台駅」とはいうものの青葉通を西の方向へバス停が並んでいるので、駅前というわけではないようです。
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仙台駅というよりは、仙石線のあおば通駅そばにある50番のりばから、仙台港フェリーターミナルゆきのバスに揺られて終点までやってきました。
途中の仙石線中野栄駅での乗客を拾い、バスの車内はほぼ満員です。周りを見渡すとひと足早く夏休みに入ったらしい大学生の男女の姿が目立ちます。サークルの合宿にでも行くのでしょうか、眩しい青春の景色。その中から友情だ愛情だと生まれるわけです。うーん、けしからん…
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一方青春なんて一片も存在しなかったあさかぜは1人黙って長蛇の列に並び、乗船手続を済ませて乗船口へと向かいます。出航まで1時間ちょっととなり、すでに乗船が始まっています。
売店でお酒を買って船内へ。
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何度か国内のフェリーには乗りましたが、こんなに大きい船は初めてです。
2011年に就航した太平洋フェリー「いしかり」。総トン数は15,000トンを超え、今まで乗ったことのあるフェリーの倍以上です。ここまで大きな船ならば、大して揺れやしないでしょう。
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まずは自分の今夜眠るベッドを探し出し、荷物を放り込みます。とにかく夕食が先決です。乗り込む時に中高年の団体が見えたので、おしゃべりが長いであろう彼らが大挙してレストランに乗り込んでくる前に、己の席を確保しておかなければなりません。
すでに列ができていましたが、何とか奥の方に席を確保できました。ディナーバイキング2,000円と、650円でハートランドビールを注文。港の積み込み作業を眺めつつ、食べたいものを食べたいだけ食べます。
その結果、茶色い食べ物だらけになってしまいましたが…
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しかしビールを注文したのは失敗。なんだかんだ炭酸でお腹がいっぱいになってしまいました。無念…
「いしかり」には軽食スタンドも設けられているので、お酒を飲むならそちらの方がいいかもしれません。まぁわかっててバイキングにしてみたんですけどね。せっかく初めて乗ったわけですし。
可能な限り胃袋に詰め込んだところで外に出ます。中高年の団体が本格的に押し寄せてきたらしく、レストランの外は長蛇の列になっていました。早めに来て正解でした。
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そのまま甲板に出てきました。出港の時間です。煙突が黒煙を上げ、船の振動が大きくなりました。
いよいよ苫小牧へ向けて、15時間半の船旅が始まります。
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タグボートがお尻側から横に引っ張ります。船を時計回りに動かして、船首を港の出口に向けるようです。
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ぐるりと180度回転し、タグボートが切り離されると前進を始めます。乗船する時にはまだ明るかった空も、19時半を回ればさすがに真っ暗です。
テレビに映るシーンのような見送りの人はいませんが、ゆったりと陸地が離れていく景色を見ると何となくセンチメンタルな気分になります。
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切り離されたタグボートは、まるで「いしかり」を見送るかのように真横にぴたりとついてきます。
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天然ガスの貯蔵プラントが見えてくるといよいよ仙台港の出口のようです。いつしかタグボートも遠くに離れ、プラントとLNG輸送船とも離れると、周囲はほとんど明かりはなくなりました。
しばらく航行して沖合いに出ると、携帯電話の電波は通じなくなるそうです。船内にはソフトバンクのWi-Fiはありますが、時には電波の通じない、隔絶された静かな時間を楽しむのもまた旅の楽しみです。
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ガラにもなくおセンチな雰囲気を出してみましたが、自分のベッドに戻って港で買ったハイボールを空ければどうでも良くなってきます。まずは大浴場で1日の汚れと疲れを洗い落とします。
出航時の船内放送では「沖合は2~3メートルの波があり、多少の揺れが予想される」とのことでしたが、今のところは目立った揺れはありません。
言われてみれば確かに湯船のお湯はゆったりと揺れています。ビジネスホテルの共同浴場ぐらいの広さがありますが、やはりここは船の上なのです。
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軽食スタンドは22時まで営業しているとのこと。席さえ取れれば、こちらの方が気楽に食べられそうです。
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寝る前にもう1本「ジュース」を自販機で買います。船の上なので高いものかと思っていましたが、コンビニとほぼ変わらない価格で売っている感じです。無理して港の売店で買い込む必要はなさそうですね。
賑やかな軽食スタンドを離れ、静かなリラックススペースのような場所で空いているイスをみつけました。全てのイスが鎖で床に繋がれているところが船らしいところ。
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買うだけ買って目を通せていなかった雑誌を隅まで読んだところで、自分のベッドに戻ってきました。
今回選んだのは「S寝台」というクラス。立ち上がって着替えられるカプセルホテルのベッド、といえばイメージできる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高さは2mぐらい、頭上にコンセントと逆側に荷物の置ける棚があります。カーテンで仕切られた外側は通路で、内側からのみロックをかけられます。ですから、セキュリティを気にする方は就寝時以外は貴重品を持ち歩くことをオススメします。
気になる値段は片道11,800円。これでもこの日の航空券の半額以下ですが、28日前までにオンライン予約をすれば何と50%OFF!なんとまぁ、ゆっくり眠れてお風呂にも入れて5,900円で移動できるのです。そんな素敵な旅にすっかり魅了されてしまいました。
さっぱりして気持ちよくなったら、あとは布団を被って眠ればいいだけ。おやすみなさい。