東京方面へ戻る仲間よりも一足早く、あさかぜは三重県に向けて足を踏み出します。新しい道路が反映されていないレヴォーグのカーナビは中央道をひたすら西に進めと指示を出していますが、適宜オンラインでアップデートされるYahoo!カーナビは静岡県の清水方面へ向かうルートを示しています。
こういった新しい道路が反映される早さはオンラインならではの便利さではありますが、裏を返せばインターネットにつながっていなければ何もできないということでもあります。
加えて車載のカーナビの多くにはジャイロセンサーが搭載されていて、GPSの電波が受信できなくても自車の走行位置がわかりますから、一概にどちらが優位かと結論づけるのは難しいものがありますね。
そうはいうものの、あさかぜは所要時間が短くて済むYahoo!カーナビの指示に従って進んでいます。
甲府市街地の外縁を回り込み、南アルプスICから中部横断自動車道へと入ります。レヴォーグのカーナビでは2021年8月末に開業したこの道路が一部で反映されておらず、富士川沿いに沿って走る国道52号線を走るぐらいなら中央道周りの方が早い、と判断したようです。
『ゆるキャン△』といえば、この山梨県の富士川沿いが登場人物の暮らすエリアとして忠実に再現されています。原作の中でもなでしこの住む街が南巨摩郡南部町であると触れられており、今回は寄りませんが道の駅「なんぶ」は番外編アニメ『へやキャン△』の中でも登場。
道の駅の最寄り駅はJR身延線の内船(うつぶな)か甲斐大島といったところですが、両駅の中間地点の対岸あたりにあるので公共交通機関で行くのは大変そうです…
笛吹川フルーツ公園から1時間半近く走り、ようやく「東名」の文字が見えてきました。
新清水JCTから新東名に入って一気にスピードが上げられます。新東名は御殿場JCT~浜松いなさJCT間で最高速度が時速120kmまで認められています。できた当初はマスコミなどから「税金の無駄遣いだ!」などと口汚く罵られていたのを思い出しますが、結果としてこの高規格な道路を造ったのは正解だったと走ってみるとわかります。
以前のホンダ・フリードではパワーが足りず120km/h巡航なんてできませんでしたが、今のスバル・レヴォーグでは余裕の走り。線形が良いのはもちろん車線の幅も広く取られていますから、実際に走ってみると写真以上に安心感を覚えます。
掛川PAでトイレに寄っておきましょう。
先ほど走ってきた中部横断道ではPAがほとんどありません。代わりにICのすぐ近くにある道の駅に直結で降りられるようになっていて、それがPAの代替手段となっています。有料道路を使う側はトイレ以外の選択肢ができるし、地元は通過していく人にモノを売れるしで、うまく考えたものです。
交通量の多い東名や新東名ではそこそこの間隔でSA、PAが置かれています。SAは目を見張るほど立派なものがありますが、新東名のPAは割とこぢんまりしている印象。
PAでもイートインスペースが確保されているところはさすが日本の大動脈といったところですが、面白いことに掛川PAに入っている飲食店は全て松屋の系統に統一されています。
松屋に中華料理ブランドがあることは知っていましたが、「松軒中華食堂」を実際にこの目で見たのは初めてです。まだ6店舗しかない珍しい存在なので、だいぶレア度は高め。
ちなみに掛川PA(下り)店にはこの店限定のセットがあるそうです。
新東名に戻り、西へ向かって疾走します。午前中の雨は一体なんだったのかと思うぐらいきれいな夕焼けが見られました。
浜松いなさJCTを過ぎると時速120km区間は終わり、道幅も3車線から2車線へと狭まります。ただ交通量はあまり変わらないので、どうしても速度差が出ざるを得ないトラックにつっかえるシーンも見受けられるようになりました。
東名と合流する豊田東JCTまでは3車線化が進められているそうなのので、完成が急がれます。
伊勢湾岸道に入る頃にはすっかり日が暮れてしまいました。
名古屋の港湾地帯をぶち抜いていく高速道路なので左右をみれば美しい夜景が見られることでしょうが、さすがに運転しているとそんな余裕はありません。
お昼を食べたのが遅かったものの、ここいらでそろそろ夜ご飯を食べておくことにします。伊勢湾岸道の湾岸長島PAでご当地グルメをいただきましょう。
夜になってめっきり寒くなりました。
「どうせパーキングエリアに降りるだけだし」と油断して上着をクルマの中に置いて出てきましたが、想像以上に寒い…!良い目覚ましになります。
体を伸ばすついでに、PAの片隅にある展望台まで来てみました。すぐ隣にある遊園地「ナガシマスパーランド」のジェットコースターがライトアップされていてとてもきれいです。
あさかぜの職場では、過去にいたパワハラ上司がお気に入りの部下をよく(強引に)連れて来ていたという、負のイメージが強い場所でもありますが…
かくいうあさかぜは「ヒコーキオタクじゃ呼んでも仕方がない」と思われていたのか呼ばれたことはありませんでしたから、実被害を蒙ることはなかったんですけどね。
というわけで三重県のご当地グルメといえば「伊勢うどん」。
太くてコシのないもちもちしたうどんは、お伊勢参りに来た巡礼者の消化にいいように考えられたという話を聞いたことがあります。たびたび書いていますがあさかぜはコシの強すぎるのが好きではないので、伊勢うどんのように柔らかくて優しいうどんは大好きです。
エネルギーの補給が完了しました。クルマに戻り、いよいよ最終目的地の伊勢志摩を目指してアクセルを踏み込みます。
四日市JCTで東名阪道へ。ここは名古屋から奈良・大阪へ向かう最短ルートなので、まだまだ交通量は多いですね。
亀山JCTから伊勢自動車道に入っていくといよいよ交通量が少なくなります。同じ方向へ向かうクルマは片手の指で数えられるほどしかいませんし、すれ違うクルマもまばらに。
周囲も真っ暗で何も見えませんから、いよいよオーディオから流れる知っている歌を口ずさむぐらしかやることがなくなります…
湾岸長島PAからおよそ1時間、多気PAでトイレ休憩です。メインルートから外れているのでさすがに規模の小さなPAですが、それでも周囲にクルマがほとんどいません。
Yahoo!カーナビの指示通り伊勢西ICで降りて、県道32号「伊勢道路」へ。伊勢市から志摩方面へ抜ける最短ルートなのですが、道路もそこまで広くないし暗いしカーブも坂もそれなりに急だし…で運転にかなり気を遣います。
さっきまでのんきに歌を口ずさんでいた余裕はどこへやら。
しかも20時半を回っているというのに交通量はかなり多く、地元の人と思しきクルマがかなりハイペースで走っていますから、流れを乱さないようについて行くのは少しばかり大変です。
こういう道路に限って待避所なんかがないんですよねぇ…
遠回りになっても伊勢自動車道で松下JCTまで行くと国道167号「第二伊勢道路」があり、そちらの方が明らかに線形が良くて運転しやすそうです。自信のない方はそちらに回った方がいいかもしれません。
最後の最後に伊勢道路で冷や汗をかいたものの、本日の宿となるクインテッサホテル伊勢志摩に到着しました。笛吹川フルーツ公園から約450kmとそこそこの距離を走ってきましたが、ほとんど渋滞がなかったおかげで快適なドライブができました。
一人用の部屋だと思っていたらセミダブルベッドが2台並ぶツインルームでした。どうりで2泊2万円以上と素泊まりにしては高かったわけです。まぁ普通はこういったリゾート地周辺に一人で来るような人は少ないでしょうから、シングルルームがないのも理解できますけども。
2階には大浴場もあります。近くのコンビニにお酒でも買いに行ってから、お風呂でデトックスして晩酌といたしましょう。