● スタート地点から:1,063km
17時過ぎ、イオンモール盛岡南に到着。いよいよ道の駅「発酵の里こうざき」を出てきてから1,000kmを突破しました。
ここで家に帰るまでの飲み物などを手に入れつつ、盛岡名物を食べておきます。
盛岡名物といえばじゃじゃ麺。有名な「白龍(パイロン)」は市の中心部にしかないので、近くの別のお店に行こうとしたのですが、まさかの臨時休業…
ならば盛岡冷麺でお腹を満たすことにしましょう。
岩手県内を中心にチェーン展開する「焼肉・冷麺 ヤマト」に入ります。立派な店構えの大人数向けの雰囲気で、1人なのに6人は座れる大きなテーブルに通してくれました。
「軽く食べるぐらいでいいか」なんて最初は思っていましたが、メニューを見ていると急激にお腹が空いてきました。
盛岡冷麺とチヂミを注文。熱々のチヂミと冷たい冷麺の組み合わせがとにかくおいしい!
後日盛岡出身の先輩に「ヤマトにいってきたよ」という話をすると、
「あそこ結構おいしいよね、たまに行ってたわ。俺いっつも疑問に思うんだけどさ、冷麺に入ってるスイカって何のためなんだろ?」
と言われました。確かに冷麺のスイカって何のためなのでしょう。デザートにしちゃスープに浸っているし…
さすがに焼肉まで食べるほどはお腹の余裕がありませんでした。高速道路に乗る前にガソリンを満タンにして、いよいよ東北地方に別れを告げます。
なお時刻はすでに18時半過ぎ…カーナビをセットしたところ、ゴール地点となる「道の駅 発酵の里こうざき」まではまだ500kmを優に超える距離が残されています。
「22時ぐらいに家に着けばいいや」という考えでいましたが、これはもう無理ですね…
盛岡南ICから東北道に入り、あとはひたすら高速道路を南下するだけです。なお東北道は盛岡南~花巻南の30km足らずですが、最高速度が時速120kmに緩和されています。
おそらく線形の良さを理由に緩和したのでしょうが、新東名と違って片側2車線なのでほとんど恩恵がありません。トラック同士でも速度差があるので追い越しがありますし、さらに速度差のある乗用車ではすぐに追いついてしまいます。
いったい何のためなのやら…
たかだか30kmでは、暴走車を増やすだけで大した効果はないでしょうに。
● スタート地点から:1,085km
道中眠くならないようにエナジードリンクを飲んだところ、効き目がてきめんに出てきました。主に尿意の方で。
高速路線バスもよく休憩地点としている紫波(しわ)SAで早速トイレ休憩です。
サービスエリアには馬運車が2台も止まっていました。世の中で最も追突してはいけないクルマに入る馬運車。
超高価な競走馬を輸送する馬運車は高速道路をひたすら時速80kmほどで慎重に走っていますが、たまに後ろに張り付いている命知らずな乗用車を見かけます。彼らはそんな多額の損害賠償を支払いたいんでしょうかね…
ケンカを売る相手はちゃんと頭を使って考えた方がいいですよ。
● スタート地点から:1,151km
どうにも我慢できず、今度は中尊寺PAでトイレ休憩。すっかり日が暮れましたし、盛岡から90km近く走ってきたにもかかわらず未だに岩手県内にいます。
考えてみれば昨日の夕方4時ぐらいからずっと岩手県の中を走り回っていました。さすが日本最大の県…
カーナビの指示では東北道をずっと走り続けるよりも、磐越道を走った方が目的地に早く着くそうです。本当かなぁ…?
ただ埼玉県内では台風でも来ているかのようなすさまじい雨が降っているそうですし、状況によっては通行規制がかかる可能性もあります。疑いの目を向けつつも、天候の悪化が報告されていない磐越道→常磐道ルートをたどることにしましょう。
● スタート地点から:1,404km
途中宮城県内の蔵王PA(1,268km地点)でまたトイレに行きつつ、磐越道の差塩PAで4回目の休憩です。すでに時刻は22時半、この様子では日付が変わるまでに家に着くことはおろかスタート地点に戻ることさえできなそうです。
ちなみに差塩の読み方は「さいそ」。難読地名です。
あとはもう特に書くことがなくなりました。真っ暗な磐越道を走り、いわきJCTから常磐道で一昨日走ったルートをひたすら戻るだけ。目を向けるような景色もなく、たまに音楽を口ずさんで気を紛らわせます。
茨城県の南端に近づくにつれて雨脚が強くなってきました。時折激しく音を立てて雨粒がフロントガラスをたたくほど。
ちょうど日付を回った頃、つくばJCTでようやく「成田」の文字が見えました。やっと帰ってきた、という感覚が湧き上がります。
旅の終わりが見えてきた安堵感とは裏腹に、雨はどんどん強くなってきます。圏央道に入ると数十メートル先さえ見えなくなるような激しい降り方をする上に、道路の轍に溜まった水にハンドルを取られるような感覚も伝わってきてヒヤヒヤします。
しばしばすれ違うトラックからも盛大に水をぶちまけられます。ただでさえ見通しが悪いのに、一瞬とはいえ視界を奪われるのでかなりの恐怖感です。昼間だったらこんなこともないのでしょうが…
● スタート「道の駅 発酵の里こうざき」から:1,614km
雨に盛大にビビりながらも、無事にスタート地点だった「道の駅 発酵の里こうざき」に戻って来ました…!時刻は0時半、なんだかんだで盛岡から6時間もかかってしまいました。
冷たい雨がやむことなくザーザーと降り続いていますが、とりあえずは帰ってきたという達成感。
まぁ、まだ家までは50kmぐらいの道のりが残っているわけですが…
旅の移動中に眠ったりお酒を飲んだりはできないし、1人だと旅費が高くつく、というクルマ旅のデメリットはよくわかりました。
一方で公共交通の着発時間に縛られない自由度の高さは、それを充分に補う利点です。特に鉄道やバスの通じていない震災遺構を見て回る今回のような旅は、むしろクルマがなければ成り立たないものでした。
今後も列車や飛行機を使った旅行がメインになるとは思いますが、何かのタイミングでまたクルマ旅行もしてみたいですね。
それでは、あとは家まで安全運転で帰りましょう。