あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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陸海空四千キロを制覇せよ - 2日目【後編】(2021年10月4日)

※本文中の移動距離は「Googleタイムライン」機能を基にしています。実際の距離や営業キロとは誤差があります。

 

■ のりもの10:JR西日本・381系(出雲市→岡山:201km

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14:33発の特急「やくも」で岡山へ出発します。現在「やくも」はほぼ半分に減便されており、宍道での待ち時間が長くなってしまうのでわざわざ出雲市まで来ていました。
それに可能な限り始発から終点まで全区間ちゃんと乗り通したい、というマニアの心理もありますし。

 

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岡山側の先頭車は中間車を改造した車両です。貫通扉が左右にスイングするタイプではなく、1枚の内開きドアなのが特徴です。ドアについている特急マークも反対側と違って平面になっています。

 

 

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2010年に全てリニューアルが完了した車内はまだきれいです。部分部分を見れば国鉄時代からの車両ということはわかりますが、全体的に見れば2000年頃に作られた車両といっても通じるレベル

とはいっても足下から伝わってくる車輪の響きはゴリゴリという国鉄型の音。このギャップが乗っていて楽しいところです。

 

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走行音を肴に日本酒を開けましょう
出雲市駅構内のセブンイレブンで販売していたワンカップサイズの日本酒です。豊の秋」という銘柄の地元島根県松江市で作られているお酒で、すっきりとした風味ですいすい飲めます。刺身が肴に欲しいところですが…

 

www.toyonoaki.com

 

 

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進行方向左側の車窓には宍道湖が広がります。奥に見えるのは松江の市街地。今日はいい天気で、併走するバスに乗った修学旅行生らしき小学生たちも喜んでいることでしょう。
中には「やくも」をずっと見ている少年もいましたが…多分あさかぜも湖より電車を見ていた側なので人のことはいえません。

 

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米子を出ると2駅先の伯耆大山伯備線へと分岐していきます。山陰本線はいかにも電化されているかのように架線が張られていますが、伯備線が分かれるとすぐに電化区間は終わり、春に訪れた兵庫県城崎温泉まで非電化区間が続きます。

 

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まもなく車窓には霊峰「大山だいせん」の美しい姿が見えてきます伯耆富士とか出雲富士と呼ばれることもある成層火山で、最後の噴火はおよそ2万800年前とされています。活発な活動は見られないので活火山ではないのだとか。

普段は年間900万人もの登山者が訪れる大人気の観光スポットで、山に登らなくても周りでそばや山の幸海の幸様々おいしいものが食べられるのだとか。
うーん、なおのことどこかでお刺身を手に入れてくれば良かったなぁ…手元の日本酒をもっとおいしく感じられたでしょうに。

 

tourismdaisen.com

 

 

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今朝の出発地である新見へ11時間ぶりに戻って来ました。中国地方をぐるりと1周していただけなのにずいぶん時間がかかっています。
とはいえ備後落合の乗り継ぎでおよそ3時間を過ごしていましたから、それぐらいかかってしまうのも無理はありません。おかげで貴重な時間を過ごせましたが、一方でこのような接続の悪さが中国山地鉄道路線から足を遠ざけてしまう理由でもあります。

 

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いつも「やくも」に乗るときは高梁川が見えて視界が広々としている進行方向右側、出雲市に向かうときは左側の座席を取っています。今回はいつもと気分を変えてみようと左側の席を指定してみましたが、大山を心ゆくまで眺められたり、荒々しい石灰石の崖を間近に見られたりと新しい発見があって面白かったです。

途中で日が暮れてしまったのでどのみち後半の景色はよく見えませんでしたが…

 

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17:39、終点の岡山に定刻通り到着しました。
半分に減便されていることもあって、そこそこ人が乗っているようには感じられました。陰陽連絡の役目を一手にほぼ引き受けてきた路線ですから、元から需要はそれなりにあるのです。細切れだったとはいえ長かった緊急事態宣言が本格的に解除されれば、また「やくも」が1時間ヘッドで走る光景が見られるようになるのかもしれません。

さて、ここからは新幹線で移動しますが、乗り継ぎ時間は20分ちょっととあまり余裕がありません。駅弁ぐらいは買う時間がありそうなので、店頭の残り少なくなった中から小さめのものを1個だけ買って乗り換え改札へ向かいます。
特殊なきっぷの買い方をしているので、案の定自動改札機は組み合わせ判定でNGを出して通れません。
「このきっぷが○○から先の分で、そこを補うのがこのきっぷなんです」
みたいな説明を改札口で話して、やっと乗り換え改札を通り抜けられました

変なことをやるときは必ず時間の余裕を持ちましょう。それを織り込んで20分取っておいたのは正解でした。

 

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ホームには18:02発の500系「こだま863号」が発車10分前ながらすでに到着していました。この列車は岡山で18分間の停車時間があるので、ゆったりと身の回りを整えることができます。

…と車内に入ってみると、あさかぜが指定した席の隣に先客がいるではありませんか。

数日前まで空席だったはずなのに。

周りに空いている席がたくさんあるのに、なぜ見知らぬ人がすでに取っている席の隣を指定してくるのか理解できませんし、隣に座っている席を避けて指定するのが当たり前のご時世になっているのでなおさら不気味です。
しかもすでに爆睡していてとても窓側席に入れる雰囲気ではないし…入りたくもないし…

 

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こういう言い方をしては申し訳ありませんが、正直言って気持ちが悪いので席を変えてもらうことにします。6号車には車掌室があるので、出発準備中の車掌さんに声をかけて上記の理由を説明しました。
幸い快く応じてくださった上に「今のところ周りに他のお客さまが乗ってこない座席にしておきますね」と配慮までしていただき、元グリーン車の6号車の座席へ収まることができました。たかだか鉄道オタクのオッサンのためにここまでやってくれるとは…なんとありがたいこと。


■ のりもの11:JR西日本500系(岡山→博多:352km

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あとから着いた「みずほ611号」鹿児島中央ゆきに道を譲り、500系「こだま」は静かに岡山を発車しました。

…うん、静かすぎる。
最近になって500系は足回りの更新が進められているらしく、VVVF東芝GTO素子のものからIGBT素子へと変更されています。クラシックな音を堪能できる未更新車を期待していましたが、走り出した瞬間に「あっ、これは違うな」というのを直感できる静かさでした。このV3編成も更新車です。

車両の巡り合わせは運ですから仕方がありません。

 

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速度が乗ってきたところで、乗り換えの合間に購入してきた駅弁を開けます国産あなごと牛しぐれ煮弁当」1,180円
勝手に穴子が岡山の名産なのかと思って買ってきましたが、一言もあなごは岡山産とは書いていないのでした。

甘辛く味付けされた穴子と牛肉とご飯の組み合わせは非常に良い。国産であろうと何だろうと、この味付けがされていたらおいしいに決まっています。甘さに飽きたら、添えられたわさび昆布のツーンとした感じでリセット。小さめというのもありますが、2つぐらい軽く食べられそうです。

 

ekiben.gr.jp

 

 

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新倉敷で9分、福山で6分、新岩国で8分…と「こだま」らしく退避のための眺めの停車時間が続きます。せっかくなので停車時間を使って500系新幹線の各部を観察してみましょう。

500系は1997年にデビューした、時速300kmの営業運転を日本で初めて実現した車両です。ドイツ人デザイナー、アレクサンダー・ノイマイスター氏によるいかにも速そうなデザインと相まって「500系のぞみ」は一世を風靡したのを覚えています。
家族連れからの人気が高い一方、強化した車体構造や300km/h運転を実用化するための特別な装備で製造費用は高騰。さらに300系やのちにデビューする700系との座席配置や座席数の違いで、替えの利かない500系はお荷物だったようです。2003年10月のダイヤ改正で「のぞみ」にも自由席が設定されるようになりましたが、1号車の先頭側に客用ドアがないことで乗降時間が延びるようになった上、鋭い先頭形状の影響で荷物棚が設置できないがゆえに荷物置き場が必要、など運用上のマイナス要因が重なっていきます。

2010年3月に定期列車の「のぞみ」がN700系へ統一されることを受けて、2月28日で「のぞみ」としての定期運用を終了。その後は8両編成に縮められた500系7000番台となって現在に至ります。

 

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500系といえばこの戦闘機のキャノピーのような先頭形状も特徴的です。この徹底して速そうなスタイルが強すぎたためか、このあとに700系が出てきたときは「変な形だし、速そうじゃないなぁ」なんて思ったのを覚えています

実際ここまでとがらせる必要はなかったようですが、デザイン的に見てこうしたほうがカッコよかったという理由もあったのだとか。それゆえ、上に書いたような弊害も出てきてしまったわけですが…
ただデザイン戦略でいえば間違いなく成功でした。

 

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丸くなった車体形状は外から見れば速さを感じさせるものの、車内では圧迫感を覚えるという評価もありました。グリーン車時代そのままの6号車に座っているとあまり感じませんが、横5席が並んだ指定席だと壁に近い窓側だと気になるのかもしれません。あさかぜが気にしなかったのは小柄な小学生時代だったからでしょう。

ちなみに車体の作り方も他の新幹線車両と違って六角形を組み合わせたハニカム構造(普通はダブルスキン構造)となっています。これは車体を軽くできる一方で生産が複雑になり、500系の製造費が高騰する大きな理由となりました。ただハニカム構造のおかげで車体が頑丈にできているためか、こうして足回り更新などの延命工事につながったのでしょうかね。

 

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パンタグラフも特殊でした。時速300kmで走るとパンタグラフの風切り音が騒音基準を超えてしまうため、正面から見るとT字に見える「T型」と呼ばれるものをこの500系のために開発しました。本体の構造は簡単でも、架線に追従するように空気シリンダーで下からバランスをとって支えなければならないため、メンテナンス面での難点があります。
「のぞみ」を引退して時速285km運転で充分になったため、メンテナンスが楽なシングルアーム式に載せ替えられています。

ちなみにN700系も、時速320km運転を行うJR東日本のE5・E6系も、構造を見直すことで規制に対応できるようにしたシングルアームパンタグラフを使っています。技術の進歩ですね。

 

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車掌さんが手配してくれたとおり、周囲には全く人が乗ってきません。というか全体的に乗降は少ない感じ…
グリーン車そのままの6号車に限らず、他の指定席車両も700系「レールスター」などに合わせて2+2の4席仕様へと改められています。現役時代の3+2の座席に座りたい場合は自由席を選ぶと懐かしい気分に浸れるかもしれません。

所要時間も長いことですしケータイが充電できれば申し分ないのですが、いかんせんスマートフォンが普及する時代よりはるか前に登場した車両なのでコンセントはありません。「のぞみ」ならまだしも、普通の人はわざわざ「こだま」を長時間乗り通すようなことはしないでしょうから仕方ありません。

 

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岡山から3時間20分をかけて終点の博多に到着しました。何年ぶりの九州上陸でしょう、この博多駅の光景を見るのはすごく久しぶりな気がします。「のぞみ」に乗れば1時間40分で到着するので、倍の時間がかかっているとなおさら遠くまで来た気がしてなりません。

今日と明日は駅から歩いて10分ほどのところにある「ホテル法華クラブ福岡」に投宿します。道すがら目星をつけていたラーメン屋がやっていないものか確認しますが、どこものれんが出ていません…
どうやらどこのラーメン屋も短縮営業になっているらしく、博多に泊まる最大の楽しみが失われそうです…

 

www.hokke.co.jp

 

 

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ホテルのフロントで尋ねたところ、いくつか深夜まで営業しているかもしれないお店を教えてくれました。散歩がてらホテルからそんなに離れていない居酒屋らしきところを外から覗いてみましたが、店内の客はみんな複数名で来ているようで話に花を咲かせています。

うーん、一人ではとても入れない雰囲気…

結局ホテルのすぐそばにあるすき家で「わさび山かけ牛丼」をテイクアウトしてきました。福岡まで来てすき家とはなんとなく敗北感が漂いますが、下調べと計画が甘かった自分のせいです。

とかいいながら、お腹いっぱいになってお酒が入れば気分が良くなってしまうのでチョロいもんです。先ほどの「こだま」での対応をJR西日本のお客様センターにお礼のメールをして、明日に備えて寝てしまいましょう。

 

今日の移動距離:680km(鉄道680km)
ここまでの総移動距離:1,507km