というわけで駅から歩いて3分のところにある公共浴場「湯めどころ宇奈月」へとやって来ました。ちょうどトロッコで体も冷えていたことですし。
宇奈月温泉は先ほども書いたとおり、上流の黒薙温泉から7kmに渡って引いたお湯を使っています。先ほど通った黒薙温泉を訪れることはできませんでしたが、宇奈月で温泉に入れば黒薙で入ったのと同じということです。
2021年後半に過激派フェミニストに目をつけられてしまった「温泉むすめ」というコンテンツのキャラクターに宇奈月温泉をモチーフにした「宇奈月 明嶺(うなづき あかね)」というキャラクターがおり、彼女の苦手なものとして「権利の濫用」が挙げられています。
法学部生は必ず勉強するという「宇奈月温泉事件」がモチーフなわけですが、あいにくあさかぜは文学部出身で難しい法律のことはさっぱりなので、各自で確認してみてください。
途中から広々とした浴場を独り占めしていました。透明なサラサラした泉質でクセがありません。体が充分すぎるほど温まったところで駅まで戻ります。
駅前にある温泉噴水を眺めていると踏切が鳴り、折り返しの列車が入ってきました。これで東急8590系だったら諦めて乗るしか…
なんと入線してきたのは西武の初代レッドアロー5000系を受け継いだ16010形ではありませんか!予想だにしない当たり車両の登場に思わずガッツポーズをしそうになります。
車内は西武鉄道で使われていたものをほぼそのまま受け継いでいるようです。特急車両ならではだった座席上部のヘッドカバーが、布製の交換式のものからビニール製の固定式に変わっていることぐらいでしょうか。
一応座席は回転できるようですが、あいにくやり方がよくわかりません。元からボックス席にそろえられているところを見ると、勝手に座席の向きを変えない方がいいのかもしれませんね。
西武鉄道時代の雰囲気を色濃く残す16010形ですが、実は走行機器は5000系時代とは全く異なっています。
というのも後継車両となる10000系「ニューレッドアロー」が5000系の走行機器のほとんどを流用することになっており、地鉄にやって来たのは車体だけ。そこで走行機器のほとんどはJR九州で廃車になった485系のものを流用して富山地方鉄道16010形となったのでした。
これだけでもだいぶキメラな感じが漂いますが、輸送量に合わせて3両編成を2両に縮める改造も2005年から行われて現在の姿に。
車両のデッキにはコカコーラの自動販売機が置かれていました。最初は西武時代からの生き残りかと思っていましたが、並んでいる商品も新しいのでただ故障中なだけだったようです。
なお2編成が導入されたうち、もう1本は水戸岡鋭治氏がデザインを担当した観光列車「アルプスエキスプレス」へとリニューアルされており、運が良ければ豪華な普通列車として乗車できるようです。
日が長い6月とはいえ、さすがに夕方6時半ともなればだいぶ日が傾いてきます。常願寺川を渡ればもうすぐ富山駅。沿線の学生などを乗せて車内は6割程度の乗車になっていました。
18:29、終点の電鉄富山に到着。ホームの壁には様々なヘッドマークがかけられていますが、現役っぽいのもあればどう見ても使われていないものまで、ずいぶん無造作にかかっています。歴史がたどれて面白そうなのに、なんだかもったいない飾り方ですね。
さて、海の幸を食べなければ富山まで来た意味がありません。駅からロータリーを出てすぐのところにある「廻転とやま鮨」へお邪魔します。
回転とはいうものの回っているのはポップだけで、食べたいものは板前さんにオーダーするスタイル。
早速気になったものをオーダーしていきます。
手前右はもんごういか、西日本で採れる大型のコウイカだそうです。食べ応えのある食感です。
奥は…炙り三種でしたが何の魚だか忘れてしまいました。香ばしくておいしかったのは覚えています。
手前左側は富山湾名産の「白エビ」の軍艦で、1貫480円と高価なメニューですが外せません。ほんのりとしたエビの甘みを感じるやいなや溶けてなくなってしまう…
気になっていたのは「ホタルイカの黒作り」です。沖漬けは聞いたことがあるけど、黒作りとは何だろう…?
板前さんに尋ねると、ホタルイカの塩辛にイカスミを入れて黒くしたものなのだそう。塩辛のしょっぱさや生臭さが少しマイルドになるのだとか。
確かに沖漬けだと気になるホタルイカの生臭さが感じられず、とても食べやすくておいしい。「おいしかったです!」と板前さんに告げると、「駅でも売ってますので、おみやげにぜひ」とオススメされました。これはとても良い富山土産になりそう。
おいしいお寿司を食べ、日本酒も飲んでご機嫌になってから路面電車で奥田中学校前へ。地鉄の1日・2日乗車券はもちろん地鉄が運行する路面電車も乗り放題。
ただバスは対象外なので、フリーパスを有効活用するためせっせとホテルまで歩きます。昨日の晩と違って道がわかっているのであまり遠く感じません。
とホテルに戻ってきたものの、加減して食べていたのでお腹が空いてきてしまいました。お酒も飲んでいますしシメが欲しい…
ちょうどホテルのはす向かいに「元喜家(げんきや)」という家系ラーメンのお店があったのでついつい吸い込まれてしまいました。21時閉店と少々早じまいなので間に合って良かったです。
安定の味。体に悪いことはわかっちゃいますが、シメの家系ラーメンは犯罪的なうまさです。どうして体に悪いものほどおいしいんでしょうね。
ラーメンでさらにご機嫌度を増して今日一日はおしまい。歩き疲れましたがその分とても充実していたので、とても心地よい寝付きでした。