ANAが来春就航予定のA380-800型3機のデザインと、機内仕様を発表しました。
https://www.ana.co.jp/group/pr/201804/20180425-2.html
2階席(アッパーデッキ)にはファーストクラス8席、ビジネスクラス56席、プレミアムエコノミークラス73席の137席、1階席(メインデッキ)にはエコノミークラスのみ383席の計520席という配置になりました。
この座席数が多いか少ないか(当然ANAの機材の中では最多)と言われたらわかりませんが、他社と比べると少ない仕様とはいえないようです。
座席数だけ見た場合の一例を挙げると、
・エティハド航空…498席
・エミレーツ航空…489席
・シンガポール航空…409席
・大韓航空…407席
といった具合で、エミレーツの詰め込み仕様では615席。席数だけで見ればその次に多い座席数です。
まぁ東京~ホノルル間と他社に比べれば割と短い距離を飛ぶので、詰め込みの仕様になるのは当たり前と言えば当たり前ではあります。
座席を見てみます。いずれも他のANA機材にはない、新しいタイプの座席を導入する方向のようです。
■ ファーストクラス
この頃流行の個室タイプのシート。濃い灰色一色という座席の色が気になりますが…まだ実際に搭載されるまでにはデザインが変わったりするのでしょうか?リゾート路線に投入するにはあまりに地味な雰囲気は拭えません。
他社のファーストクラスはベージュ革張りで、そのエアラインを象徴する色を基調にしていることがほとんどなので、比較すると「ANAらしさ」が見えてこないところがすこし気になります。
■ ビジネスクラス
最近では標準となったフルフラットシートを採用。中央部の座席は仕切りを下げることで、ペアシートとしても利用できるとのこと。これもシンガポール航空などで取り入れられているタイプの座席です。
前の座席の下に自分の足を入れて長さを確保する、「スタッガード配列」という座席配置を採用している様子。これは他のANA機材でも同様です。
■ プレミアムエコノミークラス
15.6インチの大型モニタを備えたプレミアムエコノミー。シートピッチは38インチ=約97センチで現行のプレエコと同一。モニタサイズはB787-9に比べると4.6インチも大きくなるので、機内で映画を見たりする分にはかなり迫力アップとなるのではないでしょうか。
■ エコノミークラス
基本的にはA320やA321に搭載しているのと同じタイプのようです。ヘッドレストは6方向に調整できる仕様になっているのが国際線らしいところでしょうか。特筆することはあまりなさそうです。
■ エコノミークラス(カウチシート)
おそらくこれがA380の最大の注目ポイント。
ニュージーランド航空でも導入されている、「カウチシート」が採用されました。追加料金で隣の座席を買うことで、3~4席分を1人で使用。レッグレストを上げることで簡易的なベッドとして利用できるというコンセプトです。
エコノミーの狭い座席に縛られて何時間も過ごすよりは、横になって眠れればどれほど楽なことか!間違いなく人気の出るシート配置ですが、果たして実際に運用されればいくらの追加料金になるのか、そこが気になるところです。
ANAが日本航空の牙城となっているハワイに殴り込みをかける、最大の武器がA380-800。
度肝を抜くことで定評のある、中東系のエミレーツやエティハド航空に比べればかなり地味な印象はあります。よく言えば「安定」ですが…
現在はJALグループに便数・旅客数・ネットワークで大幅に水をあけられている状態ですが、果たしてどこまで巻き返すことができるのか。
個人的にはJALの一強状態はほぼ変わらないとは思います。ハワイアン航空との提携で、ハワイ諸島内のネットワークも手に入れており、行った先での利便性は正直ANAでは勝負になりません。
何はともあれ、成田にやってくるA380が久しぶりに増えます。せっせと通わなければ。
DSC_0614 posted by (C)あさかぜみずほ