2ヶ月弱にわたった緊急事態宣言がやっと解除されました。停滞しきった経済がこれで上向きになっていくといいのですが…
というわけで4ヶ月ぶりの成田空港です。便数が去年の同時期とは比べものにならないほど減っていますが、航空貨物需要の高まりで普段来ない航空会社や機材が見られるはず。
撮影ポイントへ入る前にまずは腹ごしらえです。「空の駅さくら館」のおそば屋さんコーナーには「中華の日」の札が。そば屋なのに中華…?この頃野菜をちゃんと採っていない気もしますし、ニラレバ炒め定食でも注文してみましょう。
…うまい!!
シャキシャキしたニラともやしが山となり、独特のニオイがしっかり消されたレバーもたっぷりと入ってすごいボリュームです。しかもご飯に合うように絶妙な味付けがされていて、「こんなおいしいレバニラ炒めを食べたのは一体何年ぶりだろう」と感激するぐらいです。それがたかだか850円で食べられるのですから太っ腹です。大満足!
空の駅 さくら館|千葉県成田市の観光物産館 – 千葉県成田市の観光物産館
JA873A / All Nippon Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
「さくらの山」へ上がってきました。気温がだいぶ高くなってきたというのもあるかもしれませんがそれにしても人の数はまばらです。家族連れの姿がかなり少ないのもあるでしょう。
早速R2-D2ジェットが離陸していきます。ANAに限らずどこの航空会社も国際線はほとんどが運休。かといって国内線の需要も大きく落ち込んでいるので、国内線に回すほどでもありません。
もっぱら国際線用機材の主戦場は貨物輸送。床下のベリースペースでもB787-9なら60トンぐらいの荷物を積めるようです。乗客を乗せない分まるまる貨物輸送に充てられますから、航空貨物の輸送収入もかなり大きいのでしょう。
HL7558 / Jin Air / Boeing 737-800
今日から再開となった韓国のLCC「ジンエアー」が運航するソウル~成田便。
コロナ禍前は1日2~3便が運航されていましたが、当面の間は週1便だけが運航される予定です。どちらに渡航しようとどのみち2週間の隔離措置が必要で今までのような短期旅行はできませんから、航空会社としては週1便でさえ多いのかもしれませんね。
N450PA / Polar Air Cargo / Boeing 747-400F
出発機が10分程度空くこともザラにあります。成田空港では今のところ長いA滑走路だけしか使っていないのに、これほどまでヒマなのです。自分がいるのは本当に成田なんだろうかと疑ってしまうぐらい。
ポーラーの純正カラーが上がっていきます。片っ端から提携先のDHLのロゴが入るせいで、本来のポーラーエアカーゴのカラーリングはめったに見られません。日本で見られるのはこのN450PAの1機だけ、といっても差し支えないでしょう。
B-LJL / Cathay Pacific / Boeing 747-8F
あとに続くのはキャセイ・パシフィックの貨物便。元から貨物型として作られている機体には鼻先がバックリ上に開く「ノーズカーゴドア」が装備されています。
写真を拡大してよく見てみるとコクピットの窓の下に縦の線が入っているのですが、縮小された画像だとさっぱりわかりませんね。
F-ONET / Air Caledonie International / Airbus A330-900
当面の間ヌメア~成田便の運休が発表されているエアカレドニアインターナショナル。やはり貨物需要はそれなりにあるようで、なんだかんだ週に数回は成田に姿を現しています。便名も定期便と同じSB800・801便。
C-GAJG / Cargojet Inc. / Boeing 767-300ER BDSF
カナダの貨物専業の航空会社「カーゴジェット」。コロナ禍における貨物需要の高まりで成田には頻繁に来るようになったようです。
同社の機材は全てが旅客型から貨物型へ改装されたもので、この機体も元々はアメリカン航空で使用されていたものでした。ANA Cargoでも同様に旅客型から改修したBCF型というものを使っていますが、こちらはBDSF型といってちょっと異なります。BCFはボーイングが改修する純正のプログラム、BDSF型はやることは同じですがイスラエルのメーカーが改修する「Bedek Special Freighter」というモデルです。
JA771F / All Nippon Airways / Boeing 777F
旺盛な貨物需要に応えて運航規模を拡大しているANA CargoのB777F。導入当初は「貨物需要が思ったほど伸びていないとか言いながら、なんでデカい機材を入れるんだ…」と不安のまなざしが注がれていましたが、現状では2機ともフル稼働となっているようで、世の中どう転ぶかわからないものです。
B-2574 / YTO Cargo Airlines / Boeing 737-300SF
YTOカーゴはいつも通りの機体です。もっと荷物の積めるB757で来ないかな、なんて期待はしていますが…
N27903 / United Airlines / Boeing 787-8 Dreamliner
日本とは比較にならないレベルで感染拡大の続くアメリカはかなりの路線が運休となっています。とはいえ医療関連品の輸入をかなりやっているようで、多くの飛行機が臨時の便名をつけてアメリカ本土から日本経由で中国を往復しています。
中国共産党一強の独裁国家が強力な移動制限で感染症を封じ込めた(ことになっている)一方、自由の象徴であるアメリカはそれが裏目に出て感染症の拡大に歯止めがかからない。なんとも皮肉なものです。
B-18310 / China Airlines / Airbus A330-300
チャイナエアラインは社名を変更するという話が持ち上がってきました。現状ではChinaは中国本土を意味する要素が強く、せっかく台湾のチャイナエアラインが医療用の支援物資を輸送しても中国からのものと認識されてしまうからだとか。
ただ世界中に路線を持つ航空会社の社名変更となると簡単な話ではありません。新型コロナウイルスと香港への支配強化で機運は高まっていますから、政治面・コスト面を考慮してどこまで進められるかですね。
N592FE / FedEx Express / McDonnell Douglas MD-11F
去年あたりまでの成田ではめっきり珍しい存在となってしまっていたFedExのMD-11Fが帰ってきました。1日1機ずつ見られればいいぐらいの頻度まで落ちていましたが、やはり貨物需要の高まりで稼働率が上がっているのでしょうか。
いくらFedExだけで50機以上もいるとはいえ、MD-11F自体がすでに世界中で3社しか運航されていませんから、やはり貴重な姿には変わりありません。
HL8038 / Asiana Alirlines / Airbus A321-200
巨大なA380で来ていたアシアナもA321で細々と飛ぶ程度になりました。
経営がかなり厳しい同社は、今まで所属していたクムホ率いる財閥を離れてHDC 現代産業コンソーシアムに買収されることが決まっていますが、このコロナ禍の影響を受けてどうにも怪しくなってきているようです。
買収が決定された2020年初頭よりも経営状況はさらに悪化しており、当然負債額も増える一方。先を見通せない情勢だけにHDC側も慎重にならざるを得ません。
気温が上がってだいぶ暑さを感じます。これから夏真っ盛りへ突入していくというのに感染拡大防止のためマスクをつけ続けなければいけないとは、仕方がないとはいえ地獄のような夏になりそうです…
木陰にキャンプ用のイスを置いて座ると適度な風が抜けていっていい感じに涼しい。あまりの心地よさに思わずまどろんでしまいます。どうせ便数も少ないですし、エンジン音が聞こえるかエアバンドが交信し始めたら起きればいいだけです。
XA-ADH / Aeromexico / Boeing 787-9 Dreamliner
アエロメヒコが出発準備を整えて滑走路に向かってきました。普段はNから始まるアメリカ籍ばかりなのでXAのメキシコ籍そのものも珍しいのですが、機材も普段やってこないB787-9なのでなおさら注目度は高めです。
他の北米エアラインと同様に中国からの物資の輸入に旅客型をかり出しているようです。メキシコから成田まで直行し、給油を受けてから再び中国へ向かって飛び立ちます。帰りも同様です。
JA794A / All Nippon Airways / Boeing 777-300ER
去年導入されたばかりの新造機です。注目は新しいビジネスクラス「THE Room」が搭載されたことでしょう。最近ちょっと流行となっている個室タイプのビジネスクラスで、日本ではANAが初めて採用しています。長距離国際線では真っ平らなベッドになるのはもう当たり前になりましたが、動くついたてまでついてほぼ個室になるだなんて、まるでファーストクラスのようです。
前後向かい合わせで、向かいのシートのテーブル下に足を突っ込む形になるので座席幅全てがベッドになるわけではありませんが、それにしたって座って12時間過ごすのとは段違いです。
THE Roomを装備した機材は「新212席仕様」と案内されており、1便につき64席が設定されています。
HL7585 / Korean Air Lines / Airbus A330-300
本来なら3月末から夕方に降りてくる大韓航空のソウル~成田~ホノルル便はB747-8Iになっているはずでしたが、おあずけどころか当面の間運休…
XA-ADC / Aeromexico / Boeing 787-9 Dreamliner
本日2機目のアエロメヒコ。しかもB787-9。こちらは今から中国へ向かうようです。
XA-ADD / Aeromexico / Boeing 787-9 Dreamliner
ユナイテッドの到着便を挟んで、さらに3機目のアエロメヒコが飛び立ちます。普段の3倍の数のアエロメヒコ機が見られておトクな気分…?
旅客便が再開されれば普段通りの-8に戻るでしょうから、1度に3機も-9が見られたのはなんともラッキーでした。
JA781A / All Nippon Airways / Boeing 777-300ER
こちらは先ほどと同じANAのB777-300ERですが、最も収容力のある264席仕様。機体前方の窓の配置が新212席仕様とは違うのがわかるかと思います。
長距離国際線にも入るので、ビジネスクラスはやはりフルフラットなベッドになります。こちらは前の座席のテーブル下に足が入る「スタッガード配列」というタイプ。
座っているときの座席幅こそTHE Roomより狭いですが、真っ平らなベッドになるという点ではやはりエコノミークラスとは格が違います。
B-2525 / China Postal Airlines / Boeing 737-400SF
旅客型のB737-400を貨物型に改修したタイプで来ている中国郵政航空。チャイナポスタルの名の通り、中国の郵便局にあたる中国郵政が運営しています。
アリババなど巨大な通販事業者が存在することもあって、中国国内でも航空貨物事業は拡大傾向のようです。
HL7421 / Asiana Alirlines / Boeing 747-400BDSF
発着がなく、しばらくうたた寝していました。年中こんな気候だったら快適なのですがねぇ…
降りてきたのはアシアナの貨物機です。カーゴジェットでも触れたイスラエルのメーカーが改修したBDSF型というタイプで、元からアシアナに所属する元旅客型でした。
旅客機時代から貨客混載型といわれる「-400M」というタイプでしたが、2017年の改修で純粋な貨物型へと転身しています。
HL7421 / Asiana Alirlines / Boeing 747-400M
「見たことあるレジだしどうせ撮ってるだろう…」と思って撮影記録を確認したら、2016年8月に「十余三東雲の丘」で撮っていました。
主翼のすぐ後ろにある非常扉より後方は貨物スペースとなっています。それでもアシアナ航空では3クラス264席が設定していましたから、ジャンボの収容力には驚かされます。
JA10MZ / Japcon / Cessna 525 CitationJet
この小さなジェット機はセスナ製の525「サイテーション」です。7人乗り、航続距離は3,000km弱といったところで、ちょうどホンダ・ジェットと競合するサイズです。
この機体は岡山市の岡南飛行場に本社を持つジャプコンという会社が所有するもの。同社ではビジネスジェットの運航を受託しています。
C-FNNQ / Air Canada / Boeing 777-300ER
「旅客需要が激減したので、客室の座席を外して一時的に貨物機に転用する」なんて話がいろんな航空会社で出てきています。
このエアカナダ機もビジネスクラス26席を残して座席を撤去し、貨物機として運用している様子。外見からは全くわかりませんが。
貨物機として運用すると簡単に言いますが、純粋な貨物機と違って客室に重い荷物は載せられませんし、そもそも客室のドアから手作業で搬入できる大きさの荷物しか入れられませんから、全体的な効率はそこまでよくありません。
それでも積まないよりは全然マシという切実な経営状態が伝わってきます。
A7-AMK / Qatar Airways / Airbus A350-900
カタールは普段の旅客便より1時間半ぐらい早く到着しました。いつもならだいたいB滑走路に降りてくるので今だけの珍しい光景です。
成田空港に限って言えば、旅客便という目で見れば壊滅的ですが旅客機を貨物便として運航している便が多いので、正直なところ思っていたよりもずっと便数があるなというのが正直なところです。
なんとかこのスポッティングという趣味は続けられそうですが…早く以前のような賑わいを取り戻してもらわないと、趣味をやるにしても張り合いがありません。
それでは今日はここまで。