久しぶりに職場の上司・同僚とドライブへ出かけることになりました。東名高速の海老名SAに6時半集合ということなので、一番遠いあさかぜは5時前には自宅を出発。
まだクルマが少ない時間帯だったので、あっさりと東京都心を通り抜けて来られました。普段からこれぐらい空いていればいいんですけどねぇ…
飛ばしてきたわけではないものの、日が昇る前に東京料金所を通過して東名高速へ。
午前6時過ぎ、集合場所のEXPASA海老名に到着。
集合時間まではまだ30分もあるので軽く朝ご飯でも食べようかとフードコートに入っていったら、あさかぜよりもさらに早く着いている上司がいました。
「おはようございます。何食べてるんですか?」
「吉野家の牛丼。ラーメンももう開いてるよ」
「マジすか?じゃあラーメンにするか」
「すげえなお前、この時間からラーメン食うのかよ」
てなわけで24時間営業の『なんつッ亭』でとんこつラーメンの朝ご飯。朝早いとはいえ、起きてからすでに何も食べず2時間も経っているわけですからお腹が空くのも当然です。
マー油が入るとスープの風味が一気に熊本っぽくなりますね。独特の焦げたような香りが人を選びますが、あさかぜはマー油は大好きです。
北関東から来る人もいるので次の集合ポイントは足柄SA、海老名からはクルーズコントロールに任せて30分ほどの道のりです。
ここでメンバーが勢揃いしたので改めて西へ向かってスタート。
御殿場から新東名に入り、快適な高速道路をひた走ります。いまどきのクルコンは非常に優秀で、ハンドルに手を添えておけば勝手に車線も車間も維持してくれるので長距離運転が楽ちんです。
それにしても静岡県は広いですね…1時間以上高速道路を走り続けてようやく静岡県の西側、旧「遠江国」エリアに入ってきました。
遠州森町PAで一休み。小規模なPAで「駐車場もあまり広くないなぁ」と思って地図を見てみると、奥の方にいくつか分散してあるようですね。
トイレ休憩を済ませてさらに1時間ばかり、本日最初の目的地である航空自衛隊浜松基地の「浜松広報館 エアーパーク」へとやってきたのですが…
先に着いていたメンバーが門の前であさかぜの到着を待ち構えています。まさか…休館?
今日が休みではないことを確認した上で出かけてきたつもりでしたが、通常の月曜日に加えて「3月第2週の火曜日~木曜日」もお休みであることを見落としていました。
今日は3月5日、ドンピシャで第2週の火曜日。やってしまった…
塀越しに外に並んでいるヒコーキを少しだけ眺めます。
建物の入口付近に飾られているのはブルーインパルスで使われていたF-86F。当時のノースアメリカン社が開発したF-86 Sabre(セイバー)で、計300機が三菱重工業でノックダウン生産されました。
1960年に設立された曲技飛行隊「ブルーインパルス」の初代に使われたのもこのF-86Fで、後継のT-2に引き継がれるまでのおよそ21年間にわたって活躍しました。
奥の方に見えるのは1954年から航空自衛隊で活躍したカーチス・ライト製C-46D Commando(コマンドー)です。1940年に初飛行し、第2次世界大戦中には3,000機以上が生産されたベストセラー輸送機のひとつ。
両翼に装備しているのはR-2800“ダブルワスプ”というプラット&ホイットニーの傑作エンジンで、F4U Corsair(コルセア)、P-47 Thunderbolt(サンダーボルト)といった名機も採用していました。
現在主流の小型軽量でハイパワーなターボプロップエンジンがまだなかった時代ですから、エンジンは大量のシリンダーが並ぶレシプロ式。2,400HPを生み出す基本型は星型18気筒、排気量はなんと45,900cc!重量も1トン以上あります。
ターボプロップエンジンなら同じ出力で半分ぐらいの重さですから、いかに当時のエンジンが大きかったことか…
航空自衛隊のC-46は1978年まで運用されました。
休館日ではどうしようもないので、来た道を引き返して次の目的地へ。
10分ほどで「スーパーオートバックス浜松」に到着。クルマ用品店オートバックスの中でもクルマ好きからは特に有名な大型店舗だそうで、店内にはちょっとした掃除用品からスポーツ用のバケットシートまで様々な品物が並んでいて目が回りそうです。
様々なパーツについて語り合う上司と同僚を見ていると楽しそうで何より。いろいろ教えてくれたものの、あさかぜに知識がないので完全な理解には至りませんでしたが…
バケットシート1つとっても種類と価格帯がたくさんあって、あさかぜには違いがよくわかりません。公道を走れないシートとは一体…?
少し早めにお昼ご飯にしよう、ということになりました。集合が早かったですからみんな腹ペコです。
静岡県に来ているなら、やはり『さわやか』に行っておきたい。最近はウェブサイトで待ち時間がわかるようになっているので、駐車場が広くて待ち時間が少ないお店に狙いを定めて発進。
オートバックスから20分ちょっと走って、『さわやか 浜松富塚店』に入店。すでに満席でしたが15分ぐらいの待ち時間で席に案内してもらえました。
さわやかといえば「げんこつハンバーグ」!
肉が多少赤くても食べられるのは、徹底した品質管理がなされた袋井市の工場から当日配送されるからこそ。鉄板の上でソースとともにジュージューと音を立てるハンバーグの姿は、空腹感をさらに煽り立てます。
食べ始めると手が止まりません。牛肉100%なのにパサパサ感は一切なく、肉汁たっぷりで柔らかい。これなら1ポンドぐらい余裕で食べられてしまいそうです。
長時間の待ちができるほど人気が出るのも納得ですね。
数年ぶりの「さわやか」は大満足。ごちそうさまでした!
雨はさらに強くなってしまいました。この空模様ではもうやむことはなさそうですね…
一般道を東へ向かって走ることおよそ30分、大きな「YAMAHA」の看板が見えてきました。ヤマハ発動機が運営する企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」です。
入館は無料。
館内に入ってまず目に留まるのはレクサス・LFAです。一見ヤマハとの関係はないように思えますが、V10自然吸気、4.8Lで560PSをたたき出すモンスターエンジンはトヨタとヤマハで共同開発したもの。ヤマハが関わったことで官能的なエンジン音の実現ができたそうです。
車体は当初アルミ合金で製造するつもりだったそうですが、軽量化のために途中からカーボンファイバーへ変更。お値段なんと3750万円という日本車最高額での発売になりましたが、それでもレクサスは1台売るごとに赤字になったとか…
LFAの隣は「国産車初のスーパーカー」とモーターマガジン誌に書かれているトヨタ・2000GT。エンジンの開発にはやはりヤマハが関わっており、当時としては先進的だったDOHCエンジンが採用されました。
曲面で構成された美しいボディは板金職人によって手作業で作られたもので、窓ガラスのラインまで一体になるようにできています。まさに1台1台が芸術品といったところで、現代においてとんでもないプレミア価格がつくのも合点がいきます。
生産台数はたったの337台、手が込みすぎたが故に作れば作るほど赤字になったというところも、後世のLFAは真似をしてしまったわけですが…
「OX99-11」なるスポーツカーは初めて見ました。それもそのはず、量産されることのなかった幻のクルマだったとか。
1989年からF1にエンジンを供給していたヤマハは、このエンジンを使ってスーパーカーを作ろうという話になりました。流線型の滑らかな車体は前後2人乗りというなかなか見ない形状で、車体後部に公道用にデチューンされた3.5L V型12気筒のOX99エンジンが搭載されるミッドシップ配置。
F1用のOX99エンジンは700PS以上を出せますが、さすがに公道向けなので450PSに抑えられていました。それでも車重850kgですから、パワーウエイトレシオは530PS/tに迫るモンスターマシン。電子制御が今ほど充実していない時代に、そのパワーを右足だけで制御しろってのも恐ろしい話ですね…
OX99-11の売出価格は1億3000万円(100万米ドル)、年間50台生産という強気な設定でしたが、3台の試作車を作ったところでバブル経済が崩壊して量産はお蔵入りに…
ヤマハが主に北米市場に投入しているオフロードバギー「WOLVERINE(ウルヴァリン) RMAX」シリーズ。RMAX4は4人乗りのモデルで、1L並列2気筒エンジンを搭載します。
日本で公道を走ることはできませんが、消防や自衛隊など荒れ地を相手にすることの多い組織へ売り込んでいるそう。
あさかぜが座っているこちらはRMAX2 1000 SPORTというRMAXの上位モデル。こちらは2人乗りで、ホイールベースを縮めて文字通りスポーティーな走りを意識しています。
パワートレーンやシャシーの構造は両者ともほぼ共通で、用途に合わせた部分だけ造りを変えています。
シートベルトを締めればしっかりホールドされるイスになっていて、確かに荒れ地を飛ばしても体が吹っ飛んでいく心配はなさそう。見た目に反してドアも頑丈にできていました。
ヤマハのスクーターといえば独特の形をした「トリシティ」シリーズが有名です。泥のある場所や落ち葉で車体を傾けると前輪がツルンと滑って転んだりひっくり返したりすることがありますし、実際あさかぜもひっくり返したことがありますが、前輪が2つあるトリシティは安定性が大幅に向上しています。
それでいながらちゃんと車体を傾けて走ることができるのでバイクらしい楽しさも味わうことができる、と。
3輪ですがトライクではないので、運転するには二輪車用の免許がちゃんと必要。
原付二種のトリシティ125、高速道路も乗れるトリシティ155、そして最大のトリシティ300がラインアップされています。
一度だけトリシティ300に触れる機会がありましたが、前輪の特殊な構造ゆえに車重は237kgとかなり重く、またがるには一苦労でした…
トリシティ155は172kgとそこまで重くありませんが、それでも今乗っているホンダ・ADV150に比べたら40kg近い差があるので、押し歩くなどの取り回しには少し苦労しそうですね。
これもまたヤマハを代表するオフロードモデル、セロー225。Serowとはカモシカのこと。
カモシカのような軽やかさを示すかのように、車重は最末期のセロー250でも133kgしかありませんでした。150ccのスクーターとほぼ同じと考えるといかに軽いかがわかります。
コミック『ばくおん!』(おりもとみまな, 2011-)でも登場するなどして根強い人気のある車種でしたが、2020年のセロー250 ファイナルエディションをもって日本での販売は終了しています。
ちょっとした『ゆるキャン△』(あfろ, 2015-)とのコラボコーナー。2020年5月に発表されたスピンオフのショートアニメで登場したトリシティ125が展示されています。
作品内で登場したカラーは2019年モデルに設定されていたようで、現行モデルには設定されていません。調べていたら水色に塗り直していた猛者のファンもいたぐらいです。
館内には他にもヤマハが製造したり開発にかかわったクルマやバイクが所狭しと並んでいて、上司たちはみんな顔を輝かせて展示車両を見ていました。クルマ好き、バイク好きの方はぜひとも訪れることをオススメします。
充実した時間を過ごして帰路に就きます。帰りは袋井ICからひたすら東名高速を東へ。
東名は左側1車線が工事のために延々と規制されていて、片側1車線だけの地方の高速道路のような光景になっていました。おそらくそれを嫌ってクルマが新東名に流れているので東名にしては交通量は少なめですが、それでもずっと車列が続きます。
普段であれば遅いクルマがいれば追い抜いていけるのに、この状況では時速70kmで先導されてしまうとひたすら待ち続けるしかありません。もどかしい…
眠ってしまいそうになるぐらい長かった規制区間が終わり、やっとEXPASA富士川に滑り込みました。
クルマから一歩出ると冷たい雨と空気で一気に目が覚めます。首筋に入り込む雨粒が冷たいのなんの…
とかいいながら、上司や先輩がアイスクリームを頬張っているのを見てついついあさかぜも釣られてしまいます。さっきまでは温かいものでも食べようかななんて思っていたくせに…
あとはひたすら渋滞でノソノソ走って行くしかありません。まだ完全に止まってしまわないだけマシですが、一刻も早く通り抜けたい帰り道ではさすがにウンザリしてしまいます。
港北PAでトイレに寄りつつ渋滞情報を確認すると、この先の都心方面はあっちこっち渋滞表示で真っ赤っか。あさかぜが通る千葉方面へのルートもずっと渋滞です。
遠回りですし、結果として時間はかかるかもしれませんが、やはり横浜青葉JCTから首都高K7を通って湾岸線方面へ抜けるのが最もストレスがなさそうです。
時間が早くても渋滞にはまり続けるよりは、混んでいない道路を流していく方があさかぜは好きですからね。
結果として首都高湾岸線に入ってから若干の渋滞にはまったものの、それなりにスムーズに抜けてこられました。“高速”道路というのはこうでなければ。
てなわけで思ったより早く、夕方5時前に帰宅。大半が高速道路での移動だったのであまり疲れませんでした。
雨が降っていたにしても寒かったですね…外気温計は3℃を示していて凍結注意のインジケーターまで出ていますから、3月とはいえ春はまだ遠いようです。