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「福利厚生ポイントを消化するついでに、長野とか行ってみたいな」
少し前、職場の班長が急にそんなことを言い出しました。善光寺なら新幹線ですぐいけますよという話をし始め、一人で行くのも寂しいからみずほも行こう、みんな誘おうという流れになり、日帰り強行軍の「プチ班旅行」という結果に。
自分を含め6人分の乗車券と各列車の指定席券を旅行会社に手配してもらい、当日は旅の玄関口東京駅に集合です。
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何もない平日ですが、長野ゆき「あさま」の車内はビジネスマンを含め割と盛況です。普段は一人旅しかしないあさかぜなので、6人という大所帯で旅行をするのはなんだか新鮮。お菓子やお酒を広げているうちに、新幹線はあっという間に長野駅に到着してしまいます。
善光寺へ行く前にまずは腹ごしらえ。後輩が見つけてくれた長野駅構内のレストランへと向かいます。
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「明治亭」は長野県の駒ヶ根に本店を持つお店で、長野県名物のソースカツ丼を提供しているレストランです。
読んで字のごとく、ソースがかかったカツを丼にしたもの。少し甘辛い独特のソースで、中濃ソースよりは新潟のタレカツ丼に少し雰囲気が似ています。1杯1,500円ぐらいと安くはありませんが、ボリュームは満点。キャベツと合わせてサクサクと箸が進みます。
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別に単品で注文した牛タン。添えられた味噌で食べる、信州風の食べ方です。想像よりもボソボソした食感で、焼肉屋で食べる牛タンとは趣が異なります。個人的には厚切りよりも、食べやすい焼き肉屋の薄切り肉の方が好きだったりしますが…
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お腹が膨れたところで、駅を出てすぐの乗り場からバスに乗ります。1番のりばのバスはすべて善光寺を経由する、というわかりやすい案内。
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バスに乗って10分ちょっとで「善光寺大門」というバス停に到着します。郊外と市内中心部を回る循環バスと併せて、おおよそ10分間隔ぐらいで走っているので便利なものです。
ここから歩いて本堂まで向かうのですが、公式サイトのように徒歩5分では本堂まで到達できません。かなり早歩きならそれぐらいかもしれませんが…
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11月に入り、紅葉で秋らしい雰囲気を見せています。天気も申し分のない秋晴れ。
ちなみに11月に入ると「十夜会(じゅうやえ)」という行事が執り行われます。
『10月と11月の2回執行されます。経典『無量寿経』の、「この世において善を修すること十日十夜すれば、他の諸仏の国土において善を為すこと千歳に勝れり」という一節に基づき、10日間にわたって修される夜の法会です。普段は非公開の「十夜仏」を御本尊様の前に遷座し、開扉して供養が行われます。』
https://www.zenkoji.jp/annual_event より
ただし十夜仏が公開されるのは夕方以降の話で、慌ただしく日帰り観光をしている我々ではこのありがたい光景を目にすることはできません。
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青空にイチョウの黄色が映えます。
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どんと構える本堂。近くにいた観光のご夫婦に6人並んだ記念写真を撮ってもらいました。長野駅でお土産品を見る時間を考えると、本堂の中をじっくりと見て回る時間はなさそうです。また次回持ち越しか…
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本堂の隣にある鐘楼(鐘をつるすやぐら)は1853年に再建されたもの。その梵鐘は1667年に鋳造された重要美術品です。昼間は荘厳な音で毎時0分を告げてくれます。
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本堂を出てすぐの授与品所でお守りと線香を「授かります」。買うという世俗的なことは言いません。やっていることは変わりませんけどね。
またバス停へと歩き、またバスで長野駅へ戻ります。もう1時間余裕をみても移動には問題なかったのですが、いかんせん松本城も見ようとすると慌ただしくならざるを得ません。
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長野駅へと戻ってきました。先輩方はお土産品を見に駅構内へ。あさかぜは先月に長野へ来たばかりなので、のんきにバスの写真を撮りにいきます。
県庁所在地である長野はバスの発着もかなり多い。その中で主力となるのは、長野で鉄道・バス事業を営む「ながでんグループ」と、松本に本社を構える「アルピコグループ」の2社。
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アルピコ交通に統合される以前は川中島バスという社名で営業されていました。今でも一部の車両には川中島バスの名称が残っています。バスや電車はすべてこのカラーリングにまとめられており、一目見てアルピコグループだということがわかります。シンプルでいいデザインですね。
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こちらもグループとして多角的な経営を行っている「ながでんグループ」。湯田中へ向かう長野電鉄を筆頭に、バスやタクシー、不動産など幅広く取り扱っています。こちらもグループ全体でバスの車両の色はそろえられていますが、鉄道は長電本来の色は消滅しています。
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見覚えのある高速バスが見えてきました。長電バスと写真の新潟交通が共同で1日4往復、長野と新潟の間を結んでいます。他にも長野駅からは池袋や新宿へも高速バスが運行されており、各交通機関でしのぎを削っています。
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長野から今度は南へ向かいます。
ホームに降りると、しなの鉄道の「ろくもん」が発車を待っていました。この頃日本各地で流行しているグルメ列車の1つで、長野~軽井沢間を2時間半ほどかけて走る列車の車内で食事が出来るというもの。長野県産の食材やワインを中心に、洋食や懐石など列車によって異なるメニューを提供しています。車内外のデザインは見た目から想像できるように、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当しています。
片道食事付きのプランで14,800円が安いか高いかは人によるかと思いますが、かなり好評を博しているようです。
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名古屋ゆきの特急「しなの」では、進行方向左側に座ると善光寺平が一望できます。もちろん今回の旅行にあたって、わざわざ画面を見せてもらって左側の2席×3列を押さえています。これで天気が悪かったら目も当てられないところでしたが、さわやかな秋晴れで視界は良好です。
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ちょうど姨捨付近が最も景色がよく見えるところです。ゆったりと千曲川(信濃川の長野県内の名称)が流れ、その流域の盆地に街が発展しています。こうやって見ると、長野県がまさに山に囲まれた場所だということが実感できます。
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松本に着いて7分で慌ただしく観光地を回る循環バスに乗り換え。15分ぐらいで松本城に到着します。
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松本市民からは「烏(からす)城」という名前で呼ばれている松本城。過去の文献からそうした呼ばれ方はされていないそうですから、松本オリジナルの呼び名のようです。元々の地名は深志であり、城も当初は深志城という名前で築城されたそう。
だいぶ日が傾いてきました。慌ただしく長野を出てこなければ、この松本城を見学する時間がほとんどなかったのです。
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午後の太陽を背にすると、黒漆で塗られた天守閣が威圧感を放ちます。
天守の建造年には5つの説があるそうで、1591~1615年の間のどこかで建てられていると見ればよさそう。姫路城などと同様に建造当初からの姿と構造を残しており、国宝に指定されています。
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天守へと上がっていく通路には、戦国時代の頃に使われていた火縄銃や19世紀になって主流となったピストルなどが展示されていました。火のついた紐を使って1つ1つ点火していた頃に比べれば、引き金を引くだけで火薬が爆発して弾丸を撃てるようになったピストルなんて相当便利になったことでしょう。
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建造当初の姿ゆえ、城の中はとてもバリアフル。足腰の弱ったお年寄りにはかなり厳しいもので、途中で戻っていく人もいました。
何せ、1段の高さも高ければ角度もまるではしごのよう。天守の最上階に上がる階段はとても狭くすれ違うことも困難なので、係の人による「交通整理」が行われています。
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ぜえぜえ言いながら最上階に達すると、松本の市街地を見渡せます。今でこそアパートやマンションで見通しがきかなくなっていますが、当時は城下の様子がよくわかったことでしょう。
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福井城は天守のあった部分は跡形もなく、県庁や消防本部が置かれる行政の中枢になっていますが、松本城は幸いにして城の外側に置かれています。
明治期に松本城は競売にかけられるという危機にさらされていますが、もし地元の人に救われていなければ松本城の跡地も同じようになっていたかもしれません。
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松本もやはり山に囲まれ、攻め込むには面倒な場所だったことでしょう。
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急な階段をソロソロと降りて外へ出てきました。お城が好きな人は割と年配者が多いイメージですが、松本城は足腰が丈夫な若いうちに行っておくのが吉です。それぐらい、「登り応え」のある天守でした。
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写真右下に写っている鎧に身を包んだ人は、声をかければ一緒に写真を撮ってくれます。外国人には大人気でした。
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日が傾いて風が冷たくなってきました。城内のもみじは燃えるような赤に色づいています。平日だからか紅葉を見て回る人はそう多くありませんが、土日ともなればいっぱいになるのでしょう。
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少し時間があるので内堀に沿って歩いてみます。日が傾き、天守が夕日に輝いてきました。この向きから見ると背後の近代的な建物がほとんど写らず、タイムスリップでもしたかのようです。
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弱く吹いていた風が収まりました。堀のさざ波が消え、天守が美しく水面に反射します。
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松本城から松本駅までは歩いて20分ぐらいで戻ってこられます。時間に余裕もありますし、せっかくなのでウォーキングします。昼にたくさん食べたとはいえ、まだそばを食べていませんので食事前の運動です。
学生時代から何度も来ているので、だいぶ見慣れた感じのある松本駅。さして特徴のある駅ではないんですけどね。
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駅のすぐ横にある「榑木野(くれきの)」というお店に入ります。お値段はそこそこ張りますが、その分そばの量も多めです。
あさかぜが頼んだのは鴨そば、奥には先輩の注文した舞茸天が見えます。舞茸天はいい香り。
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あとはもう「スーパーあずさ」で帰るだけ。置き換えを控えたE351系をあえて狙ってみましたが、鉄道マニアの先輩には喜んでいただけました。しかもみんな疲れてうつらうつらしており、他の乗客はほとんどいないということもあって、走行音がじっくり楽しめます。
締めはやはり日本酒。長野のお酒は水のようにすいすいいけてしまいます。千葉県も米どころですが、味では長野のものに遠く及びません。根本的に水の質が違うのでしょうね。
こうした賑やかな旅行も楽しいな、と「単騎遠征」が中心のあさかぜは思ったのでした。