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早朝6時、まだ暗い中ホテルを後にします。-10℃ぐらいの体に染み渡る寒さですが、東京よりマシだと思えてしまうのはなぜでしょう。
セイコーマートに立ち寄って、飲み物と軽食を買ってから網走駅へ。
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朝一番の特急「オホーツク」を見送って、隣のホームに渡ります。去年のダイヤ改正で減便され、さらに乗るのが難しくなった釧網本線に乗りに行きます。
車両はキハ54型500番代、ルパン三世ラッピングの車両です。ルパン三世の作者、モンキーパンチ氏が根室本線沿線の浜中町出身にちなんで施されたもので、運用が共通なので沿線から離れた網走まで入ってきます。
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網走の港を横に見ながら、雪の中を静かに走って行きます。去年もそうでしたが、網走にはまだ流氷が到達していない様子。
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座席が789系と同等のものに交換されています。
どうやらこの車両だけこの座席になっているようで、キハ54型に詳しいウェブサイトによれば「踏切事故で廃車になった789系1000番代から写されたものと思われる」ということでした。
座席は固定されているので回転はしませんが、リクライニング機構は使えます。
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世界遺産知床への入り口となる知床斜里駅。待合室はガラス張りになっていて、JR北海道の下手な特急停車駅よりお金のかかった造りをしています。
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路線図では海岸沿いをずっと走っているように見える釧網本線ですが、網走近辺を過ぎればほとんど内陸を走ります。そりゃ線路の東側に大きな知床半島があるわけですから、海が見えるわけがありません。
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南下するにつれて天候がよくなってきました。
広い構内を持つ標茶駅。1989年までここから標津線というローカル線が分岐していました。ローカル線といっても、根室標津まで約70kmもある長い路線で、途中の中標津から根室線厚床までの支線も含めると119.6kmもある長い路線でした。
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よからぬことに手前の川湯温泉から騒がしい中国人の観光客が乗ってきてしまいました。なんで連中は静かに乗ることができないのでしょう。
近くに座る中国人の親子も韓国人のカップルも静かに列車旅を楽しんでいるのに…
3月で廃止される五十石駅が近づいてきました。
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普通列車でも容赦なく通過していく五十石。他にも乗降の無い駅がいくつもあるのですから、ここも停車すればいいんじゃないのとは思います。
それ以外の運行コストや除雪作業などの関係から通過させているのでしょうかね。
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タンチョウが来る駅という触れ込みの茅沼駅を出ると、車窓にシラルトロ沼が広がります。残念ながら見た感じではタンチョウはいません。
湖岸には温泉やキャンプ場が整備されていて、釧路からさほど遠くないので割と気軽にこれる場所でしょうね。
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で、塘路を出るとまた同じような光景が広がります。今度は釧路湿原。
釧路からの観光列車「釧路湿原ノロッコ号」が走るぐらいの名所ですが、真冬なので何も見られません。
全域が国立公園に指定されており、公園内では生態系を復活させる取り組みが行われています。
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ほぼ定刻通りに釧路に到着。
根室ゆきの列車までまだ時間があるので、お金を下ろすついでに少しだけ市街地を歩いてみます。
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駅前すぐのところにあるビジネスホテル。便利な場所にあるじゃん!と思いましたがなんだか様子がおかしい。
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近寄ってみると「3月31日をもって閉館致しました」という貼り紙が。後々になって調べてみると、チェーン系ビジネスホテルに押されて2013年3月末で閉館になっていた模様。
ほぼ4年も経っているにしてはきれいな外観ですが、近くの窓から中を覗くと天井が落ちて配管が丸見えになっている部分などもあり、完全な廃墟と化していました。
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郵便局でお金を下ろし、視線を上げるとショッピングモールらしき建物が。こちらも先ほどのホテル同様のニオイがします。
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これもまた巨大な廃墟と化していました。2016年5月で閉館した「アベニュー946」というショッピングモールだったようです。長崎屋がつぶれた後に入った地元資本の施設だったようですが、おそらく郊外のイオンモールに客を持って行かれたんでしょうねぇ。
2016年まで残っていたという割には、建物の上に出ている看板は「遊び放題105円」という消費増税前っぽい内容です。
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実は釧路駅の地下も地下街になっていて商店があったそうですが、これも2004年に消滅して地下には入れなくなっています。
札幌からそこそこ特急が来る地方都市の主要駅でさえこの有様です。止まらない過疎化と郊外に商業施設ができることでのドーナツ化。
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厳しい地方都市の現状を見せつけられて、複雑な気分で駅に戻ってきました。すでに根室ゆき快速「ノサップ」はホームに据え付けられており、地下通路を通って2番のりばに行くとまたキハ54型522号車でした。
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カキの名産地、厚岸湖が見えてきました。
湖とはいうものの、潮の満ち引きで海水がかなり流入するようになっており、ほとんど湾のようなものです。
このほとりに建つ厚岸駅の駅弁が「かきめし」。東京で製造されたバージョンしか食べたことがないので、いつか本場厚岸のを食べてみたかったところです。
実は2時間前までに電話をすればホームで渡してくれる、という事実をこの文章を書いているときに発見。また行かなきゃいけない用事ができてしまいました。
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釧路から2時間半ほどで終点の根室に到着です。途中線路上にいるオジロワシで急停車をしたり、シカが沿線に群がったりと北海道らしいイベントが発生していました。
時間としては遅めですが、そのまま戻ってしまうのももったいないのでお昼ごはんを食べに根室の街へ繰り出します。
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まず驚いたのは道路の案内看板。いつも通りの日本語、英語に加えて、ロシア語のキリル文字も入っています。さすがにロシアに近い街です。
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駅から20分ほど歩いてきました。目当ては回転寿司チェーン「根室花まる」の事実上の本店にあたる根室店。時間は14時前で、すでにお昼時を過ぎて店内の客はまばら。ちょうど店員さんたちもお昼の時間のようです。
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東京では見たことがないメニュー「かにのふんどし」です。カニの腹の身で、足よりも弾力があって噛めば噛むほどカニの味が染み出してきます。
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そしてやはり外すことができないのはウニ。この味を体感してしまうと、関東の100円寿司で回っているのなんて「ウニ」の名前を騙った別物としか思えません。
一皿400円を超えるちょっとお高いメニューですが、食べる価値は十二分にあります。ウニが苦手な人も見方が変わるかもしれません。
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駅の方向へ歩いてくると、なんか見覚えがあるようなないような…千葉県船橋市の某非公認キャラクターを彷彿とさせる顔の描き方です。鼻から何か飛び出してますけど。
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帰りの列車までまだ時間があるので、市内を散歩してみます。海岸沿いまで出れば国後島が見えるかも?という話をネットで見たので、海べりまで降りてみます。
右側に長く見えるのは納沙布岬でしょうか。この旅行で行くことも考えましたが、滞在時間が40分しかないという事実が発覚したので、これもまた次回送り。
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高めのところによじ登ってみると、遠くの方に平たい地面のようなものが。これが国後島でしょうか。日本名の「国後」もロシア名の「クナシル」も、アイヌ語に由来していることには代わりありません。
こちら側から見える島は平たい部分だけですが、北側へ行くと1,800mの活火山がそびえています。
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日本酒の酒蔵、北の勝酒造場。北海道では有名なお酒らしいのですが、このときはさっぱり知りませんでした。
北海道というといつもサッポロクラシックばかり飲んでいるのですが、日本酒という選択肢もありでしたね。
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北方領土の返還を訴える根室市役所の向かい側にあるのは、やはり道民の生命線「セイコーマート」。今回は立ち寄って飲み物とお菓子を買ったぐらいで、今夜のために食事を買うのは控えておきます。まだお寿司を食べてから1時間しか経っていませんし。
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セイコーマートから15分ほど歩いて、ようやく根室駅に戻ってきました。昼の3時ですが、だいぶ日が傾いて夕方っぽい雰囲気になってきました。
日中に比べると、日差しも弱くなった分少し寒く感じられます。
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日本一東にある駅は一つ手前の東根室駅ですが、有人駅としてはこの根室が最も東。日が昇るのが早い分、日が沈むのも早いわけです。
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1965年頃まで根室港へ向けての貨物線も存在していましたが、現在は駅構内での貨物取り扱いもありません。
またこの駅ではホームが1つしか無く行き違いができないため、20kmほど手前の落石駅が最後の行き違い駅になります。
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日本最東端の駅、東根室の駅名標だけ撮影。下手に降りると今日中に札幌には戻れないため、そのまま通り過ぎます。
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沿線に大量に存在するエゾシカ。列車1本あたりのシカ被害は道内でダントツに多いのが、花咲線と呼ばれる釧路~根室間です。
日が暮れるにつれシカの発生する数は増えているようで、乗車しているキハ40系も加速してはフルブレーキの繰り返しでさっぱり速度が上がりません。
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途中の行き違い駅でシカの遅れを回復し、おおむね時刻通りに終点の釧路へ到着。
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最終の「スーパーおおぞら」で札幌へ戻ります。乗るのはもちろんグリーン車。評判のよいキハ283系のグリーン車ですが、その中でも最も当たり席という場所が予約できました。
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キロ283は車両の途中で1列席と2列席が入れ替わるのですが、そのちょうど入れ替わり部分にある5列目だけ両側とも1席になるのです。
座席の横にマガジンラックが用意されており、プライベート空間も他の座席より大きく取られています。
また座席にはコンセントも備え付けられており、ケータイの充電も可能。まぁ石勝線内に入れば電波は通じなくなるわけですが、それでも何も出来ない間に充電できるのは便利です。
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毎度のごとく若干の遅れをもって札幌に到着しました。最高速度が時速110kmに落とされているため、あまり振り子車両の感じを味わうことはできませんでした。
大学2年の頃に乗った時は途中でシカにぶつかり、時速130kmキープの爆走を見せてくれた時の事を思い出すとなんとも物足りませんが…あのときは定刻通りに運転していましたしね。
すすきののカプセルホテルにチェックインし、荷物を放り込んでから「だるま6.4店」というジンギスカンのお店へ。夜遅かったこともあり、さほど待たずに着席できました。
あいにく写真撮影禁止のお店なので写真はありませんが、充実した食事でした。