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朝ご飯に海鮮丼を、と珍しく贅沢を思い立ち、東西線の二十四軒駅から歩いて札幌市場場外市場へとやってきました。
道内にチェーンを持ち、魚介類の全国発送も行う某店に入ったはいいものの…
ウニは品薄状態でわずか、代わりに有頭エビが増えて2本に。あとはご覧の通りの海産物がとりあえずご飯に載っているのですが、途中でどうにも食べられなくなってしまいました。
正直申し上げてあまりおいしいと思えず、飲み込むことが義務感に変わった時点でもう「食事」という行為はおしまいです。
3,300円も払ったのになぁ…北海道へ来て食べ物で初めて後悔しました。
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悲嘆に暮れながら桑園駅まで歩いてきました。なんだか食べ過ぎなのか何なのか、あまり気分もよくありません。
札幌競馬場へと向かうオジサンたちを横目に見つつ、改札を抜けて札幌方面の電車に乗りましょう。
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この日の特急「オホーツク」3号は先頭車のみお座敷車両での運転でした。車両の検査や故障などで時々見られる光景ですが、この場合はお座敷車両は客扱いは行いません。
1両分もったいないような気もしますが、ただの運転台専用の車両として使用するわけです。お座敷車両じゃ座席の指定も難しいので、こうならざるを得ないわけですが。
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栄えている側とは逆の北口から出て、散歩をしてみようと思います。どうしても午前中の時間が中途半端になってしまい、列車旅が難しいのでひたすらウォーキングです。あさかぜにしては珍しく健康的なプランです。
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というわけで、国立大学として日本最大のキャンパスを誇る北海道大学へとやってきました。通常であれば今日は日曜日なので休講ですが、大学というのは曜日関係なく開放されています。
本家クラーク像を探しにいってみましょう。
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しばしば札幌を代表する姿として描かれる草原を前に腕を伸ばすクラーク像は、実は北海道大学のものではありません。札幌郊外にある「羊ヶ丘展望台」に建てられています。
北大構内の、いわば本物のクラーク像はこの通り胸像。近くに看板が立っていても気づかないぐらいこぢんまりとたたずんでいます。
北大のキャンパスマップを見ると、校門から5分ちょっとで着きそうな距離感ですが、すでにここまで15分弱が経過しています。
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すぐそばに建つのは、1909年に建てられた古河講堂。国の有形文化財に指定されており、現在の文学研究科が校舎として使用しています。それゆえ残念ながら内部の見学は出来ません。
やはり北海道大学を象徴する建造物の一つで、記念撮影をしている人たちもたくさんいました。
コンデジをもってウロウロしていたあさかぜも、近くの若いご夫婦に写真撮影を頼まれます。
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北海道大学が舞台となったコミックの1つに、佐々木倫子『動物のお医者さん』があります。1987~93年連載、バブルの頃の北海道大学獣医学部を舞台にした作品です。2003年にドラマ化された際、シベリアンハスキーの「チョビ」が原作そっくりだとだいぶ話題になりました。
せっかく北大に来たのですから、舞台になった獣医学部も一目見ておきたい。
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途中で便意を催したので、大学博物館のトイレを失敬してからキャンパス内を北上します。しかしまあ、イヤな予感。
せいぜい7~8分だと思っていた校門~クラーク像間に15分弱を要したのは前述の通り。
クラーク像から獣医学部までは、地図上では少なくとも2倍はあります。
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クラーク像から実に20分以上(トイレ除く)を要して、やっと獣医学部に到着しました。もちろん休講日ですから建物は外から見るだけです。
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『動物のお医者さん』の作品内でも校舎建て替え運動が行われていましたが、その後実際に校舎が建て替えられ、現在はきれいな建物に変わっています。
一角には、作品に出てきた動物病院も併設されているようです。
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一時期、あさかぜもこのコミックの影響で「北海道大学へ行きたい!」なんて思っていた時期もありました。
結局、7教科8科目も勉強するほどの努力も知力も身につかず、結局は何の変哲も無い東京都外れの私立大学へ通うことになったのでした。
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北海道大学の前身となる、札幌農学校の時代に使われていた農場が、獣医学部のすぐそばに残されています。
おそらく雪のないシーズンであればちゃんと見学ができるのでしょうが、真冬の日曜日ということもあってさすがに建物は閉まっています。門は開いているので、敷地自体は見学できそうですが…
どのみち雪に埋もれているので何も見えないんですけどね。
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再び南側の校門へ向かって歩いて戻ってきます。先ほどトイレを失敬した、北海道大学総合博物館の前を通ります。ご覧の通り立派な建物で、博物館と言うこともあって日曜日も開館。休館日は月曜日です。
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生協で北大グッズを記念に買い、校門を出てきました。たかだか獣医学部を往復しただけでしたが、実に1時間40分以上もの時間を費やしています。恐るべし広さです。
ちなみに私の母校中央大学多摩キャンパスも、端から端まで歩けばおそらく25分ほどかかります。「おそらく」と書いたのは自分で歩いたことがないから。それだって広いと思っていたのに、北大はさらに1.5倍はあるわけです。
そりゃ真冬でも学生が自転車でキャンパス内を疾走しているわけです。普通のママチャリでしたけど、転ばないんでしょうか…
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途中のセイコーマートにて、車内で食べるお弁当を買って札幌駅まで戻ってきました。
ちょうど「オホーツク」の到着時刻だったので、ホームで記念にパチリ。
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この日は「スーパー宗谷」をキハ183系が代走していたそうですが、本来運用に入るはずのキハ261系0代が苗穂工場へと回送されていきました。故障なのか検査なのか…
この車両は側面のロゴが「HET261」に直されていました。
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到着したオホーツクの最後尾は、N183系ことキハ183系500代。ちなみに連結器が片側に寄せてあるのはシカ対策だとか何かで見た覚えがありますが、何だったかなぁ…
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いよいよ帰途につきます。後ろ髪を引かれる思いですが、時間に縛られる悲しい社会人の宿命です。
つらい帰途がせめて楽しくなるよう、列車はあえてキハ183系充当の「北斗」を選択。もちろん静粛性と眺望を兼ね備えた、ハイデッカーグリーン車です。
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セイコーマートのチキン南蛮重と北海道限定サッポロクラシック、そしてこれも北海道ならではだと言われる「ちくわパン」を車内でいただくことにします。
ちくわパンの本家本元は「どんぐり」というメーカーが製造しているのだそう。
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JR北海道らしいクオリティの高いグリーン座席。快適な暑さのクッションと、プライベート空間が確保されるシート横の大きな張り出し。窓ガラスは天井まで続き、晴れていればすてきな景色が広がりそうです。
もちろん座席配列は2+1の3列で、降りたくなくなるほど快適な室内空間です。北海道の列車旅はこれだからやめられません。
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進行方向左側には内浦湾の波が打ち付けます。
やはり札幌近辺に比べるとずいぶん雪が少ない印象です。「道南は暮らしやすい気候」と職場の先輩も言っていましたが、納得行く景色です。まぁどのみち北海道なので寒いことには変わりありませんが、真冬のこの時期でも最高気温は0度近くまで上がることがあるので、札幌や網走ほど厳しい気候ではありません。
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エンジンの過負荷が原因の火災事故が相次ぎ、一部車両は走行機器が換装されているキハ183系。このキロ182形550番代もそのうちの1つ。
もともと660PS(馬力)というモンスターエンジンを積んでいましたが、現在は「スーパーとかち」などのキハ261系1000番代と同じエンジン(460PS)とトランスミッションに交換されています。550番代(落成時)→2550番代(時速130km運転対応改造)→7550番代(走行機器交換)と、できた頃に比べるとだいぶインフレした数字になりました。
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海沿いから山間に入るとまた雪深くなってきました。そのためか「北斗」の遅れも増大していきます。駒ケ岳駅ではキハ183系同士の離合を収めようとしている撮影者の姿が。
列車は論外として、クルマで来るにしたって大変な場所だと思うのですが、生半可な私には真似出来ない熱意です。こういうアクセスの難しい場所は変なマニアも湧かないので、むしろ撮りやすいでしょうね。
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眼前に大沼国定公園が広がります。といっても真冬で雪と氷に覆われており、湖沼の様子はさっぱりわかりません。冬でもワカサギ釣りやスノーモービルを楽しむことができる観光地ですが、このときはほとんど乗降なし。
公園内に「蓴菜(じゅんさい)沼」というのがありますが、文字通りジュンサイがたくさん採れたからその名前が付けられたそうです。あさかぜはジュンサイが嫌いなので自ら食べることはまずありませんが、大沼公園のメジャーなお土産の一つだそうです。
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10分以上遅れて新函館北斗に到着しました。遅れを見越してか、在来線特急から新幹線への乗り継ぎ時間は余裕が設けられています。それでも半分ぐらいの乗り継ぎ時間になってしまっているため、降りた人たちは急ぎ足で改札の方向へ。
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新幹線の開業にともなって、五稜郭~新函館北斗間が新たに電化されました。新幹線からの乗り継ぎで函館へのアクセスを向上させるためのもので、733系1000番代が新製投入されました。
「はこだてライナー」の愛称がつけられていますが必ずしも快速運転ではなく、地域輸送を兼ねて普通列車としての運転も多く設定されています。
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北海道新幹線開業まで「渡島大野」を名乗っていた頃の姿が想像できないほど、ガラス張りの近代的な駅舎に建て替わっています。ほとんどが新幹線乗り継ぎ客なので、せっかく景色のいいベンチには誰も座っていません。
新幹線へ急かす放送を背にして、今晩の食事を買いに行きましょう。もちろん目当ては懲りずにセイコーマート。
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雪の中ひたすら徒歩。途中運送会社の敷地には、車掌車と有蓋車を使った倉庫が置かれていました。この頃は見かける機会がぐんと減っていますから、手に触れられるような場所に置かれているのは貴重です。
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人っ子一人いない道を歩くこと20分、やっとこさお目当てのセイコーマート大野店。幸いホットシェフのお弁当も残っていました。いよいよ北海道らしいものが食べられるのも最後です。
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駅前はきれいに並木道が作られています。今は真冬なので寂しいですが、遅い春が来るときれいな景色になるんでしょうね。
そして雪が強くなってきました。ニット帽もマフラーも、雪がくっついて真っ白です。早く駅に戻らないと。
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沿道はまだまだ空き地だらけ。開業したばかりですから、今後数年でどれほど街並みが変わるか期待です。
相変わらずマスコミは「利用率の低迷」と北海道新幹線のネガティブキャンペーンに精を出していますが、実際は当初の利用予測をずいぶん上回っているそうですね。札幌へのアクセスを担う「北斗」系統も増車されているのが日常的になっていますから、新幹線効果はあると見て間違いないでしょう。
駅前にはホテルもまもなく開業するようで、北海道観光のもう1つの玄関となる日もそう遠くはなさそうです。
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折り返し「はやぶさ」34号となるE5系U26編成が入線してきました。34号は新函館北斗~東京間を4時間2分で走り抜ける、最速ダイヤの1つ。青函トンネル内も時速260km(最速ダイヤ以外は時速140km)で突っ走ります。
ほとんどの「はやぶさ」は盛岡~東京間で「こまち」を併結しますが、最速ダイヤは「はやぶさ」単独。盛岡の連結・解放にかける時間さえカットしているのです。
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4時間乗り通すわけですから、グリーン車以外の選択肢が思いつきませんでした。今回の旅行の中で最もお金がかかっているのがこれで、特急料金+グリーン料金だけで1万8千円もしています…東北新幹線と北海道新幹線では料金等は別立てで計算しているので、割高になるのは仕方がないんですけどね。
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グランクラスは更に7,000円ぐらい高くなるので、さすがに今回はパス。どうせなら一番遅い列車で移動したいですしね。
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安定のグリーン車。シートもさることながら、床にはカーペットが敷かれ、煩わしい足音がしないのが最大の魅力です。この「静粛性」というものをほとんどの行程で手に入れるために、今回はかなり割高の移動になってしまっています。でもそのおかげで快適な移動ができたのですから、文句の言いようがありません。
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読書灯まで備えた快適なシート。グランクラスのようにすべて電動とはいきませんが、少なくとも座っているだけなら十二分です。もちろんコンセントも完備。
今後はH5系・E5系U29編成以降の仕様に合わせて、普通車にもすべてコンセントが装備されていくとのことで、より新幹線の移動が快適になっていきます。
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外が真っ暗なのでどこを走っているかはよくわかりませんが、しばらく経ってから突入したトンネルでいきなり窓が真っ白になりました。おそらくこれが北海道と本州を結ぶ青函トンネルでしょう。
青函トンネルは常に湿度が90%以上あるような多湿のトンネル。そこに外の雪で冷え切った車両が入れば、水滴がついて窓ガラスが曇るということ。
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夕食といたしましょう。
せっかくなのでデザートとして、車内販売のアイスも買いました。すごく固いアイスとして有名な新幹線のアイスクリームですが、食事を食べる間に放置しておけば食べられる固さにはなるでしょう…
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メインはホットシェフの豚丼。温泉卵が載っている心配りはありがたいのですが、グリーンピースはいらなかった…
というわけでまずグリーンピースをビールで丸呑みしてから、おいしく豚丼をいただきます。割と肉厚で食べ応えがあります。欲を張ってもう1種類、ホットシェフのお弁当を買ってくればよかったと思いますが、もう北海道へは戻れません。
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帰りたくない、帰りたくない…と念ずれば念ずるほど、東京に迫っていきます。
新函館北斗から4時間2分、定刻通りに終点東京に到着。旅はここでおしまいです。
東京と北海道が新幹線で結ばれる時代が来るというのは驚きですが、しかしまだまだ課題はあります。特に全線に渡ってのスピードアップは、もっと力を入れて考えるべきものであると思います。
マスメディアでは盛んに「青函トンネルのスピードアップを!」と貨物列車を邪魔者のように扱っていますが、重要なのはそこではありません。
本州と北海道を結ぶ、たった50kmのトンネルを高速化するよりも、その前後に200km以上横たわる整備新幹線区間こそ速度向上効果が大きいのです。線路自体は時速320km運転は可能にもかかわらず、主に政治的な理由で時速260kmに押さえ込まれているのです。