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9月9日日曜日。日本人の感覚からすれば休みの日ですが、イスラムでは今日から平日です。
という憶測の元、隣国アブダビへと行ってみることにします。
気になるのは財布の中身。うっかり昨日の夜に両替をし忘れ、今朝もまだ早かったので地下鉄の両替サービスも開いておらず、現地通貨が著しく不足している状況。
入場料が225Dh(約4,500円)なのですが、手元には250Dhほど。何かのきっかけで散財したら、もう入場できません。
一方米ドルはというと、こちらも36ドルほどで入場料は満たせず。
日本円はまだ3万円は持っているのですが…バーレーンディナールもそこそこ。
まぁ海外からの人間が遊びに来る施設ですし、両替サービスは確実に置かれているでしょう。また途中のバスターミナルもドバイからの国際バスが発着する場所ですから、両替サービスがあるはず。
心配しなくても大丈夫でしょう。
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昨日と同じように、チケット販売所でドバイゆきのチケットを購入します。片道25Dh、約500円。2時間半も移動するのに500円とは、やはり公共交通機関は破格の安さです。
さて、バス乗り場に行くと普通のノンステップバスが停車していました。上の写真に映っているバスと同じものが。いくらなんでも2時間半にわたって、こんな路線バスということはないはず。
近くに立っていた係員に「Abu Dhabi?」と尋ねると、「Yes, Abu Dhabi.」と返事が来て絶望します。昨日ここに止まっていたハイデッカーの高速車両は何だったのか…?
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チケットを見せても何も言われないので、本当にアブダビゆきの国際バスです。ノンステップ、片側3ドア、リクライニングもしないベンチシートで国際バスです。意味がわからない…
バスはターミナルを出てほどなくハイウェイに入り、西へと走り始めます。路線バスの車両なのでエンジンも騒がしい。加えて、空いている席が冷風の直撃する場所しかなく、やけに寒い思いをします。
45分ほどかけてドバイの街中を抜けると、景色は砂漠に。ちょこちょこと草が生えるだけの、何もない土地です。
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2時間近く経って、ようやくハイウェイから降りました。再び砂漠の中を走って、道の駅のようなところに停車。ここで数人が降車していきます。
バスは来た道を戻り、再びハイウェイへ。
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高層の建物が見えてきました。やっとアブダビ市街地の入り口へと来たのです。この寒い寒い席ともそろそろおさらば。
ハイウェイ沿いにはこのような金持ち向けのマンションと思われるようなものや、アブダビの国営航空「エティハド航空」の社屋なども点々と並んでいます。
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遙か遠くに見える真っ白な建物は、世界で3番目の大きさを誇るモスク。
「シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク」という長い名前の巨大なモスクです。
アブダビの市内からタクシーで15分ほど。安息日の金曜日は中に入れませんが、それ以外の日は無料で見学ができるようになっています。
どこのモスクでもいえることですが、足や腕をむき出しにするような服装では見学できません。男性は少なくとも半袖、ズボンは必ず長いものを着用のこと。女性はこれに加え、頭をスカーフのようなもの(大きいところでは貸し出してくれます)を覆わなければなりませんのでご注意を。
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2時間半かかってやっとアブダビに到着。
さて、フェラーリワールドへのバスは…?どこ?
壁に市内バスの系統が貼り出されていますが、肝心のフェラーリワールドへ向かう90番がありません。交通局のWebページによれば、1時間に1本出ているはずなのですが…
フェラーリワールドのWebページにも、タクシーでのアクセスしか書かれておらず、まったくアテになりません。
そもそも、ドバイではただ単に「アブダビ」と案内され、RTAのWebページでは「Abu Dhabi Central Bus Centre」と案内され、現地に行ってみれば「Al Whada(アル・ワーダ) Bus Station」となっているわけですから、旅行者には意味不明。
ついでに両替所もありません。
らちが明かないので、バスターミナルの前に並ぶタクシーのところへ向かいます。
「フェラーリワールドまでいくら?」
「だいたい60Dhっす」
「じゃあ乗せていって」
思わぬところで痛い出費です。ただでさえ持ち合わせ少ないのに…
ハイウェイを時速120kmでぶっ飛ばすトヨタ・カムリで約30分、61.25Dhも支払ってようやくフェラーリワールドに到着です。日本に比べれば安いとはいえ、今の状況で1,200円以上もの出費は厳しいものがあります。
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正午から営業とかいうふざけたテーマパークは、欧米人であふれていました。フェラーリのコーポレートカラー、赤で彩られた建物内部はかなりの迫力です。
ちなみに僕の前にエスカレーターに乗っていた男性3人組は日本人。どこから来たのか聞きたかったですが、お話中のところに水を差すのも悪いので、声をかけませんでした。
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入り口付近で手荷物検査を受けます。簡易的なものですが、係員がカバンの中までちゃんとチェックします。
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チケット売り場の前に鎮座する、フェラーリのF1マシン。さすがに触ることはできませんが、テレビの中でしか見たことのなかったものが目の前にあるのは、なかなか感動的です。
2011年以降のマシンには鼻の部分に段差がついてしまい、なんともみっともない姿になってしまいましたが、これは段差がつく前のモデル。美しいですね。
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…さて、イヤな予感が的中してしまいました。両替サービスがない!
さっきのタクシーのせいで、入場料を割り込んでしまうと言う絶望的状況。
First Gulf BankのATMがあったので、手持ちのMasterカードを突っ込んでキャッシュを得ようとしたところ、エラーで弾かれます。金も下ろせず、入場もできず、もはや残された道はお土産を買って帰ることのみ。何のためにフェラーリワールドまで来たのか…!
米ドルと現地通貨を駆使して友人知人にお土産を購入し、数年後のリベンジを誓ってさっさと撤退します。
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垂れ下がる真っ赤な旗を恨みがましく見上げつつ、建物を出て帰りのバス停を探します。またタクシーで60Dhも取られてはたまったものではありませんから。
建物を出てすぐのところにいた係員に、
「アル・ワーダへのバス停は?」
と訪ねると、
「そこ」
と指さされたので時刻表をチェック。次のバスは14時ちょうど。あと40分ほどです。
涼しい建物の中に戻って、ベンチに座ってバスの時間を待ちます。
すぐ隣にスターバックスの屋台がありますが、3人の店員は職務を放棄して、コーヒーを飲みながらベンチで談笑しています。トイレに行けば、トイレの前のベンチで寝転がっている清掃員もいます。よくこれで回っているなぁ、と感心するほどのルーズぶりです。
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外から見ると、フェラーリワールドはなかなか巨大です。
この中に各種アトラクションが詰まっているはず。あいにく外にはほとんど音が聞こえてこないので、中の様子がどうなっているかはさっぱりわかりません。
しかし、日陰でもやけに暑い。おそらく気温は40度を超えているはずですが、日本に似た暑さを感じます。ドバイより湿度が高いのでしょう。
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さすがフェラーリワールド、展示品ではないはずですが本物のドバイナンバーのフェラーリF458が止まっていました。
後ろのナンバープレートにはレンタカー会社の名前が入っていたので、何かの理由で借りてきたのでしょう。UAEのナンバープレートにはそれぞれ所属の国の名前が入っています。アブダビは「AD」となります。
ようやくバスの時間が近づいてきたので、バス停の横でバスを待ちます。
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始発だというのに3分遅れて現れたバス。
「アル・ワーダまでいくら?」
「トゥー。2Dhだよ」
なんと40円です。来るときのタクシーの1/30以下。往路のタクシーがいかに高かったかよくわかります。ちなみにフェラーリワールドから乗ったのは自分一人だけ。そりゃそうでしょう、タクシーの方が圧倒的に速いですし、そもそも開園後2時間で帰るようなヤツもそうそういません。
運転士も珍しいと思ったのでしょう。本来なら男性はバスの前から2~3列には座ってはいけないのですが、
「いいよ気にするなよ、一番前に座れよ」
と最前列に僕を座らせます。
「君はどっから来たんだ?」
「日本っす」
「そうかあ、日本か!いい国だな日本。俺はパキスタンなんだけど、日本とパキスタンって遠いのか?」
「うーん、だいたい5000kmぐらい?」
「へえ、そうか。何歳?」
「22です」
「俺いくつに見える?」
「えー、わからない」
「32だよ32。年食って見えるだろ?」
「そんなことないっすよ。若い若い」
「働いてるの?」
「いや、学生。観光に来たんですよ」
「ワオ!こんなところまで。知り合いでもいるの?」
「バーレーンに伯父と伯母がね」
気さくな運ちゃんです。
途中のバス停で若いフィリピン人の男性が加わり、バスは市街地へと向かっていきます。
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フェラーリワールドのあるヤス島は、アブダビ市内から30kmほど離れた場所にあります。フェラーリワールドの隣には、「F1 アブダビグランプリ」の行われる「ヤス・マリーナ・サーキット」もあります。おそらくF1開催日にはアブダビ市内からの増発便が出るのでしょう。
タクシーがぶっ飛ばしてきた道を、MAN社製のバスは時速80~100kmほどでゆったりと走って行きます。
退屈なのか、業務連絡なのか、バスの運ちゃんはケータイを取り出しどこかへ電話。日本じゃ考えられない光景です。
市内を大回りし、フェラーリワールドから約1時間ほどでアル・ワーダのバスターミナルへと戻ってきました。
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のどが渇いたので、売店でジュースを購入。おなじみ7upです。値段は1.5Dh、30円ほど。あまり冷えてない…
朝のバスの冷房のせいか、少し頭痛がしてきました。うろうろせずに、まっすぐドバイへ戻ろうと思います。
来るときは25Dhだったバス料金ですが、帰りはなぜか15Dh。往復40Dhになります。
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帰りのバスはちゃんとしたハイデッカーの高速仕様。往路のはイレギュラーな運用だったのでしょうか。
高速車はシートが革張りでリクライニングします。さらに車内販売まで。街中で買うよりも倍ぐらいの値段がしますが、せっかくならば何か頼んでみたい気もします。そういえば朝から何も食べ物を口にしていませんでした。
係員が「何かご注文は?」と回ってきたので、3Dhもするカップヌードルを注文してみることにしました。
が、「すみません、このバスではないんです…」とのこと。「じゃあいいです」と注文を断り、車窓を楽しむことにします。
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最近はドバイだけでなく、アブダビにもこういったショッピングモールが進出してきているようです。それでもドバイのモールに比べればまだまだ小規模ですが…
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かなり離れたところに、先程のヤス島にあるフェラーリ・ワールドの巨大な屋根が見えます。
まぁあれだけ大きければ、楽しみすぎて今日中にドバイに戻ることができなかったかもしれません。…と自分をなだめすかし、数年後に再び来られることを願って座席に座り直します。
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窓にはカーテンも用意され、快適に眠れるようになっています。一体来る時の路線バスは何だったのか…
座席は指定制ではなく、人数がいっぱいになるか、出発時刻になると発車するようになっています。幸い隣の席には誰も来ず、気分的にもリラックスできます。
しかしみんな携帯電話でしゃべるしゃべる…
日本では苦情の一つでも間違いなく飛んでくる状況ですが、ここではこれが当たり前。
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アブダビのバスターミナルから約2時間半、やっとこさドバイのアル・グベイバまで帰ってきました。
アブダビでは7upを飲んだだけだったので空腹です。昨日と同じ、バスターミナル目の前のマクドナルドで昼食を食べることにします。
ビッグマック・コーラ・フライドポテトのセットで、17Dh。日本円で約340円。これぐらいだとお得な感じがします。
ちなみに食べ終わったらプレートはそのまま。日本であればセルフサービスで食べ終わったゴミやトレーを自分で片づけますが、こちらではやらなくても大丈夫。というより、やってはいけません。
こういった片付けは、出稼ぎのインド人などの仕事。彼らの仕事を奪ってしまうという考え方から、片付ける人がいるときはトレーでもなんでもそのままにして席を立ちます。
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頭痛がひどくなって来ましたが、まだ時間的には少々早いのでショッピングモールへ行ってみようと思います。
アル・グベイバからドバイメトロのグリーンラインに乗り、ハリッド・ビン・アル・ワリードからレッドラインで西へと向かいます。
それにしてもびっくりするほどきれいで幻想的な駅です。各種の照明や装飾が異国感を際立たせます。
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ホームの床もそれぞれの駅で意匠が異なります。メトロにかける、ドバイという国家の威信が垣間見えます。
レッドラインで目指すは、昨日も写真で紹介したモール・オブ・ジ・エミレーツ。明日はバーレーンに戻らなければいけないので、行けるうちに行ける場所に行っておかねば。
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モール・オブ・ジ・エミレーツはメトロの駅に直結。通路には所々動く歩道も設置されています。
連絡通路は1Fに接続しています。1Fと言っても日本の1階ではなく、海外ではだいたい2階。日本で言う1階は「GF」、グラウンドフロアーとなっていることがほとんどです。
GFにはおなじみカルフールが入っています。
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このモールの最大の見所、「SKI DUBAI スキー・ドバイ」。
スキー板・ストック・ウエアーといった一式をすべて貸してくれるので、自分では帽子と手袋だけ持っていけばいいだけ。中東という地域にありながら手軽にスキーを楽しめるスポットです。
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ガラス張りなので、人工スキー場をショッピングモールからも覗きこむことができます。
場内には本格的なリフトまであります。やはり外国人の観光客の姿が目立ちます。
しかしリフトで本格的に滑る人よりは、なんとなく下で子どもと一緒にソリで遊んでいる人の方が多いような…
こうしてスキードバイも見られたので、ホテルに戻ることにしましょう。
早めに寝て、明日頭痛を伴ったままバーレーンに戻らないようにしなければいけません。
また食事も取らない不健康な夜ですが、まぁ仕方ありませんね。