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あろうことかこの日に、職場の互助会の会計報告をやらされるという流れになってしまいました。互助会の役員というやりたくもない仕事をかってにやらされていたのに、サウジアラビアの国王機が来ているにもかかわらず会計報告と宴会の幹事をやれというのです。前日からかなり不機嫌で、不本意ながら職場の人たちに恐怖心を与えていたようです。申し訳ないことこの上ない。
宴会の会場で即座に会計報告を終わらせ、乾杯を済ませ、あさかぜは荷物をまとめてさっさと退散。趣味を最優先に急ぐのを見て爆笑する職場の人たちの一方で、事情を知らない他の職場の人と上長たちは唖然としていましたが、そんなのは知ったことではありません。
というわけで、なんとか羽田空港に間に合いました。すでにサウジアラビア国王機はプッシュバックを終えた段階でしたが、本当のメインはそこではありません。
たまたま居合わせた見知らぬお兄さん達に「間に合ってよかったですねえ!」と我が事のように喜んでもらいました。
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HZ-HM1B / Saudi Arabian Government / Boeing 747SP
これが来ているのに、のこのこと職場にいられようか!
隣のお兄さん達も「そりゃメインはこれでしょう!」と興奮気味に語っていました。
現在世界で13機しか飛べる状態で残っていない、ボーイング747SPです。これは国王の随伴機でメディアからほとんど注目されることのない存在でしたが、SPこそがマニアからすればメインディッシュだったのです。
SPとはSpecial Performanceのことで、当時はまだ途中で給油をしなければ超えられなかった太平洋を、無給油で一気に飛び越えられるようにした立役者なのです。
1976年に当時の航空界の雄であったパンアメリカン航空がニューヨーク~東京間の無着陸路線に投入。長距離路線に革命を起こす、はずだった機体でした。
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HZ-HM1 / Saudi Arabian Government / Boeing 747-400
こちらが本務機であるダッシュ400。SPは45機の生産にとどまり、-100Bなどの発展型を経てこの-400へと系譜をつなげていきます。
ある意味SPの機体構造からの発見があったおかげで、太平洋を飛び越えてアジア~アメリカ東海岸を一直線に結ぶ機体が生まれたともいえます。詳しいことはWikipediaでも参照いただくとして、ここでの紹介はこの辺にしておきましょう。
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SPの横に置いてあるのが、ニュースでも話題になったエスカレーターつきのタラップ。もちろん国王の来日前にあらかじめ空輸されていたもので、そのときにもソ連製の輸送機が来て話題になっていました。
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HZ-HM1 / Saudi Arabian Government / Boeing 747-400
あいにくの天気ですが、なんとかスカイツリーは見えていました。
塗装はサウジアラビア航空と同様ですが、民間航空機の方は略称の「SAUDIA」がロゴになっていますが、政府使用機は「SAUDI ARABIAN」と同じフォントながら区別されています。
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HZ-HM1B / Saudi Arabian Government / Boeing 747SP
随伴機のSPもプッシュバックが始まりました。1979年に製造されてから一貫してサウジアラビアの国王機として使用されています。
本務機に-300が入ってからは随伴機となってレジを現在のものに変更。-300は王子が使うらしく、国王が-400で外遊する際の随伴機としてともに世界中を飛び回っています。
政府にいるもう1機のSPは、サウディアで使用された後政府機に改造されたものです。
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HZ-HM1 / Saudi Arabian Government / Boeing 747-400
SPより一足先に国王機が離陸。次の訪問先である中国へと向かいます。
中国でも例のエスカレーターつきタラップを使っているはずですから、少なくとも2台以上はこのタラップがあるということです。金持ちの考えることはよくわかりません。
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VP-CMJ / Aviation Link Company / Airbus A319-100
A319のビジネスジェットも離陸していきました。タイミングからしてサウジアラビア王室の関連であることは明らかです。
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HZ-HM1B / Saudi Arabian Government / Boeing 747SP
SPもタキシングを開始。機体の長さは-400や当時の標準型だった-100に比べると14mも違います。
日本航空やノースウエスト航空(現在はデルタ航空に吸収合併)がこの機体を入れなかったのは、SPの座席数が少なかったからでした。座席数が減るということは、収益率の悪化に直結します。
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HZ-HMED / Saudi Arabian Government / Boeing 757-200
そしてもう1機の変わり種がこのB757です。1995年にサウジアラビア政府にデリバリーされた医療専用機で、レジのMEDはそのままMEDicalだと言われています。HはHis=国王との噂も?
空飛ぶ病院と言われるぐらいですから、窓のつぶされているエリアには手術室まで備わっていても何ら不思議ではありません。80歳を過ぎたサルマン国王は高齢ということもあり、国王の外遊の際にはこの医療専用機が随行しているとのこと。
オイルマネーってすごい…
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HZ-HM1B / Saudi Arabian Government / Boeing 747SP
そしてSPが離陸しました。主翼の翼端に伸びる細い棒はアンテナで、初期のB747らしい装備です。
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HZ-HMED / Saudi Arabian Government / Boeing 757-200
MEDも出発しました。こちらは民間機と同様のSAUDIAロゴ、垂直尾翼のマークも単色。同じサウジアラビア政府が所有する機体とはいえ、やはり王族専用機に比べると立場が違うのでしょう。
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HZ-HMED / Saudi Arabian Government / Boeing 757-200
国王機を追いかけ中国へ向けて出発。
これで注目のサウジ王室3機が出発し、今日の目的は達成します。あと15分到着が遅かったら貴重なシーンを見逃すところで、やはり宴会を中座してきた判断は正解でした。
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どこかへ回送されていくエスカレーターつきタラップ。数日後にまた貨物機がフラッと来て回収していくのでしょう。
旅客機だけでも一連の来日で10機以上が飛来しています。外遊1回で動くお金に目がくらんで様々な商売をやろうとする気持ちもわからなくはありません。
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HZ-AK32 / Saudi Arabian Airlines / Boeing 777-300ER
国際線ターミナルにサウディア機が駐機されていると教えてもらったので見に行くことにしました。
貨物ターミナルのある隅の方にいましたが、電源は切られており当面動く様子はなさそう。
10月にロンドンで見て以来のサウディアです。垂直尾翼に描かれているオアシスの姿は紺色地に金色です。ん?
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HZ-AK18 / Saudi Arabian Airlines / Boeing 777-300ER
記憶をたどるために10月の写真を確認したところ、垂直尾翼は国王機と同様にオアシスの水色も入ったものでした。
機内のコンフィギュレーションによって違うのか、それともAK18の方が王室でも使われることのある機体なのか、その辺はわからずじまいです。
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N102DZ / Wilmington Trust Company / Gulfstream G-V
ガルフストリームのプライベート機が降りてきました。これはアメリカのレジなので、サウジアラビアとは関係なさそう。
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RP-C7777 / Phillipine Airlines / Boeing 777-300ER
7777と日本人が好みそうなぞろ目のフィリピン航空。A330を超える機体は成田には滅多に来ることがないので、あさかぜにとっては貴重なシーンです。
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JA24MC / Star Flyer / Airbus A320-200
去年入ったスターフライヤーの新造機。スターフライヤーとしては14機目の機材ですが、初期に導入された4機はリースバックされて退役しています。現在の同社の運航機材数は10機。
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9V-SMD / Singapore Airlines Limited / Airbus A350-900
せっかくこの時間までいるので、就航したばかりのシンガポール航空のA350を見ることにします。
A330で運航されていた夕方の便が最新型のA350に変更されました。すでに3ヶ月以上が経過していますが、撮る機会がなくてほったらかしにしていました。
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JA873A / All Nippon Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
シンガポールより一足先に、C滑走路に降りてきていたR2D2が入ってきました。展望デッキに来ていた子供達から歓声が上がります。
羽田がベースとはいえ、長距離路線に入れば3日ぐらい帰ってこないことが当たり前です。狙って来ない限りは見られればラッキーな機体。
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D-ABYM / Deutsche Lufthansa AG / Boeing 747-8 Intercontinental
普段なら人気が出るはずのジャンボ機も、今日はスターウォーズに人気を持って行かれてひっそりとしたスタートです。サッカーボールも描かれていない通常塗装なので、不人気も致し方ありません。
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9V-SMD / Singapore Airlines Limited / Airbus A350-900
シンガポール航空が到着。
最近の機体らしく、全体的に流線型で直線部が少ない印象を与えます。主翼からウイングレットにかけての曲線は特に美しい造形です。
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9V-SMD / Singapore Airlines Limited / Airbus A350-900
円を上下に2段重ね合わせた機体断面を持つA350XWB。卵形に見えるA350XWBは、真円の断面を持つB777に比べるとかなりスリムな印象で、機体の大きさを感じさせません。
実際B777よりはわずかに胴体の幅は狭くなっていますが、それ以上に補足見えるのですから不思議なものです。
両翼にぶら下げたエンジンの直径が大きいのも、その印象をより強くする理由なのかもしれません。
天気が悪いのでかなり冷え込みます。インフルエンザはとっくに治っているとはいえ、またカゼをひいてはよくありません。暖かいリムジンバスに乗って、ゆったりと眠って帰ることにしましょう。