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今日も早朝からいい天気です。時刻は午前6時。
ちょっと早いですが、車内で食べるお弁当を買うのと、自由席なので、駅に行って待つことにします。
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朝一番の「やくも」で出雲市へ。
以前も米子から岡山まで乗っていますが、あのときは夜だったので真っ暗でした。
高梁川に沿って走る風光明媚な区間を楽しむため、進行方向左側の席を押さえたいところ。
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黄色になるペースがかなり早かった岡山地区。来る車両ほとんどが黄色一色になってしまいました。
おかげで、どの車両が転換クロスシートの快適な座席で、どれが初期の硬い座席なのか、見たところ見分けがつかなくなってしまいました。
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黄色化の先駆け…ではないキハ187系。前面の黄色には遠方から見えやすくする警戒色の意味があります。
特急「スーパーいなば」。岡山から智頭急行経由で鳥取を結びます。
左には珍しくなった「サンライナー」の色をまとった117系が入線です。
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黄色一色への変更が真っ先に117系から始まったことを考えると、サンライナー色で残っている編成は奇跡なのかもわかりません。この編成も黄色くなる時期が来るのか、意地でもこのまま残すのか…
そんなことを考えていたら、特急乗車口に列ができつつありました。
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117系が出て行ってまもなく、特急「やくも」1号出雲市ゆきの入線です。土曜の朝一とはいえ、自由席の需要はだいぶあるようです。
座席もトイレもリニューアルされた「やくも」は、「くろしお」用の381系と同じとは思えないぐらい快適。幸い一番後ろの座席を確保できたので、ゆったりとリクライニングします。
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振り子式車両ならではの低重心構造がよくわかる床面。床高さを下げ、空調も床下に搭載し、車両高さもかなり抑えています。
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朝が早くてホテルの朝食を食べられなかったので、岡山駅で購入した駅弁を。「桃果牛ステーキ弁当」。ステーキに桃の果肉が入ったソースがかけられているとのこと。
朝からヘビーなお弁当ですが、朝食に肉が当たり前に出ている職場ですから大した問題はありません。
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桃の果肉が入っているとはいえ、ソースが甘ったるいとかそういったことはありません。
確かに甘めのテイストですが、あさかぜがダメなタイプの「甘くてご飯のおかずにならない」ほどの甘さではありません。ただ、ひとつ言うならご飯よりも肉の方にソースをかけて欲しかった…ボリュームもそれなりにあるので、そこが少し残念なところです。
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列車は高梁川に沿って走ります。川に沿って走るが故に、どうしてもカーブが多くならざるを得ない伯備線。381系の振り子機能がここで発揮されます。
振り子式車両は酔う、というイメージを植え付けたのは他ならぬこの381系ですが、酔うどころか問題なくご飯が食べられるレベル。まぁ乗り物酔いをしやすい人にとっては、この微妙な重力の変化が悪さをするのかもしれません。
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米子着。なんだかんだで睡眠時間が少なかったので、すっかり寝てしまいました。
リニューアルされて快適な座席のおかげで体が痛くならないのがありがたいところ。
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松江から車窓に宍道湖が見えてきます。宍道湖は海とつながった「汽水湖」で、淡水と海水が混ざり合っています。こうした汽水域で育つ二枚貝がシジミ。この宍道湖は日本有数のシジミの産地です。
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2分ほどの遅れで10:12、終点の出雲市に到着。出雲まで来ていますから、出雲大社まで足を伸ばすことにします。
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駅を北側に出て右方向、少し奥まったところに一畑電車の電鉄出雲市駅があります。立派な高架駅。
JR出雲市駅の高架化に合わせてできた駅舎で、それまでは地上にあったとのこと。
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高架駅に止まっていたのは古めかしい湘南顔の電車。1958年から製造された、元南海電鉄の21000系です。1996年に一畑電鉄に譲渡され、以降は3000系として活躍しています。
移籍後は黄色と紺色の一畑電鉄カラーに塗られましたが、2012年に2両編成1本が写真の通り南海電鉄で活躍した頃のカラーリングに戻されています。
肌寒かった岡山の朝とは違い、暑さすら感じる出雲市ですが、さすがにまだ電車の冷房は入っていません。
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川跡で進行方向を変え、30分弱ほどで出雲大社前に到着。名の通り、出雲大社までは参道を歩いて5分ほど。
駅舎は西洋風に作られており、片隅には映画「 RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」でも使われたデハニ52が静態保存されています。
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デハニ52は1929年から活躍していた車両。前出の映画でも象徴的な姿として登場しました。
さすがに80年の老体ということもあり、映画の撮影を最後に動かすことはなくなりました。現在、デハニ52形はこの出雲大社前駅に、体験運転に使われる弟分のデハニ53形は雲州平田駅の車庫で保存されています。
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参道を登って出雲大社の鳥居までやってきました。駅からの沿道には団子や出雲そばの店が建ち並び、にぎやかです。
やはり縁結びの神社ということで、それにちなんだグッズも多数。ペアで使う茶碗だとか、お箸だとか、和風なところがまたうまい演出です。
…まあ僕には縁のないものではありますが。
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鳥居の奥にも参道が続きます。
両脇に松が並ぶ中央の参道は神様の通り道。本来であれば人間風情が踏んで歩いてはいけない道です。神以外は左右の参道から通らねばなりません。
「神様の通り道に落ちている種を拾って庭に植えれば御利益が…」
なんて不届きなことを考えましたが、あさかぜの貧相な思考と視野では松の実を見つけられませんでした。
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いよいよ境内へ。
こちらが「拝殿」。この奥の本殿へ至る前に、挨拶をするお社です。とは近くにいた観光ガイドの説明。
ここにも出雲大社を象徴する太い注連縄が掲げられています。
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拝殿を回り込んだ奥に鎮座するのが本殿。ただの参拝者は手前の門のところで本殿に参拝します。直接本殿の前に行くには、ちゃんとお祓いを受ける手続きをしていなければなりません。
門のところから本殿を少しだけ眺め、後に並ぶ人に場所を譲ります。
あさかぜの前に立っていたお姉さんはずいぶん長い間お願いをしていましたが、そんなにお願いされても神様は困ってしまうんじゃないかと…
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裏手から本殿を見上げます。その名も「大社造」という建築様式。
また本殿の周りにはぐるりと2メートルほどの塀によって俗世間と隔離されています。何とも神聖な雰囲気です。
ご存じの方も多いかと思いますが、出雲大社の参詣は二拝四拍手一拝。手を鳴らす回数が倍。
また手と手をしっかり重ねてはいけないそう。指の節を合わせることは「節合わせ=不幸せ」につながるので、少し上下方向にずらすのが正しいのだとか。
言霊を重んじる日本人らしい考え方です。
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本殿のそばにある社務所で縁結びのお守りと引き替えに1,000円を納めます。「買う」と言わずに「お納めください」と言うところがまたうまいところ。
これで我が身に良いご縁があると確信した上で、入り口の鳥居まで戻ってきました。結局松の実は見つからず。まあいいか。
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参道を駅まで降りてきました。土曜日ということもあり、どこもかしこも観光客でいっぱい。しかも周りはことごとくカップルや夫婦で、あさかぜのように単身で来ているのは珍しいぐらい。何ということでしょう。
予定より少し早いですが、12:21発の列車で出雲市へと戻ります。帰りは松江しんじ湖温泉ゆきなので、途中駅で乗り換え。
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ホームには何ともピンク色な電車が停車していました。島根県のゆるキャラ「しまねっこ」をあしらった「ご縁電車 しまねっこ号」です。
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天井から床まで濃淡様々のピンク色。車内外のかわいさに惹かれて、観光客らしき若い女性や家族連れが記念写真を撮っていました。
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片側の車両には、座席の真ん中にゆるキャラ「しまねっこ」も座っています。
余談ながら、そのキャラクターを見た女性が
「あっ、ひこにゃんだ!」
と言っているのを耳にしましたが、島根なんだから彦根ではなかろうと…このあたりに知名度の低いゆるキャラの悲しさを見たような気がします。
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2100系「しまねっこ号」はこの後の特急電鉄出雲市ゆき。向かい側に停車中の車両が松江しんじ湖温泉ゆきの普通列車です。
こちらも同じ2100系。復刻塗装の通り、元京王5000系車両です。
京王線のレールの間の幅(軌間)は1,372mm、一畑電車は1,067mmと異なるため、台車だけは帝都高速度交通営団(現 東京メトロ)3000系のものです。
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さすがにもう京王時代の面影はほとんど残っていませんでしたが、車内のスピーカーには「KTR(京王帝都電鉄)」のロゴが残っていました。
まぁあさかぜは京王5000系の現役時代を知りませんので、どこが面影なのかははっきりわからないのですが。
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川跡に到着。ここで電鉄出雲市ゆきに乗り換えます。
2100系の右に止まっているのは、松江しんじ湖温泉から出雲大社前に向かう3000系。この黄色と紺色が本来の一畑カラーです。
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これも元京王5000系の5000系。雰囲気は確かに京王5000系ですが、前面の貫通ドアが埋められ、洋風の塗装になっているため全く印象が異なります。
車内もロングシートからボックスシートに改造を受けており、もはや都心を走っていた通勤車両とは思えません。
というわけで、再び出雲市駅へと戻ってきました。
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参道でも出雲そばの店はいくつもありましたが、どこもかしこも昼時でいっぱい。出雲市の駅構内にそば屋があることは知っていたので、そこで食べることにしました。
三色割子、お値段960円。
駅そばにしては高いですが、せっかくですし出雲そばとやらを食べておきたいところです。それぞれそばのうえに大根おろし、卵、山芋が載っており、そこにめんつゆをかけて食べます。
美味しいですが、グルメな舌を持っていないあさかぜには、出雲そばか信州そばかの違いがわかりません…食べ方の問題?
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とりあえず「出雲そばを食べた!」という達成感は胸に抱いて、暇なのでホームで休憩します。
折り返して浜田へ向かうキハ120形も休憩中。折り返し時間が長いため、発車15分前まではエンジンを止め、車内には入れないようになっています。
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折り返し、岡山ゆき「やくも」が到着。これに乗れば夕方遅くに東京まで戻れますが、今回は別に目的があるので見送ります。
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14:01発の特急「スーパーまつかぜ」10号で倉吉へと向かいます。
今朝方岡山でも見かけたキハ187系ですが、素っ気ない見た目とは裏腹になかなかのスペック。最高速度は時速120km、出力450馬力のディーゼルエンジンを1両あたり2台搭載。2両編成の「スーパーまつかぜ」では実に1,800馬力というモンスターマシンです。
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車内は683系と共通の椅子が並ぶ、言ってしまえば地味な車内。
しかも手入れがしっかりされているのかされていないのか、あさかぜの座った座席はリクライニング機能が壊れていました。直立位置で固定されていればまだマシでしたが、ストッパーが壊れているらしく、背もたれに寄りかかると目一杯後ろに倒れます。ちょうどいい場所で止められない惨事。
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車窓には再び宍道湖が見えてきます。宍道湖の対岸には、先ほど乗った一畑電車の北松江線が走っています。残念ながら一畑電車に乗る機会も宍道湖のしじみを食べる機会もなく、次の旅行への課題となりました。
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なんとも落ち着かない座席で1時間20分を過ごし、倉吉に到着。
ここで1時間ほどの待ち時間ができます。この後乗る「スーパーはくと」には車内販売がありませんので、軽食と飲み物を購入することにします。
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指定した座席は5号車1番A席。先頭車の一番前の席で、迫力の前面展望が楽しめる…はずでした。
ホームに入ると唖然。本来ならば流線型の非貫通型が入るところ、なんと中間に入ることの多い貫通型が先頭に立っているではありませんか…
貫通型が先頭に立つことは珍しいので貴重な状況ではありますが、わざわざ展望席を狙って座席を指定したあさかぜにとってはありがたくもなんともありません。
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本来なら、両端ともにこの車両が先頭に出るところです。ご覧ください、この大きな窓ガラス。その後ろに座れば、中国山地の合間を抜ける大迫力の前面展望が味わえるのです。
鳥取・倉吉側は自由席となるため、指定席の京都側先頭車を取れば大丈夫だと思ったのですが…
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国鉄時代の如くオレンジ色に塗り直されたキハ40。気動車をオレンジ色に統一するという判断は悪くなかったように思います。
鋼製車体のキハ120までオレンジ一色にしたのはどうかと思いますがね。
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反対側は緑色に赤帯というよくわからない車両。しかも貫通ドアにうさぎのイラストがくっついていますが、なんか可愛くない…
これを書くときに検索してみたところ、このキハ47 146は「因幡の傘踊り」のラッピング車両である様子。なるほど、前面に描かれている可愛くないウサギは因幡の白兎ってことか。
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特急「スーパーはくと」に使用されるHOT7000系は1994年の智頭急行線開業とともにデビュー。2007年から2009年にかけて車内のリニューアルを実施し、現在の内装となっています。「なごみの空間」を演出していることもあり、デッキとの仕切り扉の窓ガラスは和紙風の装飾。シートのフレームにも木が使われ、落ち着いた雰囲気です。
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「スーパーはくと」は山陰線、因美線を通り、智頭急行線を抜け、上郡から山陽本線に合流。東海道本線の京都まで3時間40分ほどの旅路です。
展望席がないため、当然のことながら一番前のシートに座ると目の前にそびえるのは壁。足を組むこともままならず、小さなテーブルにお酒を並べて早くも「晩酌」です。
倉吉を発車してまもなく、車掌が検札に回ってきます。15時半だというのに早くも飲酒状態のあさかぜを見て、智頭急行所属の車掌が怪訝な顔をします。空席だらけなのに、あえて狭苦しい1番A席に座っているのでなおさらでしょう。
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この日の「スーパーはくと」12号は、2号車と3号車の間に増2号車を挟んだ6両編成。大型連休が近づくことへの多客対応のためなのでしょうが、先頭の5号車にはあさかぜともう1人しか乗っていません。
智頭で下り「スーパーはくと」とすれ違います。ここから智頭急行へと入っていきます。
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右を走る因美線の線路と比べると、智頭急行の線路とは手入れのレベルが違います。
揺れも多かった因美線内に対し、智頭急行線に入ってからは滑るような乗り心地。カーブを過ぎると、エンジンが唸りを上げて時速130kmへと加速していきます。
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宮本武蔵駅を一瞬で通過します。
文字通り、宮本武蔵にちなんだ駅。この近くに宮本武蔵の生誕地があるという伝承に基づいた駅名です。この駅名を決めるにあたって、当時の運輸省と一悶着あったとかないとか…
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19:30過ぎ、大阪駅に到着。さすがにもう真っ暗です。いつの間にか、同じ車両に乗っていたもう1人の男性は降りてしまっていました。どこからか5号車の乗客はあさかぜ一人となってしまっていたようです。
終点の京都まであと30分ほどとなれば、乗ってくる人もいません。
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20:05、終点の京都に到着。結局壁とにらめっこの3時間40分でした。これはもう一度リベンジをしに来なければなりません。あるいはおとなしく車両の一番後ろの座席を取るか。
今回の旅行は色々と詰めが甘かったと言わざるをえないですねぇ。
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京都まで来ればあとは新幹線で帰るだけ。N700系「のぞみ」で東京駅まで2時間15分ほど。
スマートフォンの充電をしながらうつらうつらしているうちに旅はおしまいです。
・高松でうどんを食べる
・「スーパーはくと」の展望席に乗る
・録音機の使い方をマスターする
今後の旅行に残った大いなる課題です。
とはいえ、しばらくは大きな旅行はお預け。次の機会はいつになるかな。