カメラ用語というのはなんともわけがわかりません。
デジタル一眼レフカメラを使い始めて5年近くが経つ永久初心者なあさかぜには、「何だそれ」という用語が山のようにあります。
「デジタル一眼レフカメラが欲しい!」
という会社の先輩がいたので、「価格ドットコム」のスペックの並び順を基に、知っておいたほうがいい用語だけピックアップしてみました。
自分にも理解できる範囲の簡単な説明に終始していますので、厳密に言えば誤りの箇所もあるとは思いますが…
■ カメラ本体
取り付けられるレンズの種類です。
一眼レフカメラはメーカーによって、レンズを取り付ける「マウント」の形状が異なります。
ニコンなら「ニコンFマウント」、ペンタックスなら「ペンタックスKマウント」、ソニーなら「ソニーα Aマウント」、キヤノンなら「キヤノンEFマウント」などなど。
このマウントの種類、つまり形状が異なると取り付けることはできません。
言ってしまえば、あさかぜのPENTAX K-7に、電連氏のキヤノンEF300mm F4Lのレンズは取り付けられないということです。
撮影素子:
光を捉えるセンサーのこと。ほとんどの人が使っている一眼レフカメラは、「APS-C」という規格のセンサーです。
もはやこれがほぼ標準となっているので、「APS-C」と書いてあれば大して心配する必要はありません。デジタル一眼レフが普及してからAPS-C専用のレンズが用意されるようになっています。
上級機には「フルサイズ」という、従来の銀塩カメラ(35mm版とよく言います)とほぼ同じサイズのセンサーを採用しているものもあります。フルサイズのカメラには、マウントが同じでもAPS-C専用のレンズでは使い物になりません。
ちなみにAPS-Cのカメラが当たり前すぎて、最近はフルサイズかそうじゃないか(APS-C)という区別しかされないことが多いような気がします。
撮影感度:
簡単に言ってしまえば、「写せる明るさ」。
数字が小さければ小さいほど、画質はキレイになりますが暗いところでは写らなくなります。
逆に、数字が大きくなればなるほど、暗いところが写せるようになる一方で、画質は落ちてザラザラになっていきます。
デジタル一眼レフならば、おおよそISO100が最低値。上はカメラの性能によりますが、ISO51200とかいうとんでもない感度で撮れる機種も出ています。どれほどザラザラになるのやら…
記録フォーマット:
「JPEG」というのはよく見る画像ファイルの形式。コンデジでもこの形式で記録されているので、特別なものではありません。
RAWというのは「生データ」ともいい、「撮ったままのデータ」。
JPEGはデータ容量を少なくするために圧縮されていますので、編集の仕方によっては画質が劣化したり、いじれる範囲にも限界が出てきます。
RAWは撮ったままのデータなので、明るさやコントラストなど、細かな設定変更がやりやすくなります。もちろん限界はありますが。
ただし、ファイルサイズは段違い。RAWとJPEGでは10倍ぐらい違いますので、記憶容量によってはすぐいっぱいになってしまいます。
またRAWデータの形式はメーカーによって違いますので、ペンタックスのRAWデータをキヤノンのソフトでいじるというのは基本的にできません。
「撮影している時間」とでも言うべきでしょうか。1/10なら0.1秒シャッターを開けて光を取り込んでいる状態。1/500なら0.02秒ですし、3なら3秒間です。
シャッタースピードが上がれば上がるほど、高速で移動するものを撮影できます。その分、光を取り込む時間が短いので写真は暗くなります。
シャッタースピードが遅くなると、高速で移動するものはぶれてしまいます。その代わり、光を取り込む時間が長いので写真は明るくなります。
機種によって変わってきますが、初級機なら1/4000程度、中~上級機なら1/8000ぐらいまで速くすることができます。遅い方は15秒~30秒といったところでしょうか。
シャッタースピードが遅くなるほど手ブレなどで写真を撮るのが難しくなってきます。
もう1つ、「バルブ」という機能があります。長時間、シャッターを開けっ放しにすることです。よく星が回っていく様子だったり、高速道路を流れていく光の帯を撮った写真がありますが、あれらはこの「バルブ」機能を使って撮影されていることが多いです。
カメラがブレた瞬間に写真として台無しになるので、しっかりとした三脚が必要になってきます。
記録メディア:
現在はほぼすべてのメーカーがSDカードに対応しています。
容量も気になりますが、気をつけなければいけないのは「書き込み速度」。デジタル一眼レフで連写する機会が多いのならば、「class10」というSDカードを選ぶのが常識。class4などの数字が小さい=書き込み速度の遅いSDカードだと、SDカードに書き込むより撮る速度の方が上回ってしまうため、本来の性能を活かしきれません。
欲を言えば書き込み速度に限界のあるSDカードより、はるかに高速で書き込めるCFカードがいいのですが、最近は中級機でも対応していないことがほとんど…
価格がなかなか下がらない上に場所をとるCFに対して、安価でコンパクトなSDの方がメーカーとしても使いやすいのでしょうけれども。
バルブ:
シャッタースピードの項に記載済み。初級機はバルブ機能がないこともあるので、夜景などを撮りたいときには要確認。
■ レンズ
対応マウント:
カメラ本体の項で触れています。このマウントが一致しなければ、レンズをカメラ本体に取り付けることはできません。
無題 posted by (C)あさかぜみずほ
レンズタイプ:
ズームなら、倍率を変えられるレンズ。単焦点は決まった倍率でしか撮影できません。余計なレンズを挟まない分、単焦点レンズの方がキレのある写真が撮れますが、融通は利かなくなります。
フォーカス:
AF→オートフォーカス。シャッターを半押しにするとピントが合うアレです。
MF→マニュアルフォーカス。自分でピントリングを回してピントを合わせます。
檻の向こうにいる動物を撮る、なんてシーンに重宝してくるのがMF。AFだとだいたい檻にピントが合ってしまうので、MFにして檻の向こうにピントを合わせて写真を撮る、なんて時に使います。
焦点距離:
これがいわゆる「ズーム」。
数字が小さいほど広い範囲が撮れ(広角)、数字が大きいほど狭い範囲を拡大(望遠)できます。APS-Cのカメラはだいたい1.5倍すると、銀塩カメラの35mm版と一致します(キヤノンの場合は1.6倍)。
広角側なら18mm(35mm版に換算して約28mm)、望遠側なら200mm(換算約300mm)程度あれば、通常使うぶんには十分。撮影する対象によってより広角を求めたり、逆に望遠を求めます。
飛行機を撮るあさかぜとしては、換算400mm以上のレンズが欲しい…
最短撮影距離:
どれほど対象に近づいて撮影できるか。花や虫を撮るという人は接近して撮影できる「マクロレンズ」というものがあります。
望遠レンズは近いところを撮影するのが苦手。用途によっては要チェック。
開放F値:
絞りを開ききった状態で、どれほど明るく撮れるか。
例えば「F3.5-6.3」というズームレンズがあります。広角側ならF3.5、最も望遠側にするとF6.3になります、という表記です。
F値が小さいほど光を多く通すので明るくなりますが、その分ピントが合う範囲がシビアになります。
F値が大きいほど光を通す量が減るので暗くなりますが、ピントが合う範囲が広がりますので奥まではっきり映るようになります。
ズーム全域で明るいままをキープしたい、なんてときは「F2.8」など1つしか数字の書いていないレンズを選びます。が、そんなレンズは例外なくお値段も相当です。
パッと見てわかりづらいカメラ用語といえばとりあえずこんなものでしょうか。
カメラマウントの項を見てわかるように、メーカーの選定というのは大変重要になってきます。写真の色合い、操作項目、レンズの種類等々、今後の方向性や自分自身の好みを反映させるのに大きく影響してきます。
こればっかりは個人の好みになってきますので、個人的にペンタックスがいいとかニコンがいいとか、そういったことは言えません。とにかく実機を触ったり作例を見たりして、自分にしっくり来るメーカーを選ぶことが必要。
さて、実際に撮影するにあたって重要になってくるのが、
・F値
の3つ。
何をいつどのように撮りたいのかによってこれらの「数字」を使い分ける必要が出てきます。
あさかぜの拙い作例で恐縮ですが、シーンに合わせてどうやって撮るかを例に挙げていきます。
例1:とにかく高速で移動するものを撮る
IMGP0361 posted by (C)あさかぜみずほ
新玉名駅を時速200km以上で通過していく新幹線を撮影。とにかく撮影対象が高速なので、なりふり構わず写真に「停止」させなければなりません。
望遠側を使っているのでF6.3。だがしかしシャッタースピードは最速の1/8000を確保したい。仕方なく感度を犠牲にしてISO800で撮影しています。
拡大すると、感度が高いゆえに画像がザラザラになっているのがおわかりいただけるかと。
ISO800/1/8000/F6.3
例2:天気のいい日にきれいな写真を撮る
IMGP9651 posted by (C)あさかぜみずほ
雄大な妙高の山々をバックに走る除雪車両。スピードもそんなに速くありませんし、天気もいいのでとても明るい。
画質をキレイにするために極力感度を下げて、あとは眩しくない程度に。
ISO100/1/640/F6.3
例3:移動するものをあえてブラす
IMGP7003 posted by (C)あさかぜみずほ
移動している雰囲気を出したい。そんな時はシャッタースピードを落とせば移動しているものがブレます。
ところが、真っ昼間にそれをやると光が入りすぎて、やけに眩しい写真にしかなりません。感度を出来る限り落とし、絞りも絞って光を入らないようにした上でシャッタースピードを落としていくと、眩しくならない写真になります。
ISO100/1/30/F22
例4:暗いところで荒くない写真を撮る
IMGP8975 posted by (C)あさかぜみずほ
暗いところでは長い時間シャッターを開ければ、その分光が入ってくるので感度を下げても写真が撮れます。
ただし、そういう撮り方をするときには三脚は必須。0.5秒だって人間は微動だにしないことは難しいのですから。
ISO640/10秒/F16
いかがでしょう。
撮影する場所やコンディションによって、様々な「数字」を選ぶことによって写真の写りというのは変わってきます。
その数字の選び方が一眼レフカメラの難しいところであり、楽しいところ。そして自分の撮る写真の幅を広げてくれるのがレンズという存在。自分の身の回りにカメラ愛好家が増えていってくれるのは嬉しい事です。
以上の駄文が少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに例1~例4は写真をクリックして、画面右側「Exif情報を見る」でより細かい撮影データが出てきます。