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仕事の終わった夜。先輩方にくっついて焼肉を食べた後、一人東京駅へとやって参りました。時刻は夜9時。久しぶりの個人旅行です。
旅のスタートは東京駅でも、列車ではありません。本当なら上野から寝台特急「あけぼの」に乗りたかったところですが、思い立った頃には満席になっていました。
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というわけで、八重洲口から出発する夜行高速バスに乗っていくことにします。
東京駅前はまだまだ工事たけなわ。先日完成した「グランルーフ」周辺もまだ工事用の仕切りが並びます。
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グランルーフの前に並ぶバス乗り場。徳島ゆきの高速バスが発車を待っています。
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時間も遅くなり、鹿島神宮ゆきも終わりのバスが近づいています。
ちなみにあさかぜが乗るバスは、7番乗り場から21:30発。あと15分ほど。
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ずらりと並ぶ大型バスの数々。スペースが狭いので、時間になるとバスがまとまって発車していきます。
一斉に発車した後、あらかじめ順番通りに並んでいたバスが一斉に入ってくるというわけ。
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今回乗るのは、青森ゆきの弘南バス「津輕号」。三菱ふそうの「エアロクイーン」で到着です。
仕事終わりの「自分へのご褒美(笑)」というやつで、シートピッチ(座席間隔)の広い「あずましーと」という座席を取っています。
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津軽弁の「あんずましい」(心地よい)とかけたこの座席、シートだけみれば通常のシートと同じ。アメニティとして座面クッションと大きな毛布、モバイル用コンセントが用意されているのが相違点。
そして最大の特徴は、そのシートピッチ。
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「バスのシートは狭い」という常識は、このあずましーとでは通用しません。むしろ広すぎるぐらい。
はるか前方に足を載せるフットレストが用意されているわけですが、まずそこまであさかぜの短足では届かない。またこれだけ広いので、後ろの人に気を使わず、目一杯リクライニングできるというのも特長。
プラス1,000円の価値は十分にあります。
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21:30、定刻通り出発。まずは皇居の横に出てから、新宿駅を目指します。ゆっくり走る神戸ゆきを追い抜いたりしつつ、30分ほどで新宿駅西口の狭苦しい高速バスターミナルに到着します。
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よくぞここまで狭いバスターミナルに入れるもんだと感心します。
ここでも数名が乗り込み、満席とは言えない津輕号は新宿駅西口を後にします。
首都高に入ると消灯。疲れと、軽くお酒を飲んだことによる眠気で、あさかぜも就寝。
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午前4時。紫波SAに到着。外の空気を吸おうと外にでると、危うく滑りそうになりました。気温が低く凍っているのでしょう。
いよいよ東北に来たんだなという実感が湧くと同時に、革靴で町中を歩けるのだろうかと不安にもなります。
10分ほどの停車で出発。
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午前6時半過ぎ、自動放送の「バスは青森市内を走行中でございます」という案内放送で目が覚めました。
…あれ、俺の想像してた青森と違う。
雪なんてカケラもありません。
予定より30分ほど早い7時前、青森のフェリーターミナルに到着。函館へ船で渡る人が降りていきました。
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7:15、終点青森駅前に到着。所定より30分近く早着です。まぁ雪もなく、遅れの要因となるものがなかったからなのでしょうが。
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上野を「津輕号」の15分前に出た「あけぼの」 が青森に着くのは2時間半後のこと。日本海側を回る寝台列車とは単純な比較はできませんが、太平洋側を一直線に走ってくる高速バスの速さは圧倒的です。
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津輕号のおかげで時間に大幅な余裕ができたので、ゆったりと温泉に入りましょう。
青森駅から徒歩10分、「青森まちなか温泉」。入浴料は420円で、設備も大変きれいにできています。タオルも200円でレンタルしてもらえますので、非常にお手軽です。
温泉に入ってさっぱりしてから、朝食を食べに行きます。
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青森と言えば、青森魚彩センターの「のっけ丼」が有名です。そこにしようかと思っていましたが、職場の食事ヘルパーさんにオススメされたお店に行ってみます。
青森駅前にある複合施設、「青森アウガ」地下にある新鮮市場です。
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その中、「市場食堂」の丼ものを注文。ホタテ、ウニ、イクラのどんぶりと味噌汁やおかずがセットになって1,800円。ちょっと贅沢ですが、せっかく青森まで来たのですし、おいしいものを食べないと。
…反則なぐらいうまい。特にウニ。
言葉で言い表すより、むしろ皆様ぜひ実際に食べてみてください。
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お腹もいっぱいになったところで、駅そばにある「メモリアルシップ八甲田丸」へ。本州と北海道をつなぎ続けた、青函連絡船。
青函トンネルができるまでの間は、この通り鉄道車両を積んで津軽海峡を行き来していたのでした。
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戦時中は極秘にされていたという青函連絡船の運航ダイヤ。それでも甚大な被害を受けたといいます。
それを遺す碑文。戦争とは残酷なものです。
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八甲田丸の内部は見学できます。甲板には貴重な鉄道車両も保存されていますが、残念ながらじっくりと見学している時間がありません。また次の機会に…
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エンジンの音が聞こえ、青森と下北を結ぶ高速船かと思ったら海上保安庁の巡視船でした。
朝日に輝く船体は美しいですね。海保庁もバカな隣国のせいで大変なことでしょう。
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さて、青森駅へと帰ります。ホームに停車中なのは青い森鉄道の701系。
駅舎からホームまでは長い長い跨線橋でつながれています。今は広大な駐輪場と駐車場ですが、20年ほど昔にはここに何本もの線路が広がっていたのでしょうね。
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青森駅に集う色とりどりの車両。青函連絡船がなくなった現在でも、青森駅は立派なターミナルなのです。
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9:52、昨晩上野を発った寝台特急「あけぼの」が到着。ホームのあちらこちらにカメラを持った人がウロウロしていましたが、みんなこれが目当てだったようです。
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到着した車内からもワーッと人が飛び出してきて、機関車の前に大集結。そりゃこれだけ人が集まっているんですもの、あさかぜのふとした思い付きじゃ寝台が取れないわけです。
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ずいぶん長々とホームに鎮座したあげく、ディーゼル機関車に引っ張られて車庫へと引き上げていきました。
きっと今夜の上野ゆきも満席でしょう。
<<後編に続く>>