8月末に襲来した台風10号は、日本列島を縦断して各地に甚大な被害をもたらしました。常軌を逸した雨が降り続いたせいで東海道新幹線も大きな影響を受け、8月30日から全面運休となって日本の大動脈がマヒするという異常事態を引き起こします。
東海道新幹線が動かず青い顔をしているのはあさかぜも同じ。9月2日の『EX旅パック ぷらっとこだま』を予約していましたが、1日まで三島~名古屋間の終日運休を決定(※)、2日は平常運行が見込まれているものの「状況によっては見合わせる」と難しい展開です。
※ 東海道新幹線は1日18時から運転再開
代わりに北陸新幹線+「サンダーバード」で日本海側を回るか、空路で大阪まで一気にショートカットするか…
あさかぜは頭を悩ませながら9月1日に出社しました。
日本航空のアプリで見ると、9月2日の羽田〜伊丹便は案の定「満席」の文字が並んでいます。
「『ぷらっとこだま』のキャンセル料は特別扱いで無料だしな」とダメ元で空席待ちに申し込んでみたら、あっさり1時間後には席が確保できてしまいました。
こういうときにJGC会員の「空席待ち種別A」は役に立ちます。
というわけで今回の旅のスタートは当初と予定を変えた羽田空港から。空港へ向かう途中でサブのスマホを職場に忘れてきたことに気づき、冷や汗をかきました…
スマホを取りに戻っていたせいで、サクララウンジではビールを1杯流し込むぐらいの時間しか残されていませんでした。皆さんは必ず身の回りをよくチェックしてから旅に出ましょうね!
というわけで無事に11:30発のJAL115便に乗り込み、伊丹空港へひとっ飛び。所要1時間のうちフライトタイムは30分しかないので、もはや地上を走っている時間の方が長いぐらいです。
眠る間もなく伊丹空港に到着。考えてみれば飛行機で伊丹に降り立つのは初めてです。撮影では何度も来ているのに。
荷物を預ける人が少なかったようで、トイレから出てくる頃には早くもあさかぜのキャリーケースが出てきました。
そのままターミナルを抜けて屋上の展望デッキに出ると、4月に来たときとは大違いのジリジリと体を焼くような日差しが照りつけています。
やはり展望デッキの屋根はもっと大きくして欲しいところです…
JA252J / J-AIR / Embraer ERJ-190
暑さでボーッとしている場合ではありません。早速ジェイ・エアの「JALミャクミャクJET」が離陸していきました。見る者全員の記憶にしっかり残りそうな強烈なデザインであると同時に、見慣れてくるとミャクミャク様に愛嬌が感じられてくるのが不思議な感じ…
今年6月には国際線用のB787-8に同じくミャクミャク様が描かれた2号機も登場しました。ニュース記事によると「大人っぽいデザイン(鳥取社長)」だそうですが、大人っぽいとは…?
JA241J / J-AIR / Embraer ERJ-190
A滑走路にE190が着陸しました。着陸ポイントが間近なので、接地の瞬間にタイヤから白い煙が上がるのがよく見えます。
伊丹空港の展望デッキはご覧の通り午後は逆光。順光で撮りたかったら奥に見える『伊丹スカイパーク』がベストですが、今日はそこまで行くには少し時間が足りませんでした。キャリーケースもあって荷物が重いですし…
『伊丹スカイパーク』へは空港やJR・阪急伊丹駅から路線バスが出ていますし、阪急岡町駅からレンタサイクルを使っても20分ほどで来られます。
JA614J / Japan Airlines / Boeing 767-300ER
あさかぜの乗ってきたJA614Jが折り返しの準備を終えてスポットを離れました。キーン!という甲高いエンジン音が周囲に響き渡り、世代の古いエンジンならではの迫力が伝わってきます。
近くにいたおじさまから「すみませんが、○番ゲートというのはどれですか?」と尋ねられました。飛行機に乗るお子さんを見送りに来られていたようで、ボーディングブリッジを歩いていくところまで見届けたいそう。
ご夫婦で手を振ってらっしゃったので、無事に飛行機に乗るところを見送れたご様子。たまにはオタクも役に立てました。
JA461A / All Nippon Airways / Bombardier DHC-8-Q400
サステナビリティをアピールした「ANA Future Promise Prop」が飛び立ちます。空気抵抗の低減を検証しているニコン製のサメ肌フィルムは機体左側だけに貼られているようですね。
脱出口などを示す「安全のしおり」には、ホタテの貝殻をリサイクルした「カラスチック」が使われているとのこと。
北海道猿払村では年間4万トンも発生する貝殻を有効活用すべく、廃プラスチックと混ぜ合わせた「カラスチック」を生み出しました。これを使用した「HOTAMET」というヘルメットも製品化されているそうで、通常のプラスチック製よりも33%強度が向上しているとか。
www.vill.sarufutsu.hokkaido.jp
JA614J / Japan Airlines / Boeing 767-300ER
JA614Jが羽田へ向けて離陸。
伊丹に到着して館内のレストランを覗きましたが、お昼時に着いたこともあって当然ながらどこもいっぱい。
さすがに夕食までは我慢できないので1階のローソンでおにぎり2個と飲み物を買って戻り、なんとか植栽の木陰を探してそのおにぎりを食べます。
いやはや、照りつける太陽光はもはや暴力…あさかぜの体から容赦なく水分と体力を奪い取っていきます。
JA253J / J-AIR / Embraer ERJ-190
E190のサイズでも短いA滑走路から離陸できるんですね。短いといってもA滑走路は1,828mの長さがありますし、思い起こせばB737-500もこの滑走路から離陸していましたから、90人乗りなら余裕なのかも。
長い方のB滑走路は3,000mの長さと60mの幅があり、元国際空港だった貫禄が感じられます。
JA935A / All Nippon Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
B767に比べるとエンジンの世代が新しくなったB787の離陸はかなり静かです。
伊丹空港はご覧の通り住宅街の真ん中にあるため、1970年代から便数が増えるにつれて飛行機の出す騒音が大きな問題となりました。特にジェット機の騒音がひどかったために現在でもジェット機の発着は1日370回(=185往復)に制限、通常時はほぼいっぱいいっぱいの便数が設定されているようです。
関西空港ができてからも、施設がコンパクトで周辺市町村からのアクセスもしやすい伊丹空港は大阪に欠かせない空の玄関口です。
JA981A / All Nippon Airways / Boeing 787-10 Dreamliner
ちなみにジェット機の発着枠のうち170枠は“低騒音機”用です。近年はエンジンの性能向上で騒音も小さくなっており、B787-8・-9やA350-900でさえその枠に入ったことで、伊丹を発着するジェット機の3/4は低騒音機となりました。
ただB787-10は機体が大きくハイパワーなエンジンが必要だからか、新しいのに低騒音機にはカウントされません。展望デッキで聞いている分には-9と大きな違いはなさそうに思えますが…
離陸した機体は左へ180°旋回しながら上昇していきます。モリモリした入道雲が真夏らしさを感じさせます。
JA241J / J-AIR / Embraer ERJ-190
いい時間になってきたので、そろそろカンカン照りの展望デッキを後にして大阪市内へと向かいましょう。
楽しい時間を過ごせましたが、何せ暑かった…!
>>つづく<<