いよいよ泣いても笑っても最終日…帰りは13時ちょうどの飛行機なので、午前中の早いうちにはホテルを出なければなりません。
朝寝坊したいのはやまやまですが、最後の朝食バウチャーを使うべく街に繰り出します。
見慣れたMRT西門駅への通りを歩いて行きます。
台湾では建物の軒先を通行できるようにしている「騎楼」という構造が多く見られます。
日差しを避けたり雨に濡れずに歩くことができてとても便利なのですが、例えばこの角の建物のように空き家になっているところは要注意!空き家の下は夜間に照明がつかないため、ホームレスがたむろしたりと治安が良くありません。
やんちゃな雰囲気のカップルでも避けて歩いていたぐらいなので、観光客はなおさら通らないようにしましょう。自分の身は自分で守る、が鉄則です。
今朝はモスバーガーにしてみました。LOUISA COFEEもモスバーガーもホテルから片道10分ぐらい歩くので少し面倒ですが…
BLTバーガーにハッシュドポテトのようなものまでついてくるので、LOUISA COFEEよりもボリューミーな朝ご飯になりました。朝からしっかり食べたい人にはいいですね。モスバーガーのこのソースもおいしい。
持ってきた服に加えて、お土産や特にウイスキーで重たくなったキャリーケースを抱えて桃園空港MRTに乗り込みました。
車端部に荷物置き場があるのはありがたいですね。治安がいいので荷物が盗まれる心配もほとんどなさそうです。
キャセイパシフィック航空のチェックイン開始は出発の3時間前、カウンターに到着したのはちょうどチェックインが始まった午前10時頃でした。
ウイスキーごと荷物を預けるのに不安はありますが、そもそも機内に液体物は持ち込めないのでこうするしかありません…
タオルや服でガチガチに固めておいたので、まぁ多少乱雑に扱われたところで傷が入ることはないでしょう。
預けた荷物はカウンターの端にある検査機ですぐに中身がチェックされます。チェックイン時に「荷物が通過したのを確認してからイミグレーションに向かうように」と告げられるので、自分の荷物が無事にコンベアで運ばれていくのをモニターで確認。
あとは特にやることもないので「登機」の案内に従って上の階へ。手荷物検査も出国審査も空いていたので、ものの10分足らずであっさりと台湾を出国してしまいました…
なんとなく免税店を覗いてみます。タバコだとか高級な化粧品や香水だとか、あさかぜには縁のない品物ばかりが並んでいます…
その中に日本では品薄でほとんど手に入らないサントリーのウイスキー「響」が並んでいました。希望小売価格7,500円のはずなのに市場ではプレミア価格がついていて、日本で買うと3~4万円なんていう値がついていたりします。
「ワンチャン、定価+αぐらいで買えるんじゃないのか…?」
と少し期待して近くの店員さんに「おいくらですかね?(英語)」と尋ねると「3,500NTD(約17,500円)です」という答えが返ってきました。
日本で買うより安いかもしれないとはいえ、貧乏性のあさかぜには高すぎる…
あっさりと「響」はあきらめます。
出発時刻まであと2時間半ほどありますし、遠慮なくキャセイのラウンジで時間を過ごさせてもらいましょう。ワンワールド・サファイア会員の特典を生かさなければ。
成田のに比べて、桃園空港のキャセイラウンジはシックで高級感あふれる佇まいです。中も広々としていて簡易的ながら目的に合わせたゾーニングもされています。
あさかぜは奥の方にあるバーカウンターの近くに席を取りました。ソフトドリンクや缶ビールは冷蔵庫から、ワインやウイスキーなどはバーテンダーさんが用意してくれます。
まずは景気づけにウイスキーを飲むことにします。なんとマッカラン12年までタダで飲めるという…!すごいですね、キャセイのラウンジは…
しかもあさかぜはその贅沢なウイスキーをハイボールにして飲むなどと愚かな飲み方をしています。もったいないのは重々承知ですが、やはりこういうところだからこそ好きな飲み方をしたいですしね。
成田のキャセイラウンジとの大きな違いは、キャセイお得意のヌードルバーがあること。作りたての麺料理や点心が食べられます!
ハイボールを飲んでからダイニングエリアのカウンターで担々麺とチャーシュー包(バオ)をオーダー。しばらく待つと手元のベルで呼び出されます。
どちらも小ぶりではありますが、その分様々な料理や点心を食べ比べることもできるわけです。これが無料なのですから、なんだか悪い気がしてきます…
ラウンジの雰囲気は素晴らしいのですが、近くに関西空港へ向かうらしい高年層の日本人観光客が数人いるのはいただけません…
せっかく海外に来ているのに、無粋な話が母国語で聞こえてくるというのは旅の気分に冷水を浴びせてくるかのようです。
静かなエリアに移動して食後のデザートとカフェラテを。
「あと1時間ちょっとで出発か…」
なんて思いながら運航状況を見ると、なんだか雲行きが怪しくなっていました。
あさかぜが乗るキャセイパシフィック航空CX450便は、香港から台北を経由して成田へ向かう便。台風が関東地方に接近する影響を受けると思っていたのですが、災害級の大雨が香港で降っているせいで香港国際空港の発着がストップしているようです。
先に出る台北経由の関空ゆきは、ようやく2時間遅れで香港を飛び立ったところ。
<香港国際機場ウェブサイトのスクリーンショット>
CX450便はというと2時間半近く遅れてやっとゲートを離れたようです。
キャセイのウェブサイトを見ると台北→成田は「定刻」というステータスになっていますが、13:56に台北へ着いて13:00に出発できるわけがないのでこちらも遅延確定。
飛行機が遅れても他にやることはありませんから、ひたすらラウンジで電子書籍を読んだりYouTubeを見て過ごすだけです。
結局CX450便はほぼ2時間遅れの15:05発ということになりました。
帰りの機材も大量輸送仕様のBoeing 777-300、レジはB-HNUです。2002年の新造時からドバイのエミレーツ航空で運用されていた機体で、2018年にキャセイパシフィック航空へ移籍してきました。
機内は薄型のシートが並び、足下はだいぶ広くなっています。さすがにトイレに立つときは通路側の人に足を引っ込めてもらわないといけませんが、自分の席で過ごしている分には圧迫感はほとんどありません。
様々な搭乗レビューを読んでいると「薄い座席になってクッション性が悪くなった」という内容を見かけることもありますが、個人的にはクッションにコシがあってむしろ座りやすいぐらいです。腰痛持ちのあさかぜにとって今どきのシートは本当に良くなったと感じます。
15時過ぎに機体が移動し始めました。帰りは2/3程度の搭乗率で中央の席には座らなかったので、個人スペースがだいぶ広く感じられます。
帰りの機内食はほとんど肉だけのビーフカレーでした。育ち盛りの中学生が食べるような肉、肉、肉。
フタの閉まっているタッパーの中身はサラダではなくカニカマを添えた日本そばでした。
そして恒例のハーゲンダッツはチョコレート味。
…こうして見ると徹底して緑色のない機内食ですね。
九州~四国の沖合で若干揺れたものの順調なフライトでした。台風も関東地方から反れて南の海上を通過していったので、揺れることもなくスムーズに成田空港のRW16Lに着陸。約2時間遅れの19:15にドアオープンとなりました。
入国審査は機械にパスポートをかざすだけ、税関検査もアプリ「Visit Japan」を入れてあるのでQRコードをかざすだけ、預けた手荷物はプライオリティなので早く出てくる…
と万事スムーズに進み、空港第2ビル駅のホームに降り立ったのは到着からわずか30分後。自分でも驚くぐらい早く空港を出てきたのですが、またもやここでトラブルです…
台風の大雨で、外房線は土砂崩れが発生して運転見合わせ中。そのせいで千葉県内のJR各線が大混乱に陥っており、特急「成田エクスプレス」も普通電車もダイヤがめちゃくちゃになっています。
ホームで多くの人がしびれを切らして待っている中、現れた上り電車はまさかの快速千葉ゆき。東京まで行かないというあまりにセンスのない采配に、ホーム上の乗客からは不満の声が上がります。
喜ぶのは千葉市民のあさかぜぐらいですが、混雑を予見してグリーン券を買っていたのはムダでした…ご覧の通り乗客は他に誰もいませんし、そもそもグリーンアテンダントすら乗っていない有様です。
しかも千葉駅はダイヤの混乱で列車を裁き切れておらず、途中の駅で何度も何度も足止めを食らって遅々として進みません。「多少遠回りでも、確実に動いていた京成に乗って帰れば良かった。」と四街道で40分待ちぼうけしながら後悔したときには後の祭りです。
結局、たかだか成田空港から千葉市内の自宅まで帰るのに要した時間は2時間半!
最後の最後でヘトヘトになってしまいました…
何はともあれ、初めての台湾旅行はおっかなびっくりしつつも楽しいことだらけでした!自宅に戻ってきてから思い返せば、地震や大雨での遅延も人生の経験になったことには違いありません。
こうやっていろいろな経験や体験ができるから旅行というのはやめられないのです。
最後に、今回の旅行で気に入った音楽をYouTubeから引用して締めようと思います。
<台北捷運、桃園機場捷運的進站、離站音樂 Taipei Metro and Taoyuan Airport MRT train arrival and train departure music>
台北捷運(台北MRT)と桃園機場捷運(桃園空港MRT)で流れる接近音楽です。路線ごとに違っていますし、Green Lineと案内される松山新店線はオシャレなアレンジなっていてカッコいい!
桃園空港MRTは旅の気分を高めてくれるキラキラした曲調で、これもまた素敵な音楽です。
他の都市でも音楽が用意されているようなので、MRTで移動する際には、目的地だけでなく音楽にもぜひ耳を傾けてみてください。
<Leaving the City>
もう1つ、キャセイパシフィック航空で流れていたボーディングミュージックで、未知なる街へ踏み出していく挑戦心のようなものをかき立てます。ANAの「Another Sky」、JALの「I Will Be There With You」とは違った曲調なので、キャセイへの搭乗機会があればぜひとも聴いて欲しい音楽です。