では有名ポイントへ行ってみましょう。台北松山空港のすぐ西側にある市場「第二果菜市場」の屋上駐車場から、滑走路RW10を見下ろせる場所です。
ネット上の訪問記を見ていたら空港から1時間かけて歩いた猛者もいらっしゃいましたが、とてもあさかぜにはそんな体力はありません…
スマートフォンのGoogleマップを使えば近くまでのバスを使った経路を案内してくれますから、体力に自信のない人はバスを活用した方が良いでしょう。蒸し暑いので無理は禁物!
第二果菜市場に着いたら建物の北西側の端へ。ガラス戸で仕切られた守衛の詰所が見えるので、その左側の奥へ伸びている通路を入っていきます。
特に呼び止められることはありません。
→
写真で見るよりも薄暗いのでちょっと躊躇しますが、奥に見える黄色い扉へ向かって進んでいきます。
扉を入るとエレベーターホールです。目指す屋上は5階ですが、エレベーターは4階までしかありません。
4階でエレベーターを降りて左へ振り返ると5階に通じる上り階段があるので、それを上がっていきましょう。
5階のホールから駐車場に出ます。右に進んでいくと日本風居酒屋の「一郎」というお店へ、左に進むとそのまま屋外へ出られます。外に出るので左方向へ。
屋上駐車場に出たら右方向へずっと進んでいくと、木々の間から松山空港の滑走路が見えてきました。端の方まで、写真でいえば人が集まっているあたりまで進んでいくと撮影ポイントです。
B-18651 / China Airlines / Boeing 737-800
まずはRW10にラインアップするマンダリン航空にカメラを向けてみます。松山空港は1年の2/3程度が東風運用だそうなので、このポイントが使える機会は多いはず。
誘導路の手前に大きな木が生えているので、B737程度の長さでも機体の一部が木に隠れてしまいます。
B-18651 / China Airlines / Boeing 737-800
なので離陸機の場合、基本的には滑走路上にいる機体を斜め後ろから撮影することになります。B737クラスでは35mm判換算で300mmぐらい必要なので、望遠レンズは必須です。
NA-110 / National Airborne Service Corps / Airbus Helicopters AS365N3
NASCと略される「内政部空中勤務總隊」は空からの捜索・救助・急患輸送・パトロールなどを一手に担う国の機関。ここ松山や花蓮、台南など各都市の空港を拠点に、写真のエアバスヘリコプター・AS365と、さらに大型のシコルスキー・UH-60Mのヘリ2機種を中心に運用しています。
5001 / Republic of China Air Force / Fokker 50
空軍の輸送機が降りて来ました。
2009年までは日本でも見ることができた、オランダのフォッカー社製Fokker 50です。先代のフォッカー27「フレンドシップ」の改良型として1985年に就航したモデルで、223機が製造されました。中国語版のWikipediaを見ると、台湾空軍では輸送機として3機を運用しているようです。
そこそこのベストセラーとはなったものの、ライバルのボンバルディアやエンブラエルに押されたフォッカー社は後継機が不振となり、1996年に倒産しました。
1912 / Republic of China Air Force / Beechcraft 1900C-1
続いて降りて来たのはフォッカー50より細身で小型のビーチクラフト・1900です。
これも空軍の機体ですが、白地に青帯ではなくオレンジ色の派手なデザイン。空軍のビーチ1900には飛行点検機がいるそうなので、もしかしたらこれがそうなのかも?
B-17002 / UNI Air / ATR 72-600
奥に見えている大きな建物は「圓山大飯店」というホテルです。日本統治時代に建立された「台湾神宮」という神社があったのですが、日本が負けた直後に台湾領内の神社を撤去することが決まり、その跡地に建ったのがこのホテルです。
国賓を接待するような台湾を代表するホテルで、それにふさわしく龍や梅の花を模した彫刻がふんだんに使われているとのこと。「龍宮」という別名もあるそうです。
果菜市場の屋上から圓山大飯店を入れて撮影するのが定番のアングルで、最も台北らしいスポッティングポイントかもしれません。
JA835A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
羽田からANAのB787が到着。松山空港の発着便が小型機がほとんどなので、250人クラスの機体が降りてくるとかなり大きく感じられます。
昼間に羽田を発着する台北便は松山発着となるので、この空港を利用する日本人も多いはず。
B-16857 / Mandarin Airlines / ATR 72-600
ATR72ぐらいのサイズだと誘導路上の機体を真横から撮影できます。焦点距離は270mm程度(35mm判換算)なので、いずれにせよ70-300mmクラスの望遠ズームレンズは必要になってきます。
1904 / Republic of China Air Force / Beechcraft 1900C-1
1910 / Republic of China Air Force / Beechcraft 1900C-1
立て続けに空軍のビーチ1900が降りて来ます。フォッカー50と同じく青帯が入るものが本来のデザインのようです。
5003 / Republic of China Air Force / Fokker 50
フォッカー50の垂直尾翼周りのシルエットはYS-11と似た雰囲気がありますね。
B-5368 / Shanghai Airlines / Boeing 737-800
上海航空の上海・虹橋ゆきが離陸。羽田と同様に、上海も主力の浦東空港ではなく昔の玄関口だった虹橋空港に発着しています。
B-18316 / China Airlines / Airbus A330-300
A330のサイズになると機体の半分近くは木に隠れてしまいました。
羽田と上海ぐらいにしか飛んでいないようなので、ここでチャイナエアラインのA330を見る機会はかなり少なめ。
図らずも空軍の機体をいくつも見ることができたので、わざわざ暑い中ここまで来た甲斐があったというものです。
続いてGoogleマップにも載っている撮影ポイント「飛機巷」へと歩いて行ってみましょう。日本語に訳すと「飛行機横丁」になるようで、ここもまた台北市民や飛行機好きの間で人気スポットになっているそうです。
果菜市場からの飛機巷への行き方は簡単です。
外に出たら正面の横断歩道を渡ってから右へ進み、カラフルなお寺が建つ角を左へ入って行くと、徒歩5分ぐらいで到達できます。
なお曲がった先の道路はご覧の通り歩道がありませんし、クルマやバイクがビュンビュン走ってきますので、くれぐれも轢かれないよう気を配って歩きましょう。
“飛行機横丁”の名の通り、まさに自分の頭上を到着機が通過していきます。
小型のATR72では「まぁこんなもんか」という感じですが、A321やB737クラスのジェット機が降りてくるとかなりの迫力!エンジン音で周りの音が聞こえなくなります。
飛行機を見やすいようにわざわざコンクリート打ちの広場を用意してくれていますが、壁には「毒蛇に注意しなさい」という物々しい注意文が…
台湾でよく見かけるのはタイワンハブだそうで、草の茂みや積み上げた小枝に隠れていることが多いのだとか。知らずに近づいて足先を噛まれることがあるそうなので、あまり壁際には寄らずにフェンスに近い方にいた方が良さそうですね。
広角レンズでも収まりきらないぐらいの迫力!
背景は雨が降りそうな空模様なので灰色一色ですが、晴れた日なら飛行機と青空の美しいコラボレーションが見られることでしょう。
エバー航空のB787-9が降りて来ました。
頭上を飛び越えていく迫力は圧巻ですが、エンジン音はもしかしたらB737よりも静かだったんじゃないかと思うほど。B787やA350は中も外も本当に静かになりました。
さっきからいろいろな人がタクシーや自転車で訪れては写真を撮って立ち去って行きます。真下から飛行機を見られるフォトジェニックな場所なので、特に若いカップルからは人気が高いようです。
JA835A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
折り返して羽田へ戻るANAのB787-8がターミナルから出てきました。
JA835A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
すぐ目の前を横切っていく出発機。手前の有刺鉄線の写り込みが気になりますが、脚立がないのでどうにもなりません。海外旅行に脚立を持って行くわけにもいきませんしねぇ。
空港敷地を隔てるフェンス沿いには有刺鉄線や監視カメラだけでなく、セキュリティシステムもついているようです。スパイや不法侵入の疑いを抱かれないためにも、むやみに近づかないようにしましょう。
JA835A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
B787らしい静かさで離陸していきます。エンジンから吐き出されたジェットブラストがここまで伝わってくるので、旅客機マニアにはたまらない場所です。
飛機巷の周囲には自販機も日陰もないので、暑い日に長時間滞在するには厳しい場所です。今日も日差しがないとはいえ、気温は30度以上あるので決して涼しくはありません…
果菜市場からずっと立ちっぱなしで疲れてきたので、そろそろどこかで座って過ごしたいところです。
とはいえホテルに戻るのもまだ早いですから、少し場所を変えて“撮り鉄”ポイントへ行ってみましょう。
>>つづく<<