あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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全県制覇まであと2つ!“西九州”駆け足の旅 - 2日目II(2023年6月29日)

再び昭和バスの路線バスに30分ほど揺られて、唐津市街に戻って来ました。玄関口の唐津駅ではなく、市役所などに近い中心街に発着するのもバス社会の九州らしい光景です。
唐津城のお膝元にある唐津バスセンターは、昭和バスのウェブサイトだと「大手口」と案内されているので検索の際はちょっと注意

バスセンターの目の前にあるのは唐津市役所、そのすぐ隣には「肥後堀」という唐津城の三ノ丸の外側にあった堀が復元されています。ここから北側はもう唐津城の城内だったというわけです。

 

showa-bus.jp

 

 

その肥後堀にはたくさんのオタマジャクシが泳いでいました。しかもかなり大きい。

 

 

唐津バスセンター(大手口)から唐津駅までは徒歩5分ほど、2面4線の立派な高架駅です。

来るときに使った西唐津駅は車庫に出入りするためにあるような駅。唐津市の玄関口の機能は唐津駅が担っており、駅の乗降人員数は西唐津駅に対して3倍以上の1,400人弱あります。

 

ネット上ではことあるごとにネタにされることもある「ロマンシング サガ」と「佐賀県」。「サガ」シリーズ25周年を記念し、なんとスクエアエニックス佐賀県の公式コラボレーション「ロマンシング佐賀」が2022年10月からスタートしました。
公式サイトには攻略サイトをオマージュした「Romancing佐賀 攻略Wiki」まで用意される力の入りようで、メニュー階層からコラボ施設やグッズがわかるようになっています。

コラボの一環として、佐賀県内を走るJR九州の車両16両に特別ラッピングも実施。「ロマ佐賀列車」として佐賀県内の観光地や景勝地を1両1両違うデザインで紹介しています。

 

romasaga.jp

 

 

これから乗る唐津線の佐賀ゆきは「清水(きよみず)の滝号」。清水の滝は佐賀県小城(おぎ)市にある落差75mの滝で、日本名水百選にも選ばれた川の上流にあります。県内では避暑地としても有名なのだとか。

 

キハ40系「清水の滝号」の後ろにつながれているのはキハ125形「武雄温泉号」。世代の全く異なる車両ですが、従来のディーゼルカーとならだいたい連結できるところは気動車らしい汎用性の高さです。

真ん中がさっきも写した「海中鳥居号」で、有明海に面した太良町(たらちょう)の沖合に立つ3つの鳥居が描かれています。

そして一番右は唐津市のシンボルでもある唐津城を描いた唐津城号」

九州の中では地味だとか存在感が薄いだとか言われがちな佐賀県。熊本出身の我が父親も「佐賀には行ったことがない」などと言っていましたが、こうして見るとたくさんの見どころがあることに気付かされます。
今まで「用事がないんだよな」とかいって訪れなかった己の無知を恥じました…

 

ちなみにロマンシング佐賀ゆきの発車は14:50だというのに、唐津には14:23に入線してくるという気の早さ。隣の西唐津発ですが車内には人影はなく、あさかぜが一番乗りのようです。

乗り込むのは先頭車のキハ40系JR九州でもYC1系という電気式ディーゼルカー(エンジンで発電してモーターで走行する、日産e-POWERのような仕組み)の投入が進められているので、特に車齢の高いキハ40系列はいつ何時置き換えられてもおかしくありません

特に走行音は引退だとかイベントだとかで騒ぎになる前の、静かなうちに録音しておきたいものですからね。

 

途中にある山本駅の駅舎は1912年大正元年に建てられたというとても歴史の長いもの。1985年に無人駅となってしまいましたが、今もなお大切に手入れがされて利用されているようです。

実は午前中に乗ってきた筑肥線は歴史的な経緯により2つに分断されています。その”片割れ”といえる伊万里までの線路が、ここ山本から分岐します。
とはいえ筑肥線の列車は全て唐津線に直通して唐津もしくは西唐津まで向かうため、山本駅を始終点にする列車は現在のところありません。

 

前出のロマンシング佐賀」コラボで、県内17駅の駅名標には駅周辺の景勝地などがゲームの登場キャラクターとともにドット絵で描かれています。
そのキャラクターも17駅全てで違うものが描かれていますから、サガシリーズのファンにはたまらないのではないでしょうか。

 

唐津駅から1時間ちょっと、県都の佐賀に到着しました。もちろん佐賀駅駅名標にもコラボのドット絵が描かれています。
ドット絵で再現されているのは熱気球で、佐賀県毎年10月末に開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタという熱気球の競技大会にちなんだもの佐賀市郊外の河川敷や隣接する平野部で開催され、100個以上の熱気球が飛ぶ光景を見られるのだそうです。

 

www.sibf.jp

 

 

というわけで県庁所在地の佐賀駅にも降り立ったことですし、これで堂々と「佐賀県に到達した」と宣言して良いでしょう。

 

構内の発車案内装置の下には堂々とした筆の文字で、佐賀駅SUGOCAエリアの西端であることを知らせています。立派な筆文字だと感心していましたが、よく見ると佐賀商業高校の書道部によって書かれたものであるのがわかります。
地元との交流が大切にされていて、なんだかほっこりしますね。

 

さて、時間はまだ16時を少し回ったところで、このまま天神に戻るのはさすがに早すぎます
何かすることはないか…?と旅程を組んでいたときにふと思い立ったのは、「新幹線と高速バスの乗り比べをしてみる」ということ。

2022年9月、武雄温泉~長崎間に西九州新幹線が開業して所要時間が短くなったものの、武雄温泉でどうしても乗り換えが必要になってしまいました。
一方、高速バスは所要時間は長くても福岡~長崎を乗り換えなしで一直線に結びます。
せっかくだから今日明日に分けて両者の比較をしてみることにする、というアホな計画を思いついたのでした。

というわけで、特急「みどり39号」に乗ってさらに西へ向かいましょう。

 

「みどり39号」の前側4両はハウステンボス編成です。

2017年に783系3回目のリニューアルハウステンボス編成にのみ行われました。これは長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」が開園25周年を迎えたことにもちなんだもので、客室内の写真からも一見してわかるように水戸岡鋭治氏率いるドーンデザイン研究所が監修外観のステンレス地もオレンジ色の全面塗装に変わっています。
デッキも外観に合わせてオレンジ色で、なんだかちょっと落ち着かない雰囲気…

そうそう、車内放送も変わっていましたね。3点チャイムは今まで通りですが、放送は聞き慣れた女性の声ではなくレシップ製のような合成音声に。また一つ、「JR九州ならでは」がなくなってしまった感じはあります。

 

西九州新幹線の乗り換え駅、武雄温泉に停車します。博多~長崎間を結んでいた特急「かもめ」の列車名は新幹線へと引き継がれ、代わりに「かもめ」に接続する列車は「リレーかもめ」というJR九州おなじみのネーミングに。
また武雄温泉まで来ない列車には新たに「かささぎ」の名が与えられ、久しぶりに新しい鳥の名前がついた列車になりました。

「リレーかもめ」や一部の「みどり」は新幹線に対面で乗り換えできるホームに発着しますが、乗り継ぎ指定でない列車は在来線ホームを使用します。

 

佐賀から50分ほどで早岐に到着しました。「みどり」はここで進行方向を変えて佐世保線を引き続き進み佐世保へ、「ハウステンボス」は切り離し作業をして大村線ハウステンボス駅へと進行方向を変えずに入ります。

今日はハウステンボス編成も「みどり」として運転されているので、そのまま8両で進行方向を変えて佐世保へと進んでいきます。

 

783系の特徴と言えば車両の中央に用意された乗降ドア。普通は車両の端に配置するドアをあえてど真ん中に持ってくることで、A室・B室と1両を2つの用途に分けて使えるようにしました。
この構造により、例えばA室をグリーン車、B室を普通車指定席にするとか、A室は喫煙席、B室を禁煙席にして分煙するとか、そうした柔軟な使い方ができます。JR九州は初期の段階から思い切ったアイディアを採用していたことがわかりますね。

 

toyokeizai.net

 

 

早岐佐世保間で先頭に立つ「みどり」編成は783系初期の雰囲気を残す車両です。

国鉄から引き継いだ画一的な車両ばかりが往来する中で、シェアを伸ばしていた高速バスに対抗すべく19981988年にデビューしたのが783系「ハイパーサルーンでした。先頭形状もスピード感を感じさせる形となり、窓回りは黒色にすることで連続窓のような一体感を演出するなど、国鉄時代との大きな違いを見せつけました
車両のデザイン監修は特急「サンダーバード」の681系・683系などを手がけた南井健治氏。

2000年の2回目のリニューアルの際に「みどり」ハウステンボス」転用の改造を受け、2011年頃までは「かもめ」「みどり」ハウステンボス」の3列車をつないだ最大13両編成という堂々たる姿を見ることができました。

 

併設の車両基地には様々な車両が休んでいる光景を見られました。
右端の金色の車両は車内で九州の食材を中心とした豪華なスイーツが提供される「或る列車左端に小さく写っているのは大村湾有明海の景色を楽しむことができる「ふたつ星4047」

どちらもJR九州が力を入れているD&S列車ですが、専用の新車を用意するのではなく古豪のキハ40系列を改造したものです。「高いコース料金だったり特急料金を取るというのにそのレベルでいいのか」という気はしなくもありませんが、乗る人もノスタルジーを感じられるからいいのでしょう…

 

www.jrkyushu.co.jp

 

 

2両セットのはずのYC1系が片側だけ止まっている光景も。輸送力を柔軟に調整できるよう、一部の車両は1両ずつバラして他の2両編成にくっつけられるようになっているそうです。

 

大村線との分岐点となる早岐駅には1897年の開業から1984年まで早岐機関区と早岐客貨車区があり、駅から少し離れたところにあるレンガ造りの給水塔からは往時の広さをうかがい知ることができます。
隣に建てられた説明看板によると、このレンガ造りの塔の上にさらに鋼鉄製の水槽が載せられていて、そこから蒸気機関車へ給水が行われていたそう。

基地があった土地の多くは駐車場やスーパーマーケットに姿を変えていますが、2014年に長崎駅の高架化工事で早岐駅車両基地の機能が移転して復活。現在は「佐世保車両センター」として「或る列車」などの保守整備を行っています。

 

 

※ 2023/6/23 誤記を修正

 

 

>>つづく<<