HB-JNE / Swiss International Air Lines / Boeing 777-300ER
晴れたり曇ったり、煮え切らない天気の成田空港です。
お昼前の出発ラッシュが始まりました。まだまだ日本の入国規制は緩和されないままでも、世界のビジネス需要は急激に回復しつつあります。入国規制もさることながら、対ヨーロッパではシベリア上空を飛行できないというのが大きな障壁となっているようですが…
スイスインターナショナルの迫力の離陸は、太陽が雲に隠れて影に沈んでしまいました。
JA8970 / All Nippon Airways / Boeing 767-300ER BCF
飛び立っていくANAカーゴは、1997年から活躍する日本国内でも有数のベテラン機。数字4ケタの登録記号がついている、というだけでマニアにはすぐわかります。
旅客機と違って貨物機は割と年数を重ねた飛行機が多い印象です。旅客機ほど経済性にシビアではないようですし、設備の新旧で選り好みする人間と違って貨物は何も言いませんからね。
JA26LR / Jetstar Japan / Airbus A321-200NX
さくらの丘は早々に諦め、さくらの山へ移動します。
ジェットスタージャパン(JJP)のA321LRは、従来機のA320ceoより58席多い238席を装備しています。順当に輸送力を強化したJJPに対して、同じA321LRを導入したピーチは座席数を218にあえて減らして余裕を重視。両社の考え方の違いが見える点です。
HL8293 / Asiana Alirlines / Airbus A330-300
アシアナ航空と大韓航空は統合に向けての動きが進んでいます。主に韓国以外での独占禁止法の関係で交渉が進められていますが、やはり簡単にはいかないようです。
韓国の大手2社が合併して1社だけになるというわけですから、競合がなくなって運賃が高止まりし、旅客に不利益が発生する可能性があります。また発着枠でも統合後の会社が有利になってしまいますから、公平性に配慮した策が必要になってきます。
一口に「吸収合併」「統合」と言っても、少なくともヒコーキの世界ではそう安易な話ではありません。
HL8224 / Jin Air / Boeing 737-800
韓国のLCCの中ではかなり早い段階で成田便を再開したジンエアー。大韓航空とアシアナの統合でLCCも再編され、大韓航空傘下のジンエアーが残ることになっているそうです。
ジンエアーの主力機材はB737-800とB777-200ER、アシアナ系のLCCはA320/321となっていますから、果たしてどちら寄りの機材選定になるのかも気になるところです。
B-324W / China Eastern Airlines / Airbus A350-900
おそらくA330の後継機として導入されていると思われる、中国東方航空のA350が離陸していきます。去年導入された機材なのでまだ割ときれいです。
数字4ケタで捌けなくなってきたのか、中国でもアルファベットの混ざった登録記号がつくようになりました。ただ日本のように自由度はないようで、非常に機械的な番号の振り方がされています。導入順のナンバリングとなっていて、連番は全く違う航空会社というのもしばしばです。
JA173B / 東邦航空 / Kawasaki BK117C-2
東邦航空が運航を受託しているドクターヘリが空港上空を飛び越えていきました。
BK117は川崎重工業とドイツのメッサーシュミット(現在はエアバスヘリコプターズ)が共同開発したもので、40年以上の長い歴史を持つベストセラー機。写真のC-2は2000年頃から運用されている最新モデルです。
JA05GR / Spring Japan / Boeing 737-800
2021年11月にJALの連結子会社となったスプリング・ジャパン。横並びに社名が入るのが3代目であり最新の機体デザインです。いずれも機体後部のデザインはほとんど変わっていないので、見分けがつきづらくて仕方ありません。
N103FE / FedEx Express / Boeing 767-300F
FedExのB767-300Fはずいぶん久しぶりに見かけた気がします。
RP-C9938 / Phillipine Airlines / Airbus A321-200N
RP-C9929 / Phillipine Airlines / Airbus A321-200
上が最新型のA321neo、下が従来からのA321ceo。コクピット回りの黒塗りはオプションとなっているようで、黒塗りしていない航空会社も多くあります。実際、日本のANA、ピーチ、ジェットスタージャパンは塗っていませんからね。
JA825J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner
垂直尾翼の「Z_」のデザインが消されたジップエア。ロシアのウクライナへの非人道的な行いが何の関係もない航空会社にまで影響してくるとは…
現在ジップエアで運行されているB787は4機ともJALからのお古。本来なら1機は新造機になる予定でしたが、ボーイングの品質管理の問題で出荷が停止されており、思うように増機できない状態に陥っているとか。
JA826J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner
その4号機となっているのがJA826J。上の2号機とともにZ_がデカールで上書きされて過渡期の光景になっています。
1251 / Phillipine Air Force / Gulfstream G280
見たときは何者なのかわからなかったガルフストリーム。あとで調べてみたらフィリピン空軍でした。
1997年から生産されたガルフストリーム・G200の後継機で、2012年から運行されているモデルです。
HL8044 / Korean Air Lines / Boeing 777F
せっかく天気がいいので「さくらの丘」でもう一度離陸機を撮ることにします。
コリアンエア・カーゴのB777Fも最近成田でよく見るようになりました。ロサンゼルスからの便が成田を経由しているようで、ジャンボフレイターが入るKE550・551便とは別物です。おそらく航続距離が足りないのでしょうね。
なおアラスカのアンカレッジから最短距離で日本や韓国へ飛ぼうとすると、わずかにロシアの領空を通過しなければなりません。ほとんどの西側諸国はロシア領空を通過できないので、若干の遠回りをしなければならない状況です。
JU-1015 / MIAT Mongolian Airlines / Boeing 737-800
週2便程度で運航しているらしいMIATモンゴル航空。この会社にカメラを向けるたび、JU-1015という機体が来ている気がします。
モンゴルからは新たにもう1社、2022年初頭からアエロ・モンゴリアが成田に乗り入れるようになりました。MIATのライバル会社なのかと思っていたら、同じ国営の航空会社なんですね。どういう棲み分けになっているんだろう…
JA828A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
外見からは違いがわかりませんが、この機体はメキシコシティ乗入れに対応したもの。エンジンはよりパワーのあるB787-9向けのTrent 1000-Lが装着され、高地にあるメキシコシティ空港からの離陸にチューニングされています。
Trent 1000-Lを装備した機体はこのJA828Aの他にJA820A、JA823A、JA827Aの合計4機があり、メキシコシティ便を除けば他の機材と共通で運用されているとのこと。メキシコシティ便が運休している現在では実力を持て余している感じです。
JA902P / Peach / Airbus A321-200NX
ピーチはジェットスタージャパンより一足先にA321LRを投入しています。A321neoに燃料タンクを増設して航続距離を延長したモデルで、満タンにすれば7,400kmをひとっ飛びできます。
標準のA321neoに比べたら機体価格は高くなっていますから、本来ならばピーチもJJPも儲かる中距離国際線に投入したいところでしょうが…
JJPでは輸送力に振り向けた238席仕様に対して、ピーチでは機内でのゆとりを重視した218席仕様。我々乗客としては値段か、快適性かを比較できるようになったわけです。
A6-BLR / Etihad Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
エティハドは乗入れ先の国をモチーフにした特別デザインの機体。この機体のモチーフはシンガポールで、おなじみのマーライオンや国の花であるランが描かれています。
南側の空に虹が出てきました。こんなにくっきりとした虹を見たのは久しぶりです。
JA826J / ZIPAIR Tokyo / Boeing 787-8 Dreamliner
いい感じに虹に向かってジップエアが離陸していきました。編集時にもっとコントラストを上げれば虹が強調できたかもしれませんが、わざとらしすぎるかな…?
B-LXM / Cathay Pacific / Airbus A350-1000
キャセイのA350は軽々と離陸して虹をまたいでいってしまいました。
さて、いい時間になってきました。この後の本番に向けて、十余三東雲の丘へと移動します。
ちょうど虹にかかるような形でピーチが離陸していきました。スマホ(Google Pixel 4a 5G)で撮った方が虹の色がハッキリ出ているところになんとなく敗北感を感じますが…
今のスマートフォンのカメラは本当によくできています。ちょっとした旅行でスナップを撮る程度なら、もうカメラを持ち歩く必要なんてありませんからね。
JA835J / Japan Airlines / Boeing 787-8 Dreamliner
案の定、十余三東雲の丘はそれなりに混み合っていました。幸い人の壁ができるほどではなく、20cm程度の踏み台に乗れば他の人の頭はクリアできるぐらい。
夕方の光をいい感じに浴びて、エロい雰囲気が出てくるようになりました。
A7-BBI / Qatar Airways / Boeing 777-200LR
ものの10分ほどで十余三東雲の丘には撮影者でいっぱいになりました。あさかぜはいいタイミングで着いていたようです。
みんなのお目当てはもちろん、カタール航空のワールドカップ特別塗装。スポーツにからっきし興味がないのでいつからワールドカップが開催されるのかさっぱり知りませんが、特別塗装機となればどんなジャンルでも気になるのがオタクの性。
A7-BBI / Qatar Airways / Boeing 777-200LR
2019年までのドーハ~成田便にはB777-300ERやA350-1000が投入されていて、B777-200LRはいつの間にかアサインされなくなっていました。
日本の緩和が遅れているからこそ収容力の小さな-200LRが入っているんでしょうし、ある意味ケガの功名です。
これが通常通りの需要に戻ったら、おそらく海外に出て行かねば撮れなくなってしまうので、今のうちだけのチャンスですね。
A7-BBI / Qatar Airways / Boeing 777-200LR
というわけでエロい光の中でカタールのワールドカップカラーが撮れたので、ゾロゾロ帰って行く他の人に混ざって東雲の丘を降ります。
真紅に塗られた部分は、布地にヒダが作られているかのように濃淡のグラデーションになっているんですね。短期間の特別デザインながら手間とお金がかかっていて感心します。