あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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北海道のあれもこれも乗りたい! - 2日目【後編】(2022年6月15日)

釧路から3時間かけて到着した網走駅
向かい側のホームには17:25発の札幌ゆき特急「オホーツク4号」が発車を待っています。乗り継ぎ時間は8分と今回の旅行の中ではかなり短めですが、慌てるほどのことではありません。

先ほど急ぎ足で出て行った人は主に「オホーツク」のキハ183系の写真を撮ることが目的だったようです。期待通り片側の先頭車が赤・オレンジの復刻カラーに出会えたのはラッキーでした。

 

2号車につながれているハイデッカーグリーン車も、北海道を走る定期列車では最後の存在になってしまいました。

特急「北斗」から撤退したときに老朽化したキハ183系初期車を置き換えるために転属してきたもの。実際に乗車してみると床の高さと上まで広がる窓の開放感で、なかなか特別感が味わえたことを覚えています。車内は2+1の3列配置でゆったり。

 

 

そういえば「オホーツク」のヘッドマークが普段と違います
いつものデザインは白い背景に緑文字の「OKが印刷されていました。どうやら今年の1月から、1984年に発売されたテレビゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』とのコラボで、その当時に「オホーツク」で使用されていたデザインを復刻したものだそうです。

このコラボ自体は去年もやっていたそうですが、ヘッドマークの復刻はおそらく今年が初めてではないでしょうか。反対側の先頭に立つ赤・オレンジの車両に組み合わせることで、まさに1980年代後半の姿を再現していることになります。

…と思わせて、現在運用されているNN183系という車両はJR時代に入ってから「北斗」「おおぞら」向けに製造された車両が大半ですし、ヘッドマークも1992年から「OK」になっているので、おそらくは存在しなかった組み合わせのはずです。
2022年だからこそ生まれた奇跡のコラボともいえますね。

 

駆け出していった人が何人もいたので、「オホーツク」へお名残乗車する人がそれなりにいるものだと思っていましたが…

少なくとも2号車のグリーン車にはあさかぜ以外の人影はありません。前後の指定席・自由席車両も覗いてみましたが、それぞれ片手の指で数えられるほどしか姿が見えませんでした。
「最後のキハ183系」という枕詞に惹かれた人が他にもいっぱいいると思っていたのに…

 

カメラを構えた数人に見送られ、ガラガラの「オホーツク4号」は定刻通り網走をあとにしました。まだ17:25と明るい時間帯なのに、札幌まで行ける列車はこれが最後。ホームで見送っていた人たちはきっと今晩は網走に滞在するのでしょう。

車窓に見えている湖は網走の景勝地網走湖。湖が凍る真冬にはワカサギ釣りをしている光景が見られます。ワカサギの水揚げ量は道内一、卵も日本全国に出荷されていて、我々の食卓に上がるワカサギは網走湖由来のものが実はたくさんあるわけです。

 

グリーン車のデッキには壁とカーテンで仕切られた区画があります。カーテンの隙間から覗いてみると中は供食設備で、給湯器らしき箱も見えました。
そういえば何年も前に「北斗」に乗ったときは車内販売にホットコーヒーがありましたが、あれはここの設備を使っていたのかもしれません。

今この供食設備や売店が機能していればいかにも長距離列車という雰囲気が出たことでしょうが…
JR北海道の車内販売そのものが2019年2月末で終了していますし、仮に残っていたとしてもこの「オホーツク」の利用状況では無用の長物でしかありません。

 

遠軽まで先頭に立つ1号車の車内。自由席車両でも、前面展望を楽しむことができる右前の席だけは指定席として販売されているようです。
座席は「北斗」時代にリニューアルされているため、キハ261系などと同じグレードアップ座席。昔ながらの座席だった0番台に比べると、はるかに座り心地が良くなりました。

それにしてもガラガラです…
札幌~網走を直通する「オホーツク」は2往復しかないのに、この乗車率は絶望感すら抱かせます。旭川~網走間に2往復設定されている「大雪」は、気がつけば週末中心の運転になってしまいました。

 

まだまだ先は長いので、席に戻っておやつの時間にします。釧路駅の「おにぎり屋 ばんばんで買ったザンギはさっきの車内で食べたので、次はおにぎりを開けてみましょう

お供はもちろんサッポロクラシック

 

何種類もおにぎりのラインアップがあって迷ってしまったので、人気1位「天むす2位「焼きおにぎり みそを買ってきました。

プリプリのエビ天が入った天むすは安定のおいしさ。ご飯は醤油味がついていて、今まで食べた塩味の天むすとはちょっと味わいが違います。
個人的に気に入ったのはみその焼きおにぎりです。祖母が握ってくれたような懐かしい味わい…おこげも香ばしい。真ん中には梅干しが入っているのもアクセント。あと2個ぐらいはペロリといけそうです。

 

北見といえばタマネギやジャガイモの産地として有名です。特にタマネギは日本一の生産量で、実に国内生産量の2割を北見市が占めます

タマネギ・ジャガイモを本州に出荷するための貨物列車が秋~冬にかけて運転されます。真冬の常紋峠越えに挑む貨物列車を山の上から撮った写真は、鉄道マニア界隈では有名なもの。有名とはいうものの、撮影ポイントに到達するには道なき道(しかも新雪!)を2時間歩かねばならず、熱意と体力が十二分になければ死ぬレベルです…生半可な覚悟では到達できません。

 

立派な図書館も備えた北見駅に到着しました。北見市は日本最北となる都市で、人口は11万人にも及びます。

網走と札幌を結ぶ高速バス「ドリーミントオホーツク号」が北見を経由する上に、便数も昼行9往復と夜行1往復(運休中)と、鉄道との利便性は雲泥の差です…
また高速ツアーバスを起源とする「北見特急ニュースター号」も昼行3+夜行1往復があり、利便性は「オホーツク」「大雪」を束にしてもかないません

両者とも夜行バスと同じような独立3列シートですし、所要時間差はJR特急より45分~1時間程度遅いだけというのを考えると、この「オホーツク」の乗客数はやむなしかと思ってしまいます。

 

遠軽では3分の停車時間があるので、急げばホーム上の自動販売機で飲み物の購入も可能です。
遠軽では進行方向が変わり、札幌まで今度は4号車が先頭に立ちます。

1989年まで名寄本線遠軽から名寄まで通じていて、進行方向を変えずに進むとその名寄本線に進み出しました。今は石北本線が意味もなくスイッチバックするだけの駅。それでも特急が必ず停車するからか、人口は2万人弱と北海道としてはまだ恵まれた部類にあります。

 

北見でも遠軽でもグリーン車には誰一人として乗ってこず、相変わらず自分1人で占有する状態が続いています。
他の車両も少し増えた程度で、とても「盛況」とはいえません…

 

普通車は乗客が自分で座席の向きを変えますが、グリーン車では車掌が座席の向きを変えに来てくれます。写真を撮りたいがためにあさかぜは自分で半分ぐらいの座席を回しておいたのですが、後で座席を回しに来た車掌さんにお礼を言われてしまいました

自分の趣味のためなのでお気になさらず…

 

カーペットが敷き詰められて足音の響かない上質な空間。通り抜ける人はもちろん写真を撮りに来る人さえおらず、ひたすらにエンジン音に耳を傾けるだけの贅沢な時間が過ぎていきます。

 

ようやく車内に動きがあったのは網走から3時間50分が経った旭川です。ここへ来て初めてグリーン車に会社帰りと思われる、品の良いオジサンが一人乗ってきました。

…むしろ乗ってきたのはその方だけで、他は数名が車内を通り抜けていっただけ。寂しいまでの乗車率です。
終点の札幌までは1時間40分しかかからないので、もうグリーン車に乗ってくる人はこの先いないでしょう。

 

予想通りグリーン車に新たな乗客はなく、定刻通り22:53に終点の札幌に到着しました。網走からの所要時間は5時間28分、営業キロは374.5kmという数字は国内の特急列車でもトップレベルの長さです。
乗客がほとんどいない静かなグリーン車で過ごすことができたのは、キハ183系好きとしてはこれ以上ない贅沢な経験でした。

 

反対側のホームから眺めるキハ183系の勇姿…!
4両のうち1両だけ国鉄時代のデザインに戻されていると、きっとJR化後すぐはこういう景色だったんだろうなというのがなんとなく想像できます。

数の多さからいつまでも残るものと思い込んでいましたが、「2023年にはキハ183系完全引退か?」という状況がやってくるだなんて想像もしていませんでした
いくら「オホーツク」といえど、実際に引退が発表されれば乗り納めに訪れる人でいっぱいになることは想像がつきます。しみじみと静かに味わえるこの時期に来たのは正解だったのかもしれません。

 

稚内からの「宗谷」が隣に並びました。
札幌~稚内間の営業キロ396.2kmは道内の特急では最長ですが、名寄以南の高速化を受けたおかげで「オホーツク」より15分以上短い5時間10分で走り抜けます。

写真のキハ261系0番代は北海道を牛耳るようになったキハ261系一族の始祖ですが、1000番代に比べると設計にだいぶ違いがあります。
デビューは1998年とすでに25年近くが経過しており、たびたび故障して別の車両で代走している姿も見かけます。この車両もキハ261系1000番代で置き換えられる時代が来るのかも、と考えるのは飛躍しすぎでしょうか。

 

キハ183系への感傷に浸ったあとは、ホテルに荷物を置いて夜ご飯!1月に訪れた「札幌ジンギスカン だるま」は23時まででおしまいですし、メニューの価格が大幅に上がっていることもあって、そろそろ別店舗の開拓が必要です。

今回はホテルのすぐ近くにある「味の羊ヶ丘を訪れてみました。25時まで営業なのでまだ余裕があります。

 

1日を締めくくるにはやっぱりビールでしょう。キンキンに冷えたビールをごくごくと流し込む感覚がたまりません!
本当はジンギスカンと一緒に冷えたビールを飲むというのは、肉の脂が固まる要因になって良くないそうですが…まぁ1杯だけですから。

 

お肉が出てきました。札幌らしく、味のついていない生の羊肉を焼いて、タレにつけて食べるスタイルです。

おなじみのジンギスカン鍋に羊の脂を載せ、野菜をどっさり。「だるま」と違ってモヤシがメインの焼き野菜と、臭みの少ないおいしい羊肉をいい感じに焼いていただきます。
時にご飯、時にビール、そして日本酒も体に取り込んで上機嫌!北海道に来たらやはりジンギスカンは欠かせませんね。

…翌朝起きると着ていたものが全てジンギスカンの匂いに染まっていて驚くまでがセットです。
ごちそうさまでした。

 


■ 今日ののりもの
○ その1
札幌市営地下鉄・5000形】すすきの→さっぽろ:2km

○ その2
JR北海道キハ261系札幌→釧路:336km

○ その3
JR北海道・510系】釧路→塘路:28km

○ その4
JR北海道・510系】塘路→釧路:27km

○ その5
JR北海道・キハ54形】釧路→網走:168km

○ その6
JR北海道キハ183系網走→札幌:376km

○ その7
札幌市営地下鉄・5000形】さっぽろ→すすきの:2km

今日の合計移動距離:939km
Google mapのタイムライン機能より算出