あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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北海道のあれもこれも乗りたい! - 1日目【後編】(2022年6月14日)

東鹿越~新得の不通区間は地元の「ふらのバス」によって代行バスが運行されています。列車から乗り継いだのは5人で、残る3~4人はそのまま富良野方面へと折り返していくようです。
ハイデッカー車を使った立派な代行バスなのに、この乗客数はなんとももったいない感じ。この程度の人数なら大型ワゴン車でも捌けるほどですが、土日になると乗客が増えたりするのでしょうかね。

 

www.jrhokkaido.co.jp

 

 

駅舎に「幌舞駅」と看板を掲げているのは幾寅駅です。
幾寅は浅田次郎の小説『鉄道員(ぽっぽや)』を基にした同名の映画(1999年)の舞台になった場所です。Wikipediaによれば、映画の撮影のために古びた駅舎をさらに古ぼけた見た目にする「改修」が行われたとか。

 

 

駅前には映画の撮影に使用されたセットの街並みがそのまま残されており、作品の雰囲気がそのまま味わえるようになっています。

右側に写っているのは映画でも登場した「ぽっぽや号」。2005年に廃車されてから前頭部分だけここで保存されています。キハ10系列などのさらに古い気動車にイメージを合わせるため、キハ40 764号車はヘッドライト部分が一つ目に改造されているのが特徴的です。

 

幾寅ではわずかに乗降がありました。駅前で転回して再びバスは東へ。
この国道38号線には「北海道ガーデン街道」という名前があります。北海道を代表する美しい8つの庭園が集中している道路ということで名付けられたそうで、全長は250kmとさすが北海道というスケール感!

車窓にはひたすら畑が流れていきます。奥には列車が通ることはもう今後一切ないであろう根室本線の線路も…

 

www.hokkaido-garden.jp

 

 

ひたすらまっすぐに伸びる道路…たまにあるカーブも緩やかです。
これだけ伸びやかな道を法定速度で走れというのも難儀な話で、50~60km/hでゆったりと走る代行バスを一般のクルマがビュンビュンと追い抜いていきます

この流れに乗って道外ナンバーやレンタカーが調子に乗ると取り締まりのいいカモなる、なんて話を聞いたことがありますが…

 

18時頃に落合駅に到着する頃にはなってだいぶ日が傾いてきました。
ここから新得へは狩勝峠を越えていかねばなりませんが、当初は旭川からの線路はこの落合で終わっていました。開業から6年後の1907年にようやく狩勝峠を越えて帯広までの線路がつながります。
急な坂道を登っていくためには補助の蒸気機関車が必要で、落合はそのための機関庫も併設されていたターミナル駅でした。

戦前には森林鉄道で運び出された木を中継するための貯木場もあったそうで、広い駅前広場はその時代の名残なのでしょうか。

 

バスは狩勝峠に差し掛かりました。文字通り石狩国十勝国を隔てる日本海側と太平洋側の分水嶺。今までのまっすぐでゆったりとした道路は表情を変え、急なカーブと坂道で山間を抜けていきます。

1907年に狩勝峠を越える鉄道が帯広まで通じたことを書きましたが、現在の落合~新得間は開業当時とは全く違うルートを通っています。開業時からの旧線は最急勾配25‰(1,000m進むと25m上下する)、最小半径180mという難所。
1966年に山を東西に貫く「新狩勝トンネル」が開業したことで根室本線は新線へと移行し、旧線は廃止となりました。現在も旧線の線路跡ははっきりとわかるように残っているそうで、特に新内(にいない)駅の跡地から新得駅の手前までの約10kmは「狩勝ポッポの道」という遊歩道として整備されています。

ちなみに国道38号線は旧線のルートに近く、「日本三大車窓」に数えられた景色を見ることができますバスへの代行になっているからこそ見られる、というのはなんとも皮肉な話ですが…

 

www.karikachi.org

 

 

代行バスは途中「十勝サホロリゾート」を経由します。どうせ近くを通るのだからシャトルバスも兼ねてしまえ、という考え方のようです。富良野方面から鉄道で新得へ抜けてから来るよりも、利便性が良くなっている気がしますね。

東鹿越からおよそ70分、終点の新得駅前に到着しました。狩勝峠を越えて乗ってきたのはあさかぜを含めて2人だけ…
なお手元にある『JR時刻表』2010年3月号によると、東鹿越~新得間は列車で移動しても50~60分ほどかかるのが標準のようです。1本だけ38分とかいう時間で走り抜けるのもいましたが、石勝線内で特急列車の待避がないのでしょう。
バスだと渋滞や積雪に左右される可能性があるとはいえ、想像していたよりも列車との時間差はありませんでした

 

地域起こしの一環で「ポケふた」というポケモンが描かれたマンホールが設置されていました。ヒメグマとロコンアローラのすがたといういかにも北海道らしい組み合わせ。かわいい。

 

local.pokemon.jp

 

 

行こうと思っていた駅前のそば屋はお休みでした。
同じく駅前にある「暖笑(だんしょう)」という定食屋は、一見の観光客にはなんとも入りづらい雰囲気…のれんやメニューこそ出ていますが、店舗名も営業時間も掲げられていません…

1人だけお客さんらしき姿があったので、恐る恐るガラス戸を開けて「大丈夫ですか?」と尋ねると「どうぞ~」と快く招き入れていただいたので、ここで夕食としましょう。

 

「街の定食屋さん」といった雰囲気で、定食、そば・うどん、寿司と一通りのメニューがそろっています。Googleの口コミを見て気になっていた豚丼(850円)を選んでみました。

厨房で豚肉の塊から切り出されているのが見えます。さほど待つことなく出てきた丼の肉が分厚いこと!
そして醤油に砂糖が利いた甘~いタレが絡んでめちゃくちゃおいしい。お肉も柔らかいし、脂身まで甘く感じるぐらいです。大当たりを引き当てた気分。
一緒に出てきた味噌汁もできあいのものとは違う、暖かい味わい…

さっき駅弁を食べてから3時間ぐらいしか経っていなかったので少ない方のメニューにしたのですが、1サイズ大きくてもいけてしまった気がします。

 

www.butadon.com

 

 

ご飯を済ませたらお風呂へ。駅舎に向かって左側へ進むと町営浴場があります。毎日50kmほど離れたトムラウシ温泉からトラックで温泉をわざわざ運んでくるそうですが、入浴料はたった420円とかなりリーズナブルです。
石けんやシャンプーの備え付けはなく、1回分の小さなボトルをそれぞれ50円で販売。入浴料など全て備え付けの券売機で購入します。

無色透明でほとんど匂いのしない、見たところ普通のお湯にしかみえないのですが…入ってみるとびっくり!はっきりわかるレベルでヌルヌルとした泉質です。
冬なら湯冷めせずにとても良さそうな温泉ですが、いまは外に出ても火照りが引かず暑いぐらい…!

 

www.shintoku-town.jp

 

 

20時ちょうどの「とかち10号」まで少し余裕があるので、駅前のスーパーで晩酌用のビールとおつまみを買っておきます。
2時間ほどの滞在でしたが、おいしい豚丼と体の芯から温まる温泉に出会える充実の時間が過ごせました。

いままで新得なんてただの通過点としか思っていませんでしたが、やはり実際に足を運んでみると魅力が発見できます。

 

定刻通り新得を発車しました。席に落ち着いたら、早速1本目のビールをオープン。この瞬間がたまらない…!

先ほどのスーパーで初めて見かけたのですが、このサッポロビール園サマーピルス」は夏限定のメニューみたいですね。
夏らしい爽快感のある味で箱買いする知り合いもいましたが、個人的にはちょっと酸味が強すぎる気がします。

 

www.sapporobeer.jp

 

 

因縁?の占冠駅。雪もポイント故障もない今日は長居することなくすぐに発車します。

あれだけわざわざとんでもない大雪の中へキハ283系「おおぞら」に乗りに行ったものの、引退後まもなく
キハ283系は特急『オホーツク』に転用されるらしい」
というウワサがまことしやかにささやかれるようになりました。
情報源はJR北海道系の広告会社から出たリストだったようで、信憑性はそれなりにありそう…

「あそこまで必死に乗りに行く必要もなかったのでは…?」
という気はしなくはないものの、車両は同じでもやっぱり列車が違えば別枠です。

 

電車の話はともかく、2本目を開けましょう。
北海道といえばやはりサッポロクラシックです。これを買って飲むために北海道へ来ているのも、理由の2割ぐらいあるかもしれません。
安定のおいしさ。暑いときに飲んでもヨシ、寒いときに飲んでもヨシ、どんなときにどんなものと飲んでもおいしいビールです。最高!

新得は地図で見てみると案外帯広寄りのところにあって、札幌までこの「とかち10号」は2時間15分かかります。とても350ml缶合わせて2本では足りぬ…

 

www.sapporobeer.jp

 

 

22:21、定刻より6分遅れで終点の札幌に到着しました。広大な北海道で6分程度だったら定刻通りの範囲内です。

座席はキハ283系指定席と同系統のいわゆる「グレードアップ座席」となっているので非常に快適でした。長時間乗ることの多い北海道にふさわしいシートで、2時間程度の乗車ならば全く疲れを感じません。

 

今回のホテルは「JALパック」のパッケージツアーで2番目ぐらいに安いところだった「クインテッサホテル札幌すすきの」です。1月に利用したホテルと同様かなり新しいホテルのようで、キャンペーン価格だったのでしょうか

何せあさかぜ1人の「単騎遠征」にも関わらず、部屋はシングルベッド2つが並んだツインルーム。ベッドの上で広げるほど大量の荷物もありませんし、窓側のベッドは一切使うことなく終わりそうです。掃除させるのが申し訳ないぐらい。

 

quintessahotels.com

 

 

外の店に食べに出るのもおっくうになったので、テイクアウトしてきて部屋で夕食にします。

ホテルのすぐそばにあるさっぽろラーメン 満龍あんかけ焼きそば(1,020円)をいただきます。
固めのあんかけがしっかりと麺に絡みます。具材も麺もたくさん入っていて、見た目以上にボリュームあり。最初はオプションで餃子でもつけようかと思っていましたが、食べきれなくなるところでした。

お供はサッポロクラシックの夏季限定「夏の爽快」。初日から北海道をかなり満喫できました。

 

manryu.co.jp

 

 


■ 今日ののりもの
○ その1
日本航空・Boeing 777-200ER】羽田空港新千歳空港:901km

○ その2
JR北海道・733系】新千歳空港→札幌:46km

○ その3
JR北海道・789系】札幌→滝川:84km

○ その4
JR北海道・キハ40系】滝川→東鹿越:93km

○ その5
ふらのバス・鉄道代行バス東鹿越駅→新得駅:42km

○ その6
JR北海道キハ261系新得→札幌:173km

○ その7
札幌市営地下鉄・5000系】さっぽろ→すすきの:2km

今日の合計移動距離:1,341km
Google mapのタイムライン機能より算出