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【microTRIP】ひたちなか海浜鉄道(2022年1月28日 )

せっかく(父親名義で)クルマが新しくなったので、一人でひたちなか市までドライブしに来ました。1.5Lの自然吸気エンジンだったホンダ・フリードに比べて、1.8Lターボのスバル・レヴォーグは高速道路を流すときにかなり楽になりました。シートの座り心地も圧倒的によくなりましたしね。

ただスバルAWDの宿命で小回りが利きづらいのに加えて、1,800mmと広い車幅は取り回しに少し苦労します。足回りが硬いのも気になりますが、これは慣れるか距離が伸びてこなれれば気にならなくなるのかも…?
ともあれ全体的な運転の快適性は大幅に向上したといって差し支えありません。まぁフリードの1.5倍以上の価格がしているのですから、良くなってくれなきゃ困るのですが。

というわけで、那珂湊漁港に店舗を構えるヤマサ水産の「市場寿し」で朝ご飯にします。朝10時から開くのがうれしい。

 

www.yamasa-suisan.com

 

 

新鮮な海の幸が味わえます。クジラの寿司(右皿)なんて初めて食べました。硬すぎない程度にしっかりしたかみ応えがあります。におい消しにタマネギとショウガが添えられていますが、臭みはほとんど感じません。
左の皿はウニの軍艦。100円の寿司と比べたらもちろんはるかにおいしいですが、それでもやはり北海道で食べる方がおいしく感じます。

他に太刀魚もありましたが、こちらは骨があたって個人的にはいまひとつでした。

 

 

木目の皿は550円の一番お高いメニューです。
載っているのは大トロ、魚の身にはここまで脂がのるのかと驚きます。何せ上から醤油を垂らしたら弾かれるのですから。ただ脂がノリノリゆえ、一皿食べれば充分な気分になって、消化器がすっかりオジサンになってしまったのを痛感します…

 

おいしいお寿司を味わってから、漁港から徒歩15分ほどのひたちなか海浜鉄道 那珂湊駅まで歩いてきました。せっかくここまで来ているので、機会を逃さずに乗っておきましょう。
窓口で「湊線1日フリー切符」を購入。発売金額は1,000円なので、端から端まで1往復すれば元が取れます。

 

www.hitachinaka-rail.co.jp

 

 

運転間隔は日中でも35~40分程度が確保されていて、地方のローカル私鉄としてはかなり便利な部類に入ると思われます。勝田~阿字ヶ浦間の全区間の通し運転がほとんどですが、朝夕のラッシュ時間帯のみ勝田から車庫のあるここ那珂湊区間運転の列車が存在します。

主力車両は1995年に導入されたキハ3710形(「みなと」の語呂合わせ)と、JR東海から譲り受けたキハ11形。左端に見えるキハ20形はさすがに定期運用に入ることはなく、イベント時に稼働するのみとなっているようです。

 

駅の裏側に直結して茨城交通のバスの車庫があるところから察せられるとおり、元々は茨城交通湊線として運営されていた路線でした。しかし鉄道事業は赤字続きで経営を圧迫しており、バス事業を主軸とする茨城交通本体も経営再建が必要な状態に。

そこで2008年、茨城交通の再建に先駆けて湊線を第三セクター鉄道ひたちなか海浜鉄道へと継承。国や自治体の支援を受けながら積極的な運営を行い、徐々に利用客数は回復してきています。

 

新たな鉄道会社に引き継がれたとはいえ、基本的な光景は茨城交通時代のままで、駅周辺の名所案内はかなり年季が入ったものとなっています。
一方、「なかみなと」の駅名標は茨交時代のものに見せかけて、ひたちなか海浜鉄道になったあとのものです。隣の「高田の鉄橋」は2014年に開業した湊線の新駅ですから、わざわざ往時の雰囲気を再現しているわけです。

 

那珂湊から15分で常磐線と接続する勝田に到着。
湊線の各駅に設置されている駅名標は、各駅の名物や特徴を取り入れた現代アート作品ともなっています。勝田はひたちなか海浜鉄道のシンボルカラーであるオレンジをベースに、鉄道車両ロゴマークが描かれたもの。

 

www.hitachinaka-rail.co.jp

 

www.g-mark.org

 

 

乗ってきたキハ11-5には、干し芋生産量日本1位のひたちなか市にちなんで「ほしいも列車」のラッピングが施されています。車両外側のイラストだけでなく、車内のつり革にも干し芋を模した飾り付けがあって、全身で干し芋をアピールしています。

このラッピング車両は2022年2月までとのことだったので、ギリギリで乗車することができました。

 

ラッシュ時以外は1両での単行運転が主体なので、折り返しの阿字ヶ浦ゆきでは来たときと別の車両に乗ります。
こちらはJR東海時代の姿そのままを残しているキハ11-6。元々は名古屋市内の偉大なるローカル線、東海交通事業 城北線で使うために製造された車両でしたが、実際はほとんど高山本線太多線で使用されていたそうです。もしかしたら学生時代に高山本線に乗ったときに利用したかもしれません。

 

勝田からはしばらく住宅街の中を走って行きますが、4駅目の中根付近から一気に景色が開けます。今は冬なので田んぼはご覧の通り枯れ果てた色となっていますが、田植えの時期になれば水面に列車が反射する美しい光景になりそうです。

中根の駅名標前方後円墳がモチーフとなっていますが、これは駅から徒歩25分のところにある虎塚古墳を表したものです。

 

那珂湊への到着寸前に見えるキハ20 429は、去年の10月に訪れた広島県芸備線で活躍していた車両です。茨城交通に来てからはキハ2000形2001として運用されていたようですが、現役を引退した現在はこのように那珂湊駅構内で保存されています。

湊線に来る前は鹿島臨海鉄道で使われていた時期があり、そのときにヘッドライトが角形のものに変えられたようです。すさまじい違和感…

 

後ろ1両を切り離して身軽になりました。那珂湊の市街地を離れると今度はひたすら畑の中を進んでいきます。遠くに見えるのは国営ひたち海浜公園の大観覧車「ブルーアイズ」。

 

利用客のほとんどは勝田~那珂湊間に集中しているようで、車内の乗客は数えるほどになってしまいました。
座席はJR東海らしいクッションの利いたボックスシートで、片道30分足らずの路線には充分すぎるぐらい快適です。このシートに座った後でJR常磐線E531系のボックスシートを使ったら、落差のあまり愕然としますね…

 

勝田から14.3km、28分の小旅行を終えて阿字ヶ浦駅に降り立ちました。勝田と同じようにすぐ折り返してしまってはもったいないので、駅の周辺を見て回ることにします。

 

乗降用ホームの向かい側には以前湊線で活躍していたディーゼルカー2両が保存されています。ボロボロだった那珂湊駅の2001号車に比べると、手入れもされていてかなり美しい状態を保っています。

 

青と白に塗られた手前側の車両は1962年製のキハ222北海道の羽幌炭礦鉄道で使われていたキハ22形茨城交通に渡ってきたものです。隆盛を極めた羽幌炭鉱の石炭を運び出していた同鉄道は国鉄とも直通運転を行っており、そのために国鉄キハ22形と同一仕様の大型車両が入っていました。
運転席側の窓は一般的なワイパーではなく、ガラスを回転させて雪や水を飛ばす「旋回窓」が採用されているのが雪国仕様の証。

 

奥に止められているのは1966年に製造されたキハ2005。やはり北海道の炭鉱路線で、羽幌炭鉱からそう離れていない留萠鉄道で使われていた車両です。やはり国鉄への乗り入れに対応するために製造されましたが、キハ222と違って留萠鉄道のオリジナル要素が入っていたようです。羽幌炭礦鉄道と同様に閉山に伴う路線廃止で茨城交通へと渡ってきたものでした。
キハ2005は旋回窓を採用せず、一般的なワイパーを採用しているようです。残念ながら反対側が見える場所まで立ち入ることができないので、じっくりと観察することはできませんでした。

 

駅から歩いて5分ちょっとのところに堀出(ほりで)神社があります。1663年から続く由緒正しい神社です。
社名の由来は磯前明神の御神体である脇差や槍などが「掘り出された」ことにちなんだものだそうです。

 

ただ失礼ながら堀出神社を有名にしたのはこの本殿ではなく、裏側にある「ほしいも神社」です。
先ほども触れたとおり、ひたちなか市干し芋の生産量が日本一。そこで元号が令和に変わってすぐに、境内の一角に「ほしいも神社」が建立されました。

 

horide-hachiman.com

 

 

金ぴかの鳥居が並ぶほしいも神社。名産の「干し芋」と、願望の「ほしいもの」をかけたネーミングになっているとか。

 

ほしいも神社の建設の際、たまたま発見したという不思議な形をした木。「陰陽の神木」と名付けられてほしいも神社のご神木となりました。男女の性器が向かい合った形をしている、ということで五穀豊穣や子授かりの御利益があるとされているようです。

たくましい商魂、なんて言ったら怒られてしまいそう…

 

宮司さんが乗るのか、ほしいも神社の境内の片隅に置かれていたトライクも全面的にラメ入りの金色。ご丁寧にほしいも神社のロゴまで入っています。Shrineとはあえて書かないんですね…

背後のプレハブ小屋では観光案内のパンフレットを配布している他、名産の干し芋が購入できる自動販売が設置されていました。
神社の横の坂を下っていけば海に着きますが、その辺は後に回すことにしましょう。

 

阿字ヶ浦駅まで戻って来ました。
最大3両分のディーゼルカーが発着する部分だけがかさ上げされていますが、元々のホームは7両分が停車できるほど長いものになっています。駅から歩いて20分もかからないところに阿字ヶ浦の海水浴場があり、「東洋のナポリ」とまで呼ばれたとか。
なんとも大げさなネーミングですが、実際にその東洋のナポリを目指して常磐線から臨時列車が直通してきて、夏は多くの海水浴客で賑わったそうです。

 

蒸気機関車が運行されていた時代の名残なのでしょう、敷地の片隅にはどう見ても給水塔としか思えないコンクリート製の遺構がありました。機回し線のだった線路の跡もすぐ隣にあります。

 

現在は寂れた終点駅となっているひたちなか海浜鉄道湊線の阿字ヶ浦駅。なんと2018年3月に延伸計画が持ち上がり、約3km先にある国営ひたち海浜公園へ向けて線路が延びることになりました。現在のところ2024~25年頃に開業する予定だそうで、延伸後はアクセス性向上のために快速列車の運転もシーズン限定で検討されているとか。
現状維持はおろか縮小が当たり前の地方私鉄において、延伸計画が持ち上がって実現へ動くというのは奇跡的といってもいいぐらいです。

現状の法律では新たに踏切を設置することができないため、ほぼ全線が高架線路で建設されます。
この阿字ヶ浦駅も2年後にはまた新たな姿になっているのでしょうか、楽しみです。

 

travel.watch.impress.co.jp

 

 

湊線の沿線ではいくつもビニールハウスを見かけます。阿字ヶ浦駅の裏側も例外ではなく、大きなビニールハウスが5つ6つ並んで立っていました。

ネット越しに中を覗いてみると、並んでいたのはたくさんの干し芋干し芋生産量が日本一というのも納得できる光景です。なんとなくサツマイモの甘い香りがするようなしないような…

 

那珂湊駅へ戻るのは茨城交通改めひたちなか海浜鉄道生え抜きの3710形。不思議なデザインに見えますが、これは重機メーカー「コマツ」の広告車両になっているからです。

新潟鐵工所、現在の新潟トランシスが製造しているローカル線向けディーゼルカー「NDC」シリーズの車両です。1995年・1998年・2002年に1両ずつが導入され、3両とも活躍を続けています。この車両は真ん中の2両目。
導入する事業者に合わせつつも、基本的な仕様をそろえることで汎用性を追求しているのがNDCシリーズの特徴。なので導入年次が近い鉄道事業者では同じ顔つきの車両を見ることができます。

 

車内は窓を背に座る、文字通り長い長いロングシート
真っ昼間の末端部分なので今のところ乗客はあさかぜ一人しかいませんが、特に朝の通学時間帯にはどうしても大勢の学生さんが集中するのでロングシートの方が都合が良くなります。「旅情」という面ではいまひとつになってしまいますが、地方ローカル線の主な利用客は今も昔も高校生ですから、それを主軸とした構成になるのは当然といえば当然です。

発車間近になってもう1人地元の方が乗り込んできて、阿字ヶ浦をあとにしました。

 

10分ちょっとで那珂湊に到着。あさかぜと入れ替わりに大勢の人が乗り込んでいきました。勝田と那珂湊の間は昼間でもそれなりに需要があるんですね。

那珂湊駅は近隣のバス路線が集中するターミナルでもあり、先ほども触れたとおり茨城交通那珂湊営業所と車庫が併設されています。
2009年の経営再建の際に、公共交通機関の再建でよく名前を聞く「みちのりホールディングス」の傘下に入りました。2019年には同じHD傘下にあった旧日立電鉄のバス会社を吸収し、現在の運営規模となっています。

 

那珂湊の漁港でおやつに生牡蠣とカニの甲羅焼きを食べてからクルマに戻り、先ほど訪れた阿字ヶ浦まで運転してきました。やはり後輩に勧められた「阿字ヶ浦温泉 のぞみ」で運転の疲れを癒してから帰ることにします。

独特のヌルヌルとした塩化物泉で、有効成分の濃さがウリだそうです。確かに湯上がりに風に当たってもなかなか火照りが引かず、新陳代謝の悪いあさかぜでも汗が止まりません。露天風呂で風に当たりながら太平洋を眺め、火照った体を鎮めるというのが気持ちがいいですね。

 

www.ajigauraonsen.jp

 

 

温泉のすぐそばには「東洋のナポリ」こと阿字ヶ浦の海水浴場が広がっています。きれいな弓なりに続く海岸で、確かにこれを目当てに訪れるのも納得がいきます。

浜辺には蛍光ジャケットを着たおじさんたちが釣りをしていました。この時期は何が釣れるのでしょうか。

 

www.ibarakiguide.jp

 

 

旅の記念に、太平洋を背にしてクルマの写真を撮っておきます。
こうやって撮ると海辺ギリギリにまでクルマを入れているように見えますが、ちゃんと海から数段高くなったところに駐車場が設けられていますのでご安心を。
真冬の今はガラガラですが、これが夏の海水浴シーズンになれば広い駐車場が埋まるぐらいに人が訪れるのでしょう。

 

半日ばかりのちょっとしたドライブ旅行は楽しかったです。
往復300km程度とはいえ、シートが良くなったりパワーが向上したおかげで疲れることなく出かけてくることができました。図体がデカくなったとはいえお出かけ性能は大幅に向上したので、今度はもっと長距離のドライブに出かけてみたいですね。