あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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家族旅行はリフレッシュ…? - 1日目【後編】(2021年11月17日)

両親と合流してロッカーから荷物を引っ張り出し、地下鉄三宮駅へ降りてきました。ここから地下鉄と神戸電鉄を乗り継いで、本日の宿泊地である有馬温泉を目指します。
新神戸から谷上までの7.5kmは、2020年5月末まで北神急行電鉄という別会社が運営していました。六甲山をぶち抜く長大なトンネルを自前で掘って運営していたこともあり、途中駅はないのに運賃は370円と高め。さらに神戸市内から有馬温泉へ抜けようとすると地下鉄+北神急行神戸電鉄という3社をまたぐことになって、ずいぶん電車賃がかかることになっていました。

2018年から株式を保有する阪急電鉄などと交渉を進め、神戸市が運行設備など一式を引き受けて一体的に運行することを決定。このおかげで三宮~谷上間550円だった運賃が280円まで下がることになったのです。

 

終点の谷上では対面で神戸電鉄の電車に乗り換えられるようになっています。19m車6両編成が18m車4両編成に載せ替えられるので車内はかなりの混雑です。
坂もカーブも急なので揺れる揺れる…

有馬口駅は有馬温泉駅に直通できる構造になってはいますがほとんどの列車は反れて三田線に入っていってしまうので、有馬温泉まで行くなら乗り換えはほぼ必須。駅構内を小走りで乗り換えて約5分、周辺を温泉宿に囲まれた有馬温泉駅に到着しました。

 

 

駅から歩いて数分の「有馬御苑」というホテルにチェックインし、両親は休憩もそこそこに散歩へ出ると言い出しました。還暦を過ぎた両親よりもあさかぜのほうがよほど疲れている感じです…

11月半ばですが、山々はまだうっすら色づいている程度で「紅葉」というにはまだまだ早そう。

 

www.arima-gyoen.co.jp

 

 

平日にも関わらず通りは観光客がたくさん歩いています。クルマも結構多い…

 

どっちを向いても目に入るのは「炭酸せんべい」の文字。明治期に有馬温泉から湧き出す炭酸泉を使ってせんべいを作ったのが始まりだそうで、軽いパリッとした食感と甘い味付けはせんべいというよりゴーフルです。
どこのお店も「本舗」「元祖」「総本店」などと名乗っており、客を呼び込むための自己アピールに余念がありません。

お店によっては焼きたての炭酸せんべいを出す「なま炭酸せんべい」というのをウリにしているところもありました。

 

通りの奥に見えるのはどう見てもホテルが廃業したようにしか見えない廃墟…
と思ったら1階部分には照明がついており、完全に放棄された建物ではないようです。

帰ってから調べてみたところ「池之坊満月城」という温泉ホテルだった建物で、2007年頃からは宿泊施設としては事実上廃業になっている様子。調理場は仕出しか何かで使われているらしいという記述もありました。ホームページを見たところ敷地は有料駐車場として貸し出されており、写真の左奥の方から出入りできるようです。
有馬温泉観光の代表格である「金の湯」から徒歩1分だそうですから、日帰りでの利用には便利かもしれません。
なお「女将のブログ」は2012年初頭で更新が途絶えていました…

 

www.ikenobo.co.jp

 

 

先ほどホテルの窓から見下ろしたとおり、紅葉と呼ぶにはまだ早い感じ。とはいえ電球色の照明がアクセントになって、これはこれで淡くて良い感じです。

ちなみにこの時期は紅葉シーズンということで平日でもホテルの宿泊費は少しお高めに設定されています。福利厚生ポイントを使うべく旅行会社にいったところ、A(最高値)~E(最安値)の中でC期間という扱い。
有馬は元から高級温泉街なだけに、だいぶ宿泊費が高くつきました。

 

脇道に入って古くからの温泉街の街並みを楽しむことにしましょう。
細い路地を上がっていくとすぐに見えてくるのは先ほども話題にした「金の湯」です。神戸市営の公衆浴場で入浴料は650円

金の湯に引かれている「金泉」は強い塩化物泉で、溶け込んだ鉄分が酸化して茶色に濃く濁ったお湯が特徴です。周辺のホテルはこの金泉と無色透明な「銀泉」の両方を引き入れていることがほとんどで、宿泊すれば両方が楽しめます。

 

arimaspa-kingin.jp

 

 

金の湯の裏側には金泉の源泉があります。観光地化を図ってライトアップされているのですが、何もこんなきわどいピンク色で照らし出さなくてもよかったのでは…?

 

狭い路地と立ち並ぶ古風な建物の雰囲気がいかにも古くからの温泉地といった雰囲気。渋い空気感がたまりませんね。

 

温泉街では各所に源泉が湧き出していますが、中心部から湧き出しているのは全て金泉です。銀泉は温泉街の端の方、もっと斜面の上側から湧き出しています。ごく近い場所から全く異なる2種類の温泉が湧き出すのは珍しいことだそうです。

まぁしかしこの写真をご覧になってわかると思いますが、要所要所に快感にもだえるオッサンの顔が激しくアピールしてきます。何なんだこれは…?

このオッサンの顔は今年で12回目を迎える「六甲ミーツ・アート芸術散歩」の展示作品だったようです。2021年は9月11日から11月23日までの開催で、たまたま我々はその期間内に居合わせたのでこのオッサンの顔を眺めていたわけ。
彫刻家の佐藤圭一氏による「おねすと」という作品群で、氏は人の顔や表情をモチーフにした彫刻を主に手がけています。

 

 

arima-dayori.com

 

 

細い路地をさらに上がっていくと天神様がありました。ここでも温泉が湧き出しており、天神の境内にあることから「天神泉源」と呼ばれています。そしてここの鳥居の横にもオッサンの顔がそびえています。

 

www.arima-onsen.com

 

 

元から芸術に明るいわけではありませんし、大学の「西洋美術史」の講義もちんぷんかんぷんでさっぱりだったのであれこれ言える立場ではないのですが…
やはり現代アートというのはよくわからない存在です。

とはいえ現在では「天才」とか「傑作」とか言われる芸術作品も、生み出された当時はさっぱり評価されなかったという例は珍しくありませんから、これが後生になれば評価される事があるのかもしれません。
そしてその頃になれば「こんなものはアートじゃない」と批評される「現代アート」がまた新たに生まれているんでしょうね。

 

オッサンの顔はこの辺にして天神泉源の話です。
ここもやはり金泉の湧き出す場所。近寄るとモワッとした熱気とともにゴポゴポという湧き出る音が聞こえてきます。源泉の温度は98度もあるのだそう。

湧き出す金泉は600万年前の海水だと言われています。太平洋から日本の下へと沈み込むプレートとともに潜り込んだ海水が地球中心部のマントルによって温められ、それが地中の成分を取り込みながら地表へと登り詰めてきたのが金泉。
なお鉄分が参加して茶色く濁るのは湧き出して空気に触れてからだそうで、湧き出した瞬間は無色透明なんだとか。茶色のお湯に日の光が反射し、金色に輝く様子から「金泉」と名付けられました。

 

 

www.kobe-np.co.jp

 

 

なお両親はあさかぜを急かして出てきた割に「もうそろそろ戻ろう」などと言って坂の下で待っているので、見学もそこそこに戻らなければ…
お邪魔しましたと天神様にお詣りをしてホテルへと戻ります。

 

食事の前にお風呂に入っておきます。有馬御苑も他のホテルなどと同様に「金泉」「銀泉」の両方が楽しめます。

豊臣秀吉の時代から「太閤の湯」として有名だった金泉に対し、銀泉の歴史は明治に入ってからと割と最近の話です。
「てっぽう水」と呼ばれるほど豊富な炭酸を含んだ銀泉の温度は20度しかありません。有馬温泉では加温したりラジウム泉を混ぜたりして入浴に用いているとのこと。飲むと食欲増進にもなるそうです。

部屋からは温泉街が一望できます。仲居さんが食事の準備をしながら周辺の観光案内や小話を教えてくれました。
その中で「金泉の鉄分がタオルにつくと二度と落ちませんから気をつけてくださいね」という話をされました。確かにあさかぜもよその鉄分の濃い温泉で経験があり、日帰り湯などでタオルを持参するときは濃い茶色のタオルを使うようにしています。

 

有馬温泉の「金泉」「銀泉」、その泉質と効能を詳しく解説 - ゆこたびhttps://www.yukoyuko.net/yukotabi/archive/wu35329

 

 

ホテルに戻ってくる前に買ってきた六甲ビールで乾杯。美しい茶色のブラウンエールです。温泉でほてった体に冷えたビールのおいしいこと!
なお肝心の食事ですが、神戸牛を使ったすき焼きという目玉メニューも含めて、会席料理をおおよそ食い荒らしてから写真を撮っていないことに気付いたので、載せられるような写真はありません…

食事の片付けが済むと仲居さんたちが布団を敷いてくれます。
非番だし疲れたしで早々に寝落ち。父親のいびきも全く気になりませんでした。

 

www.rokko-beer.com