あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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陸海空四千キロを制覇せよ - 5日目(2021年10月7日)

※本文中の移動距離は「Googleタイムライン」機能を基にしています。実際の距離や営業キロとは誤差があります。

 

■ のりもの28:東京九州フェリー・「それいゆ」(新門司港→横須賀港:1,014km

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ザップン、ザップンとゆったりとした上下の揺れが横になっていてもわかります。この感覚が陸上の乗り物と違う独特なものゆえに船酔いを誘発するのかもしれません

朝7時すぎに起床。アネスロンの効果か、酔いづらい体質なのか、幸いなことに体には何の不調もありません。
ロビーの大型テレビにはリアルタイムの現在位置が表示されています。見に行ってみるとまだ高知県室戸岬の沖合…もう出航から8時間近くも経っているのに。

 

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デッキに出てみると周囲に何も見えない、まさに大海原といった感じ。ただかなり風が強くて手元のものが飛ばされてしまいそうです。

 

 

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就航に伴って新たにデザインされたファンネルマークが朝日に輝きます。
昨日も少し書いたとおり、東京九州フェリーはSHKライングループに所属しています。新日本海フェリー阪九フェリー、徳島経由で東京と新門司を結ぶオーシャン東九フェリーといった長距離航路や際内の貨物航路をいくつも保有する大きな船運会社グループです。特に日本海に複数の航路を持つ新日本海フェリーでは速力の出るフェリーに磨きをかけてきました。

従来のオーシャン東九フェリーでは徳島経由で約34時間を要していましたが、東京九州フェリーでは速力の速い船と外海に近い横須賀を発着とすることで約21時間まで短縮しています。
運航されている2隻ともトラックが154台積載できるのに対し、乗用車は30台と控えめ。旅客定員も268名と船の大きさの割にはかなり少なく、主な「客」は関東と九州を往来する貨物トラックであることがよくわかります。

 

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朝ご飯の前に朝風呂をしておきます。大浴場は6階にあり、出港2日目は朝8時から入港直前の夜8時まで利用できます。シャワーは24時間利用可能

フェリーの露天風呂なんて初めて入りましたが、大海原のど真ん中で入れる爽快感はクセになりそうです。ただ元から今日は風が強い日な上に船自体が時速50km以上で突っ走っているので、壁とガラスに囲まれているとはいえ風が強烈に吹き込んできます。

 

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進行方向の海を眺めながらトレーニングのできるジムエリアも設けられていました。今のところはコロナウイルス感染拡大防止ということで閉鎖されていますが、本来は無料で利用できるようです。

 

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朝食の営業時間は8時から9時までとちょっと短めです。シンプルにお粥セット」450円を注文。旅行先だとついつい派手めで重たい食事になりがちですが、たまにはこうしたお腹に優しい食事もいいものです。

 

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レストランのある5階の前方にはフォワードサロン」という休憩スペースもあります。長居して騒いだりするのを防ぐためか飲食物の持ち込みはできないのが残念ですが、

 

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この景色をずっと眺められるのなら飲食NGとなるのも仕方がないかなという気がします。ケータイの電波も入らないのでやることもありませんし、ボーッと過ごすのにはとてもよい場所です。今日は空が晴れ渡っているのでなおさら。

 

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10時少し前、船内放送で僚船「はまゆう」とのすれ違いが近づいていることが放送されます。屋外のデッキに出て待っていると右舷側に白い船の姿が近づいてきました。

海面にはピョンピョンと飛び回るトビウオの姿が見えます。残念ながら写真には撮れていませんでしたが、海面上を滑空している姿を本当に見ると結構感動します。

 

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お互いにほぼ最大速力で航行しているようで、みるみる近づいてきた船影はあっという間に後ろへと過ぎ去っていきました。相対速度は時速100kmもありますからね。
すれ違いざま、お互いに汽笛を鳴らしてあいさつ。こちらも「はまゆう」も、デッキで眺めていたのは数人だけでした。

ちなみに姉貴分にあたる「はまゆう」の名前は、横須賀市の花であるヒガンバナ科ハマユウに由来したものです。東京九州フェリーは就航地にちなんだ船名がつけられているわけです。

 

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和歌山県潮岬の沖合を航行しているようで、遠くの方にはうっすら紀伊半島らしき陸地の影が見えました。若干ながらケータイの電波が入るようになりましたが、重要な連絡が来ていないことだけを確認してポケットにしまいます。せっかく外界から隔絶されたところにいるのですから、今はその情報のない静かさを味わっておかないと損です。

デッキで風を感じつつ缶チューハイを飲もうと思っていたのですが、手回りのいろいろなものが飛んでいきそうなぐらいには風が強い…部屋に持って戻りましょう。

 

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11時からプラネタリウムの上映が始まるそうです。10分前にあさかぜが一番乗り、上映開始までに10人ぐらい集まりました。

 

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床にはYogiboの「人をダメにするクッション」がいくつも並んでいます。マイクロビーズのクッションに体を預けてゆったりとした船の上下動に身を任せていると、それだけで眠りを誘ってきます。上映時間は30分ほどと気楽に見られますから、部屋でやることがなくなった人は見てみるのもありでしょう。

 

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部屋に戻って本を読みながら1時間ほど眠っていました。自堕落な生活をしても怒られないのがフェリー旅のいいところです。やはり太平洋を航行中だからか船の上下動は続いており、酔いやすい体質の人にはつらいかもしれませんね。

東京九州フェリーでは期間限定でバーベキューコーナーが設けられています。当初は9月末までの予定でしたが、人気があったようで10月末まで延長されました。当日の午前中までに、4階売店横のインフォメーションでの時間を指定した予約が必要です。
日差しと風が強いのでさすがに屋根の下にIHコンロが置かれていましたが、陸上では感じられない開放感と一緒にビールを飲んで肉を焼く。最高!

支払いは通常の食事と同様、伝票のバーコードをレジに読ませます。

 

 

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デザートとして売店でアイスクリームを買って、再び部屋で電子書籍を読みながら寝落ち…気がつけば夕方5時ぐらいになっていました。

ロビーで現在位置を確認してみると、ようやく伊豆半島。電車の感覚だと横須賀までそんなに遠い距離には感じませんが、船ではまだあと3時間半もかかります。

 

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昼間の空のままならきれいな夕焼けが見られたのかもしれませんが、残念ながら雲が垂れ込めてしまいました。いよいよ伊豆半島がはっきり視認できるようになり、船旅はついに最終盤です。

 

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陸地に近づいたこともあって風はいくぶん凪いだようです。
昼間のうちに洗濯は済ませてしまいましたが、船を降りる前にもう一度お風呂に入っておきます。家に帰ったら大浴場はありませんし。

そうそう、トイレのあるスペースの一角にコインランドリーがあります。ビジネスホテルだと台数も少なく混雑しがちですが、「それいゆ」の場合は洗濯機も乾燥機も充分すぎる台数が備えてありました。洗濯機は1回300円(+別売り洗剤50円)、乾燥機は30分100円で地上と同じ価格
飛行機じゃこんな優雅にトイレだ洗濯だというわけにはいきませんから、やはり船旅は贅沢な時間と空間の使い方です。

 

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18時から夕食の時間が始まっています。東京九州フェリーオリジナルハンバーグセット」(1,200円)を選んでみました。熱々のスキレットに載って出てくるジューシーな肉厚ハンバーグに、ビーフのうまみがしっかり出たスープも添えられている本格派。価格はメニューの中では高い方ですが、満足感があるのでオススメです。

 

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いよいよ横須賀港が目前に迫ってきました。ロビーの現在位置表示も横須賀近辺がアップにされた地図へと表示が変わっています。

周囲も下船の準備で慌ただしくなってきました。クルマやバイクの人は一足先に自分の車両のところへ向かうように促されます。
あさかぜも忘れ物がないように部屋をチェックして、周りの人と同じくロビーで入港に備えておきましょう。

 

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20:35、定刻より10分早く横須賀港に着岸大きく揺れることもなく、とても快適な21時間の船旅でした。

新門司と同じくボーディングブリッジから下船してターミナルの中を抜けていきます。横須賀も就航に合わせて新たに整備された建物で、やはり鉄骨がむき出しになってコスト削減は意識しつつも明るく清潔な雰囲気があります。就航前はターミナルの設置を巡って地元の港湾業者と一悶着あったようですが、なんとか予定通りの開業にこぎ着けられて何より。

ターミナルの近くには「記念鑑三笠」をはじめとする観光スポットがいくつもあるので、九州へ旅立つ前の観光で賑わっていくといいですね。

 

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清掃や整備を経て、3時間後には「それいゆ」は再び九州へ向けて1,000kmの航海へと出発します。トラックの需要を考慮して運航は日曜日以外の週6往復。ドック入りする期間は新日本海フェリーから船を借りてきて対応するようです。

横須賀港からは徒歩で京急横須賀中央駅と向かいます。時間にして15分ぐらいなので苦労することなく歩ける距離ですが、送迎バスはもちろん路線バスの設定はありませんので、荷物が多い人や天気の悪い日は入港前にタクシーを呼んでおいた方が良さそうです。

 

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ゴロゴロと荷物を引きずって横須賀中央駅に到着しました…やはり重いキャリーケースを転がして歩いてくるのは普通に歩くよりも疲れますね。

京急線快特で横浜へ抜け、JR横須賀線グリーン車に乗り換えて千葉市の自宅まではおよそ110kmの道のり。4日間の総移動距離はここまで4,095km、ここから家までを含めると4,200kmもの長い旅路でした。日本列島を最短距離で縦断すると3,000kmほどだそうですから、それ以上をわざわざ乗り物で移動していたわけです。我ながら物好きだとあきれますが…

とはいっても、4日間で得られた体験は人生のどんなものにも代えがたいものです。だからよそ様から見れば「何をやっているんだ」という旅行でもやめられないんですよね。そしてまた新たな何かを見つけに出かける、これからもそれを繰り返して人生の糧としていこうと思います。

 

今日の移動距離:1,124km(鉄道110km・船1,014km)
ここまでの総移動距離:4,205km