あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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陸海空四千キロを制覇せよ - 4日目【前編】(2021年10月6日)

※本文中の移動距離は「Googleタイムライン」機能を基にしています。実際の距離や営業キロとは誤差があります。

 

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2晩お世話になったホテル法華クラブ福岡」をチェックアウトします。都市部はホテルの数に対して宿泊者が少ないのか、大浴場がついて素泊まり2泊で7,100円という破格の設定でした。

 

www.hokke.co.jp

 

 

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博多の手軽な名物は何もラーメンだけではありません。博多といえば「博多うどん」。コシのない柔らかなうどんで、職場の人からは「ええ、コシがないうどんはちょっと気持ち悪くて…」というネガティブな評価が返ってきますが、あさかぜは食べやすくてこっちの方が好きです。

 

www.yuramatayuramata.com

 

 

 

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定番のごぼう天を載せたかしわうどん。かしわは鶏肉を醤油や酒、みりんで煮込んだもののこと。うどんにかしわめしというのも定番の組み合わせなので、かしわおにぎりも一緒に注文して充実した「博多めし」となりました。

食券を渡せばすぐに出てくるし、もっちゃもっちゃと噛まなくてもするする食べられる柔らかいうどん。おいしく素早く食べられて最高です。

何かで「博多うどん」も「とんこつラーメン」も、せっかちな博多っ子のために生まれたものだという話を読んだことがあります。ラーメンに使う極細の麺はすぐに火が通るし、うどんはずっとゆでておいたものをサッと出す。せっかちさから生まれた食文化というわけです。

 

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787系に座を奪われて、気がつけば長崎方面への特急列車がメインとなっている783系。「かもめ」「みどり」ハウステンボス」と列車ごとにカラーリングを変えているところがJR九州らしいですね。
列車の愛称にも「白いかもめ」「白いソニック」(885系)・「青いソニック」(883系)・「黒いかもめ」(787系)といった具合に色が反映されているので面白い。787系を使う「みどり」に至っては「黒いみどり」と呼ばれるようになって笑ってしまいました。

 

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汎用性の高さゆえに様々なところに顔を出す787系は、ついにJR九州お得意のD&S列車にも改造されることになりました(D&Sとは「デザイン&ストーリー」の略)。「36ぷらす3」と名付けられ、コンセプトは「九州の全てがぎゅーっと詰まった”走る九州”といえる列車」という壮大なものです。

787系は「リレーつばめ」への改造時にダークグレー1色となっていますが、36ぷらす3ではもっと濃いメタリックな黒色に塗られ、ヘッドライト回りには金色の加飾が施されるなど印象が大きく変わりました。
787系のデザインは昨日も書いたとおりこれ以上ないほど完成されていると思っていますし、デザインを担当した当の水戸岡鋭治氏でさえ

「今見ても 787 系は良くできた車両だと思います。改造したくない気持ちもありますが、それがデビューしたときの感動を考えると、新たな感動を提供したいとも思います」

とインタビューで述べているほどです。
「もう787系なんて飽きたよ」と言えるぐらい乗って眺めてとやってみたいものです。

 

 

e-gyousyu.com

 

www.jrkyushu-36plus3.jp

 

 

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787系の愛を語っていますが、今日は9:24発の特急「ゆふいんの森1号」から1日がスタートします。787系とはまた違う「これから観光に出かけるぞ」というオーラをまとったキハ72系です。
一見して分かるとおり、車両は床を高くして眺望を良くしたハイデッカー構造になっています。


■ のりもの18:JR九州キハ72系(博多→由布院128km

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車内に入って一歩目でわかる森っぽさ。視界に入るもののほとんどは木が使用されており、シートモケットも葉をイメージしてか濃い緑色。D&S列車の先駆者といえる列車で、現在もなおJR九州を代表するD&S列車のひとつです。

車内はアテンダントさんが巡回し、乗客がいる席の前後のカーテンを開けたり車内の案内をしてくれます。発車前から漂う特別感…!

 

www.jrkyushu.co.jp

 

 

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編成全部がハイデッカー構造なのを生かして、デッキは橋を渡したような作りになっているのも特徴的です。デザインはもちろんのこと、乗客としても車両の行き来で階段を上り下りしなくて済みますし、クルーは車内販売のカートが使えます。

ハイデッカー構造はバリアフリーには不向きですが、後述の5両化の際に昇降用のスロープが3号車に設置されたとのこと。

 

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キハ72系ゆふいんの森III世」は4両編成で1999年にデビューし、インバウンド客の増加を受けて2015年に中間車を足して5両編成になりました。元からパワーには余裕があったようで、新しく足された4号車は走行用エンジンを装備しない「キサハ72」となりました。

ご覧の通り4号車はデビュー時からの車両とはかなり雰囲気が異なっています他の車両よりも振動が少なく静かですから、落ち着いて旅がしたい人には向いているかも。あさかぜのような音好きオタクには物足りませんが。

 

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デッキ部分も4号車だけ白が基調のまぶしいぐらい明るい空間になっています。

 

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新旧のシート比較。こうして眺めると15年の違いを感じます。新しいシート(下)はおそらく885系と共通ですが、革張りではなく布張りなのが違いです。

古いシートの方もよく手入れがされていてきれいですし、クッションが利いているのでとても快適です。

 

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3号車にはビュッフェスペースがあって、おかしや軽食、ひきたてのコーヒーの他に「ゆふいんの森」グッズも販売されています。二日市あたりから営業を始めていたと思います。

朝ご飯のデザートがてらドーナツとコーヒーを注文しにいってみたらコーヒーはまだ準備中だったそうで、あとでわざわざ座席まで持ってきてくれました。

 

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カップも「AROUND THE KYUSHU」のロゴが入っていて旅情をかき立てます。コーヒーと甘いドーナツの組み合わせが晴れ渡った車窓の景色をさらに引き立てます。

 

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久留米で鹿児島本線に別れを告げ、久大本線と入ります。車窓右側に見えてくるのは「耳納(みのう)連山」といって大分との県境まで続いていく山脈久大本線はしばらくこの山に沿って走り続けます。

山の上には道路も整備されており、ハンググライダーの体験ができたり、筑後平野の夜景を楽しむこともできるそうです。

 

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客室に合わせて運転席も天井が高い広々とした構造になっており、列車最前の席を取れば雄大な前面展望が楽しめます。あさかぜは最後部の座席から後方の景色を楽しんでいます。

そうそう、「ゆふいんの森」の車掌はJR九州の制服ではなく黒いスーツをビシッと決めています。最初は男性アテンダントなのかと思っていましたが、ドアの開閉と側方監視をやっていたので車掌で間違いなさそうです。道中では調子の悪いテーブルの修理なんかもしていて、なんだかんだで乗客が少ないながら忙しそうでした。

 

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大分県に入って日田を発車すると、久大線玖珠川に沿ったり渡ったりして進んでいきます。

久大本線は2年連続で玖珠川の氾濫により大きな被害を受けました。球磨川が大氾濫して多くの死傷者を出した2020年7月の「令和2年7月豪雨」では、玖珠川下流の三隈川でも氾濫が発生して鉄橋が流される被害が発生しました。最終的に全線で再開できたのは2021年3月のことです。
そして復旧からまもない2021年8月には「令和3年8月の大雨」で線路が変形してしまいました。被害は前年ほどではなかったとはいえ、全線再開にこぎ着けたのは9月17日とつい3週間ほど前のことです。車窓からも各所で護岸や道路の復旧工事が行われている様子が見られました。

大雨による被害が毎年のように過去の規模を上回るようになり、自然の脅威に対する人間の無力さというものを目の当たりにしていますね…

 

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天ヶ瀬を発車して数分後、進行方向右側に大きな滝が。「慈恩の滝」という上段20m、下段10mの2段の滝は玖珠町を代表する観光スポットとなっており、「ゆふいんの森」はよく見えるように徐行して走ります。
寄生虫に苦しんで暴れていた大蛇に旅で訪れた僧侶がお経を読むと苦しみがなくなり、大蛇は恩返しに天に昇って雨を降らせた」という伝説のある場所。

滝は裏側に回って1周することができ、時計回りに進むと特に幸せが大きくなるとか。ただ先述の令和2年7月豪雨の影響で今は通れなくなってしまっており、復旧が待たれます。

 

www.visit-oita.jp

 

 

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慈恩の滝から数分、今度は頂上が真っ平らな形をした山が現れます。その名も「伐株山(きりかぶさん)地殻変動で地面が盛り上がったときに硬さの違う地層が地上に出てくると、柔らかい部分だけ風や雨で風化して崩れていきます。残った硬い部分の頂上が平らになった地形のことを「メサ台地」と呼び、日本ではこの玖珠町だけでみられるのだそうです。
ちなみにメサ mesaとはスペイン語で「机、テーブル」を意味します。

周辺を見渡せることから14世紀頃には要塞が構えられていたとのこと。現在はパラグライダーを楽しめるそうですよ。

 

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ゆふいんの森」の旅も終わりが近づいてきました。11:11に豊後森を発車すると次は終点の由布院です。

豊後森を出てすぐに見えるのは豊後森機関庫の跡地を整備した公園です。久大本線の一大拠点だった豊後森は1970年の無煙化によって蒸気機関車が引退し、翌年にはこの機関庫も廃止。扇形の機関庫は九州で唯一残る貴重な存在です。
終戦直前の1940年8月にはアメリカ軍の機銃掃射を受けており、機関庫の壁にはそのときの跡が残っているのだそうです。

 

kusumachi.jp

 

 

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平日ということもあってか乗客は終始少なく、あさかぜの乗っていた5号車は6~7人程度しか乗っていませんでした。他の号車も5号車ほどではないにせよ似たり寄ったりといった感じで、キハ71系のメンテナンス時期で「ゆふいんの森」が1往復に減っているにもかかわらず寂しい光景です。

博多を出て1時間ぐらいのところでアテンダントさんが回ってきて、日付の入ったボードを持たせて写真を撮ってくれました。同じ号車の一人旅の人たちは恥ずかしがり屋さんなのか辞退している人もいましたが、面の皮が厚いあさかぜは記念写真を撮ってもらいました。

…己の老けっぷりとブサイクさに唖然とします。

 

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11:37、終点の由布院に到着しました。博多から2時間ちょっととあっという間で物足りなく思うぐらいの旅でした。今度はキハ71系ゆふいんの森I世」にも乗る機会が欲しいところです。

 

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「ゆふいん」駅は由布院と書きます。一方、駅のある住所は「由布市湯布院町」で地名と駅名で字が違うのは、元々の湯布院町が1955年に由布院町と湯平町が合併して生まれた町名だったからです。

2005年の「平成の大合併」で湯布院町が周辺の町と合併して由布市となり、駅名は地名と駅名の漢字がとりあえず一致するようになりました。とはいえ行政区分の湯布院町は存続しており、駅周辺の店舗や施設は引き続き「湯布院」を使っているところも多いようです。

 

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駅を出た瞬間に目に入るのは標高1,583mある由布岳の猛々しい姿です。人間の脳は遠くのものを大きく見せる処理が入りますから、由布岳インパクトは写真で見るよりもずっと強くなります。

駅から歩いて10分ほどのところに公共の温泉があることですし、せっかくなので立ち寄り湯をしにいきましょう

 

 

www.visit-oita.jp

 

>>つづく<<