10日前にオリンピックが終わり、2回目のワクチン接種も済ませ、お盆も過ぎた8月18日。今年も去年に続いて特に子供たちには楽しみの薄れた夏休みになってしまったのが残念ですね。
普段なら夏休みを使って海外へ遊びに行く人で混み合うであろう、羽田空港の第3ターミナルはご覧の通り。まるでオープン前の施設のように人影がありませんが、これでも午前11時前の姿です。
とりあえず吉野家は開いていたので、食事を済ませて展望デッキへと向かいます。
JA923A / All Nippon Airways / Boeing 787-9 Dreamliner
展望デッキも夏休みにしてはずいぶん少ない…まぁわざわざ暑いのに外に出てきて飛行機を眺めるのもしんどいですが。
地上係員の見送りを受けて出発していくANAのB787-9。
ANA・日本航空ともにある程度ビジネス利用が見込まれる路線は羽田発着で運航しているようですが、元から貨物需要の高い路線は成田発着へとシフトさせているようです。
JA06XJ / Japan Airlines / Airbus A350-900
7月20日から運航を開始した「みんなのJAL2020ジェット」3号機。当初は去年の春に運航開始となる予定でしたが、オリンピック・パラリンピックの延期を受けて1年以上遅れてようやくデザインをまといました。
当該機のJA06XJは6月に撮影したときにはまだJAL純正カラーだったので、1ヶ月ぐらいの間に特別デザインに変更されていたことになります。最近の特別デザインは塗装ではなくデカールで行うことが多いので、時間を大幅に短縮できるようになりました。
JA06XJ / Japan Airlines / Airbus A350-900
左側には体操・テニス・ゴルフ・カヌー・空手・車いすバスケットボールの選手が描かれています。
JA725A / Japan Coast Guard / Bombardier DHC-8-Q300
オリパラデザインの前に海上保安庁のダッシュ8が離陸していきます。
国内のダッシュ8オペレーターが次々とATRへと鞍替えしていく中で、海保庁は後継にどういった機材を選定していくのでしょう。ここ最近で新規にダッシュ8を入れたのは琉球エアコミューターぐらいになってしまいました。まだこの機体は2011年導入でそんなに古くはないので、まだ当面は先の話だとは思いますが。
JA06XJ / Japan Airlines / Airbus A350-900
JA06XJが離陸。
右側は陸上・柔道・車いすテニスの選手。左右合わせて16人の選手が描かれています。
今回の「みんなのJAL2020ジェット」3号機は2021年11月末までの運航予定なので、運航期間はかなり短めですね。
G-STBG / British Airways / Boeing 777-300ER
成田に張り付いてばかりいたのでブリティッシュを見るのが新鮮です。2020年3月の春ダイヤで羽田に完全移行して以来、コロナ禍にあっても成田に顔を見せることはありませんでした。
ブリティッシュ・エアウェイズはせっかく昔のデザインを復刻させたものの、その復刻カラーも含めて全てのB747-400を退役させてしまいました。もちろん理由はコロナウイルス感染拡大による需要蒸発です。それを撮りたいがために渡英を計画していたのに何もかもめちゃくちゃにされ、コロナウイルスが憎くて憎くて仕方ありません。
JA03XJ / Japan Airlines / Airbus A350-900
JALのA350の3号機にペイントされたロゴは「エコのグリーン」です。最初からエンジンナセルにSDGsのロゴって入ってましたっけ?記憶にありません…
しかしエコロジーは大切だと思いますが、「何が何でもSDGsを守らなきゃいけないんだ!できないのは企業として終わってる!」みたいな風潮はいかがなものかと思いますね。
JA847J / Japan Airlines / Boeing 787-8 Dreamliner
ほとんど国際線用機材と見分けがつかない国内線用のB787…窓の数が国内線の方が若干多いぐらいで、一見しただけではわかりません。
JA73AC / Skymark Airlines / Boeing 737-800
スカイマークが運航する中で最も新しい機体です。今後は機材数を増やそうにもB737NGシリーズは製造が終了しているため、新造機の調達が出来ないのが悩みどころだそう。
ウイングレットのワンポイントマークが左右で違うのはいつものこと、というかこの頃スカイマークはあえて違いを楽しませています。点検などでウイングレットが交換されるたびにマークが違っていくので、今日は何にあたるのかを予想するのもまたスカイマークらしい楽しさです。
D-AIFD / Deutsche Lufthansa AG / Airbus A340-300
需要減退を受け、ルフトハンザのフランクフルト~羽田便にはA340-300が充当されています。オリンピック期間はB747-8I、それ以外の期間はA350-900に縮小という予定でしたが、需要に合わせてさらに小さなA340-300に変更されています。
マニアにとっては願ってもない展開で、もう見られないかもしれないと思っていたA340が定期的に見られるようになるのは幸運です。しかも今日はまだ撮ったことのない(はずの)新塗装。目に焼き付けておきましょう。
13時前になって空港の西側から怪しい雲が流れてきました。遠くの方で雨が降っているのは見えていましたが、ここ第3ターミナルの展望デッキにも大粒の雨が落ちてきます。やがてゲリラ豪雨といえる激しい雨へと変わり、撮影どころではなくなってしまいました。
しばらく待てば上がるでしょうし、せっかくなので撮れない時間を使って行ったことのない撮影ポイントへ移動してみることにします。
第3ターミナルから京急線に乗ってすぐ隣の天空橋駅。駅を出るとすぐにあるのは2020年7月に先行オープンした「HANEDA INNOVATION CITY」です。足湯を備えた展望デッキがあるということで来てみましたが、歩いているうちにまた大雨が…
ZONE Eにあるデッキに来てみたはいいものの、展望デッキには屋根一つなくどこにも雨宿りできるスペースがありません。この雨では撮影機材がダメになってしまいます。
ZONE A~Cはまだ建設中のエリアで、ZONE Dのそばの屋根の下から望遠レンズを駆使すればB滑走路に降りてくる飛行機が撮れそうです。
JA807X / Solaseed Air / Boeing 737-800
B滑走路には主に南側から入ってくる飛行機が到着します。400mm(換算650mm)をめいっぱい使えばなんとか撮れなくはありません。
天気が好転するまでここで粘りましょう。
N515DN / Delta Air Lines / Airbus A350-900
小型機では大したことがありませんが、A350のような大型機だと派手にリバーサーの水しぶきが上がります。かなりの迫力です。
撮影場所の目の前は飛行機の整備エリアになっています。今並んでいるのはP&W社のエンジントラブルを理由に飛行が禁止されているB777ばかり…
日本航空は2021年3月末をもって国内線用のB777は全機退役ということになっているので、乗客を乗せて空に戻ることはもうありません。
2019年のFOP修行やそれ以外の旅行時にお世話になった機体も並んでおり、寂しいというか切ない気持ちになります。
ANAはまだ退役させないようですが、国内線向けにB787の追加導入が決まっていますから、戻ったとしても活躍期間は長くないかもしれません。
JA615A / All Nippon Airways / Boeing 767-300ER
しばらく土砂降りになったりやんだりを繰り返していましたが、西側の空に晴れ間が覗いてきました。やっとゲリラ豪雨を降らせていた雨雲が抜けたようです。
ZONE Eの展望デッキへ再び来てみました。強烈な夏の日差しに照らされて木の床は早くも乾いている部分があります。
せっかく木張りの床に小さいとはいえ足湯があって雰囲気が良いのですから、東屋のように屋根をつければいいのにと思いますが…
デッキからはさらに遠くの駐機場が見えます。わずかに見える黄色い機体はANAのオリパラ特別塗装機「HELLO 2020 JET」。せっかく1年遅れで開催できたというのに、肝心の開催期間中に運航できないのは残念でなりません。
もしかしたらJALの特別塗装機とのコラボもあったかもしれないのに…
N403DX / Delta Air Lines / Airbus A330-900
デルタのA330neoが到着します。滑走路が乾いてきて大型機が降りてきてもリバーサーの水しぶきはほとんど上がらなくなりました。
N403DX / Delta Air Lines / Airbus A330-900
エンジンと主翼が新しくなったとはいえ、やはり独特の前傾姿勢を見るとA330だなという感じがします。
もしANAが一時の計画通りA340を導入していたら、後継機はA330neoになっていたりしたのでしょうか。そんな世界線も見てみたかったですね。
展望デッキからは東京モノレールも見えます。ちょうど1000形のデビュー時復刻カラーが走っていきました。
VT-TSE / Vistara / Boeing 787-9 Dreamliner
本日のメインディッシュ、ビスタラがデリーから到着しました。7月8日に就航したばかりで現状では毎週水曜日の週1便のみ(折り返しは翌木曜日)。しかも初便を除けば第3ターミナルの本館ではなくサテライト棟が本来の発着スポットとなっているようで、ここからでないと撮影できないのです。
このビスタラを目当てに展望デッキには10人ほどの撮影者が集まっていました。
VT-TSE / Vistara / Boeing 787-9 Dreamliner
ビスタラはインドの財閥タタグループとシンガポール航空が共同出資で立ち上げたフルサービスキャリア。デリーを拠点に航空路線網を広げており、エア・インディアの直接的なライバルといえます。2019年から日本航空とのコードシェアも始めているので、直接見たことはなくても便名だけは見たことがあるかもしれません。
JA815A / All Nippon Airways / Boeing 787-8 Dreamliner
予想通りビスタラはサテライト棟に入りました。少なくとも今日のうちはもう撮影できません。
そろそろ都心上空を抜ける経路の運用が始まりますし、JALの「みんなのJAL2020ジェット」3号機も戻って来そうなので再び第3ターミナルに戻りましょう。
展望デッキに戻ってくると東側の空にきれいな虹が出ていました。こんなにくっきりとした虹が都会で見られるなんて思ってもみませんでした。
先ほどのゲリラ豪雨で靴の中までびしょびしょになりましたが、こういう景色を見せられると多少は許せるかなという気がします。多少は。
JA06XJ / Japan Airlines / Airbus A350-900
ただ残念ながら晴れるまでには至らず、せっかくのオリパラ特別塗装は雲の影に沈んでしまいました。まぁ見られただけラッキーと思いましょう。そんなに機会もありませんし。
N25982 / United Airlines / Boeing 787-9 Dreamliner
雲が垂れ込めてきていつまた降り出すかわかりませんし、夕方4時になっていい加減眠くなってきたのでそろそろ帰りましょう。
真新しいユナイテッドの新塗装を収めてから、いつも通りリムジンバスののりばに向かいます。定期券があるので電車に乗った方が安いといえど、座って移動できるリムジンバスの快適さにはかないません…
到着フロアを通り抜けるとき、少し早めに到着したパラリンピックの選手団が見えました。不自由な開催になって残念ではありますが、少しでも日本の雰囲気を感じて楽しんでいってくださいね!