あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

どこかで働く駅員がひたすら旅行記や写真(主に飛行機)をひたすら載せ続けるブログです

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津軽海峡(晩)秋景色 - 1日目(2020年11月21日)

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スピードを落として曲がる感覚で目が覚めました。時刻は午前4時半頃、3度目の休憩場所である「長者原SA」に着いたようです。真っ暗だった車内にうっすらと明かりがついたらバスの外に出られる合図。なんだか職場で大地震に遭う夢を見ていた気がします…バスの揺れのせいでしょうか。

なお2回目の休憩は福島県内の安達太良SAだったようですが、あさかぜは爆睡していたので気が付きませんでした。

 

www.driveplaza.com

 

 

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バスの中がかなり暖かいので、キンキンに冷え切った外の空気を吸うのが気持ちよく感じられます。八戸まで予定では4時間ぐらい残っていますが、この調子ならまだ全然大丈夫そう。

少し離れて奥に止まっているのは「MEX三沢」でしょうか。八戸の到着は「MEX八戸」よりも1時間ほど早いですが、八戸市街地を経由しないのと4列シートのみの設定なので今回の選択肢からは外しました。

 

 

 

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耳栓を装着して再び泥のような眠りに落ち、目が覚める頃にはすでに八戸市内を走行中でした。
定刻より5分ほど早く「八戸中心街」に到着。文字通り八戸市中心市街地で、新幹線の止まる八戸駅より5kmほど離れたところにあります。17世紀頃にあったお城の城下町として栄えたエリアで、最寄りの駅は八戸線本八戸駅

 

www.machi-naka.com

 

 

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中心街から八戸駅まではおよそ10分間隔で路線バスが運行されています。先ほど夜行バスを降りた停留所の1ブロック反対側に停留所があり、歩いて3分ほど。パチンコ店「コンサートホール」の前です。東京都内のパチンコ店は朝10時の開店ですが、青森県では朝8時から開いているんですねぇ…

およそ20分で八戸駅に到着です

 

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在来線の改札のすぐ横にある立ち食いそば屋で朝ご飯としましょう。
八戸は実はラーメンが有名な街だそうで、南部地鶏と煮干しのダシを使った醤油ラーメンのことを「八戸ラーメン」と言うのだそうです。

 

www.livit.jregroup.ne.jp

 

 

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ご当地ラーメンのプライドに賭けてか、ちゃんと(?)立ち食いそば屋にもかかわらずラーメンが用意されているのも特徴的あっさりした味わいなので朝ラーにもうってつけです。

そばよりも出る数は少ないようで、提供までには少し時間がかかります。大した時間ではありませんが、時間に追われてピリピリしているような人は大人しくそばを食べましょう

 

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ようやくここから鉄道の出番です。大湊線に直通するキハ100系の快速「しもきた」がすでにホームで待っていました。

今回目指す友人宅があるのは函館なのですが、せっかくなら普段利用する機会のめったにないルートで行ってみたいもの。というわけで今回は青森県の北端にある大間港から出るフェリーを利用してみたいと思い立ったわけです。
ただしこの大間~函館航路は1日2往復のみ。2社で10往復ぐらい運航されている青森~函館航路に比べると難易度が高く、1カ所でも乗継に失敗するとプランが崩壊してしまいます。高速バスでさえ15分遅れたら青森経由に変更しなければならなかったぐらいです。

 

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八戸駅からおよそ1時間半、快速「しもきた」は定刻通り下北駅に到着しました。とても順調で喜ばしいことです。
なぜか同じタイミングで北海道を目指していた大学の後輩も合流し、一緒に函館まで行くことになりました。わざわざ移動経路を合わせてきたそうで、しばらく前から経路を聞いてきていて変だなと思っていたのです…

下北駅からはまたもや長いバスの旅となります。何せ下北は陸奥湾という青森県のまだ「内側」。港がある大間は津軽海峡に飛び出した北側の先端で直線距離にすれば40kmかそこらですが、要所を経由して回る下北交通のバスでは2時間かかります。

 

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下北交通は2001年まで実は鉄道を運営していました。先ほど出発してきた下北駅から分岐し、津軽海峡に面した大畑駅までの約18kmの大畑線です。
国鉄が赤字路線として手放した大畑線を下北バスが1985年に引き継いだもので、国鉄時代の計画ではまさに今向かっている大間付近まで伸びる「大間線」の一部でした。

鉄道が廃止された現在でも大畑駅の駅舎は健在で、今は下北交通のバス営業所として機能しています。
ここまでの道中でも大畑線の遺構をわずかながら発見できました。

 

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大畑をすぎるとバスは海沿いを走ることが多くなります。右側の車窓には青く輝く津軽海峡を眺め、さらには対岸の北海道まで見渡すことができます。

天気は良好ですが風はそこそこあるようで、海面には白波が踊っています。今まで船酔いというものはしたことがありませんが、そもそも乗船経験が多くないので不安はあります…

 

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下北駅から約2時間、大間港のフェリーターミナルに到着しました。海からの風が吹き付けて寒いこと!

最近に建て直されたらしく、大間のフェリーターミナルはすごくきれいです。14:10に出港する函館ゆきの「大函丸」はすでに港に横付けされていますが、時間が早いのでまだ乗船することは出来ません。ターミナル内のレストランでゆったりとお昼ご飯にしましょう。

 

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ウニクリームパスタを選んでみました。食感はしっかりアルデンテ。良くも悪くもウニの感じはそんなに強くありませんがおいしいです

後輩はサーモン丼とみそ貝焼きがセットになった「海峡日和定食」を食べていました。青森らしいのはそっちだったかな…

 

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出航のおよそ15分前から乗船が始まりました。連休で混み合うことを想定してわざわざ追加料金の必要な「カジュアルシート」という指定席を予約していましたが、定員478人に対して実際に乗船したのは我々を含めて50人もいなさそうです。それならわざわざ狭苦しい指定席にいる理由もないか…

なので後輩のいる「スタンダード」へ移動します。ここは昔ながらの雑魚寝スペースで、座ろうと横になろうと自由です。あいにくコロナウイルスの関係か枕もブランケットも貸し出しはありませんが、上着をかぶって横になればいくらでも眠れます。
防波堤の外に出ると早速船が揺れ始めます。2,000トン足らずのあまり大きくはない船なので仕方がありませんが、中には早くも気分の悪そうな人の姿も…幸いあさかぜはなんともないので、やはり船には酔いづらい体質なのかも知れません。

 

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大間から函館までの所要時間はたったの90分下北半島北部の人からしてみれば県都の青森へ出るよりも函館へ出てきた方が圧倒的に早いわけですね。

夕焼けに輝く函館山が見えてきたらもうまもなくで函館港です。あっという間の船旅でした。

 

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函館港には変わった形の船が停泊していました。「ナッチャンWorld」という名前がついています。

この形は双胴船と呼ばれるもので、普通の形の船よりも高速性に優れます。ナッチャンWorldは双胴船を得意とするオーストラリアのインキャット・タスマニア社が製造し2008年5月に就航させたもので、時速36ノット(約65km/h)という俊足を誇ります。これは津軽海峡フェリー保有する他のフェリーの1.8倍という速さで、3時間40分かかる青森~函館間を1時間45分~2時間15分で結んでいました。

…が、スピードが速すぎることで周辺に波の影響を及ぼして漁師から速度を落とすよう言われ、ウォータージェット推進という燃費の悪い動力で運賃は高騰し、さらにトラックが載せられないというフェリーとしては致命的な欠点がありました。
これらが経営の足かせとなってわずか半年で定期運航から離脱、さらには運航していた東日本フェリーそのものが青函航路から撤退してしまいます。運営を引き継いだ津軽海峡フェリーはイベント船のような扱いで運航していたものの、2013年以降にはそれも終わってしまいました。

ただ足の速さは輸送船としては便利だと思ったようで、防衛省が有事の際に自衛隊が使うための契約を締結、所有者も津軽海峡フェリーから専門の所有会社へと移って一応活躍の場はあるようです。
所有者が変わったとはいえ函館港の津軽海峡フェリーが使う埠頭にいるということは、引き続き津軽海峡フェリーが整備を請け負っているのでしょうか。

 

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定刻通り函館港に入港しました。多少揺れはしたもののいたって快適な船旅でした。鉄道や飛行機にはないゆったり感と広さは船の大きな魅力です。時間さえ許せばどんどん船を旅行の経路に組み込んでいきたいところですが、やはり社畜として生きていると優雅な旅ができないのが残念で仕方ありません

 

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港までは友人がクルマで迎えに来てくれることになっているので、後輩と別れて少し待ちます。フェリーはクルマで乗る人が前提でどうしても市街地から離れがちなので、なかなか自分の足で歩いたりするのは難しいものがあります。

なお津軽海峡フェリー函館ターミナルから函館市街地へは、おおむねフェリーに接続する形で有料シャトルバスが運行されていますので便利です。大きなフェリーではこのように自家用車以外でのアクセス手段も用意されていることが多いので、ぜひ調べた上でフェリーを利用してみてください。

 

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