あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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男3人湯けむり旅行 - 1日目【前編】(2020年9月5日)

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早朝6時半に地元近くの駅ロータリーにてズッキー氏、ですうと氏と合流し、あさかぜのホンダ・フリードに乗り込みます。寝坊常習犯のズッキーは間に合うか心配でしたが、むしろ時間調整で集合場所近くのコンビニでのんびり飲み物を買っていたあさかぜが一番最後に…

外気取り込みヨシ、アルコール消毒液ヨシ、体温管理ヨシ。それでは北関東へ向けて出発です。

土日の混雑を避けるために湾岸線から外環道・東北道圏央道・関越道・上信越道と抜けて行きますが、どこも拍子抜けするほどの空き具合です。途中に休憩を挟んだのに予想より30分も早く信越線横川駅付近に着いてしまいました。
峠の釜めしで有名な「おぎのや 横川店」で朝ご飯です。

 

www.oginoya.co.jp

 

 

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公式ウェブサイトでは10時からの営業となっていましたが、土休日だからか以前と同じく9時から営業していました。といっても早い時間帯なので販売は「峠の釜めし」だけで、そばなどのメニューはまだ提供されていません。
店内のテーブルは使えたので、ゆっくりと座って食べられるのはありがたいことです。

ずっしりとした益子焼の入れ物は「峠の釜めし」の大きな特徴ですね。

 

 

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鶏肉、ゴボウ、椎茸などのヘルシーな具材と味の染みたご飯がおいしい。以前職場の仲間と出かけたときに食べた「峠の牛めし」はいまひとつでしたが、オーソドックスな釜めしは安定して美味。
添えられた漬物もほどよい塩気でさっぱりすっきりさせてくれます。

キャンプやバーベキューが控えているなら釜を持って帰ってもいいのですが、今日はホテルでディナーバイキングなので器は回収ボックスへ。

 

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軽井沢へ抜ける最速ルートは国道18号線碓氷バイパスですが、せっかく来ているのですからあえての旧道経由で峠を登っていきます。しかしクネクネした旧道は運動性能が皆無なミニバンで走るような道ではありませんね…大人3人が乗っているということを差し引いても、あまりに踏ん張りが効きません。以前バイクで走ったときはここまで難儀するとは思ってもみませんでした。これではドライバーは良くても同乗者が酔いそう…

「おぎのや」から15分ほどで碓氷湖のほとりに到着します。

 

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いい天気です。駐車場にクルマは数えるほどしかおらず、おじいちゃんおばあちゃんが東屋で井戸端会議をしているだけ。

碓氷湖は坂本ダムによってせき止められた、周囲1.2kmの遊歩道で1周してこられる小さな人造湖です。ピクニックにはもってこいですね。春先は新緑、秋になれば紅葉が美しく湖面に反射するそうで、シーズンになれば混み合いそうです。
午前10時前ですがそれなりに暑いので、軽いお散歩程度にとどめておきましょうか…

湖の奥に見えるのは遊歩道の反対側です。橋の形はこの先にある碓氷第三橋梁をモチーフにしています。

 

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坂本ダム堤体です。1957年に元々は砂防ダムとして作られたもので、竣工時の堤高は28.5m。
その後1979年と1994年に合わせておよそ8mのかさ上げを行って現在の姿になりました。1994年の再開発の際に天端のデザインが明治時代の鉄橋風に仕上げられていて、湖の側から見ると川を渡る鉄橋のように見えるのが特徴です。

 

damnet.or.jp

 

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遊歩道を降りていくとダムを下流側から見ることができます。
水門を備える大がかりなダムではなく砂防ダムの構造をそのまま流用した自然越流型。不特定利水に特化したタイプの珍しいダムだそうです。

 

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ダムの堤体が最もきれいに見える場所にはダムカードを模した撮影用パネルが立っていました。ここからダムカードっぽく写真を撮れます。
今は人が集まることを避けるというのを名目にダムカードの配布はしていないそうですから、今はこれで代用とします。早く気兼ねなく出かけられるようになってほしいものですね。

 

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再び右へ左へ峠道を登って「めがね橋」こと碓氷第三橋梁に到達します。駐車場は徒歩5分ほど峠を登ったところにあるのでクルマはそこに置きましょう。見通しの悪いカーブですから路上駐車をすることのないように

 

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1893年に竣工した信越本線の碓氷第三橋梁。完成早々に強度不足が指摘されたため翌年から補強が施されており、橋脚の部分が杭のようなものでゴツゴツしているのはその補強のあとなのでしょうか。

横川~軽井沢間ではレールの間に3枚の波板を並べて、車両側の歯車をかみ合わせる「アプト式」と呼ばれる方式で碓氷峠の急勾配に挑んでいました。現在の日本では大井川鐵道井川線の一部区間で見ることができます。

 

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鉄橋をくぐるとすぐ左側に細くて急な階段があり、えっちらおっちら橋の上に上がることができます。日頃運動不足の3人はぜえぜえいいながら階段を上ります。今日が非番じゃなくて良かった…

ちなみに鉄橋とは「鉄道橋」のことなので、材質がレンガであろうとコンクリであろうと鉄橋と呼びます

 

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横川駅付近からこの碓氷第三橋梁を経由し、この先にある熊ノ平駅までの5.9kmは「アプトの道」という遊歩道になっています。横川駅からは4.5kmほどあり、しかもそこそこの上り坂をずっと歩いてくるのでそれなりに体力が必要です。

もちろん当時使われていたトンネルを通り抜けてくるのですが、夕方6時を回ると消灯されて文字通り真っ暗になってしまうそうですので明るいうちに出かけましょう。

 

www.city.annaka.lg.jp

 

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橋の上から北側、より山深い方向を見るとコンクリート造りの鉄橋が見えます。よく見るとその奥にも同じ橋が。
これは1963年に開業した「新線」と呼ばれる方の線路で、峠越えを新幹線に譲り渡すまでの34年間使われていました。アプト式から通常と同じくレールと車輪の摩擦力だけで上り下りする「粘着式」へと変更されています。
ただし66.7‰(パーミル)という国鉄の最大値の倍ぐらいになる急な坂道ですから、電気機関車は専用のものが用意されていましたし、通り抜ける車両も電気機関車に押し引きされるためにこの区間専用の対策が施されていました。

1997年に山の中をトンネルでぶち抜く形で北陸新幹線が長野まで開業し、手間がかかる割にローカル輸送が望めない信越本線横川~軽井沢間は廃止されました。

 

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トンネルからはひんやりした風が吹き出しています。不慣れな運動をして暑くなった体に冷たい空気が気持ちいい…!写真ではほとんどわかりませんが橋もトンネルの中もかなりの急勾配です。この坂道を横川からずっと上がってくるのはだいぶ体力に余裕がないと無理そうです。
かくいう我々もこの上に待ち構えている熊ノ平までの1.2kmでさえ歩いて登るのはイヤなので、トンネルで涼んでからもと来た道をクルマへ戻ります。

碓氷峠を越える中山道は江戸から信濃北陸地方を結ぶ重要な街道でした。明治に入ってもその重要性は変わらず、わざわざ特別なやり方を用意してまで峠越えに挑んでいたのです。現在は新幹線に役割を譲りましたが、北陸新幹線は東京から長野・富山・石川を結ぶ最短ルートとして重要な役割を担っています。

 

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足回りの脆弱なミニバンで碓氷峠をやっとの思いで登り切り、混み合う軽井沢市内を抜けて国道146号線、さらに途中から有料道路「鬼押ハイウェイ」を通って群馬県へと北上します。
草津白根山の方へ抜けていくのはこのルートが最速なのですが、この「浅間白根山ルート」はなかなか強気の通行料金…小分けに料金が取られるのでなおさらそう感じるのですが、南端の「峰の茶屋」から北端の「万座」までの全線を通ると1,720円かかります。西武グループの私道なので仕方がないですけどね。

途中の「鬼押出し園」で小休止です。山間に入ってきたのでちょっと涼しくなりました。

 

浅間白根火山ルート - プリンスホテル
https://www.princehotels.co.jp/amuse/asama-shirane/

 

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鬼押出し園」浅間山の噴火で吹き飛んできた石が作り出したゴツゴツとした独特の景観が特徴なのだそうです。鬼押出し園のすぐ隣には西武グループに対抗して東急グループが作った「浅間火山博物館」「鬼押出し 浅間園」などの施設もあります。眺める石ころは同じ物ですが、現在も両者で集客争いをしているようです。共通入場券のようなものは当然ありません。

あいにく我々はここでのんびりと堆積物の形を楽しむほどは時間の余裕がないので、トイレ休憩と空気の入れ換えをして再び走り出します。

 

鬼押出し園 - プリンスホテル
https://www.princehotels.co.jp/amuse/onioshidashi/

 

【後編へつづく】