2021年3月に控えたダイヤ改正で、かねてから噂のあった夜行快速「ムーンライトながら」の廃止が正式に発表されました。2020年3月の運転を最後に夏も冬も運転がありませんでしたから、事実上の廃止だったのを改めて発表した感じでしょうか。
さよなら「ムーンライトながら」。廃止を正式発表。25年の歴史に幕 - タビリス
2009年春のダイヤ改正で毎日運転の定期列車から繁忙期だけの臨時列車へと格下げされ、その運転日も年々少なくなっていましたから、「近いうちになくなりそう」というのはいつも言われていた気がします。そんな中で何とか令和まで生き残ったのは大したことですねぇ…
ちょうど185系も置き換えの時期を迎えていたので、正式に廃止するには良いタイミングだったのでしょう。
初めては2006年3月、中学校の卒業旅行を兼ねて鉄道趣味友達3人と出かけたときでした。当時は373系9両編成の定期列車で、小田原から後ろ6両が自由席になる時代。春休みシーズンとなれば当然超満員で、体力の限界が来た朝方には気がついたら床で眠っていたことを思い出します。
あの当時は「ムーンライトながら」を降りた後でも撮影だ乗り鉄だをできていましたから、若さのなせる業だったのでしょうね。まぁ先日友人が引っ張り出して見せてくれた当時の写真ではあさかぜの顔からは感情がすっかり抜け落ちていたので、かなり疲れていたようではありますが…
高校時代にも1回乗った記憶はありますが、これはほとんど覚えていません。
2009年からの大学時代には、すでに「ムーンライトながら」は臨時列車へと格下げされていました。繁忙期のみ183・189系の10両編成で運転されており、しかも日によって車両設備に差が出る組み合わせ。ガタガタして古臭い簡易リクライニングシートではない、ちゃんとしたフリーストップのリクライニングシートに確実に座りたければ10号車を指定する、というのが定石でしたね。
2回か3回乗った記憶がありますが、やはり体力的に猛烈にしんどい…「ムーンライトながら」を降りた時にはスッキリ!という記憶は全くありませんから。
車内の電気が消えないのが何よりつらい。一度目が覚めてしまうと明るさのせいでなかなか寝付けないんですよね。リクライニングだって大してしませんから首も腰も痛い。
旅行にお金をかけられない当時は重宝した存在でしたが、もう少し頑張ればインターネットカフェに宿泊できるし、夜行ツアーバスの隆盛もありましたし、だいぶお高くはなりますが3列シートで深くリクライニングして電気も消える夜行高速バスというものもあります。
<高速バスの快適性は年々向上している。平らにならなくても条件を整えればとても快適に眠れる>
そういう経験もあって、社会人になって経済的に余裕ができると快適な移動手段へカネを投じることに抵抗がなくなってきます。時間に余裕がないことの裏返しでもありましたが、新幹線だとか飛行機だとかがメインとなって「ムーンライトながら」には一度も乗りませんでした。185系になって簡易リクライニングシートから解放されたはずですから、10年前よりは快適になっていたのでしょうかね。
わかっていても上位の快適さを味わってしまうと、やはりなかなか元の世界には戻ってこられないものです。あの当時ほど若くもありませんしね…
時代の流れとともに去りゆく「ムーンライトながら」。
長きにわたってお疲れさまでした。