あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

どこかで働く駅員がひたすら旅行記や写真(主に飛行機)をひたすら載せ続けるブログです

↓活動拠点のホームページはこちら↓
https://cyberperorist.web.fc2.com/

倒産エアライン反撃となるか - ジェットエアウェイズ

新型コロナウイルスのワクチンがいよいよ接種が始まりつつあり、全世界的に制限されていた「移動の自由」が再開できそうな兆しが見えてきました。海外はおろか国内でさえ「出かけるのはちょっと…」という風潮になっている今、有効なワクチンは喉から手が出るほど欲しい状況です。

まぁ正直言って、マスクをした上で一人で旅行に出かける分には全く問題ないと思うんですけどね…移動中でも食事中でも話す相手なんていないのですから、粛々と景色を眺めてご飯や酒を飲み込むだけ。お金は払うけども感染拡大はさせないのですから、「単騎遠征」(明治時代の先人たちは一人旅のことをこう言ったそうです)ぐらいは大目に見て欲しいものです。
騒ぎ立てて不安をあおるワイドショーの見すぎなのか、野党政治家のパフォーマンスに影響されているのか、必要以上の過剰な「自省」「自粛」を日本人は求めすぎているとつくづく感じます。


ワクチンの実用化が見えてきたからなのか、やっていけなくなった航空会社がここへ来て反撃ののろしを上げようとしています。

まずはインドの「ジェットエアウェイズ(9W/JAI)」。ここはコロナウイルスとは全く関係なしに2019年4月に経営不振で運航を停止しました。
定時率やサービスの良さで国営のエアインディアを追い抜いて一時はインド最大の航空会社まで成長し、ヨーロッパ路線も運航するなどイケイケなエアラインでした。日本への乗り入れはありませんでしたが、ANAコードシェアを行っていました

IMGP3694.jpg
<2016年10月にロンドン・ヒースローで撮影したジェットエアウェイズ。当時は人気のエアラインだった様子>

ところがインド国内には強力なライバルが現れ、急成長します。2005年にスパイス・ジェットやインディゴといったLCCが設立され、さらにマレーシア拠点のLCCエアアジアエアアジア・インディアを作って2013年に殴り込んできます。
フルサービスキャリアも2015年にインドの財閥タタ・グループがビスタラを立ち上げるなど、11億人の市場を巡って激しい競争に入ってきました。国際線は元から競争の激しい分野ですし、
特に清潔さと定時性で人気を博したインディゴの成長は著しく、2017年にはインド国内線のシェア40%を握ってトップに躍り出ます

_DSC3139.jpg
<インド最強の航空会社となったインディゴ。設立から10年ちょっとで保有機数は200機以上>

競争から押し出され、だんだんとジェットエアウェイズの経営は悪化していったようです。エア・インディアと違って国がお金を出してくれるわけでもなく、民間企業ゆえ自分で何とかしなければなりません。
アブダビエティハド航空の支援も受けましたが改善できず、空港使用料、航空機燃料費、航空機リース料など様々な未払いがあって飛行機も差し押さえられ、末期にはBoeing737が数機しか飛べる状態になかったと言われています。
TripAdvisorのレビューを見ていると2018年春頃から急速に評価が悪化しており、おそらくそのころには目に見えて厳しい経営状態だったのではないでしょうか。
支援を検討していたインドの銀行団も「支援した資金が取り戻せる保証がない」として拒否し、2019年4月19日を最後にジェットエアウェイズは全面的に運航を停止して6月には破産手続きに入りました。

_DSC4869.jpg
<2019年1月のジェットエアウェイズの姿。まさか3ヶ月後に運航停止になるとは当時想像もしなかった>

ところが。
もう歴史から消えたものと思っていましたが、2020年になって資金を提供しようとする人たちが現れます。イギリスの「カルロック・キャピタル」なる金融サービス業とUAEの実業家が手を組み、運転資金と債権者対応で計280億円を出資するというのです。このカルロック・キャピタルが何者なのかはよくわからなかったのですが、ともあれいつ脱するかわからない世界的な航空不況の中で、つぶれた航空会社によくお金を出そうと思ったものです…

早ければ来年2021年夏から運航を目指すようで、今後は機材の調達を進めていくのでしょう。破産した際に元々の保有機材はインド国内の航空会社が引き取っているので、ジェットエアウェイズには残っていないはずですから。
幸いにして、といっていいのかわかりませんが、このコロナ禍で世界中の航空会社が保有機材削減をしたり、経営破綻をしたりして中古機はあふれていますから、機材の調達そのものは案外簡単かもしれませんね。それでも国内にはインディゴという勝者がおり、国際線は元から競争が激しい世界ですから、どれほどの勝算をもって殴り込みをかけるのやら…

次回は同じく経営破綻から復活しようとする、ヴァージンオーストラリアに触れてみようと思います。