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久しぶりに都電荒川線に乗りに来ました。2017年から「東京さくらトラム」なる愛称がつけられ、かわいらしいんだかダサいんだかよくわからなくなってしまいました。
ともあれ、都内では数少ない路面電車の雰囲気を味わって鬼子母神前で下車します。
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ケヤキの並木道を鬼子母神へと向かって歩きます。人もクルマもほとんど通らないのでとても静か。
ここに植わっているケヤキは古いものだと樹齢400年になるのだとか。建物は変われど、江戸時代からこうした雰囲気だったのですね。
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都電の停留所から歩いて10分足らずで鬼子母神に到着です。
ちなみに都電の停留所名は「きしぼじん前」ですが、正しくは「きしもじん」と読むそうです。「神」という字が入るので神社だと思いこんでいましたが、ここはお寺。本堂は近くの法明寺で、この鬼子母神堂はその飛び地なのだそう。どうりで入り口に鳥居がなかったわけです。
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境内に入ってすぐ左側の巨木は樹齢700年と言われるイチョウの木。東京都の天然記念物に指定されています。幹の周りは11mもあるのだそうです。
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荘厳な鬼子母神堂は1664年に4代将軍徳川家綱の頃に建立されたもので、1970年代後半に江戸時代の姿へ復元されて現在に至っています。2016年には国の重要文化財に指定されました。
安産と子育ての神様としては水天宮が知られていますが、鬼子母神も同じく安産と子育ての神様として信仰を集めています。「お寺なのに神様とは?」という感じですが、それには理由が。
鬼子母神はもともとインドのヒンドゥー教の神様。500人とも1,000人とも言われる子沢山のお母さんで、そんな大勢の子供を育てる栄養をつけるために、人間の子供をさらって食べていたという恐ろしい存在でした。
ここで仏教の登場です。釈迦はそんな姿を見かねて、恐ろしい母ちゃんが最も愛していた末っ子をどこかに隠してしまいました。母親は半狂乱になって世界中を探すもののどこにも見当たりません。
「千人のうち一人の子供を失ってもこうなるというのに、たった一人の子供を食べられてしまった両親の悲しみはどれほどのものか」
と戒め、自分の暴虐な行いに気づいたトンデモ母ちゃんは釈迦へと帰依し、安産と子育ての神になることを誓いました。
…というお話です。
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由来を知ったところで、安産と子育ての御守をそれぞれ授かります。
神だの仏だの入り混じっている仏教ですが、宗教というより人の生きる「道(どう)」を説くものだと思えば不思議はありません。いい意味で2つがごっちゃになった神仏習合に慣れている日本人からすればなおさらです。
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池袋まで歩いて20分の距離だというのに、あの喧騒からは想像がつかないほど静かな鬼子母神。都会の中のちょっとした癒やしスポットとして訪れてみてはいかがでしょうか。
ところで、「いよいよコイツも結婚したのか」と誤解をされた方はまさかいないですよね?
職場の先輩のところがもうすぐ出産間近なのと、中学の同級生に子供が産まれたので、こうして仕事帰りにリフレッシュがてら足を伸ばして鬼子母神までやってきたのです。
引き続きあさかぜには交際相手さえいない非リア充街道まっしぐらなので、その手の方々はご安心ください。両親も祖母もそろそろうるさくなってきて勘弁蒙りたいところなんですけどね…
幸せそうなカップルが参拝に来られたようなので、あさかぜは邪魔にならないように退散します。