2019年10月末の発表で、docomoが提供している3G回線「FOMA」が2026年3月末を持ってサービス終了となることが明らかにされました。今は4GLTE回線の全盛期、来年になればさらに次の世代である5Gのサービスも始まろうかという世の中ですから、もはや3G回線は時代遅れのシロモノなのでしょう。
実際FOMAの通信速度は最大でも14Mbps(秒間およそ1.8MB)、現在主流のXiは37.5Mbps〜225Mbps(秒間およそ4.5〜25MB)まで対応可能ですから、現時点でもはっきりと遅さはわかるぐらい。ちなみに2020年から商用サービス開始の5Gの通信速度は、あくまで実験段階ですが20Gbps(秒間2.5GB=2,500MB)を超えたとしています。FOMAの通信速度に比べたらおよそ1,400倍にまで高速化するわけです。なんかもうよくわからない話ですね。
話が脱線しますが、bpsという表現だけではわかりづらいですよねぇ。馴染み深いバイト表示の併記ということはできないのでしょうか…
1ビット(1bit)が8つ集まると1バイト(8bit=1byte)、それが1,000倍で1KB(キロバイト)、さらに1,000倍で1MB(Mバイト)、その1,000倍で1GB(ギガバイト)、さらにその1,000倍で1TB(テラバイト)となっていきます。GBまで来ると馴染みが出てくるのではないでしょうか。
よくある「通信上限を超えると128kbpsに速度制限」というのは、1秒あたり16KBの通信しかできないということ。画像1枚300KBだとしたら、表示するのに20秒近くを要する計算です。そうやって言われるととんでもなく遅いというのがわかるでしょう。動画なんかろくに見ることもできません。そりゃみんな追加料金を払って通信容量を買うわけです。
ともあれ通信回線の技術の進歩と、それを処理する端末側の技術の進歩もあって、無線通信は15年前と別世界が広がるようになりました。今どきそんな遅いFOMA回線をわざわざ使う理由も見当たりませんし、あと6年ちょっとでサービス終了となるのも納得です。
ところが今もなお遅いことを承知の上でFOMA回線をわざわざ使い続けるユーザーも少なからずいるわけです。
私のような。
今のところ携帯端末は2台持ちをしていますが、その方が実は維持費が安くなっているのです。
一時期docomoに「カケホーダイ」を半ば強要されて毎月9,000円以上を払っていた頃、あまりに電話を使う機会がなくてウンザリしていました。かといって、もし万が一のことを考えると電話回線までそっくり「格安SIM」ことMVNOに乗り換えてしまうには不安が残ります。ならばと採った策がdocomoガラケーとMVNOスマホの2台持ちというわけです。
docomoのFOMAガラケーは最も安い端末を最も安いプランで契約。無料通話分なし、データ通信最低限、留守電のみオプションで契約しています。端末の分割金を払い終わった現在の請求はおおよそ月2,000円ほど。
もう1つはDMM mobileのデータ通信SIMを契約。現在は月7GBでおおよそ月2,100円。端末は海外で使えるようにSIMフリーのものを自分で購入しています。考えようによっては端末の購入にお金がかかっている、と言えなくもありませんが。
ともあれ、電話+データ通信を合わせて月の請求は4,100円程度になっていますから、docomoで単純にスマートフォンを契約していた頃の半額以下です。年間で6万円もの違いになるわけで、バカにできる金額ではありません。
だがしかし、冒頭の通りFOMAサービスの終了が宣言されてしまいました。停波に向けて基地局も順次縮小していくそうですから、何年かしたら田舎に行くと満足に電話がつながらない、という事態に至る可能性も否定はできません。あと2年程度でdocomoにスマートフォンをまるごと戻る必要が出てきそうな雰囲気です。
ここ最近になって、総務省の意向で既存の大手通信事業者3社も料金の値下げを余儀なくされています。試しにdocomoで試算してみましたが、一番安いプランでも現状より月1,000円以上は高くなってしまいます。あくまでデータ通信容量も最小の1GBとして計算していますから、docomoで通信容量を増やしたらさほど以前と変わらない状況になってしまいそうな感じ。
落としどころとしてはdocomoで通話+データ通信最低容量を契約し、MVNOでデータ通信のみを契約するデュアルSIMにするといったところでしょうか。最近のスマートフォン端末は多くが2枚のSIMカードをさせるデュアルSIMに対応しているので、片方を通話用、片方をデータ通信用として使用できるようになりました。現状より2,000円程度は月の負担が増えるものの、docomo回線を残したいという贅沢を叶えるにはこれがベターな選択肢なのかもしれませんね。